10 / 19
第10話:氷の公爵は、破天荒な妻の『上客』として永遠に囲い込まれることを誓う
しおりを挟む
「……夢ではない、か」
執務室に戻った俺――アレクセイ・フォン・ヴォルフガングは、壁に掛けられた姿見の前に立ち、己の顔の右半分にそっと指を這わせた。
そこにあるはずの、赤黒く爛れた醜い皮膚がない。
冬の寒さでひきつるような鈍痛も、魔力特有の重苦しい熱も、何一つ感じない。 ただ、温かくなめらかな、本来の肌の感触だけが指先に伝わってくる。
高位の神官に大金を積んでも神の試練と匙を投げられた呪い。
この醜い爛れのせいで、実の母からは『化け物』と汚物を見るような目で疎まれた。
それをいいことに、腹違いの兄弟たちは俺を次期当主の座から引きずり下ろそうと、幾度も暗殺者を差し向けてきた。
血で血を洗う凄惨な兄弟殺しの末、彼らの屍を越えて辺境公爵の座を簒奪した日から――俺は周囲から忌み嫌われ、やがて俺自身も心を凍らせて氷の公爵という仮面を被るようになった。
俺の人生は、絶望と血の匂いだけで終わるはずだった。
それが、たった数十分の『ふぇいしゃるえすて』とやらで、本当に跡形もなく消え去ってしまったのだ。
「シャルロッテ・フォン・ローゼンベルク……。お前は一体……」
鏡の中の顔を見つめながら俺は溜息をついた。
王太子から、婚約破棄された彼女を辺境に押し付けられた時。俺はただの嫌がらせか、と吐き捨てた。
温室育ちのわがままな令嬢が、過酷な辺境で生きていけるはずがない。どうせすぐに泣き叫び、慰謝料を要求して王都へ逃げ帰るだろうと。
だから初対面の時、俺は彼女を突き放した。白い結婚を突きつけ、ボロ部屋の片隅で息を潜めて生きろと。
だが、彼女の反応は俺の予想を遥かに斜め上にブチ抜いていた。
『互いに不干渉という契約、たしかに結ばせていただきます。私は私の部屋で、ひっそりとつつましく生きていくことをお誓いしますわ!』
絶望するどころか、彼女は満面の笑みで目を輝かせて即答したのだ。
それだけではない。 そのすぐ後には極寒のボロ部屋を常春の楽園(すまーと・すぱだったか……?)に変え、疲労困憊だった俺を風呂に叩き込んだ。
翌朝には、ただ塩辛いだけの干し肉を極上のスープとふわふわのパンに変え、容赦なくコンサルティング料とやらで金貨を請求してきた。
極めつけは、昨日の森でのスライム騒動だ。
騎士団が死にかける凶悪な魔獣を前にして、彼女は最高の原材料と満面のドヤ顔を決め、謎の魔法陣でスライムをすり潰して瓶詰めしていた。
常識外れ。
破天荒。
図太い。
だが、そのすべての行動の裏には生き抜くための圧倒的な逞しさがある──。
そして今日。
彼女は俺の顔に触れた。
化け物と恐れられた外見も気にせず、真っ直ぐな瞳で見てくれた。
俺の顔を覗き込んできた彼女の肌は、信じられないほどに白く、美しく、光を反射して輝いていた。良い匂いがした。……思い出すだけで、どうにも耳の裏が熱くなる。
俺は、彼女に救われたのだ。 人生の暗闇から引っ張り上げられた。
圧倒的な感謝と、抑えきれない熱い感情を、俺は彼女に伝えようとした。
『――ならば話は早いです! 初期投資として金貨1000枚の融資をお願いします!』
俺の感動の涙は、彼女の最高の営業スマイルと謎の契約書によって、一瞬で引っ込んだ。
「……ふっ、くくくっ」
思い出して、俺はまた肩を揺らして笑ってしまった。 自分がこれほど声を出して笑う人間だったことすら、長年忘れていた。
普通、あそこは令嬢が顔を赤らめて見つめ合う場面だろう。 だが、彼女は俺を怪物扱いしない代わりに、男としても意識していなかった。
ただのパトロンとして、俺から容赦なく金をふんだくろうとしているのだ。
それが、どうしようもなく面白かった。
俺の心に張られていた分厚い氷は、彼女の魔法のお湯と美味しいご飯と、そしてあの強烈に前向きな笑顔によって完全に溶け去ってしまったらしい。
コンコン。
「公爵様、お入りしてもよろしいでしょうか」
扉の向こうから、部下である騎士団長の声がした。
「入れ」
「失礼しま――……っ!? こ、公爵、様……!?」
執務室に入ってきた騎士団長は俺の顔を見るなり、雷にでも打たれたように硬直した。
「お顔の……! 右半分の傷が……完全に……!?」
「ああ。シャルロッテが治してくれた」
