3 / 25
◇三話◇
しおりを挟む
――いつからオデットを好きになったのだろうと聞かれると、正確にはわからない。
ただいつのまにか、純粋な好意をむけてくれる彼女を愛らしく想うようになった。
一緒に仕事をする同僚、一緒に賊の討伐任務などにゆくこともある。
オデットとは息があう、同じ戦いで一緒になれば、背中をあずけて戦うことができる。
そういう存在だった。
いもうとのような存在から、頼りになる戦友へ、そしていつからか、女性としての彼女を愛おしく思っていた。
ちょうどそんなころだ、アンネリースの本性に遭遇したのは。
「ランヴァルド様? まさかあなた、わたくしのかわいい妹に懸想しているのではありませんわよね?」
にこにこと微笑みながら、威圧感を滲ませて彼女が言う。
清楚で上品、そして穏やかな普段の彼女とはずいぶん違ったので驚いたのを覚えている。
「……なぜ、きみにそんなことを聞かれるのだろう?」
「あなたがオデットを見る目がいやらしいからよ! あげませんわよ、あのこはわたくしのかわいい妹なんですからね!」
ふんっ、と鼻をならし、彼女は扇で口もとを隠す。
「きたならしい羽虫が近づかないように、演技をしてさしあげているのに、まさかあなたがあのこに想いをよせるとは」
「うすうすきづいていたが、やはりきみのは演技だったんだね」
初恋はたしかに彼女であっただけに、多少心が痛むが、
演技であるのは気づいていた、なぜ演技などするのかは知らなかったが。
「よろしいこと? 貴族との恋愛なんてわたくしは認めませんからね。
あのこには、こんなけがわらしい世界、絶対に近づけさせませんから」
「信用されていないな」
たしかに、貴族の世界では一夜の遊びやただの使い捨てであることなど多々ある。
真面目で誠実なオデットでは、すぐにぼろぼろにされてしまうだろう。
ただし、ランヴァルドがそんなことをすると思われているのは納得がいかない。
ともかくアンネリースは、自身の経験があるだけにオデットを貴族の男に近づけたくないようだ。
「結婚相手はわたくしが認めた者でなくては許しませんわよ、そう、いやではあるけれど幼馴染のユーグなら譲歩できなくもないけれど、
あ、な、た、は、だ、め、よ!」
アンネリースの言葉にランヴァルドは眉を寄せた。
ユーグは男爵家出身で、今は騎士団に身を置いていたはずだ、ランヴァルドも知っている。
彼ならよくて、ランヴァルドはなにがだめだというのだろう。
「それはなぜだい?」
素直に問うと、アンネリースはまなじりをつりあげた。
「あなたみたいにほいほいそこらじゅうの女と噂になるような男、あのこが傷つくのが目にみえているわ!
それにどうせ性悪女があのこに意地っ汚いマネをしますわよ!」
噂話のせいとは、さすがに納得がいかない。
「私にやましいことはなにもない、周囲が勝手に言っているだけだろう」
「けど、あのこは傷つきますでしょ」
「……それは」
否定できない。
「ともかく、あなたなんてわたくしはぜーったい認めませんからね!」
アンネリースはそう言って去っていったのだが。
結局それから数か月後、互いの家同士の利益のためにオデットとランヴァルドが結婚することになるのだった。
……そのときのアンネリースはといえば、まるで悪鬼のようだった。
オデットの前では女神のような微笑みで祝福していたが。
――……。
翌日オデットは、逃げだすことができなかった。
「おはよう、オデット」
先に起きていたランヴァルドが微笑みながらそう言って、まだねぼけているオデットの頬にキスをする。
「身体はだいじょうぶかい? 朝食はとれる?」
「――あの」
「朝食をとる時間くらいは、あるはずだろう?」
にこにこと微笑んでいるが、反論させない威圧感があった。
「今日は休んでもいいよ、オデット。私から伝えておく」
「い、いえ! いやです! 行きます!」
そんなことをされては、同僚たちに妙な勘ぐりをされかねない。
身体は痛むが、休むのはもっといやだ。
「そうか、大事をとって休んでほしいところだが」
「行かせてください、お願いですから」
オデットの懇願に、「しかたないな」とランヴァルドは頷いた。
了承を得て、さっさとベッドからおりようとしたオデットの身体をランヴァルドの腕が抱きしめる。
「っ、な、んです、ランヴァルド様」
