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第8章 親密な関係になりたい
401★純血に拘る長老達とその取り巻き達……*side蓬莱家の桜*
しおりを挟むそう、紅夜は言ったのでしたわね
あの時、それでも、桜は頑張って食べていましたのよ
ただ、桜にとっては量が多くて、持て余していたのも確かですけどね
もったいないとは思っても、食べられなかったのよねぇ………
桃姉ぇ様や白夜兄ぃ様に『もっと食べないと……』って言われていたけど
なかなか、食事量は増えなくて四苦八苦したものですわ
いや、今が不思議なぐらい食べられるだけなんですけどね
これって、真族へと変化していくのに、膨大なエネルギーを必要と
している為だからなのかしら?
和輝がご飯を作ってくれる前は、そんなに食べれなかったのに?
これって、和輝が作ったから食べられるのかしら?
いや、でも、和輝以外の…竜也が作った料理も、輝虎が作った料理も
なんなく、美味しく食べられたわ………体質が変わったのかしら?
桜は、自分の食事量が、和輝と出合ってから、かなりどころじゃなく増えているコトを、この時になって気付く。
確か、あの時は、今日テーブルに並んだ料理達の三分の一も無かった
それでも、全然、食べられなかったのよねぇ………
大好きな桃姉ぇ様が、手間暇かけて作ってくれた料理だったのに
もったいないと思いつつ、残すしか無いって……だから、紅夜に……
『いや、もう、お腹がいっぱいになって入らないのですわ
一生懸命に、穀類や野菜を作ってくれた人や、料理を作ってくれた
桃姉ぇ様には、とても悪いと思うのだけど………
ああ、そうだ、貴方が、この料理を食べてくれないかしら?
残すと、白夜兄ぃ様も桃姉ぇ様も心配してしまうのよ
………と、そうですわ……お名前を聞いてませんでしたわね
私は、桜と言いますのよ…貴方は?』
うふふ……実は、もうあの時点、紅夜の名前は知ってましたわ
白夜兄ぃ様の父上が、外の人間との間に作った子を連れて来たと
隠れ里の者達が噂していましたもの………
それも『あれで、何人目』とか『混血児』とかいう風な噂を聞きましたわ
でも、なんとなく、そういう風に聞いた方が良いと思いましたわ
だから、桜は先に名乗って、紅夜に問いかけたのよねぇ
そのついでに、食べきれない料理を何とかしてもらおうって思って………
『ふぅ~ん桜っていうんだ……俺の名前は、紅夜だ
……んで聞くけど、本当にそれだけしか食わなくて大丈夫なのか?』
不思議そうな顔で首を傾げる紅夜が、ちょっと心配そうにしている
そんな紅夜の表情を、桜は好ましいと感じたのですわ
きっと、あれが桜の初恋ですわ……最初で最後の恋ですわ
俗に言う、一目惚れというモノですわね
確かに、白夜兄ぃ様も、初めてお会いした時、びっくりするほどお綺麗で
とても、カッコイイとは思いましたわ……でも、それだけでしたわ
紅夜と対面した時に感じたような、運命というモノを、白夜兄ぃ様には
カケラも感じませんでしたし………
勿論、それぞれタイプの違うカッコイイ男性とは思いましたけど……
蒼夜兄ぃ様や藤夜兄ぃ様にも…深夜兄ぃ様も………
運命を感じたのは、紅夜にだけでしたもの………
だから、桜は、真族になるコトに躊躇いは無かった
桜は、過去の玻璃のように儚いが、それでも楽しかった思い出に浸る。
その中で、口さがない長老達の分をわきまえない、数々の発言まで思い出してして、ムッとしてしまう。
『まったく、夜霧様にも困ったものだな……本来、この隠れ里で
長として、一族を纏めねばならぬ立場だというのに』
『夜霧様は、全然一族の長として務めをはたさない』
『この隠れ里の貴重な財産でもある、宝石の原石や金を持ち出しては
外の世界をフラフラと出歩いて、そこかしこに胤を撒き散らして……』
『本当に、下の緩い夜霧様にも困ったものだ……』
と、ほとんど雌犬を求めては、遠征して種蒔きする発情期の雄犬のごとき言いざまに、桜は何度、言おうかと思った。
『本来、敬うべき純血種の父上に、分もわきまえず、お前達長老が
そのようなコトを言うから、父上は隠れ里に寄り付かず
もどって来ないのよ』と。
もっとも、桜がソレを言ったところで、我欲と自尊心が肥大した長老達には、鼻で笑われるだけと理解しているので、口にはしなかったが………。
長老達の態度や里の者達の噂話しを思い出し、桜は懐かしさと共に、嫌悪感を思い出す。
それでも、なんだかんだ言いながら、長の血統の純血に拘る長老達と、その長老達に洗脳された極一部の者達以外の、大半の里の者達は、桜達姉妹に寛容だったことから、気兼ねなく暮らせていたコトを思い出す。
それも、今は懐かしい思い出となりつつある。
白夜より純血の真血を受けるという儀式によって、身体が変化し始めた桜は、隠れ里に居られなくなった為に……。
その身体から放つ波動が強くて、隠れ里の中にある、それ専用の場所に居ても、住人達への影響が強い為に、朝露街にある蓬莱家の屋敷へと移動したのだ。
紅夜は、長老達の言動のセイで、混血児と言われていたわね
口さがない者達は、紅夜のコトを雑種と言って、見下していたわ
当時、やはり、まだ隠れ里に居た蒼夜兄ぃ様も、溜め息混じりに首を振っていたコトを思い出し、その時のセリフが脳裏に走る。
『まったく、真族として、ろくな《能力》もない、血筋すらも低い輩が
私達の弟に言いたい放題するとは、嘆かわしいかぎりだね
だから、父上はこの隠れ里に寄り付かなくなってしまうんだよ
ありのままの自分を愛してくれる、理想の女性を求めて…ね…』
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