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第四章
第159話:大型従魔の飛行部門と注意事項
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レクシアとラッシュの表彰式を見届けた楓たちは、最後に大型従魔の競技会場へ向かう。
しかし、そこは既に超満員となっており、遠くから眺めることしかできなくなっていた。
「うわー……すごいね、ここは」
「大型従魔の競技は、従魔大運動会の花形ですからね。他の競技には目もくれず、朝から場所取りをする人までいるくらいなんですよ」
楓が超満員の会場に驚いていると、ミリーがその理由を説明してくれた。
「でも、大型従魔だとヴィオンさんのライゴウだろ? だったら飛行部門だし、遠くからでも見れるはずだぜ!」
そこへ声を上げたのはリディだった。
「そうなの?」
「おう! 俺たちも会場には来れなかったけど、孤児院からちょっとだけど大型従魔が飛び回っているのを見たことがあるからな!」
「それはすごいね」
いったいどんなレースが繰り広げられるのか、楓は今から楽しみでならない。
『――まもなく大型従魔の飛行部門が開始されます。観戦される方は頭上からの飛来物にご注意ください』
「……頭上からの飛来物?」
何やら恐ろしいアナウンスが流れてきたことで、楓は思わず繰り返してしまう。
「稀にあるんです。身に着けていた従魔具の一部が外れて、落ちてくることが」
「何それ、怖っ!?」
「一応、会場全体をカバーできるように職員が配置されていて、何かあれば守れるようにしているみたいですけどね」
「……恐ろしいね、大型従魔の飛行部門は」
呆れたように呟くと、そこへ聞き慣れた声が聞こえてくる。
「カエデー! みんなー!」
「あっ! ティアナさん! それに、セリシャ様も!」
声の方へ振り向くと、そこにはティアナとセリシャ、先ほど大活躍を見せていたレクシアとラッシュもいた。
「皆さん、お疲れ様でした!」
「頑張ったのはレクシアだけどね!」
「ラッシュも頑張ってくれたわ。惜しかったわね」
「コンコーン!」
「クゥゥン……」
楓が労いの言葉を掛けると、レクシアは嬉しそうに、ラッシュは悔しそうに鳴いた。
「皆さんも観戦ですか?」
「そうよ。会場はこんなんだけど、実は参加者にだけ許された、特別な観戦場所があるの」
「えぇっ!? ……私、知らなかった」
ティアナがそう口にすると、楓は自分も参加者だったのにとため息を吐く。
「参加者の知り合いも一緒に行けるから、リディやミリーも一緒で大丈夫よ」
「本当! セリシャ様!」
「やったぜ!」
セリシャの言葉に少しだけ不安そうにしていたミリーとリディが嬉しそうに笑う。
「アリスとスズネも来るでしょ?」
「もち!」
「ありがとうございます、ティアナさん」
アリスと鈴音も笑顔を浮かべ、全員で参加者用の観戦スペースへ移動する。
「あれ? でも、ここにも一般の方が集まっていませんか?」
移動中、楓は参加者ではない人たちがスペースの周りにいることに気づき口を開く。
「参加者用の観戦スペースは結構広く取られているの。だから、もしも余ったスペースがあれば、そこが一般の人たちに開放されるのよ」
「場所取りに失敗した人は、最後の望みでこっちに来るのよ」
ティアナが説明すると、補足するようにセリシャも教えてくれた。
「……本当に、ティアナさんとセリシャ様に教えてもらえてよかったです」
参加者用観戦スペースがあるとあとから気づいても、その時には遅かったかもしれない。
そう考えると、二人には感謝してもしきれない。
「従魔大運動会に参加された皆様! そろそろ場所取りはよろしいでしょうかー!」
職員の声が聞こえてきたので、楓たちは空いているできるだけ前のスペースを陣取ると、ティアナが手を上げた。
「それでは一般の皆様。こちらの空いているスペースを――開放します!」
「「「「うおおおおおおおおっ!!」」」」
職員の合図とともに、一般客が一斉に押し寄せてきた。
