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Chapter #4
急げ!
しおりを挟むレベッカたちと別れ、五分ほど走ったところで、さっそく車に異変は起きた。
ちょっと長めの赤信号で一度エンジンを切ったところ、そのまま動かなくなってしまったのである。
「Ummm……that’s weird. I wonder why.」
おかしいなぁ、どうしちゃったんだろう? と送迎の女性は慌てる様子もなくマイペースにアクセルを踏み込んでみたりする。
そうしている間にも時間はどんどん過ぎていき、私もさすがに間に合うかどうか不安になってきた。
空港では舞恋とカヒンが待っている。
舞恋にはとりあえず先に搭乗手続きを済ませてもらうことにして、カヒンにも到着がギリギリになることを伝えないと——とスマホを取り出したところ、
「…………ん?」
画面は真っ暗なまま、全く反応しない。
まさか電源が落ちている?
試しに電源ボタンを長押ししてみると、画面の中央にはバッテリー切れのマークが浮かび上がった。
「えっ、なんで!?」
今朝は確かにバッテリーは残っていたはず。
それが急に空っぽになってしまうなんて。
(そういえば最近、バッテリーの減りがちょっと早かったかも……)
このタイミングで、まさかの故障。
あまりにも無慈悲な仕打ちに私は神を呪った。
「Hurry up! Please!!」
お願いだから急いで! と私は血眼になって訴える。
それでもマイペースな女性は相変わらずの調子で「大丈夫!」と自信満々に親指を立てて笑った。
やがて何とか車が復活して空港に到着したのは、ちょうどチェックインの締め切り時刻となる離陸一時間前だった。
大量の荷物を両手に抱えた私は鬼の形相でロビーを横切り、ギリギリのところで受付を済ませる。
そのまま指定の航空会社のカウンターへ急ぎ、荷物を預け、保安検査場へと入ろうとしたところで、
「Misaki!」
と、彼の声が聞こえた。
「Kahin……!」
私は急ブレーキをかけて振り返る。
すると視線の先——パーテーションポールで仕切られた向こう側から、カヒンがまっすぐにこちらを見つめていた。
彼は約束通り、私に会いに来てくれたのだ。
「Kahin, I’m sorry. I……」
カヒンごめんね、と事情を説明しようとしたそのとき、
「みさきち! やっと見つけた!!」
後ろからガッと腕を掴まれ、そのまま引っ張られる。
「こんな時間までどこほっつき歩いてたの!? 早く搭乗手続き終わらせないと飛行機乗れないよ!?」
舞恋だった。
彼女は私の腕を掴んだまま、ずんずんと順路を進んでいく。
「あっ、あっ、舞恋ちょっと待って」
「ゲートが閉まっちゃうんだから早く!!」
聞く耳を持たない舞恋に力ずくで引っ張られ、私は壁の向こうまで連れていかれた。
おかげでカヒンの姿も見えなくなってしまう。
そのまま保安検査場に入った私は、諦めて大人しく手荷物検査を受けた。
途中、カヒンに貰ったネックレスがボディチェックで引っかかったりしながら、何とか時間内に搭乗ゲートを通過する。
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