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第7章 儀式という夢の後
371★《光珠》と似たようなモノをもらっていたと思う
しおりを挟む「ああ、身体の成長が止まっているっ言ったのは、藤夜さんの体細胞は
現在、生命維持の為の代謝を行っている状態だと推測されるからだ
ようするに、ひとつひとつの細胞生命のサイクルがゆっくりなんだよ
かたや、桜の方は、年齢はさておき、まだ見た目の通り成長途中だから
身体の中の体細胞の入れ替わりが激しい
そのセイもあってかどうかは、わからないけど、生命エネルギーと
代謝能力のバランスってモンが、ものすごく悪い状態なんだ
何時、双方のバランスが崩れてもおかしくないぐらい不安定なんだ
だからだろうな…怪我した時の代謝能力は、とにかくすごいんだわ
ちょっとでも傷が付くと、その傷付いた場所を早急に修復しようと
細胞が爆発的に恐ろしいほどの加速で増殖するんだよ
それこそ、本人の意思などおかまいなしでな」
その言葉に、竜也が口を挟む。
「恐ろしいほど爆発的に、細胞が加速的に増殖するっていうのは
ちょっと表現として、大袈裟じゃないのかい?
それとも、そんなに傷口を治癒させる修復力が、凄いのかい?
それこそ、和輝の治癒能力並みに?」
竜也の問いかけに、和輝は肩を竦めて頷く。
「ああ、とんでもなくな……それこそ、小さな傷口でも、まるでそれが
命にかかわるかのように、アッという間に完全治癒しちまうんだよ
勿論、俺みたいにコントロールして傷口をふさぐんじゃないんだ」
「そんなにかい?……それも、コントロールなしで……」
竜也の言葉に、和輝は苦い顔をしながら頷いて説明を続ける。
「ああ、残念ながらな…まぁ~そのセイで狂信者集団に目をつけられた
たぶんに、あれは、弱い身体を護る為の防衛本能なんだろうけどな
その防衛本能に対して、桜の持つ意思力や生命エネルギーってモンが
ぜんぜん、追い付いてないんだよ
だから、桜本人はそう感じなくても、ちょっとでもある一線ってモンを
越えちまうような無理をすりゃ~何時でも、暴走寸前になるんだわ」
和輝の言葉に、竜姫が口を挟む。
「暴走寸前って?どんな感じなのよ」
竜姫の問いかけに、和輝は肩を竦めて、実際に自分の目で見た桜の傷口の治癒の再生速度を思い出しながら言う。
「治癒の速度は半端ないぞ……それこそ、映画の早回しのような感じで
ものの数分もしないうちに完治するぞ
ただし、それをやるとぶっ倒れるんだわ…それこそ瞳を赤くして
体細胞の代謝を自分の意思力で調整出来れば良いんだけどなぁ……
そしたら、本末転倒にはならないんだろうけど…無理だろうなぁ……
流石に、それは本能に根差すモンだからな……はぁ~……
細胞の再生速度ってモンを……自分の意思力で調整するには
それなりに安定した精神力と意思の強さってモンが必要なんだよな」
和輝の説明に、竜姫はうんうんと頷いて言う。
「まぁ…そうよね…アタシ達は、親父達のセイで否応なしにだったけど
だいたい、この治癒能力だって、遺伝子改良の結果じゃないかって
はっきり言って疑っているわよ……だってアタシ達3人」
竜姫の言わんとしているコトに、竜也も頷く。
「本当にねぇ………父さん達が国境なき医師団なんてモンに所属して
ボク達を連れまわしたりしなきゃ…こんな風にはならなかったね
まぁ…自己治癒の能力を磨かなきゃ…生き残れなかったけど……
今更だけど…ボク達の治癒能力を発現研磨する為だったのかな?
と、思うときは無きにしも非ずだね
特に、治癒能力が高く出た和輝を、ボクの父は溺愛しているからね」
竜也の言葉に、話しの内容がズレたコトを感じて、和輝が苦笑いしながら言う。
「まぁ…俺達の治癒能力のことは…まぁ、さておき…だ
桜は、見るからに成長期だから、代謝能力をコントロールするべき
精神バランスの方も未熟なんだよな……だからだろうなぁ
補助してくれるモノが側に居ないと、すぐに八方塞がり状態になるんだ
今までは、普段、兄貴や紅夜が側にいて、補っていたらしい
あの桜の口ぶりからして、そっちから、俺が作る《光珠》に該当する
何かをもらっていたらしいんだよな
俺だって《光珠》を結晶化できるようになる前は、基本、口移しで
竜也や竜姫に渡していただろ
結晶化するコトは出来なくても、そういうコトは出来たんじゃないかな
桜にしろ、紅夜にしろ、よく俺に抱きついては……
『横溢する《生気》が気持ち良い』って良く言っていたしな
たぶんに、そういうコトがもとから得意な一族なんじゃないかな?
桜は、それを《気》とか《生気》なんて言っていたからな
まっ…あまり変わらないモンを、ちょくちょくもらっていたようだ
ところが、補助してくれるべき兄貴と紅夜は、仕事で居ない
寂しいわ暇だわで、愛犬のボルゾイを散歩に出したら………
言うコトは聞かないわ、猫や犬にあおられて、暴走するわってコトで
すっころんで手足を見事に擦り剝いたら、治癒能力の暴走を起こした
つーことらしいんだわな…まっボルゾイはサイトハウンドだからな
目の前を猫やら犬やらが横切ったら、まず間違いなく追い駆けるな」
和輝の説明に、竜也は納得という表情で言う。
「ああ、それが治癒能力の暴走の引き金になっちゃったんだね
そういうのって、ちょっとしたコトが引き金になったりするからねぇ
双方のバランスは不安定だわ…暴走で生命エネルギーは枯渇するわじゃ
和輝の《光珠》の助けが必要になるんだね………不憫な」
10
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