「もうすこし時間はあるだろう?」
オデットをうしろから抱きしめて、その髪に、首筋にキスをおとす。
それに昨夜のことを思いだして、オデットは真っ赤になって逃げだそうとする。
「や、やめてくださいっ、私、もう行かないと――」
「誰かと、約束でもあるのかい?」
つ、と唇を指で撫でられ、低い声で問われるとオデットの身体がびくりとはねた。
ユーグのことを言っているのだろう、そして、まだランヴァルドはそれについて怒っている。
「ないのなら、少しくらいこうしていてもいいだろう?」
「……、なぜなのです、ランヴァルド様が好いていらっしゃるのはねえさんでしょう」
「私が愛しているのはきみだと言っているはずだが?」
ぬくもりをたしかめるように抱きしめて、ランヴァルドはオデットの肩にも唇をよせる。
「……あなたは優しいですからね、っ、ひぁっ⁉」
そっけなくそう言うオデットに、ランヴァルドは彼女の耳を軽く噛んだ。
「オデット、あまりつれないことばかり言うと、優しくしてあげられなくなってしまうよ」
「そ、のほうが、ましです」
こんなみじめな思いをするくらいならと、そうこたえたが、
ランヴァルドはそれに瞳を細めてオデットの耳元でささやく。
「そう、それじゃあきみはひどくされてもいいわけだね」
「――っ」
うしろからまわされた手が首筋を妖しく撫でる。
その空気に、オデットは焦った。
「ま、待ってください、ランヴァルド様っ……」
なんとか逃れようと抵抗すると、ノックの音が響いた。
「旦那様、アードルフ様より火急の連絡が」
騎士団長の名前に、ランヴァルドはオデットを解放する。
(た、たすかりました……)
オデットはほっと胸をなでおろしたが、同時にいったいなにがあったのだろうと考えた。
「しようがないな。いってくるよ、オデット」
「はい。私もすぐにまいります」
「ああ。……そうだな、この話はまた今度にしよう」
「?」
ランヴァルドはなにかを言いかけてやめ、もう一度オデットの髪にキスをしてから部屋を出ていった。
……。
「ランヴァルド、おまえたちの子はまだなのか」
ついて早々、騎士団長の言葉にランヴァルドはおもいきり眉をよせた。
「……あなたは私たちが結婚してどのくらいだと思っているのです、
というよりそんな話のために呼んだのではないでしょうね?」
黒い短髪に髭をはやした体格のいい男、騎士団長アードルフは、
ランヴァルドの顔をみてしごく愉快そうに言う。
「楽しみじゃないか、おまえの剣とオデットの魔術をついで生まれてくる子供なら、うちのいい戦力になる。
おまえ剣のスジはいいが、魔術はからっきしだろう?」
「魔術は才能です団長、あればかりは努力で手に入るものではありません」
生まれ持った魔力の量は最初から決まっている。
そのなかで魔術師になれるほどの力ある子は少なく、しいて言えば女性に多い。
「それで、そんな話をするために呼んだのではないでしょう」
「あぁ、今度大規模な賊の一掃作戦があるんだが、そこにおまえとオデットを投入したいのさ」
「オデットもですか?」
「優秀な魔術師の力が必要だ、敵にもいるからな」
ランヴァルドはしばし考える。
「団長、あなたの願いで私は彼女をまだ騎士団においていますが、
本来であれば辞めてほしいのを知っていますね。
かわりになりそうな魔術師はいないのですか」
「おまえが嫌ならオデットに直接頼むだけさ」
「――卑怯ですよ、彼女がいやだと言うはずがない」
「今回はそれだけ敵もお強いってことだ」
「……そう言って、オデットが騎士団を辞めてまでも利用しないでくださいよ」
「使えるもんはなんでも使うのが俺のやりかたなんだがな」
「今ほどあなたに腹が立ったことはありませんよ」
額をおさえて、ランヴァルドはしかたなく頷いた。
どの道、オデットが拒むはずもない。
ただいつのまにか、純粋な好意をむけてくれる彼女を愛らしく想うようになった。
一緒に仕事をする同僚、一緒に賊の討伐任務などにゆくこともある。
オデットとは息があう、同じ戦いで一緒になれば、背中をあずけて戦うことができる。
そういう存在だった。
いもうとのような存在から、頼りになる戦友へ、そしていつからか、女性としての彼女を愛おしく思っていた。
ちょうどそんなころだ、アンネリースの本性に遭遇したのは。
「ランヴァルド様? まさかあなた、わたくしのかわいい妹に懸想しているのではありませんわよね?」
にこにこと微笑みながら、威圧感を滲ませて彼女が言う。
清楚で上品、そして穏やかな普段の彼女とはずいぶん違ったので驚いたのを覚えている。
「……なぜ、きみにそんなことを聞かれるのだろう?」
「あなたがオデットを見る目がいやらしいからよ! あげませんわよ、あのこはわたくしのかわいい妹なんですからね!」
ふんっ、と鼻をならし、彼女は扇で口もとを隠す。
「きたならしい羽虫が近づかないように、演技をしてさしあげているのに、まさかあなたがあのこに想いをよせるとは」
「うすうすきづいていたが、やはりきみのは演技だったんだね」
初恋はたしかに彼女であっただけに、多少心が痛むが、
演技であるのは気づいていた、なぜ演技などするのかは知らなかったが。
「よろしいこと? 貴族との恋愛なんてわたくしは認めませんからね。
あのこには、こんなけがわらしい世界、絶対に近づけさせませんから」
「信用されていないな」
たしかに、貴族の世界では一夜の遊びやただの使い捨てであることなど多々ある。
真面目で誠実なオデットでは、すぐにぼろぼろにされてしまうだろう。
ただし、ランヴァルドがそんなことをすると思われているのは納得がいかない。
ともかくアンネリースは、自身の経験があるだけにオデットを貴族の男に近づけたくないようだ。
「結婚相手はわたくしが認めた者でなくては許しませんわよ、そう、いやではあるけれど幼馴染のユーグなら譲歩できなくもないけれど、
あ、な、た、は、だ、め、よ!」
アンネリースの言葉にランヴァルドは眉を寄せた。
ユーグは男爵家出身で、今は騎士団に身を置いていたはずだ、ランヴァルドも知っている。
彼ならよくて、ランヴァルドはなにがだめだというのだろう。
「それはなぜだい?」
素直に問うと、アンネリースはまなじりをつりあげた。
「あなたみたいにほいほいそこらじゅうの女と噂になるような男、あのこが傷つくのが目にみえているわ!
それにどうせ性悪女があのこに意地っ汚いマネをしますわよ!」
噂話のせいとは、さすがに納得がいかない。
「私にやましいことはなにもない、周囲が勝手に言っているだけだろう」
「けど、あのこは傷つきますでしょ」
「……それは」
否定できない。
「ともかく、あなたなんてわたくしはぜーったい認めませんからね!」
アンネリースはそう言って去っていったのだが。
結局それから数か月後、互いの家同士の利益のためにオデットとランヴァルドが結婚することになるのだった。
……そのときのアンネリースはといえば、まるで悪鬼のようだった。
オデットの前では女神のような微笑みで祝福していたが。
――……。
翌日オデットは、逃げだすことができなかった。
「おはよう、オデット」
先に起きていたランヴァルドが微笑みながらそう言って、まだねぼけているオデットの頬にキスをする。
「身体はだいじょうぶかい? 朝食はとれる?」
「――あの」
「朝食をとる時間くらいは、あるはずだろう?」
にこにこと微笑んでいるが、反論させない威圧感があった。
「今日は休んでもいいよ、オデット。私から伝えておく」
「い、いえ! いやです! 行きます!」
そんなことをされては、同僚たちに妙な勘ぐりをされかねない。
身体は痛むが、休むのはもっといやだ。
「そうか、大事をとって休んでほしいところだが」
「行かせてください、お願いですから」
オデットの懇願に、「しかたないな」とランヴァルドは頷いた。
了承を得て、さっさとベッドからおりようとしたオデットの身体をランヴァルドの腕が抱きしめる。
「っ、な、んです、ランヴァルド様」
「もうすこし時間はあるだろう?」
オデットをうしろから抱きしめて、その髪に、首筋にキスをおとす。
それに昨夜のことを思いだして、オデットは真っ赤になって逃げだそうとする。
「や、やめてくださいっ、私、もう行かないと――」
「誰かと、約束でもあるのかい?」
つ、と唇を指で撫でられ、低い声で問われるとオデットの身体がびくりとはねた。
ユーグのことを言っているのだろう、そして、まだランヴァルドはそれについて怒っている。
「ないのなら、少しくらいこうしていてもいいだろう?」
「……、なぜなのです、ランヴァルド様が好いていらっしゃるのはねえさんでしょう」