どこからか怒号のような声も聞こえてきたが、誰も止めようとはしない。
「……もしかして、これが普通なんですか?」
「そうね。なんならちょっとおとなしいかも?」
「……怖っ!?」
ティアナが当たり前のように答えると、楓は思わず本音が零れた。
「それだけ大型従魔の競技が、人気があるということよ」
そこへセリシャが穏やかな声で教えてくれた。
周囲の喧騒とは正反対な雰囲気に、楓は思わず苦笑いを浮かべる。
『――さあさあ、皆様! お待たせいたしました! 従魔大運動会の花形競技と言えばまさしくこちらでしょう! 大型従魔の飛行部門!』
するとここで、拡声器からテンション高めで声が聞こえてきた。
『――応援の準備はできていますか? 盛り上がる準備はできていますか? まもなく選手が入場してまいります! 大きな拍手をお送りください!!』
アナウンスが終わると、魔法なのか空に色とりどりの光が打ち上げられる。
それに続いてエントリーした従魔たちが入場してきた。
「ライゴウさんだ! カリーナ様もいるわ!」
「大型従魔は契約している人が極端に少ないからね。最初から決勝戦になるのよ」
楓がライゴウとカリーナを見つけて声を上げると、ティアナが大型従魔について説明してくれた。
「そうなんですね。……え? ということは、これが最終競技になるんですか?」
「そういうことね」
これで最後なのかと分かり、楓は少しだけ寂しさを覚えてしまう。
それと同時に、ライゴウとカリーナの雄姿をしかとこの目に焼き付けなければ、という想いに駆られた。
『――さあさあ! 選手入場が終わりました! 優勝候補に挙げられているのはこの二匹! Sランク冒険者ヴィオンの従魔、ライゴウ! そして我らがバルフェムの市長にして英雄! ボルト・アマニール子爵様の従魔、カリーナ! しかしながら、他の従魔たちも強者揃い! 今年の大型従魔飛行部門の優勝はいったい誰なのか!』
実況も熱が入り、段々と声が大きくなっていく!
『――それでは参りましょう! 皆さん、用意はいいですか? ……レディ――ゴー!』
こうして、最終競技となる大型従魔飛行部門のスタートが切られた。
しかし、そこは既に超満員となっており、遠くから眺めることしかできなくなっていた。
「うわー……すごいね、ここは」
「大型従魔の競技は、従魔大運動会の花形ですからね。他の競技には目もくれず、朝から場所取りをする人までいるくらいなんですよ」
楓が超満員の会場に驚いていると、ミリーがその理由を説明してくれた。
「でも、大型従魔だとヴィオンさんのライゴウだろ? だったら飛行部門だし、遠くからでも見れるはずだぜ!」
そこへ声を上げたのはリディだった。
「そうなの?」
「おう! 俺たちも会場には来れなかったけど、孤児院からちょっとだけど大型従魔が飛び回っているのを見たことがあるからな!」
「それはすごいね」
いったいどんなレースが繰り広げられるのか、楓は今から楽しみでならない。
『――まもなく大型従魔の飛行部門が開始されます。観戦される方は頭上からの飛来物にご注意ください』
「……頭上からの飛来物?」
何やら恐ろしいアナウンスが流れてきたことで、楓は思わず繰り返してしまう。
「稀にあるんです。身に着けていた従魔具の一部が外れて、落ちてくることが」
「何それ、怖っ!?」
「一応、会場全体をカバーできるように職員が配置されていて、何かあれば守れるようにしているみたいですけどね」
「……恐ろしいね、大型従魔の飛行部門は」
呆れたように呟くと、そこへ聞き慣れた声が聞こえてくる。
「カエデー! みんなー!」
「あっ! ティアナさん! それに、セリシャ様も!」
声の方へ振り向くと、そこにはティアナとセリシャ、先ほど大活躍を見せていたレクシアとラッシュもいた。
「皆さん、お疲れ様でした!」
「頑張ったのはレクシアだけどね!」
「ラッシュも頑張ってくれたわ。惜しかったわね」
「コンコーン!」
「クゥゥン……」
楓が労いの言葉を掛けると、レクシアは嬉しそうに、ラッシュは悔しそうに鳴いた。
「皆さんも観戦ですか?」
「そうよ。会場はこんなんだけど、実は参加者にだけ許された、特別な観戦場所があるの」
「えぇっ!? ……私、知らなかった」
ティアナがそう口にすると、楓は自分も参加者だったのにとため息を吐く。
「参加者の知り合いも一緒に行けるから、リディやミリーも一緒で大丈夫よ」
「本当! セリシャ様!」
「やったぜ!」
セリシャの言葉に少しだけ不安そうにしていたミリーとリディが嬉しそうに笑う。
「アリスとスズネも来るでしょ?」
「もち!」
「ありがとうございます、ティアナさん」
アリスと鈴音も笑顔を浮かべ、全員で参加者用の観戦スペースへ移動する。
「あれ? でも、ここにも一般の方が集まっていませんか?」
移動中、楓は参加者ではない人たちがスペースの周りにいることに気づき口を開く。
「参加者用の観戦スペースは結構広く取られているの。だから、もしも余ったスペースがあれば、そこが一般の人たちに開放されるのよ」
「場所取りに失敗した人は、最後の望みでこっちに来るのよ」
ティアナが説明すると、補足するようにセリシャも教えてくれた。
「……本当に、ティアナさんとセリシャ様に教えてもらえてよかったです」
参加者用観戦スペースがあるとあとから気づいても、その時には遅かったかもしれない。
そう考えると、二人には感謝してもしきれない。
「従魔大運動会に参加された皆様! そろそろ場所取りはよろしいでしょうかー!」
職員の声が聞こえてきたので、楓たちは空いているできるだけ前のスペースを陣取ると、ティアナが手を上げた。
「それでは一般の皆様。こちらの空いているスペースを――開放します!」
「「「「うおおおおおおおおっ!!」」」」
職員の合図とともに、一般客が一斉に押し寄せてきた。
どこからか怒号のような声も聞こえてきたが、誰も止めようとはしない。
「……もしかして、これが普通なんですか?」
「そうね。なんならちょっとおとなしいかも?」
「……怖っ!?」
ティアナが当たり前のように答えると、楓は思わず本音が零れた。
「それだけ大型従魔の競技が、人気があるということよ」
そこへセリシャが穏やかな声で教えてくれた。
周囲の喧騒とは正反対な雰囲気に、楓は思わず苦笑いを浮かべる。
『――さあさあ、皆様! お待たせいたしました! 従魔大運動会の花形競技と言えばまさしくこちらでしょう! 大型従魔の飛行部門!』
するとここで、拡声器からテンション高めで声が聞こえてきた。
『――応援の準備はできていますか? 盛り上がる準備はできていますか? まもなく選手が入場してまいります! 大きな拍手をお送りください!!』
アナウンスが終わると、魔法なのか空に色とりどりの光が打ち上げられる。
それに続いてエントリーした従魔たちが入場してきた。
「ライゴウさんだ! カリーナ様もいるわ!」
「大型従魔は契約している人が極端に少ないからね。最初から決勝戦になるのよ」
楓がライゴウとカリーナを見つけて声を上げると、ティアナが大型従魔について説明してくれた。
「そうなんですね。……え? ということは、これが最終競技になるんですか?」
「そういうことね」
これで最後なのかと分かり、楓は少しだけ寂しさを覚えてしまう。
それと同時に、ライゴウとカリーナの雄姿をしかとこの目に焼き付けなければ、という想いに駆られた。
『――さあさあ! 選手入場が終わりました! 優勝候補に挙げられているのはこの二匹! Sランク冒険者ヴィオンの従魔、ライゴウ! そして我らがバルフェムの市長にして英雄! ボルト・アマニール子爵様の従魔、カリーナ! しかしながら、他の従魔たちも強者揃い! 今年の大型従魔飛行部門の優勝はいったい誰なのか!』
実況も熱が入り、段々と声が大きくなっていく!
『――それでは参りましょう! 皆さん、用意はいいですか? ……レディ――ゴー!』
こうして、最終競技となる大型従魔飛行部門のスタートが切られた。
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