トリムルティ~まほろばの秋津島に まろうどの神々はよみがえる~第二部 日沈む国から来たる彗星は光輪を蝕む

清見こうじ

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第6章 明けやらぬ驟雨

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「ちょっと、手伝ってよ」

 放課後。加奈に話した通り、三年C組のLHRはあっさり終わり、早々散会となった。一応、他のクラスの手前もあるので帰宅はしないように言われたが、文化祭前なのでその準備がある生徒は部活に行ってもよいとのことで、真実と斎は早速美術室に移動した。

 加奈に頼まれたように、展示に使うイーゼルのチェックをすることにして、真実は隣の美術準備室に入った。隣、と言っても美術室内部から出入りする、実質は倉庫である。ダイヤル式の南京錠がかかっているので、普段は美術部員以外は出入りできない。予備のイーゼルや陶芸に使うろくろ、完成した作品や卒業生が回収しないまま置いて行った古い作品(主に共同制作のもの)などが置かれているので、部員もあまり出入りすることはない。最近制作した物や制作中の作品、普段制作に使用しているイーゼルなどは美術室の端に置いてある。

 四月の新入生体験イベントで一度使用したが、三ヶ月ぶりに取り出すと、やはり埃がかぶっている。真実は準備室の小さな窓を開けて換気し、はたきを取りに美術室に戻る。
 掃除用具のロッカーを開けながら、真実は手伝う様子を見せない斎に声をかける。
 自分用のイーゼルを引っ張り出してキャンバスを載せていた斎は、「えー」と文句を言いながらも一緒に準備室に入った。
 二人がかりではたきをかけ、床を箒で掃けば、埃っぽかった準備室の空気もそれなりに清められた。せっかくなので壁の埃もぬぐおうと、真実は使い捨ての掃除用ダスターを持ってきて、せっせと壁を拭き始める。

「朝と髪型違う」
 壁に向かう真実の後姿を見て、まるで今気づいたように、斎がぼそっと言った。
「ああ、昼休みに加奈からこれ貰ったから、使ってみたの。午後はずっと着けているけどね。今気づいた?」
 壁に向かったまま答える真実の右側の耳下にひとつに束ねた髪には、加奈からもらったシュシュが付いている。

「気付いていたけど。結ぶなら、真後ろの方がいいんじゃない? 首筋のネックレスが丸見えだよ」
「そう? 見えちゃう?」

 セキコーでは華美な装飾でなければ許容されている。とはいえ、指輪や外に丸見えの装身具は教師がいい顔をしないので、服の内側にネックレスを忍ばせている生徒は割と多い。
 着けているのが見えていることは想定内だったが、健太にもらったネックレス(とその先端にある指輪)に注目されたことが嬉しくてたまらない真実の声音は、ついテンションの高いものになる。
 ニコニコしながら、使い終わったダスターを美術室のごみ箱に捨てるため、準備室を出ようと真実は振り向くが。

「そんなに嬉しい? プロポーズされたんだっけ?」
「……一応、知らないふりしてよ」

 進行方向を立って真実の動きを止め、斎はからかうように声をかける。
 県都にみんなで出かけた道中で、健太が男性陣に話してしまったことは真実も知っているが。

「どうせ僕らが知っていることは、君も承知なんだろう? 別に隠すことないじゃないか。おめでとう」
「ありがとう、って言いたいけど。実は、まだ『おめでとう』は早いんだよね」
「断ったの?」
「断るわけないでしょ?! ……延期してもらったのよ」
「君のことだから、三上さんのこととか気にして? ああ、受験に向かう意欲がそがれるから、とかかな」
「……何で分かるのよ。そうよ、今は退路を断ちたいの。だから、合格するまで自主的におあずけ」
「それで不合格になったら、また一年延期? 健太のことだから口にはしないと思うけど、ヤキモキしているだろうね」
「それを言わないでよ……」
 
 自分で言い出しておきながら、実はそこが一番心配なのだ。他人に指摘されると、本当になりそうでさらに不安になる。

「そうすると、僕としては、君に勉強を教えるのを躊躇してしまうな」
「何でよ?! 逆でしょ! 応援してよ」
「……応援できないって、言ってるんだよ。それで、君は無事合格して? プロポーズ受けて? 何で、そんなことに僕が応援や協力をしないといけないわけ?」

 いつもの飄々とした雰囲気とは違う、やたら攻撃的な斎の様子に、真実は戸惑う。
 毒舌を吐く時とも違う。何だか人を寄せ付けない、真実が美術部に入る前の、クラスでの斎の姿を思い出す。

「何で……って。そりゃ、いつも斎君に頼ってばかりで、申し訳ないとは思っているけど」
「そうだよね。僕がいなかったら、そもそも今の成績、取れてないよね? プロポーズを受験後にしようだなんて余裕なセリフ、出てこないよね?」
「……感謝、してるわよ。斎くんのおかげで……」
「感謝とか謝罪とか、いらないから」
 
 真実の言葉を遮り、斎は真実を囲い込むようにして、その体を壁に押し付けた。
「な?! 何すんのよ?!」

 手にしていたダスターを握りしめ、真実は硬直する。

 これって、もしかして壁ドン?!
 いや、そう言うことじゃなくて! どうしたの? 斎君がおかしい!

 突然の出来事にパニックになりながらも、何とか状況把握をしようと試みるが。

「ほんっとに! 君って鈍いよね? ここまで言って、ここまでされて、まだ気付かないわけ? 自分に気がある男とこんな狭い部屋で二人きりとか、もっと危機感持ったらどうなんだい?」
「へ? 気? 気がある……って? いや、ないでしょ?!」
「あるって言ってるんだよ! 僕だって、男なんだからね。好きな女の子前にしたら、例えば、こんなことだって、したいわけ」
 
 斎はすっと、右手を真実の顎にあてがい、クイッと上を向かせる。

「まだ、健太とはしてないようなこと、しようか?」
「な……!?」
「どうせ、キスもまだなんだろ?」
「したし! キスくらいはしたし!」
「へえ? 意外。アイツにそんな勇気あったんだ? 怖くてまだ手が出せないでいるって思ったけど。だったら、ディープキスなら? それはまだだろ?」
「まだだけど……いや! 関係ないじゃない!? 斎君とはしないから! 放してよ!」
「なんで? 僕にしておけばいいのに。健太より、よっぽど将来性もあるよ? 知力も地位も財産もあるし。年齢は下だけど、精神年齢では負けてないし。と言うか、たぶん勝ってる」
「そういう問題じゃない! 私は健太がいいの! 健太しか嫌なの!」
「……残念。僕がいいって言ってくれたら、もっと優しくしてあげたのに。拒んだのは君だからね? 強引に奪わせてもらうよ?」
「ひっ!」

 顎を捉えたまま顔を近付けてくる斎から逃れようと真実は暴れるが、あっという間に抱きすくめられる。右手は真実の顎に当てたまま、左でだけでガッチリ真実の身体をホールドする。正直、斎にこんな腕力があると思っていなかった。いや、知ってはいたが、実感していなかった。細身なのに、服越しに斎の腕の力強さを感じる。

「大丈夫。今は、とりあえず、キスだけ……」

 添えているだけのようなのに、顎が動かない。目を細め、近付いてくる斎の顔。
 真実はグッと唇を引き結ぶが、斎がちょっと親指に力を入れると、下唇が開き、強引に斎を受け入れる口形にされてしまう。

 いやだ! 絶対、いやぁ!

 真実は、目をつむり……。




「ぐえっ!」
 カエルのような声を上げて、斎がうめいた。

 斎の手から逃れた真実の斜め前で、よろめいて顔の下半分をふさぐ斎の指の隙間から、ぽたぽたと赤い雫が落ちる。
「……ありえないだろ? 普通、この状況で頭突きとか」
「後ろに逃げられないなら、前に行くしかないじゃない!?」
 
 勢いよく、頭ごと斎にぶつかり、真実は頭突きを食らわしたのだ。その攻撃は、斎の顔の中央に決まった。おかげで、真実も少しクラクラする。

「鼻血! 自分で拭いておいてよね! せっかく掃除したのに!」
 埃だらけのダスターを斎に向かって投げつけて、真実は美術準備室を飛び出す。鼻声のそれは、真実が泣いていることを示した。

「……ほんっと、想定外だよ」
「……俺も、想定外だよ。こういうこと、しないんじゃなかったのか?」

 準備室の扉に持たれるようにして、正彦があきれたようにつぶやいた。
「いたんだ」
「気付いてただろ? 俺が殴りかかろうとしていたのも」
「まあね。軽くいなすつもりだったけど。でもまさか、森本さんからこういう攻撃食らうと思っていなかったよ」
「食らうだろ? 普通。まさか、本気で強引にしようと思っていたわけじゃないよな? 三上のこととかあったのに、無神経過ぎないか?」
 
 剣呑な光を湛えて、正彦は目を尖らせる。
 真実に言われて加奈のガードの手伝いをしていた正彦も、大まかな状況は聴いている。真実が加奈のために、どれほど心を砕いていたのかも。それを知っているはずの斎が、その場面を想起させるかもしれない暴挙に出たことが、正彦には信じられないし、許せない。

「まあ、せっかくなので軽くキスくらいはして、その代わり唇くらいは咬まれてもいいかな、とは思っていたけど。そういう抵抗を想定していたんだけど。まさか、頭突きとか、ムードなさすぎ」
「もし、本当にそんなことしていたら、俺、一生お前を許さないぞ」
「どうぞ? どうせ僕には腕力でも知力でも敵わないくせに」
「……なんで、こんなことしたんだよ? 無理に手に入れようと思わないって、お前、自分で言ってたじゃないか」
「……半年も前のことだよ? 気持ちなんて変わるさ。というか、変わらないのが問題なのかな? 自分でも、どうしてこうも執着するのか分からないんだよね。気が付いたら、虎視眈々と隙を狙っている自分がいる。僕って、こんな風に特定の人間に囚われるような性格じゃなかったはずなのになぁ」
「……そういうもんだよ」

 斎と同じように、真実に報われぬ思いを抱く正彦の目線は、やや同情めいたものに変わる。諦めようと思っていても、目は真実を追ってしまう。心のどこかで、まだチャンスはあるんじゃないか、どこかに隙は無いか、と藁にもすがるような思いでいる自分がいる。
 今日だって、C組が早く終わったのを知って、真実と話せるかもしれないと、つい美術室に立ち寄ってしまった。まさか、こんな展開が待っているとは思っていなかったが。

「どうすんだよ? もう、前みたいな関係には戻れないぞ?」
「戻る気はないさ。というか、そろそろキツいんだよ。彼女、平気で僕と二人きりになるんだよ? 図書館でも教室でも、それこそ手を伸ばせば抱きしめられそうな近さで。で、無邪気に言うのさ。『斎君、ここ教えて』って。顔近付けて。三上さんの件で少しは危機感持つかと思ったけど、自分には当てはまらないと思っているんじゃないのか? 無防備すぎて、ツラい」
「まあ、な。それが、アイツのいいところでもあるんだけど。でも、まあ、今回のことは許せないけど……お前も一応、感情のある人間だったんだな」
「……人間だよ。正直、どうにも持て余すけどね、こんな感情。でも、まあ、悪くはないな。これが情欲ってやつなのかな?」
「じょ……それは言っちゃいけないだろ? 恋、くらいにしておけよ。本気で好きなら、悲しませるようなことは、もうするなよ」

 じゃ、俺部活行くわ、と正彦は手を振って立ち去る。
 思ったより怒りもせず、あっさりした正彦の反応に、斎は苦笑する。



「……せっかくだから、介抱くらいしてくれたっていいのに。同じ穴のムジナなんだから」
 鼻からの出血は止まっていたが、指や手のひら、それに鼻から口元も生乾きの血でベトベトガサガサだった。よく見ると、ワイシャツにも血が飛び散っている。

「あーあ、正彦クンに殴られる場面も想定しておいたのにな」
 そして斎の身勝手さを責め立てられたら、どれだけ人間の欲望が醜いか言い負かそうとしていたのに。

「だったら、私が一発食らわせてもよいですか? 斎兄様」
「いやだよ。君、自分がどれだけ強いか、分かってる? 並みの男ならワンパンじゃないか、珠美」
「大丈夫ですよ。斎兄様なら、十発くらい耐えられます」

 そう言いながらも、珠美はウェットティッシュの包みを斎に差し出す。
 とりあえず手や顔を拭いて、真実に投げつけられたダスターと共に捨て、そのあと流しに行く。流水で洗うと、ようやくすっきりした。
 ハンカチで水分を拭き取り、ため息をついて椅子に座りこむと、珠美も隣に椅子を持ってきて座る。

「何で、あんなことしたんですか?」
「聴いていたんだろう? 正彦クンとの話」
「聴きましたけど。らしくないです。本気で欲しいなら、もっとうまく立ち回れるでしょう? 兄様なら」
「本気で欲しいかと言うと……そうでもない」
「……やっぱり、三発くらい、ぶち込ませてください」
「やだよ。打たれ弱いんだよ、僕。人の攻撃、まともに食らったの、初めてだよ。ダメージ大き過ぎる」
「未来でもいないでしょうしね。斎兄様の顔面に拳を食らわせることが出来る人間なんて。まあ、今回は、頭突き、ですけどね」
「結構いいシチュエーションだったと思うんだけどな。壁ドンで顎クイって、鉄板なんだろ? 珠美の持っている本によると」

「いつ見たんですか?! っていうか、そもそもの設定がダメでしょ? 健太さんと喧嘩でもして落ち込んでいる時とかならともかく、誕生日プレゼントもらって、ウキウキな時にちょっかい出されても邪魔なだけですよ。おまけに、加奈先輩の事件があったばかりなのに。斎兄様は女心が分かってません」

「分からなくていいよ。何でも分かったら、つまらな過ぎて、僕は退屈で死んじゃうよ。今日も想定外で、楽しかったな」

「……迷惑だから、もうやめてください。他にも沢山おもちゃがいるじゃないですか?」
「君も大概だね、珠美。そうだな、多分森本さんは、このことは人に話したりはしないから、僕から健太に言おうかな。きっと激怒するね」
「だから! そういう悪趣味なのはやめてくださいって! 真実先輩が絡むと、斎兄様、おかしいです」

「それが恋、らしいからね。分かっているのにおかしくなる。ようやく分かったよ。うん、いい経験ができた」

「……あと、このこと、美矢ちゃんも知ってますから。真実先輩を追いかけていったから、事情は聴いてますよ、きっと」
「ちぇ。そうしたらみんなに一方的に怒られるじゃないか」
 自分で暴露したかったのに、と方向違いな理由で残念がる斎に、珠美はため息をついて。

「大丈夫です。美矢ちゃんは多分話しません。だから、まずは真実先輩に謝って! 今呼びますから!」


 美矢に連れられた真実が美術室に戻り。改めて血だらけの斎のワイシャツに驚いた真実は、あっさり斎の謝罪を受け入れてしまい。
 ただし、今後も真実に(念のため加奈や正彦を交えて)勉強を教えてくれることを約束させられた。


「結局生殺し状態が続くって、お前にとっては結構な罰かもな」
 後日事情を聴いて、正彦にニヤニヤした顔で言われ。

 真実と勉強仲間になれるという役得を得た正彦が、実は一番幸運だったという想定外の結果が面白かったことを、斎は心の奥底に隠して悔しそうな顔をして見せた。



 ホント、この二人は、予想通りなのにどこか予想と違って、楽しい。手放したくないな。

 斎の心をじわじわと濡らす、狂おしい執着とゆがんだ楽しみの雨は、まだまだ止みそうになかった。
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