「私が愛しているのはきみだと言っているはずだが?」
ぬくもりをたしかめるように抱きしめて、ランヴァルドはオデットの肩にも唇をよせる。
「……あなたは優しいですからね、っ、ひぁっ⁉」
そっけなくそう言うオデットに、ランヴァルドは彼女の耳を軽く噛んだ。
「オデット、あまりつれないことばかり言うと、優しくしてあげられなくなってしまうよ」
「そ、のほうが、ましです」
こんなみじめな思いをするくらいならと、そうこたえたが、
ランヴァルドはそれに瞳を細めてオデットの耳元でささやく。
「そう、それじゃあきみはひどくされてもいいわけだね」
「――っ」
うしろからまわされた手が首筋を妖しく撫でる。
その空気に、オデットは焦った。
「ま、待ってください、ランヴァルド様っ……」
なんとか逃れようと抵抗すると、ノックの音が響いた。
「旦那様、アードルフ様より火急の連絡が」
騎士団長の名前に、ランヴァルドはオデットを解放する。
(た、たすかりました……)
オデットはほっと胸をなでおろしたが、同時にいったいなにがあったのだろうと考えた。
「しようがないな。いってくるよ、オデット」
「はい。私もすぐにまいります」
「ああ。……そうだな、この話はまた今度にしよう」
「?」
ランヴァルドはなにかを言いかけてやめ、もう一度オデットの髪にキスをしてから部屋を出ていった。
……。
「ランヴァルド、おまえたちの子はまだなのか」
ついて早々、騎士団長の言葉にランヴァルドはおもいきり眉をよせた。
「……あなたは私たちが結婚してどのくらいだと思っているのです、
というよりそんな話のために呼んだのではないでしょうね?」
黒い短髪に髭をはやした体格のいい男、騎士団長アードルフは、
ランヴァルドの顔をみてしごく愉快そうに言う。
「楽しみじゃないか、おまえの剣とオデットの魔術をついで生まれてくる子供なら、うちのいい戦力になる。
おまえ剣のスジはいいが、魔術はからっきしだろう?」
「魔術は才能です団長、あればかりは努力で手に入るものではありません」
生まれ持った魔力の量は最初から決まっている。
そのなかで魔術師になれるほどの力ある子は少なく、しいて言えば女性に多い。
「それで、そんな話をするために呼んだのではないでしょう」
「あぁ、今度大規模な賊の一掃作戦があるんだが、そこにおまえとオデットを投入したいのさ」
「オデットもですか?」
「優秀な魔術師の力が必要だ、敵にもいるからな」
ランヴァルドはしばし考える。
「団長、あなたの願いで私は彼女をまだ騎士団においていますが、
本来であれば辞めてほしいのを知っていますね。
かわりになりそうな魔術師はいないのですか」
「おまえが嫌ならオデットに直接頼むだけさ」
「――卑怯ですよ、彼女がいやだと言うはずがない」
「今回はそれだけ敵もお強いってことだ」
「……そう言って、オデットが騎士団を辞めてまでも利用しないでくださいよ」
「使えるもんはなんでも使うのが俺のやりかたなんだがな」
「今ほどあなたに腹が立ったことはありませんよ」
額をおさえて、ランヴァルドはしかたなく頷いた。
どの道、オデットが拒むはずもない。
1
あなたにおすすめの小説
政略結婚の作法
夜宮
恋愛
悪女になる。
そして、全てをこの手に。
政略結婚のために身分違いの恋人のいる王太子の婚約者となった公爵令嬢は、妹の囁きを胸に悪女となることを決意した。
悪女と身分違いの恋人、悪女になるはずだった妹の物語。
いつか終わりがくるのなら
キムラましゅろう
恋愛
闘病の末に崩御した国王。
まだ幼い新国王を守るために組まれた婚姻で結ばれた、アンリエッタと幼き王エゼキエル。
それは誰もが知っている期間限定の婚姻で……
いずれ大国の姫か有力諸侯の娘と婚姻が組み直されると分かっていながら、エゼキエルとの日々を大切に過ごすアンリエッタ。
終わりが来る事が分かっているからこそ愛しくて優しい日々だった。
アンリエッタは思う、この優しく不器用な夫が幸せになれるように自分に出来る事、残せるものはなんだろうかを。
異世界が難病と指定する悪性誤字脱字病患者の執筆するお話です。
毎度の事ながら、誤字脱字にぶつかるとご自身で「こうかな?」と脳内変換して頂く可能性があります。
ご了承くださいませ。
