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第二章
第54話:セリシャへの確認
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翌日、楓は商業ギルドに到着すると、すぐにセリシャの部屋に向かった。
「おはようございます、セリシャ様」
「おはよう、カエデさん。ピースもね」
「キュン!(うん!)」
楓の挨拶に返事をしたセリシャは、すぐにお茶の準備を始める。
「あの、セリシャ様?」
「どうしたのかしら?」
そこへ楓が声を掛けると、セリシャはいつものと変わらない感じで返事をする。
「昨日の話なんですけど……今すぐに、って言うのは難しいと思うんですが、将来的には自分のお店を持ってもいいかなって、思っています」
楓の言葉を聞いたセリシャは、お茶をテーブルに置くと、微笑みながら答える。
「もちろん、私もすぐにお店を持てとは言わないわ。だって、カエデさんは従魔具職人としては、まだまだ新人だもの」
「そ、そうですよね。あはは、私ったら、なんだか慌てちゃって」
「いいえ。昨日は私の言い方も悪ったと反省したわ。ごめんなさいね」
それから楓とセリシャは、お互いに冷静になりながら話を進めていく。
「まず初めに、既製品作りはすぐにでも取り掛かってもらいたいと思っているわ」
「分かりました。でも、どこで販売をするんですか?」
「商業ギルドでよ」
「……ここで、ですか?」
思わず聞き返してしまった楓。
何故なら楓は、ここ数日で何度も商業ギルドに足を運んでいるが、ギルドから何かを販売している場所を見かけたことがなかったからだ。
「前にも伝えたと思うけれど、既にカエデさんに従魔具を作ってもらいたいという依頼をいくつかいただいているの」
「はい、聞きました」
「その人たちの中で、オーダーメイドではなくても問題ない人たちを集めて、既製品の従魔具を見てもらうつもりなの」
セリシャの説明を受けて、楓は納得顔で頷きながら口を開く。
「……今あるお客様へ、確実に商品をお届けする、ということですね?」
「そういうことよ。中にはオーダーメイドがいいという人もいるだろうから、その人たちには時間を作ってもらって、私も同席の上でカエデさんに会ってもらいたいの」
「それはもちろん、やらせていただきます!」
楓の返事を受けて、セリシャはホッと胸を撫で下ろす。
「どうしたんですか?」
「……私、カエデさんに無茶なお願いばかりをしているでしょう? だから、嫌われてしまっていないか、心配だったの」
「そんな! 私がセリシャ様を嫌うわけないじゃないですか! っていうか、セリシャ様がいなかったら、私なんて何もできないただの小娘ですよ!」
身振り手振りを交えながら楓がそう口にすると、一瞬驚いた様子のセリシャだったが、すぐに苦笑を浮かべた。
そして、首を横に振りながら答えてくれる。
「いいえ、そんなことはないわ。カエデさんはきっと、私がいなくても大成していたはずだもの」
「そ、そんなことは……」
「だけれど、カエデさんが私のことをそんな風に思っていてくれたのは、嬉しいわ。その分、私もしっかりと仕事を取ってこなければいけないわね」
最初こそ苦笑ではあったが、最後の方にはいつもの笑顔に戻っており、楓は安堵しながら言葉を続ける。
「私も精いっぱい頑張ります! それと、その既製品のことで質問があったんです」
「何かしら?」
「私が知っている既製品って、レクシアさんにプレゼントした首輪くらいで、他にどんなものがあるのか、セリシャ様に聞いてみたかったんです」
楓の質問を受けて、セリシャはすぐにいくつかの既製品について答えてくれる。
「首輪は分かりやすいから私が用意していただけで、従魔と分かるものであれば、他のものでもいいの。腕輪とか、足輪とか、冠なんてものをつけた従魔もいたわね」
「か、冠ですか?」
「意外でしょうけど、その従魔は冠がお気に入りだったみたいね」
お気に入りと聞いた楓は、従魔にも個性があるのだと改めて理解し、大きく頷く。
そして、既製品の冠を作るのであれば、どうすればサイズを合わせられるかどうかを考え始める。
「腕輪や足輪なら、ベルトを使ってサイズ合わせができるけど、冠ってどうなんですかね? 大、中、小はあるでしょうけど、ベルトで合わせるには難しそうですし、あまりベルトを長くし過ぎても邪魔になっちゃいますし……」
「その時の従魔はスライムで、体に取り込んでいたわね」
「えぇっ!? か、冠をですか!!」
「そういう従魔もいるってことよ」
「……へぇー。分かりました。知識として、残しておきます」
従魔の世界は面白いなと思いながら、楓は思考を加速させていく。
「そうなると、ピースに着てもらっているような衣装もありなんですかね?」
「衣装なら一目で従魔だって分かるし、ありね。だけれど、サイズを合わせるのが難しくないかしら?」
「あー、確かにその通りですね。……でも、どんな従魔が比較的多いのか、それが分かればフリーサイズでなんとかなるかしら?」
セリシャへ質問を口にしたあと、楓は独り言をブツブツと呟いていく。
するとセリシャも楓を邪魔することはなく、無言のまま彼女が納得いくまで見守っている。
「ピースみたいに小さい従魔もいれば、ラッシュ君みたいに大きな従魔もいる。ハオ君なんて鳥だもんね。そうなると、やっぱり衣服では無理かなぁ…………はっ! す、すみません、セリシャ様! 私、勝手にぺちゃくちゃと!」
「うふふ。いいのよ、カエデさん。職人は、自分の世界を持っているのが普通だもの」
思考が止まったタイミングで我に返った楓は、セリシャを置き去りにしていることに気づき慌てて謝罪する。
しかしセリシャは、笑顔で大丈夫だと答えてくれた。
「それじゃあ、まずは作りやすい首輪、腕輪、足輪の既製品を作っていきましょう。仕事をしていく中で、既製品にできそうなものがあれば挑戦してみて、問題なさそうならラインナップに加えていく。どうかしら?」
「分かりました。やってみます!」
こうして楓は、既製品作りに取り掛かり始めた。
「おはようございます、セリシャ様」
「おはよう、カエデさん。ピースもね」
「キュン!(うん!)」
楓の挨拶に返事をしたセリシャは、すぐにお茶の準備を始める。
「あの、セリシャ様?」
「どうしたのかしら?」
そこへ楓が声を掛けると、セリシャはいつものと変わらない感じで返事をする。
「昨日の話なんですけど……今すぐに、って言うのは難しいと思うんですが、将来的には自分のお店を持ってもいいかなって、思っています」
楓の言葉を聞いたセリシャは、お茶をテーブルに置くと、微笑みながら答える。
「もちろん、私もすぐにお店を持てとは言わないわ。だって、カエデさんは従魔具職人としては、まだまだ新人だもの」
「そ、そうですよね。あはは、私ったら、なんだか慌てちゃって」
「いいえ。昨日は私の言い方も悪ったと反省したわ。ごめんなさいね」
それから楓とセリシャは、お互いに冷静になりながら話を進めていく。
「まず初めに、既製品作りはすぐにでも取り掛かってもらいたいと思っているわ」
「分かりました。でも、どこで販売をするんですか?」
「商業ギルドでよ」
「……ここで、ですか?」
思わず聞き返してしまった楓。
何故なら楓は、ここ数日で何度も商業ギルドに足を運んでいるが、ギルドから何かを販売している場所を見かけたことがなかったからだ。
「前にも伝えたと思うけれど、既にカエデさんに従魔具を作ってもらいたいという依頼をいくつかいただいているの」
「はい、聞きました」
「その人たちの中で、オーダーメイドではなくても問題ない人たちを集めて、既製品の従魔具を見てもらうつもりなの」
セリシャの説明を受けて、楓は納得顔で頷きながら口を開く。
「……今あるお客様へ、確実に商品をお届けする、ということですね?」
「そういうことよ。中にはオーダーメイドがいいという人もいるだろうから、その人たちには時間を作ってもらって、私も同席の上でカエデさんに会ってもらいたいの」
「それはもちろん、やらせていただきます!」
楓の返事を受けて、セリシャはホッと胸を撫で下ろす。
「どうしたんですか?」
「……私、カエデさんに無茶なお願いばかりをしているでしょう? だから、嫌われてしまっていないか、心配だったの」
「そんな! 私がセリシャ様を嫌うわけないじゃないですか! っていうか、セリシャ様がいなかったら、私なんて何もできないただの小娘ですよ!」
身振り手振りを交えながら楓がそう口にすると、一瞬驚いた様子のセリシャだったが、すぐに苦笑を浮かべた。
そして、首を横に振りながら答えてくれる。
「いいえ、そんなことはないわ。カエデさんはきっと、私がいなくても大成していたはずだもの」
「そ、そんなことは……」
「だけれど、カエデさんが私のことをそんな風に思っていてくれたのは、嬉しいわ。その分、私もしっかりと仕事を取ってこなければいけないわね」
最初こそ苦笑ではあったが、最後の方にはいつもの笑顔に戻っており、楓は安堵しながら言葉を続ける。
「私も精いっぱい頑張ります! それと、その既製品のことで質問があったんです」
「何かしら?」
「私が知っている既製品って、レクシアさんにプレゼントした首輪くらいで、他にどんなものがあるのか、セリシャ様に聞いてみたかったんです」
楓の質問を受けて、セリシャはすぐにいくつかの既製品について答えてくれる。
「首輪は分かりやすいから私が用意していただけで、従魔と分かるものであれば、他のものでもいいの。腕輪とか、足輪とか、冠なんてものをつけた従魔もいたわね」
「か、冠ですか?」
「意外でしょうけど、その従魔は冠がお気に入りだったみたいね」
お気に入りと聞いた楓は、従魔にも個性があるのだと改めて理解し、大きく頷く。
そして、既製品の冠を作るのであれば、どうすればサイズを合わせられるかどうかを考え始める。
「腕輪や足輪なら、ベルトを使ってサイズ合わせができるけど、冠ってどうなんですかね? 大、中、小はあるでしょうけど、ベルトで合わせるには難しそうですし、あまりベルトを長くし過ぎても邪魔になっちゃいますし……」
「その時の従魔はスライムで、体に取り込んでいたわね」
「えぇっ!? か、冠をですか!!」
「そういう従魔もいるってことよ」
「……へぇー。分かりました。知識として、残しておきます」
従魔の世界は面白いなと思いながら、楓は思考を加速させていく。
「そうなると、ピースに着てもらっているような衣装もありなんですかね?」
「衣装なら一目で従魔だって分かるし、ありね。だけれど、サイズを合わせるのが難しくないかしら?」
「あー、確かにその通りですね。……でも、どんな従魔が比較的多いのか、それが分かればフリーサイズでなんとかなるかしら?」
セリシャへ質問を口にしたあと、楓は独り言をブツブツと呟いていく。
するとセリシャも楓を邪魔することはなく、無言のまま彼女が納得いくまで見守っている。
「ピースみたいに小さい従魔もいれば、ラッシュ君みたいに大きな従魔もいる。ハオ君なんて鳥だもんね。そうなると、やっぱり衣服では無理かなぁ…………はっ! す、すみません、セリシャ様! 私、勝手にぺちゃくちゃと!」
「うふふ。いいのよ、カエデさん。職人は、自分の世界を持っているのが普通だもの」
思考が止まったタイミングで我に返った楓は、セリシャを置き去りにしていることに気づき慌てて謝罪する。
しかしセリシャは、笑顔で大丈夫だと答えてくれた。
「それじゃあ、まずは作りやすい首輪、腕輪、足輪の既製品を作っていきましょう。仕事をしていく中で、既製品にできそうなものがあれば挑戦してみて、問題なさそうならラインナップに加えていく。どうかしら?」
「分かりました。やってみます!」
こうして楓は、既製品作りに取り掛かり始めた。
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