異世界従魔具店へようこそ!〜私の外れスキルはモフモフと共にあり〜

渡琉兎

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第四章

第177話:捜索開始

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「僕がカエデ様とピースについていきます。ミリアはティアナさんとレクシアについていって」
「はっ!」

 ヴィオンと共にライゴウのところへ行っていたミリアが戻ってくると、即座にレイスが指示を出した。
 エルデクスから許可を得ているとはいえ、外部の人間である楓やティアナが王城内を自由に動くことを良く思わない者もいる。
 そのため、レイスとミリアがそれぞれについて捜索を行うことになった。

「よろしくね、ミリア」
「こちらこそ頼んだぞ。ティアナ、そしてレクシア」
「コンコン!」

 ティアナたちを見送った楓も、早速動き出す。

「それじゃあ、レイス様。一度捜索を終えたところを教えていただけますか?」
「一度捜索を終えたところ、ですか?」

 楓の言葉に、レイスは首を傾げる。

「はい。その中に隠された場所がないか、それを探そうと思っています」
「その可能性は低いと思いますが……いいえ、分かりました。少しでも可能性があるなら、ご案内いたします」
「ありがとうございます。ピース、よろしくね」
「キュキュン!(任せて!)」

 レイスの案内で、楓の要望に合わせて一度捜索を終えたところへ向かう。
 レクシアには及ばないが、ピースも匂いを多少だが追うことができる。
 時間が経っているため難しいかもしれないが、そこから隠し部屋や隠し通路がないかを探そう、という狙いもある。しかし――

「……うーん。なかなか見つからないね」
「ギュ、ギュグギ~(こ、こんなはずじゃ~)」

 楓が腕組みをしながらそう口にすると、ピースは申し訳なさそうに鳴く。

「そんな悲しい声を出さないでいいよ、ピース。ここは元々、僕たちが捜索したところだからね。最初に可能性は低いって言っていただろう?」

 そんなピースに対して、レイスが優しく声をかける。
 それでもピースは悔しいのか、小さく頷きながらも最後の部屋の前で気合いを入れ直す。

「ここが最後ですね」
「ありがとうございます、レイス様。ここに何もなかったら、王都か、さらにその外って可能性もあるわけですね」
「そうなります」

 レイスの案内でやってきた、最後の部屋の前。
 ピースと同様に、楓も気合いを入れ直してから、扉を開く。

「ここは使用人の部屋なのですが、一年近く誰も使用していない部屋になります。僕たちが一番最初に調べた部屋にもなりますね」

 部屋に入りながらレイスがそう説明してくれている間にも、ピースは部屋の隅から隅へと移動しながら、何か手がかりはないかと探していく。

(うーん。一度探した場所に戻ってくる、みたいな話を聞いたことがあったけど、さすがにないか。ってか、逃げ隠れしているわけじゃないんだし、戻ってくるはずがない――)
「キュキュ! キュッキキュー!」

 楓がそんなことを考えていると、急にピースが大きな声で鳴いた。
 顔を見合わせた楓とレイスは、すぐにピースの方へ走り出す。

「どうしたの、ピース!」
「何か見つけたのかい?」

 二人の問い掛けに、ピースは楓の肩に飛び乗ってから教えてくれる。

「キュリギ、キュキギュギギギュ!(この裏、なんか風が通ってる!)」
「この壁の、裏? 風が通ってるって、どういうこと?」
「下がってください、カエデ様」

 ピースの言葉を翻訳した楓に対して、レイスは下がるよう伝えた。
 すぐに後ろへ下がった楓に変わり、レイスが前に立つ。

「あの、どうしたんですか、レイス様?」
「この壁を――壊します!」
「え? ええええぇぇっ!?」
「クロウ!」
「フシュシュウウウウッ!」

 レイスの答えに驚きの声を上げた楓。
 直後にはレイスが指示を出し、彼の影から飛び出したクロウが右手を振り上げる。そして――

 ――ズバッ!

 右手が鋭いかぎ爪となり、壁を切り裂いてしまった。
 ガラガラと音を立てて崩れていく部屋の壁に、楓は目を丸くしてしまう。
 砂埃が舞い上がる中、レイスとクロウ、そしてピースも警戒を強めていた。

「……アアアアッ!」

 直後、奇声が砂埃の奥から聞こえてくると同時に、男性が飛び出してきた。

「きゃあ!?」
「ギュギュー!」
「フシュララッ!」

 悲鳴を上げる楓。
 そんな楓を守るため水の結界を発動させたピース。
 同様にレイスを守るため、クロウが男性に飛び掛かっていく。

「あなたは――ケイル!?」
「グガアアァァ、ギギュアアアアッ!!」

 人間のものとは思えない奇声を発しながら、壁の裏からは行方不明になっていたケイルが飛び出し、襲い掛かってきた。
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