完全ご都合主義、作者独自の異世界感、ノーリアリティノークオリティのお話です。菩薩の如く広いお心でお読みくださいませ。
小説家になろうさんでも投稿します。
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
沈黙の指輪 ―公爵令嬢の恋慕―
柴田はつみ
恋愛
公爵家の令嬢シャルロッテは、政略結婚で財閥御曹司カリウスと結ばれた。
最初は形式だけの結婚だったが、優しく包み込むような夫の愛情に、彼女の心は次第に解けていく。
しかし、蜜月のあと訪れたのは小さな誤解の連鎖だった。
カリウスの秘書との噂、消えた指輪、隠された手紙――そして「君を幸せにできない」という冷たい言葉。
離婚届の上に、涙が落ちる。
それでもシャルロッテは信じたい。
あの日、薔薇の庭で誓った“永遠”を。
すれ違いと沈黙の夜を越えて、二人の愛はもう一度咲くのだろうか。
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
【完結】私を裏切った前世の婚約者と再会しました。
Rohdea
恋愛
ファルージャ王国の男爵令嬢のレティシーナは、物心ついた時から自分の前世……200年前の記憶を持っていた。
そんなレティシーナは非公認だった婚約者の伯爵令息・アルマンドとの初めての顔合わせで、衝撃を受ける。
かつての自分は同じ大陸のこことは別の国……
レヴィアタン王国の王女シャロンとして生きていた。
そして今、初めて顔を合わせたアルマンドは、
シャロンの婚約者でもあった隣国ランドゥーニ王国の王太子エミリオを彷彿とさせたから。
しかし、思い出すのはシャロンとエミリオは結ばれる事が無かったという事実。
何故なら──シャロンはエミリオに捨てられた。
そんなかつての自分を裏切った婚約者の生まれ変わりと今世で再会したレティシーナ。
当然、アルマンドとなんてうまくやっていけるはずが無い!
そう思うも、アルマンドとの婚約は正式に結ばれてしまう。
アルマンドに対して冷たく当たるも、当のアルマンドは前世の記憶があるのか無いのか分からないが、レティシーナの事をとにかく溺愛してきて……?
前世の記憶に囚われた2人が今世で手にする幸せとはーー?
貴方の記憶が戻るまで
cyaru
恋愛
「君と結婚をしなくてはならなくなったのは人生最大の屈辱だ。私には恋人もいる。君を抱くことはない」
初夜、夫となったサミュエルにそう告げられたオフィーリア。
3年経ち、子が出来ていなければ離縁が出来る。
それを希望に間もなく2年半となる時、戦場でサミュエルが負傷したと連絡が入る。
大怪我を負ったサミュエルが目を覚ます‥‥喜んだ使用人達だが直ぐに落胆をした。
サミュエルは記憶を失っていたのだった。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※作者都合のご都合主義です。作者は外道なので気を付けてください(何に?‥いろいろ)
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
【完結】私の愛する人は、あなただけなのだから
よどら文鳥
恋愛
私ヒマリ=ファールドとレン=ジェイムスは、小さい頃から仲が良かった。
五年前からは恋仲になり、その後両親をなんとか説得して婚約まで発展した。
私たちは相思相愛で理想のカップルと言えるほど良い関係だと思っていた。
だが、レンからいきなり婚約破棄して欲しいと言われてしまう。
「俺には最愛の女性がいる。その人の幸せを第一に考えている」
この言葉を聞いて涙を流しながらその場を去る。
あれほど酷いことを言われってしまったのに、私はそれでもレンのことばかり考えてしまっている。
婚約破棄された当日、ギャレット=メルトラ第二王子殿下から縁談の話が来ていることをお父様から聞く。
両親は恋人ごっこなど終わりにして王子と結婚しろと強く言われてしまう。
だが、それでも私の心の中には……。
※冒頭はざまぁっぽいですが、ざまぁがメインではありません。
※第一話投稿の段階で完結まで全て書き終えていますので、途中で更新が止まることはありませんのでご安心ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる