お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

207★《光珠》作りを考察する

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 今朝のように出来るかなぁ~………
 あの《光珠》の結晶体は
 ほとんど偶然に出来たヤツだからなぁ

 ん~……おっ…結構上手く出来たな
 朝のよりも、確実に大きいぞ

 まずひとつ目の《光珠》の結晶体を作り上げた和輝は、その大きさを確認するために、フッと左の手の平に吹き落とし、右の人差し指と親指でつまみ上げて、首をかしげる。

 ふむ、思ったよりもイイのが出来たな
 今度は、もう少し時間をかけて作ってみるか?

 そうすりゃ~…このビーズ玉より
 もっと大きい《光珠》の結晶が作れるのかな?

 それとも、集中力と溜めの時間を
 バランス良く配合?配分?するとイイのかな?

 そう考えてから、和輝は右手の指でつまみ上げた《光珠》の結晶体を左の手の平に戻して握り込み、もうひとつ作る為に
意識を集中させる。

 少し前に作ったモノよりも時間をかけ、和輝は《光珠》の結晶体を作り上げ、再び左の手の平に軽く吹き出す。
 左手の平を開くと、その中央にふたつの結晶体が輝いていた。

 ふたつ目はひとつ目の《光珠》の結晶体よりも、ひとまわり弱大きく、色合いも少し艶めていた。
 小さなビーズほどの、虹色の結晶体に、白銀を帯びたソレを確認し、和輝は嘆息する。

 まっ……今はこのくらいでイイってコトにしよう
 流石に、これ(《光珠》の製作)を試していて
 授業に遅れるのは不味いからな

 時間的な余裕のある時に作った方が
 良いモノが出来るだろうし………

 それに、何度も《光珠》の結晶化をやって
 純度の低いモンを作るのもなんだしなぁ………

 そうそう結晶化出来るとも思えないからな
 この辺りが、今の俺の限界だろう

 でも、今回作ったふたつの結晶体をやれば
 桜の機嫌も少しはなおるかな?

 ふっと意識を現実に戻し、和輝は深呼吸する。

 「ふぅ~…さくらぁ~……
  今の俺には…これぐらいの結晶体を作るのが
  精一杯だからな

  ほら、とりあえず、ふたつあるからな
  身体が苦しくなったら…そうだなぁ………

  体調がなんか少しでも変だなって思ったら
  迷わず《光珠》を吸収するんだぞ

  それから、そのふたつの《光珠》の代わりと
  言っちゃなんだが………

  今日の帰りは、ちょっと遅くなるのを許してくれな」

 和輝から結晶化したふたつの《光珠》を受け取りながら、桜はなんとも言えない不安そうな表情で、問いかける。

 「和輝………その…どうして……遅くなるの?」

 桜の頼りなげな表情に、和輝は肩を竦めて、少し苦笑いをする。

 「んっ……一応は、土日の予定だけどな…
  その話しをしたら、無理やり荷造り?して

  優奈と真奈が、今日の夕刻から
  俺について来るかもしれないからさ

  そん時は連絡するけど
  予定より遅くなったら、ごめんな

  妹達に『寂しい』を連発されると
  俺もちょっとなぁ~………

  流石に、親父が事故で死んだばかりだから
  妹達も情緒不安定なんだよ

  その上で、俺がこうやってバイトバイトで
  出歩いて、家を空けているからさぁ………

  なに、そん時は俺の友人達も連れてくるからさ

  真奈や優奈も、俺が見える範囲に居れば
  そこまで、我が侭な事を言わないだろうから

  俺の手は、桜用に空けておけるぜ」

 その言葉に、和輝を独占している自覚のある桜は、首を振る。









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