75 / 78
74話 父さんに届いた手紙
しおりを挟む
「海ですか!?」
「ああ、少し前に連絡は来ていたんだ。ただ、その時点ではまだ、緊急ではないと判断されていて、何かあれば手伝ってほしいとは言われていた。が、それが、行方不明者と死者が増えてしまってな。さすがにこれはまずいということで、領主が指示をだしたらしい」
昨日の夜、話しがあると父さんに言われていたけれど。なんだかんだと時間が遅くなってしまい、次の日の朝に話しを聞く事に。そしてその話しの内容は、海に行く、という内容だった。
詳しく話しを聞くと。この世界にも海はあって。俺達が住んでいる森から10日ほど行った所に、海の街として知られるプラチオンという大きな街があるらしい。
そしてその街には、昔父さんとパーティーを組んでいた、魔法が得意のサイラスという方が住んでいて。時々手紙が来ていたそうだ。
そして半年ほど前、俺がこの世界に来る前に、街で奇妙なことが起こっている、という内容の手紙が届いた。
その内容は、いつの間にか隣にいたはずの船が消えていた。突然何の前触れもなく、海の魔獣の存在も確認できないのに船が破壊され、乗っていた人々が死亡してしまった。それが沖でも、街の近くでも起こったと。
また船ばかりではなく、海辺で作業をしていた人々が忽然と姿を消す。今まで隣にいたのに、ほんの数分目を離した隙に、気づくと沖で溺れていて、助けを求めていた。
など、他にもいろいろと、不思議な事件が起こり、調査はされているが、何も分からなかったらしい。
もちろん助かった人々に話しを聞いた。しかし皆が、自分の身に何が起こったのか、全く分かっておらず。気づいたらそういう状況に落ちいていたと。
海の街だからな。海に関する事故は、自分では大丈夫だと思っていても、思わぬ事故にあい、命を落とすことはある。今回起きたことの中にも、一応説明できるものもいくつかあったそうだ。
それにこういう事件が起きるのは、1ヶ月に2回程ほどで。こういう不思議な事件も起こることもあるのか? と。最初の頃は、原因不明として調査を終了していたらしい。
が、ここにきて、行方不明者と死者が、普段の3倍に膨れ上がった。そのため、さすがに何かが起こっているはずだと、領主が冒険者や騎士達に、本格的に調査するよう指示を出した。
なにしろ街は海と共にあり、海関係の物で街は成り立っている。もしも海で問題が起きれば、国内だけではなく、国との取引にも支障が生じ、街の存続にも関わってくる。だから領主自ら指揮をとり、問題を解決しよとしたんだ。
しかしここ2ヶ月ほど、調査しても何も分からず、海の魔獣と契約している人が多いため、その魔獣達にも、海の中を調べてもらったのだが、それでも何も分からず。
そんな状態なのに、まさかのタイダルバイトという、後で図鑑で調べたけれど。イルカと同じくらいの大きさで、大きな顎を持ち、塩の流れを操る魚が大量発生。
また狼に似ているのだが、まさかの海の中に住んでいる、ウェイヴウルフという魔獣が。そのタイダルバイトを追って港まで入ってきてしまい、調査が難航していると。
今はなんとか、その2匹の魔達を、港から追い出す事を優先にして動いているらしい。が、2匹とも強い魔獣のため、追い出し作業は上手くいっておらず、父さんに手伝ってくれないか、という手紙が昨日届いたんだ。
「かなり大変みたいでな。怪我人もたくさん出ているらしい。そのせいで回復が間に合っていないと。そんな中、奇妙な出来事も続いていて。どうにもならないと」
「そんな事が」
「でだな、俺はもちろん、奴を手伝いに行くつもりなんだが。お前達をどうするかと。お前記憶がまだ戻っていないだろう? ようやくここでの暮らしにも慣れてきたところだろうし。今は他の何かはしない方が良いかと思ってな。まぁ、この前のワイバーンは別としてだ」
『向こうに着いたら、バタバタするのは分かっているからな』
「もちろん俺がしっかりと、お前の面倒を見てくれる奴を呼んでやる。危険な森に、お前達だけにしたりしない。ただ、それもな。慣れない相手とになると、お前達も気を使うかと。で、他にもいろいろ考えたんだが、答えが出なくてな。もうここは、お前に決めてもらった方が良いだろうってことで、まとまったんだ」
「街にはどれくらい行く予定?」
「そうだな、確実な日数は分からんが、おそらく長くかかると思う」
「そう。じゃあ俺も行くよ」
俺の答えは決まっていた。行くに決まっている。こんな時になんだけど、海が見たいって事もあったし。それに俺の力で何かできるかもしれないだろう? ここで知らない人と暮らすなんてな、みんなだって知らない人じゃ落ち着かないだろう。
「良いのか? いつもだったら平和な海で楽しめる場所だが、今は危険ばかりの場所だぞ?」
「ここにいても危険なのは変わりないし、それなら家族みんなでいた方が良いだろう? 俺の扇風機魔法で、何か手伝えるかもしれないし。みんなも知らない人といるより、みんなでいた方が良いに決まってるよ」
「そうか、分かった。じゃあ全員で行こう!」
『ほらな、言った通りだろう。リョウはそう言うって』
何かと思ったら、タイラーは俺が一緒に行くと言うに決まっている、と父さんに言っていたらしい。しかも理由もバッチリ当てていた。
「それじゃあ、いろいろと準備するのに少し時間がかかるから、3日後に出発するぞ。明日は街へ必要な物を買いに行く」
「分かった!!」
こうして俺はこの世界に来て初めて、海の街へ行く事になった。
「ああ、少し前に連絡は来ていたんだ。ただ、その時点ではまだ、緊急ではないと判断されていて、何かあれば手伝ってほしいとは言われていた。が、それが、行方不明者と死者が増えてしまってな。さすがにこれはまずいということで、領主が指示をだしたらしい」
昨日の夜、話しがあると父さんに言われていたけれど。なんだかんだと時間が遅くなってしまい、次の日の朝に話しを聞く事に。そしてその話しの内容は、海に行く、という内容だった。
詳しく話しを聞くと。この世界にも海はあって。俺達が住んでいる森から10日ほど行った所に、海の街として知られるプラチオンという大きな街があるらしい。
そしてその街には、昔父さんとパーティーを組んでいた、魔法が得意のサイラスという方が住んでいて。時々手紙が来ていたそうだ。
そして半年ほど前、俺がこの世界に来る前に、街で奇妙なことが起こっている、という内容の手紙が届いた。
その内容は、いつの間にか隣にいたはずの船が消えていた。突然何の前触れもなく、海の魔獣の存在も確認できないのに船が破壊され、乗っていた人々が死亡してしまった。それが沖でも、街の近くでも起こったと。
また船ばかりではなく、海辺で作業をしていた人々が忽然と姿を消す。今まで隣にいたのに、ほんの数分目を離した隙に、気づくと沖で溺れていて、助けを求めていた。
など、他にもいろいろと、不思議な事件が起こり、調査はされているが、何も分からなかったらしい。
もちろん助かった人々に話しを聞いた。しかし皆が、自分の身に何が起こったのか、全く分かっておらず。気づいたらそういう状況に落ちいていたと。
海の街だからな。海に関する事故は、自分では大丈夫だと思っていても、思わぬ事故にあい、命を落とすことはある。今回起きたことの中にも、一応説明できるものもいくつかあったそうだ。
それにこういう事件が起きるのは、1ヶ月に2回程ほどで。こういう不思議な事件も起こることもあるのか? と。最初の頃は、原因不明として調査を終了していたらしい。
が、ここにきて、行方不明者と死者が、普段の3倍に膨れ上がった。そのため、さすがに何かが起こっているはずだと、領主が冒険者や騎士達に、本格的に調査するよう指示を出した。
なにしろ街は海と共にあり、海関係の物で街は成り立っている。もしも海で問題が起きれば、国内だけではなく、国との取引にも支障が生じ、街の存続にも関わってくる。だから領主自ら指揮をとり、問題を解決しよとしたんだ。
しかしここ2ヶ月ほど、調査しても何も分からず、海の魔獣と契約している人が多いため、その魔獣達にも、海の中を調べてもらったのだが、それでも何も分からず。
そんな状態なのに、まさかのタイダルバイトという、後で図鑑で調べたけれど。イルカと同じくらいの大きさで、大きな顎を持ち、塩の流れを操る魚が大量発生。
