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六章 ~雛は巣の外にいる~ カロルの世界
大人への入り口で
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森の中三人の子供が走っている。二人の赤毛の女の子の後を茶髪の男の子が必死に追いかけていた。
「シワン遅いよ! 早く!」
キーラは双子の妹が遅れてくシルワンを気にしているのをチャンスとばかりに更に足を早める。
「あっ、キリー、ズルい! もうシワンのせいだからね!」
妹が差をつけられ慌てて姉を追いかける。その後ろか何も言い返さずシワンは困ったような顔で走っている。最近どうも付き合いの悪い友人を、姉妹が無理やり湖に誘ったのである。この二人に迫られて断るなんて事、口下手なシワンに出来る筈がない。いつも一緒にいるローレンスは、フラーメンの手伝いがあるとかで今日はいない。
繁みから飛び出し、一番に湖に到着し満面の笑みを浮かべたキーラだったが思いもしなかった先客がいて驚く。相手も突然現れたキーラに驚いたようで、黒い瞳を見開いて見つめ返してきた。黒い髪と瞳をもつその人物は三人と変わらないはずなのに大人に見えた。と言うより実際身体は大人で女の子と言うより女性に近い。名はマリアといい、三人と同じカエルレウスの子供の一人である。
ドン
鈍い音がして、キーラの背中に彼女の妹がぶつかってくる。モロに鼻を打ち、姉に文句を言ってくる妹にキーラは謝る。その様子を見て、その場所にいた人物はクスクス笑いだしたが、キーラにはマリアがここで一人で泣いていたように感じた。
「マリア?」
姉妹達のように突進してこなかったシワンが茂みから出てきて首を傾げるようにして声をあげシルワンが案ずるような表情でマリアを見つめているのをみて、キーラはやはりマリアが何か辛い事があって此所にいつのだと察すシルワンはそういった人の感情を読むのに長けている。
マリアは優しげな顔を傾けシワンを見つめ返す。水浴びした後なのだろうか? マリアの前髪から水が垂れシルワンはそっと近付き、自分がもっていたタオルをマリアに渡す。
「ありがとう……どうしたの? シワンそんな顔をして」
シワンは、少し躊躇うようにマリアも見る。
「大丈夫?」
マリアはビックリした顔をしたものの直ぐに優しげな笑みを作り頷く。でもその笑顔にいつもの明るさはない。
カエルレウスの子は、世間では一纏めに考えられているがその中での人間関係は複雑である。気が付けば三つのグループに分かれてしまい、対立関係にあった。一つは、能力もそれなりに高く問題もなく成長をした子供のグループ。もう一つは望まれた程の能力を持たずに生まれてきた子供のグループ。そしてキーラ達のいる最も高い能力があるものの何故かファクルタースを発動する事が出来なかったグループ。元々優秀な子孫を作るための計画だけに、生まれてきた子供もその事を理解している分、自尊心が強い、もしくは激しい劣等感を抱いた子供に育っていた。それ故に、能力は高そうなのに発動が出来なかった四人は格好の攻撃の対象となった。『出来損ない』『カエルレウスの恥さらし』と言われ続けそれを四人で耐えてきた。最近では四人が力を操れるようになり、四人の方が他のグループより優れた能力を示せるようになった事で、さらにその上下関係は複雑になってしまっている。そんな中でマリアだけは、誰に対しても態度を変えず親愛に満ちた態度で接している人物だった。彼女がいるのは能力が余り高くないグループだったが、そういう性格の為、誰からも疎まれず皆から愛されている。
実際キーラ達四人もマリアに対してだけは好意を持っている。発動出来るようになった時も、マリアだけは自分の事のように喜んでくれた。二十四人いるカエルレウスの子供で、キーラ姉妹とマリアのみが女の子という事もあるのかもしれないが、優しいお姉さん的な存在でキーラが数少なく心を許せる相手でもあった。
「誰かに苛められたの? 誰? とっちめてやるから」
怒りながらマリアに詰め寄る妹を見ながら、キーラはその可能性はないなと考えていた。マリアがカエルレウスの皆から愛されるのは、その優しい性格だけでなくもう一つ理由がある。
顔は悪くない、しかし控えめな性格もありそれほど華をもった美しい女性でもない。華やかな美しさをもつキーラ達の横にくると、地味に見えてしまう。
そんなマリアだがカエルレウスの子供の男の子にとって別の意味をもつ存在だからだ。彼女を妻にする事で、強い子供を産む事が出来る可能性があるからだ。それだとキーラ姉妹でも良いようにも思えるが、そこが複雑な男心である。能力においても喧嘩においても自分より強い女性は倦厭する所がある。その点マリアが丁度良い位置関係なのだ。皆にとってマドンナであるマリアを苛めるような子供はいない。
「そんなんじゃないの、ただチョット一人になりたくて」
自分の事のように怒り、顔を赤くしている幼い少女の頭をマリアはやさしく撫でる。年齢は二つしか変わらないのに、マリアが大人に見え、キーラはなんとも言えないモヤモヤした気持ちを感じる。
「三人は、湖で遊びにきたんだよね、ごめん私、邪魔だよね? そろそろ帰るね」
マリアが立ち上がろうとしてよろける。それを慌てて側にいたシワンが支えシルワンの顔がハッとする。
「マリア、無理をしないで座って」
赤毛の姉妹がマリアを労るように側に寄る中、シワンは動揺したように離れるそして顔を赤らめる。
「あっ、マリア、いや……おめでとうございます」
何故か顔を真っ赤にして狼狽しながらしどろもどろにそんな事を言うシワンを見て、マリアの表情が強張る。その言葉と僅かに感じる鉄のような香りに二人も察する。マリアが女になったという事を。
「シワン!! キリー、マギー、お願い秘密にして! 誰にも」
マリアの怯えたような顔に三人は戸惑う。初経がくるという事は、おめでたい事であるがカエルレウスの子供は、常人よりも成長が遅くなかなか大人になれなかった。マリア、と双子の姉妹の三人に対してだれもがその瞬間を心待ちにされている所があった。
「どうして? 大人になったのに」
そう訊ねるキーラにマリアは自分を抱きしめる。
「伽が怖いの?」
シワンの言葉に、マリアは首を横にふる。
「マリア! 修行をサボって何をしているの!」
突然四人の後ろから、激しい声が聞こえ四人はビクつく。グレーのケープを着たベタルムが近付いてくる。黒い目をつり上げ、四人をびびらすのに十分な形相である。カエルレウスの子供の世話をしているクレールスの一人であるが、何故かベタルムは最後に生まれた四人を目の敵にしていて、マリアだけを猫かわいがりしている。今も三人に憎々しげな視線をやりマリアを心配そうな顔向ける。
「まったく、貴方達がそそのかして連れ出したのですね。マリアに悪い影響を与えるのは、止めてもらえませんか?」
ベタルムの言葉にマリアは慌てて顔を横にふる。
「違うの、この三人は関係ないの、チョット風邪気味で体調が悪かったから、森にきていたの」
ベタルムはマリアの額に手をやり、顔を顰める。
「少し熱が。それに何故髪が濡れているの? 子供じゃないのに無防備に水遊びなんて! 貴方は自分がどれ程大切な存在なのか分かっているの?」
マリアが口を挟む隙も与えずベタルムは言葉を続ける。
「貴方はいずれ后になる身なのよ」
そう続けて、ハッとキーラ達姉妹を見て口を噤む。マリアの表情がその言葉で真っ青になるのをベタルムは気が付いていないようだ。そのまま青ざめたままのマリア引きずるように連れてベタルムは去っていった。
「后? なんで?」
呆然としているキーラとシワンの間から、そんな声が上がる。キーラとしても首を傾げるしかない。 后とは能力の高い者が選ばれ、高位のノービリスとの間に子を作る権利を与えられる者の事だが、マリアがその候補だなんて聞いていない。
「カエルレウスの計画はアクアのファクルタースをもつ后を作るための計画でもあるからね……」
シワンが独り言のようにつぶやき、隣の姉妹を見て『あっ』という顔をして黙る。
「どういう事?」「どういう事?」
同じ顔で同じ声で同時に問い詰められ、シワンは後ずさりをするが逃げられるはずもない。
「あ、あの……、そ、そう……フラーメンと一緒に研究所に行った時に、小耳に挟んで、そんなに大した事、知らないから」
姉がシワンの右手を、妹がシワンの左手を掴んでくる。逃げる前にシワンの行動は封じられてしまう。シワンの目だけは二人から逃げようとするが、睨みに耐えきれず、諦めの溜息をつく。
「だから、僕らは失われたアクアのファクルタースのアミークスを生み出す為の計画であると共に、アクアのファクルタースをもつノービリスを生み出す計画でもあるんだ。しかし僕ら二十四人いる中で、女性は三人しか生まれなかった。だからその三人がおそらくトゥルボー様の后の候補になる。マリアが多分その中で一番能力的な問題で、后になる確率は低いと思うんだけど」
キーラはシワンの言葉を聞き、思わずにやけるのを感じた。后に選ばれるという事は、他の誰よりも強き能力をその身に受けられると同時に、栄誉ある存在として歴史に名を刻める。
輝かしい自分の未来に酔っていた為、キーラはその時シワンが顔を顰め戸惑うように、赤毛の姉妹を見つめているのを気が付いていなかった。ましては隣の妹はその言葉をどのような表情で聞いていたかも見ていなかった。
シワンは、迂闊過ぎる言葉を発してしまった事を後悔していた。シワンが心配したのは、シワンの言葉を歓喜した姉の方ではなくマリア以上に青ざめ絶望したような表情で固まった妹の方だった。
「つまんない話はもう止めよ! 泳ぐよ!」
その気遣う視線の中で少女は、衣類をすべて脱ぎ捨て湖に飛び込んでしまった。シワンが慌てて後を追うが、ひたすら無心な感じで泳ぐ彼女に近付くことができなかった。
「シワン遅いよ! 早く!」
キーラは双子の妹が遅れてくシルワンを気にしているのをチャンスとばかりに更に足を早める。
「あっ、キリー、ズルい! もうシワンのせいだからね!」
妹が差をつけられ慌てて姉を追いかける。その後ろか何も言い返さずシワンは困ったような顔で走っている。最近どうも付き合いの悪い友人を、姉妹が無理やり湖に誘ったのである。この二人に迫られて断るなんて事、口下手なシワンに出来る筈がない。いつも一緒にいるローレンスは、フラーメンの手伝いがあるとかで今日はいない。
繁みから飛び出し、一番に湖に到着し満面の笑みを浮かべたキーラだったが思いもしなかった先客がいて驚く。相手も突然現れたキーラに驚いたようで、黒い瞳を見開いて見つめ返してきた。黒い髪と瞳をもつその人物は三人と変わらないはずなのに大人に見えた。と言うより実際身体は大人で女の子と言うより女性に近い。名はマリアといい、三人と同じカエルレウスの子供の一人である。
ドン
鈍い音がして、キーラの背中に彼女の妹がぶつかってくる。モロに鼻を打ち、姉に文句を言ってくる妹にキーラは謝る。その様子を見て、その場所にいた人物はクスクス笑いだしたが、キーラにはマリアがここで一人で泣いていたように感じた。
「マリア?」
姉妹達のように突進してこなかったシワンが茂みから出てきて首を傾げるようにして声をあげシルワンが案ずるような表情でマリアを見つめているのをみて、キーラはやはりマリアが何か辛い事があって此所にいつのだと察すシルワンはそういった人の感情を読むのに長けている。
マリアは優しげな顔を傾けシワンを見つめ返す。水浴びした後なのだろうか? マリアの前髪から水が垂れシルワンはそっと近付き、自分がもっていたタオルをマリアに渡す。
「ありがとう……どうしたの? シワンそんな顔をして」
シワンは、少し躊躇うようにマリアも見る。
「大丈夫?」
マリアはビックリした顔をしたものの直ぐに優しげな笑みを作り頷く。でもその笑顔にいつもの明るさはない。
カエルレウスの子は、世間では一纏めに考えられているがその中での人間関係は複雑である。気が付けば三つのグループに分かれてしまい、対立関係にあった。一つは、能力もそれなりに高く問題もなく成長をした子供のグループ。もう一つは望まれた程の能力を持たずに生まれてきた子供のグループ。そしてキーラ達のいる最も高い能力があるものの何故かファクルタースを発動する事が出来なかったグループ。元々優秀な子孫を作るための計画だけに、生まれてきた子供もその事を理解している分、自尊心が強い、もしくは激しい劣等感を抱いた子供に育っていた。それ故に、能力は高そうなのに発動が出来なかった四人は格好の攻撃の対象となった。『出来損ない』『カエルレウスの恥さらし』と言われ続けそれを四人で耐えてきた。最近では四人が力を操れるようになり、四人の方が他のグループより優れた能力を示せるようになった事で、さらにその上下関係は複雑になってしまっている。そんな中でマリアだけは、誰に対しても態度を変えず親愛に満ちた態度で接している人物だった。彼女がいるのは能力が余り高くないグループだったが、そういう性格の為、誰からも疎まれず皆から愛されている。
実際キーラ達四人もマリアに対してだけは好意を持っている。発動出来るようになった時も、マリアだけは自分の事のように喜んでくれた。二十四人いるカエルレウスの子供で、キーラ姉妹とマリアのみが女の子という事もあるのかもしれないが、優しいお姉さん的な存在でキーラが数少なく心を許せる相手でもあった。
「誰かに苛められたの? 誰? とっちめてやるから」
怒りながらマリアに詰め寄る妹を見ながら、キーラはその可能性はないなと考えていた。マリアがカエルレウスの皆から愛されるのは、その優しい性格だけでなくもう一つ理由がある。
顔は悪くない、しかし控えめな性格もありそれほど華をもった美しい女性でもない。華やかな美しさをもつキーラ達の横にくると、地味に見えてしまう。
そんなマリアだがカエルレウスの子供の男の子にとって別の意味をもつ存在だからだ。彼女を妻にする事で、強い子供を産む事が出来る可能性があるからだ。それだとキーラ姉妹でも良いようにも思えるが、そこが複雑な男心である。能力においても喧嘩においても自分より強い女性は倦厭する所がある。その点マリアが丁度良い位置関係なのだ。皆にとってマドンナであるマリアを苛めるような子供はいない。
「そんなんじゃないの、ただチョット一人になりたくて」
自分の事のように怒り、顔を赤くしている幼い少女の頭をマリアはやさしく撫でる。年齢は二つしか変わらないのに、マリアが大人に見え、キーラはなんとも言えないモヤモヤした気持ちを感じる。
「三人は、湖で遊びにきたんだよね、ごめん私、邪魔だよね? そろそろ帰るね」
マリアが立ち上がろうとしてよろける。それを慌てて側にいたシワンが支えシルワンの顔がハッとする。
「マリア、無理をしないで座って」
赤毛の姉妹がマリアを労るように側に寄る中、シワンは動揺したように離れるそして顔を赤らめる。
「あっ、マリア、いや……おめでとうございます」
何故か顔を真っ赤にして狼狽しながらしどろもどろにそんな事を言うシワンを見て、マリアの表情が強張る。その言葉と僅かに感じる鉄のような香りに二人も察する。マリアが女になったという事を。
「シワン!! キリー、マギー、お願い秘密にして! 誰にも」
マリアの怯えたような顔に三人は戸惑う。初経がくるという事は、おめでたい事であるがカエルレウスの子供は、常人よりも成長が遅くなかなか大人になれなかった。マリア、と双子の姉妹の三人に対してだれもがその瞬間を心待ちにされている所があった。
「どうして? 大人になったのに」
そう訊ねるキーラにマリアは自分を抱きしめる。
「伽が怖いの?」
シワンの言葉に、マリアは首を横にふる。
「マリア! 修行をサボって何をしているの!」
突然四人の後ろから、激しい声が聞こえ四人はビクつく。グレーのケープを着たベタルムが近付いてくる。黒い目をつり上げ、四人をびびらすのに十分な形相である。カエルレウスの子供の世話をしているクレールスの一人であるが、何故かベタルムは最後に生まれた四人を目の敵にしていて、マリアだけを猫かわいがりしている。今も三人に憎々しげな視線をやりマリアを心配そうな顔向ける。
「まったく、貴方達がそそのかして連れ出したのですね。マリアに悪い影響を与えるのは、止めてもらえませんか?」
ベタルムの言葉にマリアは慌てて顔を横にふる。
「違うの、この三人は関係ないの、チョット風邪気味で体調が悪かったから、森にきていたの」
ベタルムはマリアの額に手をやり、顔を顰める。
「少し熱が。それに何故髪が濡れているの? 子供じゃないのに無防備に水遊びなんて! 貴方は自分がどれ程大切な存在なのか分かっているの?」
マリアが口を挟む隙も与えずベタルムは言葉を続ける。
「貴方はいずれ后になる身なのよ」
そう続けて、ハッとキーラ達姉妹を見て口を噤む。マリアの表情がその言葉で真っ青になるのをベタルムは気が付いていないようだ。そのまま青ざめたままのマリア引きずるように連れてベタルムは去っていった。
「后? なんで?」
呆然としているキーラとシワンの間から、そんな声が上がる。キーラとしても首を傾げるしかない。 后とは能力の高い者が選ばれ、高位のノービリスとの間に子を作る権利を与えられる者の事だが、マリアがその候補だなんて聞いていない。
「カエルレウスの計画はアクアのファクルタースをもつ后を作るための計画でもあるからね……」
シワンが独り言のようにつぶやき、隣の姉妹を見て『あっ』という顔をして黙る。
「どういう事?」「どういう事?」
同じ顔で同じ声で同時に問い詰められ、シワンは後ずさりをするが逃げられるはずもない。
「あ、あの……、そ、そう……フラーメンと一緒に研究所に行った時に、小耳に挟んで、そんなに大した事、知らないから」
姉がシワンの右手を、妹がシワンの左手を掴んでくる。逃げる前にシワンの行動は封じられてしまう。シワンの目だけは二人から逃げようとするが、睨みに耐えきれず、諦めの溜息をつく。
「だから、僕らは失われたアクアのファクルタースのアミークスを生み出す為の計画であると共に、アクアのファクルタースをもつノービリスを生み出す計画でもあるんだ。しかし僕ら二十四人いる中で、女性は三人しか生まれなかった。だからその三人がおそらくトゥルボー様の后の候補になる。マリアが多分その中で一番能力的な問題で、后になる確率は低いと思うんだけど」
キーラはシワンの言葉を聞き、思わずにやけるのを感じた。后に選ばれるという事は、他の誰よりも強き能力をその身に受けられると同時に、栄誉ある存在として歴史に名を刻める。
輝かしい自分の未来に酔っていた為、キーラはその時シワンが顔を顰め戸惑うように、赤毛の姉妹を見つめているのを気が付いていなかった。ましては隣の妹はその言葉をどのような表情で聞いていたかも見ていなかった。
シワンは、迂闊過ぎる言葉を発してしまった事を後悔していた。シワンが心配したのは、シワンの言葉を歓喜した姉の方ではなくマリア以上に青ざめ絶望したような表情で固まった妹の方だった。
「つまんない話はもう止めよ! 泳ぐよ!」
その気遣う視線の中で少女は、衣類をすべて脱ぎ捨て湖に飛び込んでしまった。シワンが慌てて後を追うが、ひたすら無心な感じで泳ぐ彼女に近付くことができなかった。
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