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第三章
第132話:ただいまバルフェム
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ライゴウに乗り、先にバルフェムへと戻ってきた楓、ピース、ティアナ、アリス。
バルフェムの門の前にはセリシャをはじめ、冒険者ギルドのギルマスであるバルバスやピーチに冒険者たち、その後方にはオルダナにリディやミリーの姿もあった。
「カエデさん!」
「セリシャ様!」
集団の先頭に立ち、楓の帰りを今か今かと待っていたセリシャが声を上げた。
ライゴウから下りた楓もセリシャの名前を呼び駆け出すと、そのまま胸の中に飛び込んだ。
「あぁ、無事でよかった。怪我はないの? 大丈夫なのね?」
「はい、はい! 大丈夫です、ご心配をお掛けしました!」
感動の再会に、冒険者の中には涙ぐむ者もいた。
「無事で何よりだぜ、お嬢さん」
「ウニャニャーン」
「バルバスさんも、ピーチさんも、ありがとうございます。でも……冒険者の皆さんも、どうして?」
バルバスを含めた冒険者たちの数は、パッと見でも二〇人を超えている。
これだけの大所帯がどうしてバルフェムの前で集まっていたのか、それが楓は気になっていた。
「お嬢さんが心配で、帰りを待っていたのさ」
「えぇっ!? み、皆さんでですか!!」
まさかの答えに楓は驚きの声を上げた。
「俺たちもカエデの従魔具店で従魔具を買わせてもらったからな!」
「恩返しをしたかったが、それはまた次の機会にしておくぜ!」
「本当に無事でよかったわね、カエデさん!」
「皆さん……本当に、ありがとうございます!」
セリシャと離れた楓は、バルバスは冒険者たちの前に立つと、姿勢よく頭を下げてお礼を口にした。
今の自分にできる、精いっぱいの誠意を見せたかったのだ。
「俺たちが勝手に心配して、勝手に待っていただけなんだ。気にするなよ」
「まあ、ギルマスは俺様も行くぜ! とか言って突っ走ろうとしてたけどな」
「場所も分からないのに、本当に危ない人だよねー」
「おぉい! 誰が危ない人だ! こらあ!」
冒険者たちの声にバルバスが怒鳴り声を上げた。
すると冒険者たちは笑いながら散り散りになって逃げだしていく。
「……ったく。だがまあ、マジで無事でよかったぜ。しかし、ライゴウはいるのにヴィオンはどうしたんだ?」
「ザッシュを護送するために、地上から向かっているわ。レイス様やミリア、レクシアにラッシュも一緒よ」
「……お、お前なぁ。王族をこき使ってんのか?」
まさかザッシュの護送にレイスがいるとは思わず、バルバスは頭を抱えそうになってしまう。
「そんなこと言われても、私よりもヴィオンの方が強いし、ライゴウに乗るなら付き合いの長い私じゃないとダメだったのよ! それに、別にこき使ってるわけじゃないからね!」
「わーってるよ。しかし、そういうことならザッシュは腐っても元Sランク冒険者だからな。マジで俺も向かった方が良さそうだ。ティアナ、ライゴウには俺だけでも乗れそうか?」
「乗れるとは思うけど、ギルマスだけで行くの? 私は?」
バルバスが向かうなら、ティアナも一緒に行くべきだと思っていた。
「そうしてくれるとありがたいが、そうなるとあっちに戦力が偏っちまう。何があるか分からねぇから、お嬢さんのところにも誰かついていてやらねぇとな」
「あー、確かにその通りね。念のため、カエデ。ライゴウにギルマスだけを乗せてヴィオンのところに戻れるか聞いてみてくれない?」
「わ、分かりました!」
ティアナが楓に確認をお願いすると、すぐにライゴウに触れて声を掛ける。
「話は聞いていたと思うけど、ライゴウ? 大丈夫かな?」
「ヂキヂキキ(大丈夫だ)」
「よかった。それじゃあ、お願いね」
ライゴウからの許可も下りたところで、バルバスはすぐにライゴウへ飛び乗った。
「っつーわけで、そっちのことは任せたぜ、ティアナ!」
「安心してちょうだい。こっちにはアリスもピースもいるからね!」
バルバスからこの場を任されたティアナは、アリスとピースもいるからとサムズアップし、護衛の役目を任された。
「今度こそ、目を離さないわ!」
「キュッキュキューン!」
アリスも真剣な表情で返事をし、ピースも力強い声で鳴いた。
そんな一人と一匹を見たバルバスは満足気に頷いた。
「気をつけてくださいね、バルバスさん」
「お嬢さんはゆっくり休むんだぞ!」
大きな翼を羽ばたかせたライゴウが空を飛ぶと、ものすごい速度で来た空を戻っていった。
「おい、嬢ちゃん!」
冒険者たちがいなくなり、バルバスとのやり取りも終わったところへ、今度はオルダナの声が聞こえてきた。
「急にいなくなってしまって、申し訳ありませんでした。オルダナさん、リディ君、ミリーちゃん」
「嬢ちゃんが謝ることじゃないだろう。それに、俺たちは全く気づいてやれなかった。こっちこそ、すまなかった」
楓の謝罪は必要ないと言いながら、そのままオルダナが謝罪をして頭を下げた。
「そんな! 私の問題でしたし、オルダナさんたちは知らなかったんですから、仕方ないですよ!」
「それでも、嬢ちゃんを守ってやるのが、俺の役目でもあったってのに……不甲斐ない」
顔を上げたオルダナの表情は沈んだままだ。
「姉ちゃん。俺もなんもできなくて、ごめんな」
「私も、良かれと思っての行動で、カエデさんが……本当に、ごめんなさい」
リディも沈んだ表情でそう口にし、ミリーに至っては自分のせいで楓が攫われたと責任を感じていたのか、謝罪しながら涙を流してしまう。
「どうしてミリーちゃんが泣くの? 誰も悪くないよ。だから、泣かないで?」
「うぅぅ……はいぃぃ~」
ミリーを抱きしめながら楓はそう口にする。
するとミリーは頷きながらも、そのまま顔を楓の胸に埋めてしまう。
「みんな立ち話もなんだし、商業ギルドにいきましょう。カエデさんも疲れていると思うけど、構わないかしら?」
「大丈夫です。さあ、いこう。ミリーちゃん?」
「……ぐすっ! はい!」
それから楓は、セリシャたちと一緒にバルフェムの門を潜る。
そこにはもう見慣れた光景が広がっており、ここが自分の帰る場所なのだとしみじみ感じてしまう。
「…………ただいま」
思わずそう呟いた楓は、前を歩くセリシャたちを追い掛けて駆け足になったのだった。
バルフェムの門の前にはセリシャをはじめ、冒険者ギルドのギルマスであるバルバスやピーチに冒険者たち、その後方にはオルダナにリディやミリーの姿もあった。
「カエデさん!」
「セリシャ様!」
集団の先頭に立ち、楓の帰りを今か今かと待っていたセリシャが声を上げた。
ライゴウから下りた楓もセリシャの名前を呼び駆け出すと、そのまま胸の中に飛び込んだ。
「あぁ、無事でよかった。怪我はないの? 大丈夫なのね?」
「はい、はい! 大丈夫です、ご心配をお掛けしました!」
感動の再会に、冒険者の中には涙ぐむ者もいた。
「無事で何よりだぜ、お嬢さん」
「ウニャニャーン」
「バルバスさんも、ピーチさんも、ありがとうございます。でも……冒険者の皆さんも、どうして?」
バルバスを含めた冒険者たちの数は、パッと見でも二〇人を超えている。
これだけの大所帯がどうしてバルフェムの前で集まっていたのか、それが楓は気になっていた。
「お嬢さんが心配で、帰りを待っていたのさ」
「えぇっ!? み、皆さんでですか!!」
まさかの答えに楓は驚きの声を上げた。
「俺たちもカエデの従魔具店で従魔具を買わせてもらったからな!」
「恩返しをしたかったが、それはまた次の機会にしておくぜ!」
「本当に無事でよかったわね、カエデさん!」
「皆さん……本当に、ありがとうございます!」
セリシャと離れた楓は、バルバスは冒険者たちの前に立つと、姿勢よく頭を下げてお礼を口にした。
今の自分にできる、精いっぱいの誠意を見せたかったのだ。
「俺たちが勝手に心配して、勝手に待っていただけなんだ。気にするなよ」
「まあ、ギルマスは俺様も行くぜ! とか言って突っ走ろうとしてたけどな」
「場所も分からないのに、本当に危ない人だよねー」
「おぉい! 誰が危ない人だ! こらあ!」
冒険者たちの声にバルバスが怒鳴り声を上げた。
すると冒険者たちは笑いながら散り散りになって逃げだしていく。
「……ったく。だがまあ、マジで無事でよかったぜ。しかし、ライゴウはいるのにヴィオンはどうしたんだ?」
「ザッシュを護送するために、地上から向かっているわ。レイス様やミリア、レクシアにラッシュも一緒よ」
「……お、お前なぁ。王族をこき使ってんのか?」
まさかザッシュの護送にレイスがいるとは思わず、バルバスは頭を抱えそうになってしまう。
「そんなこと言われても、私よりもヴィオンの方が強いし、ライゴウに乗るなら付き合いの長い私じゃないとダメだったのよ! それに、別にこき使ってるわけじゃないからね!」
「わーってるよ。しかし、そういうことならザッシュは腐っても元Sランク冒険者だからな。マジで俺も向かった方が良さそうだ。ティアナ、ライゴウには俺だけでも乗れそうか?」
「乗れるとは思うけど、ギルマスだけで行くの? 私は?」
バルバスが向かうなら、ティアナも一緒に行くべきだと思っていた。
「そうしてくれるとありがたいが、そうなるとあっちに戦力が偏っちまう。何があるか分からねぇから、お嬢さんのところにも誰かついていてやらねぇとな」
「あー、確かにその通りね。念のため、カエデ。ライゴウにギルマスだけを乗せてヴィオンのところに戻れるか聞いてみてくれない?」
「わ、分かりました!」
ティアナが楓に確認をお願いすると、すぐにライゴウに触れて声を掛ける。
「話は聞いていたと思うけど、ライゴウ? 大丈夫かな?」
「ヂキヂキキ(大丈夫だ)」
「よかった。それじゃあ、お願いね」
ライゴウからの許可も下りたところで、バルバスはすぐにライゴウへ飛び乗った。
「っつーわけで、そっちのことは任せたぜ、ティアナ!」
「安心してちょうだい。こっちにはアリスもピースもいるからね!」
バルバスからこの場を任されたティアナは、アリスとピースもいるからとサムズアップし、護衛の役目を任された。
「今度こそ、目を離さないわ!」
「キュッキュキューン!」
アリスも真剣な表情で返事をし、ピースも力強い声で鳴いた。
そんな一人と一匹を見たバルバスは満足気に頷いた。
「気をつけてくださいね、バルバスさん」
「お嬢さんはゆっくり休むんだぞ!」
大きな翼を羽ばたかせたライゴウが空を飛ぶと、ものすごい速度で来た空を戻っていった。
「おい、嬢ちゃん!」
冒険者たちがいなくなり、バルバスとのやり取りも終わったところへ、今度はオルダナの声が聞こえてきた。
「急にいなくなってしまって、申し訳ありませんでした。オルダナさん、リディ君、ミリーちゃん」
「嬢ちゃんが謝ることじゃないだろう。それに、俺たちは全く気づいてやれなかった。こっちこそ、すまなかった」
楓の謝罪は必要ないと言いながら、そのままオルダナが謝罪をして頭を下げた。
「そんな! 私の問題でしたし、オルダナさんたちは知らなかったんですから、仕方ないですよ!」
「それでも、嬢ちゃんを守ってやるのが、俺の役目でもあったってのに……不甲斐ない」
顔を上げたオルダナの表情は沈んだままだ。
「姉ちゃん。俺もなんもできなくて、ごめんな」
「私も、良かれと思っての行動で、カエデさんが……本当に、ごめんなさい」
リディも沈んだ表情でそう口にし、ミリーに至っては自分のせいで楓が攫われたと責任を感じていたのか、謝罪しながら涙を流してしまう。
「どうしてミリーちゃんが泣くの? 誰も悪くないよ。だから、泣かないで?」
「うぅぅ……はいぃぃ~」
ミリーを抱きしめながら楓はそう口にする。
するとミリーは頷きながらも、そのまま顔を楓の胸に埋めてしまう。
「みんな立ち話もなんだし、商業ギルドにいきましょう。カエデさんも疲れていると思うけど、構わないかしら?」
「大丈夫です。さあ、いこう。ミリーちゃん?」
「……ぐすっ! はい!」
それから楓は、セリシャたちと一緒にバルフェムの門を潜る。
そこにはもう見慣れた光景が広がっており、ここが自分の帰る場所なのだとしみじみ感じてしまう。
「…………ただいま」
思わずそう呟いた楓は、前を歩くセリシャたちを追い掛けて駆け足になったのだった。
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