413 / 446
第8章 親密な関係になりたい
412★ちょっと紅夜を甘やかしても良いかな?
しおりを挟む狂信者集団に、桜が〔バンパイア〕かもしれないという疑惑を持たれた
桜の家族である自分が、撮影メンバーに居たコトで、あの狂信者集団に
主役が殺されたかもしれないという疑い
そのコトによって、取り敢えず無期延期になっちまった仕事もあるし
紅夜ってば、見掛けや言動とかけ離れて、かなり繊細みたいだし
短期間に、ちょっとストレスを抱えすぎな気がするよなぁ
どこかでガス抜きしないと、ちょっと暴走するかなぁ?
今の紅夜って、桜とは違った意味で、ヤバそうだな
流石に、目の前でアレを見たのはかなり衝撃だっただろうし
まさか、狂信者集団が現れたその日の夜に、同じく狂信者集団に襲われて
焼死は免れたものの、狂気に狂ってしまって、自分が〔バンパイア〕だと
思い込んで、飢餓感にさいなまれて襲った藤夜さんと……襲われた、俺
愛犬の〈カオス〉を餓死寸前にされた蒼夜さんと
当主というコトで、呼び出された白夜さん
そして、正気に戻ったコトで、何がどうしてどうなったの藤夜さん
たぶんに、色々と説明を求められただろう
更には、せっかく帰って来たのに、全然相手をしてくれないと拗ねる、桜
これ、ぜぇ~んぶ紅夜ひとりで抱えて、相手をしていたらなぁ………
そりゃ疲れるよなぁ~………言葉にはできないけど、ご苦労さん、紅夜
はぁ~…こうして、あらためて指折りして確認したら、流石に、ちょっと
いや、かなぁ~り、紅夜ってば可哀想かもな
まっ…すこしぐらいは、紅夜のコトを甘やかしてやるか
かなりどころじゃなく、不憫だったからな
紅夜の《光珠》が欲しい発言に、和輝は苦笑して答える。
「取り敢えず、玄関の鍵を閉めたらな
《光珠》が必要なほど、そんなに疲れているんなら
すぐに《光珠》を作ってやるから待ってろ」
和輝からの快諾に、既に思考停止している紅夜は、心底嬉しそうにいう。
「マジ、助かる」
紅夜の様子を確認しながら、和輝はドアの鍵を閉める。
鍵を穴に差し込み、カチッという音を聞いてから、ドアをカチャカチャと五月蠅くならない程度に動かし、鍵がちゃんと閉まっているコトを確認する。
取り敢えず、これでヨシ……っと…誰も起きなくて良かったぁ~
和輝は、玄関の鍵をジャージに付いているチャック付きのポケットに入れてから、紅夜を振り返る。
「おまっと~さん…ってコトで、今《光珠》を作ってやるから待ってろ」
そう言い置いてから、和輝は紅夜が手の中でもてあそんでいたクッキー缶を取り上げて、振りながら3頭に言う。
「ん~と…グッドゥガール…〈カオス〉〈サラ〉グッドゥボーイ〈レイ〉
ちょ~っとおとなしく、良い子で待っていてくれなぁ~……
良い子には、コレをやるからなぁ~………」
和輝の言葉を、ちゃんと理解した3頭は、再びスタッとお座りして、待機の姿勢になる。
くすくす……本当に、こいつらって頭が云いなぁ~……
こっちの言う言葉をきちんと理解して、対応してくれるもんな
《光珠》を作って、紅夜に渡したら〈カオス〉と〈サラ〉と〈レイ〉の
3頭にも、缶に残っているクッキーを渡してやらないとな
たぶん、俺から何かもらう為だけに、大脱走して来たんだろうからな
これだけ頭が良いんだから、待っていたのにご褒美がもらえなかったら
絶対に拗ねるに決まっているからな
まず間違いなく、紅夜に《光珠》を渡したら、紅夜だけが、俺から
なんかもらったと判断して、自分も欲しいって、要求するだろうし
うん?…あれ?…なんか……既視感…って…ああ…そっか
ミルクババロアを前にして、桜が似たようなコトを言っていたっけ
取り敢えず、和輝は3頭が側でお座りして待機しているコトを確認し、紅夜がなんとなくという風情で自分を見ているだけで、作業の邪魔にならないコトを見て取る。
まっ…この状態なら、集中できるな
様子を窺いつつも、おとなしく待っている紅夜の為に、和輝は《光珠》を作りにかかる。
双眸を閉じて深呼吸を繰り返し、蓬莱家の敷地内に満ちている清浄な神気を吸い込むようにして、より濃厚で濃密な《光珠》を作る為に精神集中する。
すると、何度も《光珠》を作る作業を繰り返したセイか、急速に、丹田へと《生気》と、大気や大地の中に含まれる自然な《気》が集まり、螺旋を描き始める。
あらま…こんなに簡単に作れるようななったんだ……やっぱ、回数かな?
……つーか、大気や大地にあるものを取り出すコツを掴んだからかな?
今回は、ここの神気も取り込めたしな
まっ……どっちにしても、こんなに簡単に作れるんだったら
2つ3つ作って、紅夜に飲ませておくかぁ~……
ついでに、やせ細った〈カオス〉にも、駄目押しで飲ませておこう
餓死寸前まで激痩せして弱った身体と生命力の活力になるだろうからな
丹田から胸部へと持ち上げ、喉を通る時には、ほぼ物質化した《生気》の塊りを、口腔に運んで、物質である《光珠》の結晶体を作り上げる。
ヨシッ…ひとつ出来上がり………くすくす……鍛錬って大事だなぁ~
和輝は、左の掌を口元にやり、フッと軽く結晶体を吹き出す。
「ほい……紅夜……もう1つ2つ作るから、ちょっと待っててくれ……」
そう言いながら、和輝は紅夜に《光珠》を手渡す。
10
あなたにおすすめの小説
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」
公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。
忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。
「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」
冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。
彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。
一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。
これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる