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第2章 聖魔法王国編
第39話 オークの襲撃
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「聖女様」
「ハイ」
「モンドリアン様の事をどのように思われていますか?」
顔が真っ赤になるロリ。
「それは・・・」
「好きになられましたか?」
恥ずかしそうに頷くロリ。
「聖女様、私にお任せを。明日は、街中を散歩しましょう」
勝手に決めるリカルド。
「分かりました。貴方に任せます」
「では、これで失礼いたします」
「えぇおやすみなさい、リカルド」
「ハイ。聖女様もお休みなさいませ」
そのあとリカルドはエルヴィーノの部屋の扉を叩く。
コンコンッ
「リカルドです」
「開いているよ」
「如何でしたでしょうかモンドリアン様」
「あぁ大分思い込みの激しい子だね」
「いやぁ、お恥ずかしい。それでご結婚して頂けますか?」
「オイオイ。リカルドもセッカチだな・・・俺では無い可能性があると言っただろう? だから、まずそれを解決しないと」
「占いの時を過ぎるまで俺以外の黒目黒髪が現れるか見張る。まずこれが条件1」
「教会本部で期日が来た後に再度占ってもらう。これが条件2」
「聖女の口から自分の生い立ちを全て話してもらう。これが条件3」
「王様とかにはならない。これが条件4」
「以上だ。もう寝るから」
「解りました。では明日はご一緒に街中を散歩する予定です」
「わかった、わかった。じゃお休み」
「はい、お休みなさいませモンドリアン様」
エルヴィーノはロリに好感を持った。
一族を信じると言う言葉に感銘を受けたからだ。
何故なら自分も同じだから。
翌朝、宿が騒がしいので起きた。
宿に兵士や冒険家が大勢居たのだった。
「だから、さっきから言っているでしょ、満室だって」
それでも泊めろ、何とかしろの要請にウンザリしていたミゲル。
そこに現れたのがリカルドだ。
「どうしたのですか? このような大勢で? 誰か説明してください」
「司祭か? 俺達は町長の依頼で来た冒険者だ」
「ハイ。それで?」
「あぁ。ここクラベルの近くで大量のオークを見たと情報が入ってな、警備と討伐の依頼が入った訳さ」
「何でだって! それは一大事です」
事の次第を理解したリカルドは、大切な方に迷惑が掛らぬように冒険者たちを誘導した。
「宿は満室のようですから、教会の方で泊まりませんか? その代りベッドなどは有りませんが、タダで構いませんよ」
「本当か?」
「えぇ」
「皆いいか?」
「おぉタダなら良いぜ」
「ではこちらへ」
宿屋にいた全ての冒険家や得体の知れない者を引き連れて教会へ向かうリカルド。
宿を出る時、ミゲルに宿を閉めとけと助言した。
ゆっくりと起きてきたエルヴィーノとロリは宿の入口が閉まっている事に気づくとミゲルに聞いた。
「どうしたのですか?」
「私も詳しくは知らないがオークの大群が近くに居るらしくて、町長がギルドに依頼したらしいです。それで冒険者が沢山押し寄せてきてさ、リカルドが皆連れて教会に泊まるように連れて行ったのさ」
「そうか、リカルドには苦労かけるなぁ・・・」
「それでオークの話は本当なの?」
「さっき聞いたばかりだからな・・・よし、私が町長に聞いてくる」
そう言ってミゲルが裏口から出て行った。
町長の所には町の責任者全員が集まっていた。
「いったいどうなっているんだ?」
怒り立つ町の者からの声に町長が答える。
「さっき偵察の者が戻ってきた。オークの群れがこの町に迫っている」
「何だってっ!」
皆一様に驚いた。
「それで何匹ほどですか?」
「偵察に行った奴によれば100匹以上いるそうだ」
「なっ、100匹以上だなんて・・・」
「終わりだ・・・この町は何もかも無くなる」
誰かがそう思った。
確かにオークの群れが通った後は何も残らないと言われている。
「王都から兵士を呼びましょう。今ならまだ間に合います」
様々な意見が飛び交う中、ミゲルは宿に戻った。
リカルドも戻っており、全員で打ち合わせをする。
「オーク達は港町ゴルフィーニョの方向からこの町に向かっているそうです。冒険者など派遣された者が暫く耐え凌いでくれるでしょう。その間に聖女様とモンドリアン様はお逃げください」
そんな事を言うリカルドにエルヴィーノが問うた。
「ちょっと待って。聖女ってさ、こんな時こそ力を見せつけるべきじゃ無いのかな?」
「えぇ? 私そんな力は有りませんけど・・・」
「そうです。聖女様は戦う力は有りません」
そんな事をサラリと言い切るリカルドをエルヴィーノはジッと見つめた。
その2人を不安そうに見つめるロリだった。
「まぁいい。俺に考えがある。現状のオークの場所とおおよその数と、進行方向、別種族が居るのかどうか。あと、理由なんて解らないよな・・・冒険者の配置、戦闘はいつ行う予定か? これらを調べて欲しい」
「承知しました。モンドリアン様」
「じゃ俺達は準備しよう」
「準備ですか?」
「あぁそうだ。2階へ上がり用意が出来たらそっちに行くからな」
「ハイ」
エルヴィーノはフード付コートを被りロリの部屋に行った。
コンコンッ
「俺だけど・・・」
「ハイ。どうぞ」
部屋に入りロリと内合わせする。
「ロリはどんな攻撃魔法が使えるの?」
「私は・・・あの時の・・・」
「あぁミスクラル・マヒアだね」
「ハイ」
「他は?」
「まだ、練習中なのであれだけです」
「解ったよ」
エルヴィーノは考えた。
冒険者数人がオーク数匹よりも多ければ冒険者が勝つだろう。
「しかしオークが100匹以上か・・・」
(あっ、そう言えはあの時見たな・・・あいつ等か。しかし、なぜ今頃襲って来るのか? まぁいい。とにかく今はどうやって聖女の功績にするかだ)
これはリカルドがぼやいていたセリフだ。
聖女に成り立てのロリには実績が無いと。
(自分が始末するのは簡単だが、やったのが俺と解れば後が面倒くさい。だから聖女様が処理した事にする。魔法はアレを広域に使う。あとはそうだなぁ・・・)
「聖女がやった・・・そうだ! ポーズを作ろう」
ロリに説明しポーズを考える。
なんとかリカルドが戻る前に完成した俺達のポーズ。と言えるのか?
聖女は両手を空へ広げ、エルヴィーノはその横で膝まずく。
そして、ロリがサガラド・エスクードを唱え頭上に顕現させる。
観衆には目に見える演出が必要だと説明した。
エルヴィーノは膝まずいたまま魔法を発動させる。
ロリが心配になり聞いて来た。
「本当に大丈夫ですか?」
「あぁ俺に任せとけ」
「聖女様、モンドリアン様、現状が分かりました」
リカルドが現状報告しに戻って来た。
「オークが3種類ほどいます。ほとんどが普通のオークです。ですが10匹ほど毛色の違うオークが居て指揮を執っているようです。全体で約150匹ほどらしいです」
「150匹!」驚くロリ。
「それで冒険者たちは?」
「ハイ、数班に分かれて応戦している状態ですが・・・」
「リカルド」
「ハイ」
「中央協会に連絡して至急、兵の派遣を依頼してください」
「ハッ。畏まりました」
「あっリカルド」
「はい。俺達も今から2人で参戦するからな! じゃ行こうか」
「ハイ。えっ、ちょっ、ちょっと待ってください。危険です。兵が来てからでないと」
「リカルド頼みましたよ。私達の活躍が見たいなら早く連絡してね」
リカルドは大急ぎで教会に戻り中央協会に連絡した。
オークが150匹いて、聖女様が参戦されるので大至急応援の兵を送って欲しいと。
エルヴィーノ達は村の入り口に来た。
入口には既にバリケードがあった。
「これ、どかすの面倒だな・・・ロリ、ちょっと俺、様子を見てくるからね。ここに居るように」
「えっどうやって?」
「れたのかい? チョツト上に行って・・・」
「ハイ。分かりました」
エルヴィーノはエスパシオ・モダンザで上空200mへ行き、グラビダッドで空中を漂い辺りを見渡した。
「おー、やってるやってる。あぁーあ。こりゃ冒険者全滅だな。おぉ、なるほどあいつ等か指揮しているのは・・・おっ全滅した。ハハハハハハハハハッ弱いなぁ冒険者って。街に近づいて来ているなぁ、全部入口の外に集まっているぞ、好都合だ。さてと、集まった所で行こうかな」
エルヴィーノはロリの側に戻る。
「あっエルヴィーノさん! 大変ですオークの群れが村の入口の前に集まっているようです」
「あぁ知っているよ。じゃさっき練習したように俺達の頭上に、サガラド・エスクードを出してくれ。大丈夫か?」
「えぇそれより本当に大丈夫なのですか?」
「あぁ占いと同じ様に俺を信じろ」
「ハイ」
この場所からでも毛色の違うオークが正面にやってきたのが解る。
エルヴィーノはもう一度、一瞬だけ上空に行ってオークが隠れていないか確かめた。
案の定、群れとは違う場所。
更に後方に5匹違う毛色を発見した。
そして戻る。
バリケードの内側には自営団や町の人が戦う準備をしている。
リカルドも間に合ったようだ。
エルヴィーノは大声で叫んだ。
「みんな聞いてください。冒険者達は全滅しました」
「なんだってぇー俺達はどうすれば・・・」
「静かに! 安心してください。今ここに王都イグレシアから聖女様がおいでになっておられます。これから聖女様がオーク達を殲滅しに行かれるそうです」
「おぉ聖女様だ。あれは聖女様の衣装だ」
ザワザワ・・・
