お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

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第8章 親密な関係になりたい

398★真族は引きこもりの種族だから………*side蓬莱家*

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 ちらっと蒼夜の表情を見てから、白夜が思わず呟く。

 「ふっ…桜や紅夜のしたコトを考えると、意外と私達が考えているよりも
  和輝君は、異種族に対しておおらかなのかもしれないな
  桜や紅夜が出したボロを、平然と容認するぐらいには………」

 その白夜の発言に、直前にチラリと視線を向けられた蒼夜は、肩を竦めて言う。

 「私達真族は、とても臆病な種族だからねぇ………
  隠れ里ではどうしても手に入らない、物資を手にする為に一部の者は
  必要最低限だが、人里へと行き来するコトはあったが………

  だが大半の者達は、生涯、隠れ里から出るコトもないまま
  人知れぬ隠れ里に隠れ住んでいたからねぇ………

  他人の感情を推し量るという経験値なんて、ほぼゼロだからね
  コミュニケーションの絶対量ってモノが足りないんだよねぇ

  人間達からの、拒否や嫌悪という負の感情を浴びたくなくて
  極力、一族以外の者と交流しないようにしていたからねぇ………

  だから、どこまで、相手が私達を許容できるかを計るのが
  ものすごく苦手なんだよね」

 今もなお、大半の真族は、幾重にも結界を張った隠れ里に隠れ暮らしているのだ。
 ある意味で、種族的に引きこもりな体質をしているのだ。

 蒼夜や白夜に紅夜、そして、姉妹のもみじひいらぎかえでという、同じ種馬な父親を持つゆえか、外に出るコトに忌避感が無いが故に、人間達に紛れて、普通に暮らすコトをしているが、それは、とても稀なコトなのだ。

 それもこれも、真族の長を務める蓬莱家の当主と兄弟姉妹という、血の濃さと《能力》の高さ故にできるコトだった。

 仮に、真族の天敵とも呼べる【狩る者】達や〔バンパイア〕達が現れても、自力で窮地を抜けるだけの高い《能力》と対応力を持っている者のみが、隠れ里から出られるのだ。

 とは言っても、朝露街の街の外れにある、かなり広い敷地を有する蓬莱邸は、隠れ里から外界へと出る為の場所でもあった。

 他にも、数か所あり、同じように《能力》の強い血統が、その場所を保持しているが、いずれも次世代となる子供を得られていなかったりする。

 余談だが、遥か昔にいくつかに別たれた、真族が他にもいるらしいという話しは、一応昔からあるのだが、白夜が率いる長を蓬莱家とする真族以外、いまだに出合ったコトがなかったりする。

 閑話休題それはさておき

 現在、白夜達が根城としている、朝露街の蓬莱邸は、いわゆる《力》ある真族の者が、人間に紛れて暮らす為の足場でもあるのだ。

 それゆえに、外の世界に送り出す其処に、一族の中で高い《能力》を有する長と、その血統の者達がいるというコトは、外に出る者にとって、絶対の安心感を与えていた。

 まぁ…それ幸いと、一族に加えた桜の為の《生気》を集めに出るのが、白夜達兄弟姉妹だったりする。

 ついでに言えば、姉妹達は、懲りない長老達に早く一族内の男と婚姻しろと迫られているので、桜の為の《生気》を狩り集めるというコトにかこつけていたりする。

 そして、ある意味では、一族に加えた桜は、人間から一族の者へと変異が始まった為に、隠れ里において置けない存在となった為に、ここに居るといっても過言ではなかった。

 なにより、人間から真族へと体細胞が入れ替わる時、普通の神族は、変異中の者に近寄るコトができないのだ。
 そう、身体の組織が真血に反応して変態し、移り変わる時、ある種の波動のようなモノを常に放出している為に………。

 不用意に近付くと、その発散される波動に感覚を狂わされる為、隠れ里に済む引きこもりの、普通の真族はソレに耐えられないのだ。

 細胞が真血によつて変態し、変異中の波動に狂わされるコトなく、桜に平気で近付けるのは、長である白夜や、恋人の紅夜を含めた、数人の兄弟姉妹だけだったりする。

 だから、人間を蓬莱家の敷地内に入れるコトを、殊の外嫌う爺やとボディーガード達は、桜の放つ波動を無意識に包み込む、和輝の存在を歓迎したのだった。

 出合ったその時から、和輝はその類い稀なる素質と保護欲によって、真血による細胞の変異によって放たれる、狂った波動ごと、桜を自分のオーラですっぽりとおおっているのだ。

 そのコトに気付いた時、爺やはとても心の中で感謝していたのは言うまでもない。
 なにせ、一番桜とやり取りするコトが多いのが、何を隠そう爺やだったりしたから………。

 だから、爺やは、桜に呼び出された先で視たソレを信じられない思いでいたのだ。

 なにせ、限定された空間や範囲に、和輝と桜が一緒にいる場合、その側に居ても、狂った波動を受けるコトが無いので、変調をきたすことなく、普通に対応できるのだから………。

 最初に桜と和輝の様子を観察した爺やの見解として、和輝の身体から放たれたオーラが、桜を難なく包めるのは、その視線が届く範囲までらしいコトが判っていた。

 また、現在真族の中で、紅夜達が言うところの《生気》の塊りを作れる者は、皆無だった。
 一族の古い文献には、和輝の作る《光珠》と似たような結晶体が作れる者がいたらしいのだが………。

 現在は、長である白夜も、長兄で《能力》がかなり高い蒼夜にも、ソレをつくるコトはできなかったりする。

 ある意味で、人間として和輝が味方として側に居るなら、儀式によって人間を一族に迎えても、なんの苦労もいらないのだ。












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