また狼に似ているのだが、まさかの海の中に住んでいる、ウェイヴウルフという魔獣が。そのタイダルバイトを追って港まで入ってきてしまい、調査が難航していると。
今はなんとか、その2匹の魔達を、港から追い出す事を優先にして動いているらしい。が、2匹とも強い魔獣のため、追い出し作業は上手くいっておらず、父さんに手伝ってくれないか、という手紙が昨日届いたんだ。
「かなり大変みたいでな。怪我人もたくさん出ているらしい。そのせいで回復が間に合っていないと。そんな中、奇妙な出来事も続いていて。どうにもならないと」
「そんな事が」
「でだな、俺はもちろん、奴を手伝いに行くつもりなんだが。お前達をどうするかと。お前記憶がまだ戻っていないだろう? ようやくここでの暮らしにも慣れてきたところだろうし。今は他の何かはしない方が良いかと思ってな。まぁ、この前のワイバーンは別としてだ」
『向こうに着いたら、バタバタするのは分かっているからな』
「もちろん俺がしっかりと、お前の面倒を見てくれる奴を呼んでやる。危険な森に、お前達だけにしたりしない。ただ、それもな。慣れない相手とになると、お前達も気を使うかと。で、他にもいろいろ考えたんだが、答えが出なくてな。もうここは、お前に決めてもらった方が良いだろうってことで、まとまったんだ」
「街にはどれくらい行く予定?」
「そうだな、確実な日数は分からんが、おそらく長くかかると思う」
「そう。じゃあ俺も行くよ」
俺の答えは決まっていた。行くに決まっている。こんな時になんだけど、海が見たいって事もあったし。それに俺の力で何かできるかもしれないだろう? ここで知らない人と暮らすなんてな、みんなだって知らない人じゃ落ち着かないだろう。
「良いのか? いつもだったら平和な海で楽しめる場所だが、今は危険ばかりの場所だぞ?」
「ここにいても危険なのは変わりないし、それなら家族みんなでいた方が良いだろう? 俺の扇風機魔法で、何か手伝えるかもしれないし。みんなも知らない人といるより、みんなでいた方が良いに決まってるよ」
「そうか、分かった。じゃあ全員で行こう!」
『ほらな、言った通りだろう。リョウはそう言うって』
何かと思ったら、タイラーは俺が一緒に行くと言うに決まっている、と父さんに言っていたらしい。しかも理由もバッチリ当てていた。
「それじゃあ、いろいろと準備するのに少し時間がかかるから、3日後に出発するぞ。明日は街へ必要な物を買いに行く」
「分かった!!」
こうして俺はこの世界に来て初めて、海の街へ行く事になった。
23
あなたにおすすめの小説
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
最凶と呼ばれる音声使いに転生したけど、戦いとか面倒だから厨房馬車(キッチンカー)で生計をたてます
わたなべ ゆたか
ファンタジー
高校一年の音無厚使は、夏休みに叔父の手伝いでキッチンカーのバイトをしていた。バイトで隠岐へと渡る途中、同級生の板林精香と出会う。隠岐まで同じ船に乗り合わせた二人だったが、突然に船が沈没し、暗い海の底へと沈んでしまう。
一七年後。異世界への転生を果たした厚使は、クラネス・カーターという名の青年として生きていた。《音声使い》の《力》を得ていたが、危険な仕事から遠ざかるように、ラオンという国で隊商を率いていた。自身も厨房馬車(キッチンカー)で屋台染みた商売をしていたが、とある村でアリオナという少女と出会う。クラネスは家族から蔑まれていたアリオナが、妙に気になってしまい――。異世界転生チート物、ボーイミーツガール風味でお届けします。よろしくお願い致します!
大賞が終わるまでは、後書きなしでアップします。
魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。
それは、最強の魔道具だった。
魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく!
すべては、憧れのスローライフのために!
エブリスタにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる