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第2章 ダンジョン攻略前編
第28話 敗北
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鳥型モンスターは僕らの油断に乗じて襲ってきた。
カエルよりも2回りほどは大きいだろうか。
かなりの大型の鳥のようだ。
真っ黒の翼を横一杯に広げ、鋭くとがった爪でカエルを捕らえようと急降下してきたのだ。
【ブラックコンドル】
Lv 20
HP(体力):3500
MP(魔力):800
SP(スキルポイント):1800
筋力:1700
耐久:400
知力:1200
器用:1000
俊敏:3000
運:1300
僕は迫ってくるブラックコンドルに狙いをつけ、ボウガンを発射。
僕の攻撃に気づいた鳥は、急旋回し攻撃をかわした。
再度襲いかかるブラックコンドルにボウガンで狙い打ったが、速すぎて捉えることが出来なかった。
襲いかかるブラックコンドルをギリギリでかわしたカエル。
鳥の爪は地面に突き刺さった。
その一瞬の隙を狙ったカエルは、無防備のブラックコンドルの背中に舌を打ちつけた。
強烈な一撃を受けたブラックコンドルは地面に激しく叩きつけられる。
そこへ、もう一匹のカエルが近寄りブラックコンドルの首に舌を巻きつけた。
苦しそうにわめくコンドルだったが、次の瞬間大きな音と共に、コンドルの首は通常では考えられない方向へと曲がってしまった。
あっさりとブラックコンドルを撃退した僕たちのパーティ。
そのままカエルはブラックコンドルを3等分し、その場で捕食することにした。
この世界に来て初めての食べ物のシェア。
(なんかいいな。こういうの)
僕は勝利の喜びや食べ物を分かち合う喜びを感じていた。
「羽ばたくLv1を獲得しました」
えっ?飛べるの?
ブラックコンドルを捕食して覚えた新たなスキル。
早速鑑定Lv5で調べてみた。
【羽ばたく】
羽を大きく羽ばたかせることにより、宙に浮くことが出来る。
ただし、使用するには羽や類似品が必要。
残念ながら羽が無ければ使用できないらしい。
類似品?人工のものか何かか?
アバターリストで調べて見ると、なんと人工の羽が記載されていた。
50万Pも必要だが、購入さえすれば空を飛ぶことが出来そうだ。
食べ終わった僕たちは、獣人族の戦士を探しに出発した。
その後も数々の敵に襲われたが、僕たちは難なく敵を倒し続けた。
始めはぎこちなかった連携攻撃も、お互いの目を見るだけでその精度を増してきた。
相変わらず僕の移動能力は直線的だが、スキルを上手く活用することで苦も無く移動ができるようになった。
戦闘中に僕がピンチになったときは、率先してカエルたちは僕を助けてくれる。
僕はカエルたちに親しみと信頼を感じ始めていた。
このままずっとパーティを継続出来ればいいのに。
僕たちが獣人の戦士を探す旅を始めてどのくらい経ったのだろうか。
一向に戦士は見つからない。
カエルの住処の沼からはずいぶん離れてしまった。
これ以上離れると帰る時が大変だ。
そろそろ様子を見に戻ってもいいのでは?と思い始めた。
しかし、カエルたちはどんどんと先へと進む。
まるで戻ることなど考えていないかのように、先へ先へと進み続けた。
いつしか彼らのペースが上がり始める。
僕は彼らについていくのが、難しくなってきた。
蔓や木の根を飛び越え、背丈ほどもある草をかき分けながら前を進むカエルたち。
まるで何かに誘い込まれるように、ジャングルの奥地へとその足を止めることは無かった。
そのまま3時間ほどが経過した頃、僕たちは沼のほとりで立ち止まった。
カエルたちの住処とはまた別の沼。
毒々しく紫色に濁っている点は変わらない。
カエルたちが目指していたのはここだったのか?
えっ?
僕は今まで感じたことがないくらいの殺気を感じた。
空気が張りつめるようなビリビリとした感じ。
カエルたちを見ると、すでに戦闘態勢を取っている。
何かがいる。
僕の後ろに危険な奴がいるんだ。
僕は後ろを振り返ろうとしても、恐怖で体が動かない。
後ろを振り返る、たったこれだけが出来ないのだ。
逃げなきゃ。
逃げなきゃ殺される…!
ドン!ドゥン!
2匹のカエル達は火の玉の直撃を受けて、地面に転がった。
肉が焦げるような臭いが辺りに漂う。
僕は咄嗟に振り返り、攻撃の主を確認。
なんとそこにいたのは、2階層で逃がした魔法使いの女の子だった。
えっ?なんで?
しかし、強い殺気を放出していたのはこの子ではない。
その隣に立っている獣人の男からだった。
獣人の男は僕に向かってゆっくりと歩いてくる。
僕はその男が近づいてくるのを、震えながら見ているしか出来なかった。
起き上がったカエルたちは、獣人の男に勢いよく向かって行く。
それに気づいた獣人は、歩きながら背中に携えていた大きな剣を抜いたのだ。
2匹同時に左右から飛びかかるカエル達、今まで見た彼らの攻撃の中で一番速く鋭かった。
しかし、力を込めた様子もない無造作に振った剣が、カエルたちを真っ二つに切り裂いたのだ。
悲鳴すらも起こらず、真っ二つとなったカエルの胴体。
その体は音を立てて地面に落下した。
獣人は絶命したカエルの口を強引に開け、その剣でカエルの舌を根元から切り取る。
獣人は切り取った舌を取って、魔法使いの女に放り投げたのだ。
圧倒的な力の差、目の前で殺される戦友。
今まで僕が人間たちにしてきたことを、反対にされたような気がした。
逃げなきゃ。ここから早く逃げないと。
ゆっくりと僕の方へ近づいてくる獣人。
相手のステータスを見ようと鑑定Lv5を使用した。
【※※※※※】
Lv ※※※※
HP(体力):※※※
MP(魔力):※※※
SP(スキルポイント):※※※
筋力:※※※
耐久:※※※
知力:※※※
器用:※※※
俊敏:※※※
運:※※※
スキル
※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※
えっ?ステータスが一切見れない!?
こんなことはこの世界で初めてだ。
驚きと共に今まで感じたことのない恐怖が走る。
僕は彼との実力差をここでも感じさせられた。
僕の動揺をよそに獣人は、無防備に僕の方へ近づいてくる。
僕のことを全く警戒している様子すらないのだ。
こっちへ来るな!
僕は【毒針Lv5】【弓Lv3】を同時に使用。
ありったけの飛び道具を切れまなく打ち続けた。
しかし、獣人の体に当たったかと思った瞬間、全ての飛び道具は獣人の体をすり抜ける。
何発打っても、全て獣人の体をすり抜けるのだ。
恐怖に駆られた僕は舌を鞭のようにしならし、獣人に向かって打ち付けようとした。
しかし、僕の舌は獣人の体に届く前に、彼の左手にしっかりとつかまれてしまった。
ブチッ!
獣人は僕の舌を後方に引き、根本から舌を引きちぎった。
激しい痛みが容赦なく僕に襲いかかる!