俺が口の端を上げてそう告げると、騎士団長はワナワナと震え出し、やがて大粒の涙を流してその場に平伏した。
「おおお……! 彼女が、まさかこれほどの奇跡を……! なんという御方だ……!」
「驚くのは早いぞ。昨日、お前たちを苦しめたクリスタル・スライム。あれの体液から作った特効薬を、シャルロッテが間もなく騎士団の兵舎に持っていくはずだ。火傷が一瞬で痕もなく治るらしい」
「な、なんと……!? 我々辺境の民にそんなことをしてくれるとは……!?」
「いいか、騎士団長」
俺は、今までで一番穏やかな声で言った。
「これより、シャルロッテを敵だと思うな。彼女は王都の回し者ではない。我がヴォルフガング領の身内として遇し、彼女のやりたいようにやらせろ」
「は、はいっ! 実を申しますと……我ら辺境の民も騎士たちも、王都から押し付けられた彼女を内心では快く思っておりませんでした。しかし、これほどの奇跡をもたらしてくださった今、誰一人としてシャルロッテ様を疑う者はおりませぬ!」
「彼女を全力で守れ。王都の馬鹿共が彼女の価値に気づき、ちょっかいをかけてくるようなことがあれば……俺が直々に氷漬けにして砕く」
俺の放ったゾッとするような殺気に、騎士団長は「ははっ!」と力強く、そして獰猛な笑みを浮かべて首肯した。
「元よりこの北の辺境は、かつては独立した誇り高き小国。我ら辺境の民は王家の犬共に、ただの一度も忠誠など誓っておりませぬ! もし王都の連中が我らの身内に指一本でも触れようものなら……辺境全軍をもって、王都を火の海にしてご覧に入れます!」
頼もしい騎士団長の言葉に、俺は満足げに頷いた。
金貨1000枚の融資。 もちろん、痛くも痒くもない。
俺の全財産――いや、この血塗られた命すらも、とっくに彼女のものだ。
彼女は俺を優良顧客として手玉に取っているつもりらしいが、勝手に勘違いさせておけばいい。
「俺は、お前が作ったこの快適な城で、一生お前の上客として甘やかさせてもらうぞ、シャルロッテ」
執務机の上に置かれたリゾート大改修計画書を撫でながら、氷の公爵はどこまでも重く、甘い執着の笑みを深めるのだった。
執務室に戻った俺――アレクセイ・フォン・ヴォルフガングは、壁に掛けられた姿見の前に立ち、己の顔の右半分にそっと指を這わせた。
そこにあるはずの、赤黒く爛れた醜い皮膚がない。
冬の寒さでひきつるような鈍痛も、魔力特有の重苦しい熱も、何一つ感じない。 ただ、温かくなめらかな、本来の肌の感触だけが指先に伝わってくる。
高位の神官に大金を積んでも神の試練と匙を投げられた呪い。
この醜い爛れのせいで、実の母からは『化け物』と汚物を見るような目で疎まれた。
それをいいことに、腹違いの兄弟たちは俺を次期当主の座から引きずり下ろそうと、幾度も暗殺者を差し向けてきた。
血で血を洗う凄惨な兄弟殺しの末、彼らの屍を越えて辺境公爵の座を簒奪した日から――俺は周囲から忌み嫌われ、やがて俺自身も心を凍らせて氷の公爵という仮面を被るようになった。
俺の人生は、絶望と血の匂いだけで終わるはずだった。
それが、たった数十分の『ふぇいしゃるえすて』とやらで、本当に跡形もなく消え去ってしまったのだ。
「シャルロッテ・フォン・ローゼンベルク……。お前は一体……」
鏡の中の顔を見つめながら俺は溜息をついた。
王太子から、婚約破棄された彼女を辺境に押し付けられた時。俺はただの嫌がらせか、と吐き捨てた。
温室育ちのわがままな令嬢が、過酷な辺境で生きていけるはずがない。どうせすぐに泣き叫び、慰謝料を要求して王都へ逃げ帰るだろうと。
だから初対面の時、俺は彼女を突き放した。白い結婚を突きつけ、ボロ部屋の片隅で息を潜めて生きろと。
だが、彼女の反応は俺の予想を遥かに斜め上にブチ抜いていた。
『互いに不干渉という契約、たしかに結ばせていただきます。私は私の部屋で、ひっそりとつつましく生きていくことをお誓いしますわ!』
絶望するどころか、彼女は満面の笑みで目を輝かせて即答したのだ。
それだけではない。 そのすぐ後には極寒のボロ部屋を常春の楽園(すまーと・すぱだったか……?)に変え、疲労困憊だった俺を風呂に叩き込んだ。
翌朝には、ただ塩辛いだけの干し肉を極上のスープとふわふわのパンに変え、容赦なくコンサルティング料とやらで金貨を請求してきた。
極めつけは、昨日の森でのスライム騒動だ。
