ペット(老猫)と異世界転生

童貞騎士

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ダンジョンの中は意外にも明るく見やすい感じだった。前にもダンジョンには入った事があったけどあの時はダンジョンだって知らなかったし、こうやってダンジョンだと知りながら中に入るとワクワクしてしまう。

ダンジョンとかゲームの中では定番だし憧れの一つでもあるからね。

内部の作りとしては洞窟みたいな感じで壁はぼこぼこした岩肌で、あちこちに苔や草みたいなのが生えていたりしているが未だにモンスターは出てきていない。トラップもまだ出会っていないけどトラップに対しては必勝法があるんだよね!

「みー婆、トラップは魔力を当てるとぼんやり光るんだってさ。ちょっとやってみていい?」
『ナァー』

いいわよー、と許可してくれるみー婆に俺は手を伸ばして撫でながら魔力を放出する。キースさん曰く魔力操作の技術に長けてないと中々できない事らしいんだけど…ほら、神様の特典があるからね。最初からすんなりできた。神様ありがとう!

感謝しながらダンジョン内を見渡せば魔力に当てられて床や壁の一部がぼんやりと光り始めていた。つまりあそこにはトラップのスイッチがあるんだろうなきっと。怖いから試しにとかやらないけど。

まぁ魔力放出は身体から魔力を垂れ流すから魔力量が少ない人はすぐに枯渇して魔力欠乏症っていうやつになるらしいし魔力が勿体無いから割りに合わないとの事。

それに大多数のパーティはトラップスミスとかをパーティに入れてダンジョンに挑むんだとか。まぁゲームでも盗賊職とか結構使われるからね。

俺達も本当はパーティを増やした方がいいんだろうけど…仲良い冒険者とかあまり居ないし…みー婆もあまり知らない人といるのは嫌だと思うから魔力放出に頼る事にした。幸い魔力量は神様が多めにくれたようだから安心だね。

ぼんやりと光るトラップ達をスルーしながら俺達はダンジョンを進んで行くと奥の方から地鳴り見たいな響く音が聞こえてくる。


グオオオオオォォォ……グオオオオオォォォ…


「み、みー婆? 奥に何かいるみたいなんだけど大丈夫かな?」

怪物の鳴き声みたいな音にビビりながらみー婆に問い掛ければみー婆は鼻をスンスンさせて……

『ナァー』

問題ないわよ、と言わんばかりに軽く鳴いてビビる俺を尻目にどんどん進んでいく。みーさんや、頼もしすぎじゃありませんかね?

先に進んでいけば鳴き声の様なものが段々と大きくなって、ついに大部屋へと出た。そしてそこには待ち構える様に1匹のモンスターが立ちはだかっていて……


【ミノケンタウロス】
牛魔人ミノタウロスの上半身と人馬ケンタウロスの下半身を持つダンジョンエネミー。


と鑑定には出てきたけど見るからに強敵なんですけど! ここって初心者ダンジョンじゃないんですか!?

「み、みー婆! 強そうだよアレ!」
『ナァ~? ンー…ナ!』

ビビり散らかしてる俺とは対照的にやる気満々のみー婆。本当に大丈夫なの?みー……

『ナッ!ナッ!ナッ!!』
「グォッ!グォ……ォ…」

みー婆にボコボコにされて煙となって消えていくミノケンタウロス。そしてポツンと残されるドロップアイテム達……

ミノケンタウロスなんて居なかった、いいね? と言わんばかりの開幕オチであった。な、なんかごめんね。

『ナゥー?』
「…みー婆、なんかちょっとこう……まぁいいや、お疲れ様」

早くいきましょう?と催促してくるみー婆に消化不良な感じで口を開くがまぁね? 怪我がないのが一番だし俺もみー婆も戦闘大好き!ってわけじゃないからこれでいいんだよ、うん!

ドロップアイテムを拾ってさらに進めば下に続く階段が見つかる。どうやらこの階層にはあのミノケンタウロスしか居ないようだ、やっぱり初心者ダンジョンなんだろうね、さっきのミノケンタウロスもきっと見掛け倒しなんだよ、きっと。

「みー婆、次の階に行ってみる? それとももう休む?」
『ナァー!』

次の階にいくわよ! とやる気満々なみー婆。作戦は命を大事に、なんだけどなぁ。ガンガン行こうぜはほら、ほかの勇者みたいな人達にやって貰おうよ。

そんな飼い主の願いを知ってか知らずか率先して階段を降りていくみー婆。まっ、待ってよみー婆!一人にされたら寂しいでしょ!






階段を降りて、次の層に降りればそこはなんと森であった!……なんて事はなく先程と似たような洞窟で似たような風景が続いていた。

違う箇所といえば…

グォー!!
キキー!!
ブムー!!
ギャルル!!

モンスターがたくさんいた事かな?

先ほどから襲い掛かってくるモンスター達。二階層を進んで最初の大部屋がどうやらモンスターハウスみたいな感じだったらしくて色んな種類のモンスターが蔓延っていた。

最初はもう死んだかと思ったんだけどそこはやっぱり初心者ダンジョン仕様なんだろう、見掛け倒しで先ほどからみー婆無双だ。

『ナッ!ナッ!ナーゥッ!』
「みー婆、怪我しないでね~」

猫じゃらしで遊んでる時のみー婆みたいにシュババ!!とあちこちに高速移動しながらモンスター達を仕留めていくみー婆。こうやって元気なみー婆を見てると神様にみー婆を元気にしてもらってよかったよ。

『ナーナッ!』

ギャーヴ!!!

あちこちで煙となってアイテムを落としていくモンスター達、そして今ちょうど最後のモンスターを倒したらしく蛇型のモンスターが断末魔を上げながら煙となって消えて行った。

「みー婆、お疲れ様。大丈夫だった?怪我してない?」
『ナゥ~』

手をペロペロと舐めてるみー婆に近寄り身体を撫で回しながら回復魔法を掛けていく。攻撃魔法も使えるんだけど俺は戦闘させて貰えないからね、こうやってみー婆にお疲れ様とばかりに回復魔法をかけるのが俺の仕事となっていた。そのおかげで回復魔法だけ上達してるんだけど…気にしない。

この回復魔法、自分にも掛けてるんだけどやっぱ凄いね!傷だけじゃなくて疲労とかストレスも解消出来るらしくて掛けるだけで疲れないしみー婆の毛並みもツヤツヤでふわふわだ。

ヒールとかハイヒールとかゲームでよく目にするけどもしかしたら俺の回復魔法は上位のものなのかも!……何の回復魔法かわからないけどね。

「アイテム拾ってくるからみー婆は休んでてね?ご褒美におやつをあげよう」
『ナァ~!』

みー婆のおやつ用に作った魔物肉の燻製を出せばみー婆は早く早くと擦り付いて甘えてくる、全くういやつである。

地面に置くのは忍びないのでみー婆用のお皿に食べやすいように割いてあげておけばハグハグと夢中で食べ始めるみー婆。さてと…部屋中に散らかってるアイテムを片付けるかな?

俺は体育館・・・並みに広い大部屋に散らかってるアイテムを腰を痛くしながら拾うのであった。

みー婆…次からはなるべくまとまるように倒してくれるかな? 流石に部屋中に散らかってるのは腰が死んじゃうから……






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