僕はガタガタと体を揺らしながら、その我慢しがたい痛みに必死で耐えようとした。
ガバッ
獣人は僕の口の中に手を突っ込み、宝箱の中のアイテムを全て取り出した。
(ちっ、しけてやがんな)
「宝箱の収納アイテムを失ったので、限定スキルは全てリセットされました」
機械音が僕の耳に響き、僕の限定スキルはこの時点で全て消滅した。
今までずっと活躍してくれていた【とらばさみ】や【弓】など全て失われたのだ。
すっかり戦意を失った僕に対して、獣人は大剣を持った右手を頭上高く振り上げた。
獣人の表情からは怒りや喜びなどの感情は感じられない。
道端の石を蹴り飛ばすがごとく、僕に興味を示さずけだるそうな様子だった。
彼は大剣を振り下ろし、僕を真っ二つに切断した。
カエルよりも2回りほどは大きいだろうか。
かなりの大型の鳥のようだ。
真っ黒の翼を横一杯に広げ、鋭くとがった爪でカエルを捕らえようと急降下してきたのだ。
【ブラックコンドル】
Lv 20
HP(体力):3500
MP(魔力):800
SP(スキルポイント):1800
筋力:1700
耐久:400
知力:1200
器用:1000
俊敏:3000
運:1300
僕は迫ってくるブラックコンドルに狙いをつけ、ボウガンを発射。
僕の攻撃に気づいた鳥は、急旋回し攻撃をかわした。
再度襲いかかるブラックコンドルにボウガンで狙い打ったが、速すぎて捉えることが出来なかった。
襲いかかるブラックコンドルをギリギリでかわしたカエル。
鳥の爪は地面に突き刺さった。
その一瞬の隙を狙ったカエルは、無防備のブラックコンドルの背中に舌を打ちつけた。
強烈な一撃を受けたブラックコンドルは地面に激しく叩きつけられる。
そこへ、もう一匹のカエルが近寄りブラックコンドルの首に舌を巻きつけた。
苦しそうにわめくコンドルだったが、次の瞬間大きな音と共に、コンドルの首は通常では考えられない方向へと曲がってしまった。
あっさりとブラックコンドルを撃退した僕たちのパーティ。
そのままカエルはブラックコンドルを3等分し、その場で捕食することにした。
この世界に来て初めての食べ物のシェア。
(なんかいいな。こういうの)
僕は勝利の喜びや食べ物を分かち合う喜びを感じていた。
「羽ばたくLv1を獲得しました」
えっ?飛べるの?
ブラックコンドルを捕食して覚えた新たなスキル。
早速鑑定Lv5で調べてみた。
【羽ばたく】
羽を大きく羽ばたかせることにより、宙に浮くことが出来る。
ただし、使用するには羽や類似品が必要。
残念ながら羽が無ければ使用できないらしい。
類似品?人工のものか何かか?
アバターリストで調べて見ると、なんと人工の羽が記載されていた。
50万Pも必要だが、購入さえすれば空を飛ぶことが出来そうだ。
食べ終わった僕たちは、獣人族の戦士を探しに出発した。
その後も数々の敵に襲われたが、僕たちは難なく敵を倒し続けた。
始めはぎこちなかった連携攻撃も、お互いの目を見るだけでその精度を増してきた。
相変わらず僕の移動能力は直線的だが、スキルを上手く活用することで苦も無く移動ができるようになった。
戦闘中に僕がピンチになったときは、率先してカエルたちは僕を助けてくれる。
僕はカエルたちに親しみと信頼を感じ始めていた。
このままずっとパーティを継続出来ればいいのに。
僕たちが獣人の戦士を探す旅を始めてどのくらい経ったのだろうか。
一向に戦士は見つからない。
カエルの住処の沼からはずいぶん離れてしまった。
これ以上離れると帰る時が大変だ。
そろそろ様子を見に戻ってもいいのでは?と思い始めた。
しかし、カエルたちはどんどんと先へと進む。
まるで戻ることなど考えていないかのように、先へ先へと進み続けた。
いつしか彼らのペースが上がり始める。
僕は彼らについていくのが、難しくなってきた。
蔓や木の根を飛び越え、背丈ほどもある草をかき分けながら前を進むカエルたち。
まるで何かに誘い込まれるように、ジャングルの奥地へとその足を止めることは無かった。
そのまま3時間ほどが経過した頃、僕たちは沼のほとりで立ち止まった。
カエルたちの住処とはまた別の沼。
毒々しく紫色に濁っている点は変わらない。
カエルたちが目指していたのはここだったのか?
えっ?
僕は今まで感じたことがないくらいの殺気を感じた。
空気が張りつめるようなビリビリとした感じ。
カエルたちを見ると、すでに戦闘態勢を取っている。
何かがいる。
僕の後ろに危険な奴がいるんだ。
僕は後ろを振り返ろうとしても、恐怖で体が動かない。
後ろを振り返る、たったこれだけが出来ないのだ。
逃げなきゃ。
逃げなきゃ殺される…!
ドン!ドゥン!
2匹のカエル達は火の玉の直撃を受けて、地面に転がった。
肉が焦げるような臭いが辺りに漂う。
僕は咄嗟に振り返り、攻撃の主を確認。
なんとそこにいたのは、2階層で逃がした魔法使いの女の子だった。
えっ?なんで?
しかし、強い殺気を放出していたのはこの子ではない。
その隣に立っている獣人の男からだった。
獣人の男は僕に向かってゆっくりと歩いてくる。
僕はその男が近づいてくるのを、震えながら見ているしか出来なかった。
起き上がったカエルたちは、獣人の男に勢いよく向かって行く。
それに気づいた獣人は、歩きながら背中に携えていた大きな剣を抜いたのだ。
2匹同時に左右から飛びかかるカエル達、今まで見た彼らの攻撃の中で一番速く鋭かった。
しかし、力を込めた様子もない無造作に振った剣が、カエルたちを真っ二つに切り裂いたのだ。
悲鳴すらも起こらず、真っ二つとなったカエルの胴体。
その体は音を立てて地面に落下した。
獣人は絶命したカエルの口を強引に開け、その剣でカエルの舌を根元から切り取る。
獣人は切り取った舌を取って、魔法使いの女に放り投げたのだ。
圧倒的な力の差、目の前で殺される戦友。
今まで僕が人間たちにしてきたことを、反対にされたような気がした。
逃げなきゃ。ここから早く逃げないと。
ゆっくりと僕の方へ近づいてくる獣人。
相手のステータスを見ようと鑑定Lv5を使用した。
【※※※※※】
Lv ※※※※
HP(体力):※※※
MP(魔力):※※※
SP(スキルポイント):※※※
筋力:※※※
耐久:※※※
知力:※※※
器用:※※※
俊敏:※※※
運:※※※
スキル
※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※
えっ?ステータスが一切見れない!?
こんなことはこの世界で初めてだ。
驚きと共に今まで感じたことのない恐怖が走る。
僕は彼との実力差をここでも感じさせられた。
僕の動揺をよそに獣人は、無防備に僕の方へ近づいてくる。
僕のことを全く警戒している様子すらないのだ。
こっちへ来るな!
僕は【毒針Lv5】【弓Lv3】を同時に使用。
ありったけの飛び道具を切れまなく打ち続けた。
しかし、獣人の体に当たったかと思った瞬間、全ての飛び道具は獣人の体をすり抜ける。
何発打っても、全て獣人の体をすり抜けるのだ。
恐怖に駆られた僕は舌を鞭のようにしならし、獣人に向かって打ち付けようとした。
しかし、僕の舌は獣人の体に届く前に、彼の左手にしっかりとつかまれてしまった。
ブチッ!
獣人は僕の舌を後方に引き、根本から舌を引きちぎった。
激しい痛みが容赦なく僕に襲いかかる!
僕はガタガタと体を揺らしながら、その我慢しがたい痛みに必死で耐えようとした。
ガバッ
獣人は僕の口の中に手を突っ込み、宝箱の中のアイテムを全て取り出した。
(ちっ、しけてやがんな)
「宝箱の収納アイテムを失ったので、限定スキルは全てリセットされました」
機械音が僕の耳に響き、僕の限定スキルはこの時点で全て消滅した。
今までずっと活躍してくれていた【とらばさみ】や【弓】など全て失われたのだ。
すっかり戦意を失った僕に対して、獣人は大剣を持った右手を頭上高く振り上げた。
獣人の表情からは怒りや喜びなどの感情は感じられない。
道端の石を蹴り飛ばすがごとく、僕に興味を示さずけだるそうな様子だった。
彼は大剣を振り下ろし、僕を真っ二つに切断した。
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