お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

101★桜や和輝の知らないコト

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 2頭は、和輝からの褒め言葉に、オンッと明るく鳴いて、盛大に尻尾を振り立てる。

 ボルゾイって、尻尾を上げて
 振るんだ……知らなかったな

 でも、そんな行動………
 犬特集のテレビでは
 やってなかったけど?

 それとも、こいつらが機嫌
 良いからかな?

 じゃなくて、こいつらって色々な
 ペットシッター会社に断られた
 って言ってたっけ

 当主の白夜さんは、拒食の躾け
 なんて、していないのに
 他人が作ったご飯は、食べない
 って言ってたし

 いや、俺や妹達には、本当に
 良い子なのになぁ?
 ご飯だっておやつだって
 喜んで食べているし

 やっぱり、こういう職業には
 相性っていうモンがあるの
 かもしれないなぁ

 まっそんなコトどうでも良いか

 「んじゃ、さっさと首輪を
  着けてやろう

  さぁーて、俺もたったと
  部屋に戻って着替えるか

  流石にパジャマのままじゃ
  なんだしな」

 和輝は2頭に引き綱付きの首輪を着けると、そそくさとリビングを後にして、外へと続く三重の扉へと向かった。

 優奈や真奈に、何かを
 指摘される前に、さっさと
 着替えよう

 この時間なら、2人とも
 まだ起きていないだろうしな

 そしたら、気を取り直す為に
 古武術の演舞でも軽くするかな?

 三重の扉を通過して、外に出た和輝は、クゥーっとひとつ大きく伸びをして、片手で2頭の引き綱を軽く持って、貸与されている平屋へと向かった。

 そんな和輝の行動を、外からつぶさに観察している複数の視線があった。
 が、しかし、自分が他者から観察されているという可能性を、ほんのひと雫も考えていない和輝は、全然その視線に気付かなかった。

 余談ではあるが、真夜中、和輝が〈レイ〉と〈サラ〉に導かれ、ペットハウスに向かうのを観察者達は見ていて、その任務についていた者達は酷く焦って、蓬莱家のすべてを取り仕切る爺やの元へと報告に走った結果が、紅夜だった。

 身内の中で、桜に対して絶対の安心がある存在は少なく、一族への変化を忌み嫌う者達も数多くいるので、爺やは身軽に動ける紅夜を緊急で呼び出したのだ。

 が、そんなコト、桜も和輝も知らなかったコトは確かな事実だったりする。

 そして、蓬莱家の留守を預かる爺やが、深夜報告を受けて、使用人達の目が無いところで、胸を押さえていたのはナイショだったりする。










 
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