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第四章
第155話:小型従魔かけっこ部門
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受付を終わらせた楓は、会場でリディとミリーと別れた。
二人は観客席へ移動し、楓とピースは出場従魔としてコースへ向かう。
かけっこ部門には総勢二四匹の従魔が参加しており、一度に四匹の従魔が競技を行い、上位二匹が準決勝へ進出する。
準決勝では四匹が競うのは同じだが、決勝へ進出できるのはトップのみ。
そして決勝は三匹で競われる。
「……なんだか、緊張してきたな」
参加従魔が集まってくると、主である楓はそんなことを口にした。
「キュキキャギュリ! キャンキュキギン!(おいらは大丈夫! 早く走りたいな!)」
するとピースはとても頼もしい言葉を発し、楓の固かった表情が柔らかくなる。
「……うふふ。さすがはピース! 頼もしいな!」
「キュッキュン!(えっへん!)」
小さな胸を張るピースを見ながら、楓は深呼吸をする。
その間に競技はスタートしており、ピースの出番は四組目になっている。
二組目からしっかりと観戦を始めた楓は、不思議な感覚を覚えてしまう。
(……なんだろう。ピースって、ものすごく速いのかな?)
ピースとは毎日一緒にいるから分かるが、他の従魔と比べたことなど一度もない。
だからかもしれないが、速さだけで見てみるとピースの方が格段に速いように見えてならない。
それは三組目を見たあとも変わらず、楓は首を傾げながらピースと一緒にスタート地点へ移動する。
「四組目の従魔の皆さんは、スタート地点で待機をお願いしまーす!」
進行役の女性が声を掛けると、ピースを含めた四匹の従魔が並んだ。
「準備はよろしいですか? ……それでは、レディ――ゴー!」
スタートの合図が出されると、四匹が一気に駆け出した。
「キュキュウウウウッ!」
気合いの入った鳴き声を発したピースは一歩も二歩も抜け出していき、コースを駆け抜けていく。
他の従魔との差はさらに開いていき、ピースがゴールした時には二位の従魔はまだコースの三分の二を過ぎたところだった。
「はやっ!?」
驚きの声を上げたのは楓だった。
二組目、三組目を見た時点でもなんとなくピースの方が速いと思っていたのだが、実際に競争している姿を見て改めて実感する。
そして観客席からも大歓声と共に、驚きの声が聞こえてきた。
「ゴール! 一位は圧倒的スピードで駆け抜けたピース君! 二位は――」
進行役が拍手をしながらそう声を上げると、もう一度大歓声が観客席から響き渡る。
そのピースはどや顔で両手を振りながら、観客たちに応えている。
(……これ、本当に優勝できるんじゃないの?)
楓がそう思ったあとに行われた準決勝。
当然だが、一回戦を勝ち上がってきた従魔たちなので速さは先ほどとは段違いだ。
そのはずなのだが、ピースは準決勝でも圧勝してしまい、あっさりと決勝進出を決めてしまった。
「ど、どどどど、どうしよう、ピース!? 決勝だよ、決勝!!」
解けた緊張が再びぶり返してきた楓に対して、ピースは肩に乗ってからドンと胸を叩く。
「キュキギャキャケケ!(おいらに任せて!)」
「……そう、だよね。私が緊張しても、意味ないもんね! 信じてるよ、ピース!」
競うのはピースであって、楓ではない。
そして、実際に走るピースは自信満々で、どうして自分が緊張していたのかと楓は笑う。
「応援してるね、ピース!」
「キュン!(うん!)」
楓の言葉に大きく頷いたピース。
「それでは決勝戦を始めます! 従魔の皆さんはスタート位置へ集まってください!」
進行役が声を上げると、ピースは楓の肩から飛び下りてスタート地点へ向かう。
その背中を見つめながら、楓は両手を胸の前で重ね合わせた。
「それでは皆さん、準備はよろしいですか?」
三匹の並びは右にピース、中央にネズミの従魔、左にウサギの従魔だ。
「それでは、レディ――ゴー!」
スタートと同時に抜け出したのは、ウサギの従魔だ。
ピースは初めてリードを許した形だったが、冷静にウサギの従魔の背中を見つめる。
ネズミの従魔は出遅れており、スタートの時点で勝負はピースとウサギの従魔に絞られた。
「頑張れー! ピースー!」
楓が大きな声で声援を送る。
するとピースは徐々に加速していき、ウサギの従魔へ迫っていく。
逆にウサギの従魔は連戦の影響か、徐々に速度が落ち始めた。
「キュキュキュウウウウウウウウッ!!」
決勝戦にしてピースは三試合中の最高速度に達し、一気にウサギの従魔を抜き去った。
一位に躍り出て以降はリードを許すことなく、むしろ差を開いていき、決勝でも圧倒的実力を見せつけてピースが優勝を手にした。
「よっしゃー! さすがピースだ!」
「すごい! おめでとう、ピース君!」
観客席からリディとミリーの声も聞こえてくる。
そのピースはゴールテープを切った直後から楓の方へ駆け出しており、その胸に飛び込んだ。
「キッキュギー!(やったよー!)」
「優勝おめでとう、ピース! 最高だったよ!」
こうしてピースは、かけっこ部門の優勝に輝いた。
二人は観客席へ移動し、楓とピースは出場従魔としてコースへ向かう。
かけっこ部門には総勢二四匹の従魔が参加しており、一度に四匹の従魔が競技を行い、上位二匹が準決勝へ進出する。
準決勝では四匹が競うのは同じだが、決勝へ進出できるのはトップのみ。
そして決勝は三匹で競われる。
「……なんだか、緊張してきたな」
参加従魔が集まってくると、主である楓はそんなことを口にした。
「キュキキャギュリ! キャンキュキギン!(おいらは大丈夫! 早く走りたいな!)」
するとピースはとても頼もしい言葉を発し、楓の固かった表情が柔らかくなる。
「……うふふ。さすがはピース! 頼もしいな!」
「キュッキュン!(えっへん!)」
小さな胸を張るピースを見ながら、楓は深呼吸をする。
その間に競技はスタートしており、ピースの出番は四組目になっている。
二組目からしっかりと観戦を始めた楓は、不思議な感覚を覚えてしまう。
(……なんだろう。ピースって、ものすごく速いのかな?)
ピースとは毎日一緒にいるから分かるが、他の従魔と比べたことなど一度もない。
だからかもしれないが、速さだけで見てみるとピースの方が格段に速いように見えてならない。
それは三組目を見たあとも変わらず、楓は首を傾げながらピースと一緒にスタート地点へ移動する。
「四組目の従魔の皆さんは、スタート地点で待機をお願いしまーす!」
進行役の女性が声を掛けると、ピースを含めた四匹の従魔が並んだ。
「準備はよろしいですか? ……それでは、レディ――ゴー!」
スタートの合図が出されると、四匹が一気に駆け出した。
「キュキュウウウウッ!」
気合いの入った鳴き声を発したピースは一歩も二歩も抜け出していき、コースを駆け抜けていく。
他の従魔との差はさらに開いていき、ピースがゴールした時には二位の従魔はまだコースの三分の二を過ぎたところだった。
「はやっ!?」
驚きの声を上げたのは楓だった。
二組目、三組目を見た時点でもなんとなくピースの方が速いと思っていたのだが、実際に競争している姿を見て改めて実感する。
そして観客席からも大歓声と共に、驚きの声が聞こえてきた。
「ゴール! 一位は圧倒的スピードで駆け抜けたピース君! 二位は――」
進行役が拍手をしながらそう声を上げると、もう一度大歓声が観客席から響き渡る。
そのピースはどや顔で両手を振りながら、観客たちに応えている。
(……これ、本当に優勝できるんじゃないの?)
楓がそう思ったあとに行われた準決勝。
当然だが、一回戦を勝ち上がってきた従魔たちなので速さは先ほどとは段違いだ。
そのはずなのだが、ピースは準決勝でも圧勝してしまい、あっさりと決勝進出を決めてしまった。
「ど、どどどど、どうしよう、ピース!? 決勝だよ、決勝!!」
解けた緊張が再びぶり返してきた楓に対して、ピースは肩に乗ってからドンと胸を叩く。
「キュキギャキャケケ!(おいらに任せて!)」
「……そう、だよね。私が緊張しても、意味ないもんね! 信じてるよ、ピース!」
競うのはピースであって、楓ではない。
そして、実際に走るピースは自信満々で、どうして自分が緊張していたのかと楓は笑う。
「応援してるね、ピース!」
「キュン!(うん!)」
楓の言葉に大きく頷いたピース。
「それでは決勝戦を始めます! 従魔の皆さんはスタート位置へ集まってください!」
進行役が声を上げると、ピースは楓の肩から飛び下りてスタート地点へ向かう。
その背中を見つめながら、楓は両手を胸の前で重ね合わせた。
「それでは皆さん、準備はよろしいですか?」
三匹の並びは右にピース、中央にネズミの従魔、左にウサギの従魔だ。
「それでは、レディ――ゴー!」
スタートと同時に抜け出したのは、ウサギの従魔だ。
ピースは初めてリードを許した形だったが、冷静にウサギの従魔の背中を見つめる。
ネズミの従魔は出遅れており、スタートの時点で勝負はピースとウサギの従魔に絞られた。
「頑張れー! ピースー!」
楓が大きな声で声援を送る。
するとピースは徐々に加速していき、ウサギの従魔へ迫っていく。
逆にウサギの従魔は連戦の影響か、徐々に速度が落ち始めた。
「キュキュキュウウウウウウウウッ!!」
決勝戦にしてピースは三試合中の最高速度に達し、一気にウサギの従魔を抜き去った。
一位に躍り出て以降はリードを許すことなく、むしろ差を開いていき、決勝でも圧倒的実力を見せつけてピースが優勝を手にした。
「よっしゃー! さすがピースだ!」
「すごい! おめでとう、ピース君!」
観客席からリディとミリーの声も聞こえてくる。
そのピースはゴールテープを切った直後から楓の方へ駆け出しており、その胸に飛び込んだ。
「キッキュギー!(やったよー!)」
「優勝おめでとう、ピース! 最高だったよ!」
こうしてピースは、かけっこ部門の優勝に輝いた。
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