騎士団が死にかける凶悪な魔獣を前にして、彼女は最高の原材料と満面のドヤ顔を決め、謎の魔法陣でスライムをすり潰して瓶詰めしていた。
常識外れ。
破天荒。
図太い。
だが、そのすべての行動の裏には生き抜くための圧倒的な逞しさがある──。
そして今日。
彼女は俺の顔に触れた。
化け物と恐れられた外見も気にせず、真っ直ぐな瞳で見てくれた。
俺の顔を覗き込んできた彼女の肌は、信じられないほどに白く、美しく、光を反射して輝いていた。良い匂いがした。……思い出すだけで、どうにも耳の裏が熱くなる。
俺は、彼女に救われたのだ。 人生の暗闇から引っ張り上げられた。
圧倒的な感謝と、抑えきれない熱い感情を、俺は彼女に伝えようとした。
『――ならば話は早いです! 初期投資として金貨1000枚の融資をお願いします!』
俺の感動の涙は、彼女の最高の営業スマイルと謎の契約書によって、一瞬で引っ込んだ。
「……ふっ、くくくっ」
思い出して、俺はまた肩を揺らして笑ってしまった。 自分がこれほど声を出して笑う人間だったことすら、長年忘れていた。
普通、あそこは令嬢が顔を赤らめて見つめ合う場面だろう。 だが、彼女は俺を怪物扱いしない代わりに、男としても意識していなかった。
ただのパトロンとして、俺から容赦なく金をふんだくろうとしているのだ。
それが、どうしようもなく面白かった。
俺の心に張られていた分厚い氷は、彼女の魔法のお湯と美味しいご飯と、そしてあの強烈に前向きな笑顔によって完全に溶け去ってしまったらしい。
コンコン。
「公爵様、お入りしてもよろしいでしょうか」
扉の向こうから、部下である騎士団長の声がした。
「入れ」
「失礼しま――……っ!? こ、公爵、様……!?」
執務室に入ってきた騎士団長は俺の顔を見るなり、雷にでも打たれたように硬直した。
「お顔の……! 右半分の傷が……完全に……!?」
「ああ。シャルロッテが治してくれた」
俺が口の端を上げてそう告げると、騎士団長はワナワナと震え出し、やがて大粒の涙を流してその場に平伏した。
「おおお……! 彼女が、まさかこれほどの奇跡を……! なんという御方だ……!」
「驚くのは早いぞ。昨日、お前たちを苦しめたクリスタル・スライム。あれの体液から作った特効薬を、シャルロッテが間もなく騎士団の兵舎に持っていくはずだ。火傷が一瞬で痕もなく治るらしい」
「な、なんと……!? 我々辺境の民にそんなことをしてくれるとは……!?」
「いいか、騎士団長」
俺は、今までで一番穏やかな声で言った。
「これより、シャルロッテを敵だと思うな。彼女は王都の回し者ではない。我がヴォルフガング領の身内として遇し、彼女のやりたいようにやらせろ」
「は、はいっ! 実を申しますと……我ら辺境の民も騎士たちも、王都から押し付けられた彼女を内心では快く思っておりませんでした。しかし、これほどの奇跡をもたらしてくださった今、誰一人としてシャルロッテ様を疑う者はおりませぬ!」
「彼女を全力で守れ。王都の馬鹿共が彼女の価値に気づき、ちょっかいをかけてくるようなことがあれば……俺が直々に氷漬けにして砕く」
俺の放ったゾッとするような殺気に、騎士団長は「ははっ!」と力強く、そして獰猛な笑みを浮かべて首肯した。
「元よりこの北の辺境は、かつては独立した誇り高き小国。我ら辺境の民は王家の犬共に、ただの一度も忠誠など誓っておりませぬ! もし王都の連中が我らの身内に指一本でも触れようものなら……辺境全軍をもって、王都を火の海にしてご覧に入れます!」
頼もしい騎士団長の言葉に、俺は満足げに頷いた。
金貨1000枚の融資。 もちろん、痛くも痒くもない。
俺の全財産――いや、この血塗られた命すらも、とっくに彼女のものだ。
彼女は俺を優良顧客として手玉に取っているつもりらしいが、勝手に勘違いさせておけばいい。
「俺は、お前が作ったこの快適な城で、一生お前の上客として甘やかさせてもらうぞ、シャルロッテ」
執務机の上に置かれたリゾート大改修計画書を撫でながら、氷の公爵はどこまでも重く、甘い執着の笑みを深めるのだった。
74
あなたにおすすめの小説
私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません
藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~
ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」
義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。
父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。
けれど――
公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。
王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。
さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。
そして下されたのは――家ごとの褫奪。
一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。
欲しがったのは肩書。
継いだのは責任。
正統は叫びません。
ただ、残るだけ。
これは、婚約を奪われた公爵令嬢が
“本当に継がれるべきもの”を証明する物語。
王国最強の天才魔導士は、追放された悪役令嬢の息子でした
由香
ファンタジー
追放された悪役令嬢が選んだのは復讐ではなく、母として息子を守ること。
無自覚天才に育った息子は、魔法を遊び感覚で扱い、王国を震撼させてしまう。
再び招かれたのは、かつて母を追放した国。
礼儀正しく圧倒する息子と、静かに完全勝利する母。
これは、親子が選ぶ“最も美しいざまぁ”。
蔑まされた没落貴族家の悪役令嬢ですが、この舞台の主役は私がやらせていただきます!
あぷりこっと
恋愛
「君の嫉妬深さにはもう辟易しているんだ」
婚約者のハイベルクにそう告げられた瞬間、レーウは確信した。
――計画通り。
何も知らない侯爵令嬢ランダ。王国最強と謳われた騎士団長ハイベルク。彼がその双剣を振るう相手を間違えた時、破滅のカウントダウンは始まった。
世間がレーウを嫉妬に狂った没落家の伯爵令嬢と蔑んでいる間、彼女は自警団と共に貴族院の秘密を暴き敵の逃げ場を奪い続けていた。
格安警備会社へのすり替え、配電盤の掌握、そして夜視の魔導具。
感情を切り捨て毒となった令嬢が公爵邸舞踏会を、社会的抹殺の舞台へと変える。
「不運と踊る?……いいえ。私に踊らされていたのだと、地獄で気づきなさい!!」
※ヒロインの活躍が凛々しいので応援してください♪
死ぬ瞬間にだけ、愛してほしい
しょくぱん
恋愛
「代わって。死なない程度に、ね?」
異母姉リリアーヌの言葉一つで、エルゼの体は今日もボロボロに削られていく。
エルゼの魔法は、相手の傷と寿命を自らに引き受ける「禁忌の治癒」。
その力で救い続けてきたのは、初恋の人であり、姉の婚約者となった王太子アルベルトだった。
自分が傷つくほど、彼は姉を愛し、自分には冷ややかな視線を向ける。
それでもいい。彼の剣が折れぬなら、この命、一滴残らず捧げよう。
だが、エルゼの寿命は残りわずか。
せめて、この灯火が消える瞬間だけは。
偽りの聖女ではなく、醜く焼けた私を、愛してほしい。
家出を決行した結果
棗
恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。
デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。
自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。
※なろうさんにも公開しています。
私の人生に、おかえりなさい。――都合のいい「お姉ちゃん」は、もうどこにもいません
しょくぱん
恋愛
「お姉ちゃんなんだから」
――それは私を縛る呪いの言葉だった。
家族の醜い穢れを一身に吸い込み、妹の美しさの「身代わり」として生きてきた私。
痛みで感覚を失った手も、鏡に映らない存在も、全ては家族のためだと信じていた。
でも、、そんな私、私じゃない!!
―― 私は、もう逃げない。 失われた人生を取り戻した今、私は、私に告げるだろう。
「私の人生に、おかえりなさい。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる