お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

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第6章 浄化の儀式

300★桜も紅夜も、意識は夜食でいっぱいです

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 和輝の言葉に、鼻先だけ持ち上げて、鼻をヒクヒクさせながら我慢していた〈カオス〉は嬉しそうに尻尾を盛大に振って、顔を上げて和輝と桜へ視線を向ける。
 
 ついで〈カオス〉は、自分のご飯を作っておいてくれたらしい竜也へと視線を向ける。
 そんな〈カオス〉の様子に、竜也はクスクスと笑う。

 「勿論だよ、和輝………弱った〈カオス〉用のも作ってあるよ」

 そう言って、竜也は〈カオス〉専用のトレーに乗せて、食べやすい用に専門の台に乗せる。

 「はい………キミの分だよ…〈カオス〉」

 今ぐにでも食べに行きたい〈カオス〉だが、一度身体を落ち着けてしまったセイで、思うように力が入らないようで、哀しそうに鼻を鳴らす。

 「くぅぅ~ん………」

 勿論、そういう状態になるだろうコトを予想していた和輝は、ソッと〈カオス〉が立ち上がるのを補助した後、抱き上げて床へと降ろしてやる。
 丸まっている状態を無理やり抱き上げるには、今の〈カオス〉には負担が大きい為、身体を伸ばしてから抱き上げたのだ。

 〈カオス〉は、自分のご飯台に置かれたトレーに乗る|温〈あたた〉かいご飯に、待ちきれないと尻尾をフリフリしながら、桜と和輝の顔を交互に見る。

 ちなみに〈サラ〉と〈レイ〉の飼い主である桜と紅夜は、自分の夜食に意識が向いていて、おねだりの熱い視線に一切気付くコトは無かった。
 そんな不憫な〈サラ〉と〈レイ〉の為に、和輝からお世話の許可をもらっている優奈と真奈が、食事用の台を出し、竜也から受け取って、お夜食を用意していたのは確かな事実だった。

 飼い主のひとりである紅夜は、自分の愛犬をかえりみるコトなく、みるからに高栄養高タンパクで、弱った胃に優しいと判る〈カオス〉の食事を、なんとはなしに見ていただけだった。

 紅夜と〈カオス〉の期待の視線を受けた和輝は、肩を竦めて口を開いた。

 「そんじゃぁ………っ…と……」

 そんなところに、ペットハウスの外側に人の気配を感じて、入り口へと視線を向ける。

 「ああ、爺やさん達が来たみたいだな………」

 そんな和輝の言葉に、紅夜が拗ねた口調で言う。

 「あっちはあっちで、勝手にやるだろうから、放っておいてさぁー
  俺達は、料理があたたかいうちに食べようぜ
  流石に、腹へったぁぁ~………」

 そんな紅夜に同意と、〈カオス〉も鼻を鳴らす。

 「くぅぅぅ~ん…くぅぅぅ~ん………」

 そんな紅夜と〈カオス〉の訴えに、和輝はクスッと笑って、桜へと視線を向けてから、竜姫や乙姫、妹の優奈や真奈に頷き、席に着くように促す。
 その際に、ちゃんと優奈と真奈が〈サラ〉と〈レイ〉の夜食をセッティングし終えているコトを確認する。

 勿論〈サラ〉も〈レイ〉も、〈カオス〉同様、今か今かとご飯を食べる態勢で、スタンバイしていた。

 「ああ……そうだな………んじゃ、席について夜食を楽しもうか………」

 そう言ってから、和輝はペットハウスへと入って来た爺や達に向けて言う。

 「爺やさん、藤夜さんは、白夜さんの部屋の寝室の方に寝かせています」

 「はい、ありがとうございます」

 和輝の言葉に、爺やはコクッと頷き、背後に連れている主治医達へと視線を向ける。
 視線を受けた主治医達は、先に白夜の部屋の寝室へと向かう。
 それを確認してから、爺やは和輝を見て言う。

 「………その……神咲くん………」

 少し言い淀みながら声を掛けられた和輝は、爺やの心境を察する。

 「はい、なんですか? 爺やさん」

 和輝の落ち着いた応えに、爺やは悔恨を滲ませた口調でいう。

 「私共の手落ちで、随分と御迷惑をかけてしまったようで……そのぉ…
  首の傷は……大丈夫ですか?………藤夜様に、齧られたと、桜様から
  お聞きしましたが………手当の方は………」

 爺やの心配そうな言葉に、和輝はケロケロと笑って答える。

 「ああ、大丈夫ですよ……取り敢えず、ちゃんと血止めはしてあります
  夜食を食べたら、きちんと治癒しますので………

  こういう傷の修復には、どうしてもエネルギーが必要なんです
  流石に、今日は何度も《光珠》を作ったからかな?

  新陳代謝の代謝機能が向上しているんで、止血は簡単にできました
  ただ、流石に何度も《光珠》を作ってエネルギーを使い過ぎたんで

  完治させる為にも、栄養補給が必要なんですよ………ってコトで
  俺は失った分を補う為に、夜食を食べるので………

  爺やさん、すみませんが後はよろしくお願いします」


 和輝の言葉に、藤夜の状態が気になってしょうがない爺やは素直に礼を言って、主治医達が先に入って行った白夜の部屋へと、足早に向かった。

 その後ろ姿を見送った和輝は、着席して待っていてくれた皆に笑って言う。

 「みんな、ごめん待たせたな………待っててくれてありがとうな
  あと………竜也、輝虎、夜食サンキューな……そんじゃ食べようか」

 和輝の合図で、全員が藤夜から興味を失い、竜也と輝虎の作った夜食を食べ始める。

 ペットハウスの冷蔵庫に色々とあったので、竜也と輝虎は嬉しそうに、あるモノで食欲のわくような夜食を作っていた。
 一部、どうみても酒の肴って感じのモノもあったが、美味しいので気にしなかった。

 淡白なだけに、鶏の持ち味が引き出されている酒蒸しの骨付きもも肉や、どう見ても、ちょっとお高いだろう、マグロのレアステーキに、紅夜はほぇほぇ~とした表情で堪能していた。

 他にも、定番の豚肉のアスパラ巻きやチーズ入りハンバークなどもあった。
 一般的には珍しいウサギ肉は、クリームシチューにされて、ドドーンとテーブルの中央に置かれていたりする。

 勿論、トリカラならぬ、ウサギのカラアゲも存在していた。

 当然、誰もが大好きな鶏のカラアゲも、さっぱりの塩コショウからショウガとニンニク醤油付けに、カレー味なども存在していた。








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