「では行きますか。リカルドは俺と同じ仕草をしてください」
「解りました」
エルヴィーノは2人を連れてエスパシオ・モダンザを唱えバリケードの向こう側、オークの前に転移した。
ロリが真ん中でエルヴィーノがロリの左。
リカルドは右だ。
ロリがエルヴィーノの顔を見て頷く。
片膝をついて頭を下げるとリカルドも同じく真似をした。
ロリは両手を上げサガラド・エスクードを唱え3人の周りに回る盾を顕現させた。
そしてもう一度唱え頭上に顕現させる。
その時エルヴィーノは、広域仕様でバシーオを唱えた。
バタバタと倒れていくオーク達。
その光景をロリ、リカルド、街の人たちが見ていた。
頭上に光り輝くサガラド・エスクードは全ての町民からも見えるだろう。
「凄い・・・」
「いったいどうやって・・・」
ロリとリカルドが呟く。
そして、数十秒後。
目の前に居た全てのオークは倒れ死に絶えた。
エルヴィーノは立って二人に告げた。
「少し離れた所に数匹いるから始末して来る」と。
そして、エスパシオ・モダンザで5匹居た場所に転移すると騒ぎ出すオークたち。
「お前たちは楽な死に方はさせん」
オスクロ・リァーマを放った。
それは小さな黒い炎だった。
オークは馬鹿にしたようにオノを振って消し去ろうとした。
黒い炎はフワフワとオノを避けオークの胸に着火した。
すると一瞬でそのオークと後ろに居た残りのオークを巻き込み黒い炎に包まれた。
聞こえるのはオークの叫び声。
オーク程度なら骨まで焼き尽くすだろうが、エルヴィーノにソレを見る趣味は無い。
エスパシオ・モダンザで元居た場所に戻る。
この間1分。
「あっ、どうでしたか?」
「あぁ終わったよ」
まだバリケードはそのままだ。
結構頑丈に作ったみたいだ。
エルヴィーノは2人に説明した。
これはロリがやった事にしようと提案した。
「何故ですか? これはモンドリアン様の魔法ではありませんか?!」
「まぁそうだけど、聖女様が奇跡の力を使った事にしよう・・・って無理か?」
リカルドが意を汲んで答える。
「解りました。町にはそのように伝えますが、教会本部には本当の事を連絡しますが宜しいですか?」
「あぁ俺がそうしろと言った事も伝えて欲しい」
「一応理由を伺っても宜しいでしょうか?」
「それは・・・俺目立つの嫌いだし、聖女様は教会の象徴的な立場だろ? お互いの為さ」
「・・・解りました」とリカルドは答えた。
「ですが、あれはいったいどのような魔法なのですか?」
ロリが聞いて来るとリカルドも同様に聞いて来た。
「私にもさっぱり解りません。未知の魔法を使われたのでしょう」
「それは秘密だよ。知りたいなら聖女さまが身も心も俺に差し出したら教えても良いよ」
(この人、お母様と同じ事を言うなんて・・・)
エルヴィーノはどうせ出来っこないだろと、高を括っていた。
安易に余計な事を言うものでは無いと、後で後悔する事になる。
あとがき
そろそろ行動開始ですか? 聖女様!
「ハイ」
「モンドリアン様の事をどのように思われていますか?」
顔が真っ赤になるロリ。
「それは・・・」
「好きになられましたか?」
恥ずかしそうに頷くロリ。
「聖女様、私にお任せを。明日は、街中を散歩しましょう」
勝手に決めるリカルド。
「分かりました。貴方に任せます」
「では、これで失礼いたします」
「えぇおやすみなさい、リカルド」
「ハイ。聖女様もお休みなさいませ」
そのあとリカルドはエルヴィーノの部屋の扉を叩く。
コンコンッ
「リカルドです」
「開いているよ」
「如何でしたでしょうかモンドリアン様」
「あぁ大分思い込みの激しい子だね」
「いやぁ、お恥ずかしい。それでご結婚して頂けますか?」
「オイオイ。リカルドもセッカチだな・・・俺では無い可能性があると言っただろう? だから、まずそれを解決しないと」
「占いの時を過ぎるまで俺以外の黒目黒髪が現れるか見張る。まずこれが条件1」
「教会本部で期日が来た後に再度占ってもらう。これが条件2」
「聖女の口から自分の生い立ちを全て話してもらう。これが条件3」
「王様とかにはならない。これが条件4」
「以上だ。もう寝るから」
「解りました。では明日はご一緒に街中を散歩する予定です」
「わかった、わかった。じゃお休み」
「はい、お休みなさいませモンドリアン様」
エルヴィーノはロリに好感を持った。
一族を信じると言う言葉に感銘を受けたからだ。
何故なら自分も同じだから。
翌朝、宿が騒がしいので起きた。
宿に兵士や冒険家が大勢居たのだった。
「だから、さっきから言っているでしょ、満室だって」
それでも泊めろ、何とかしろの要請にウンザリしていたミゲル。
そこに現れたのがリカルドだ。
「どうしたのですか? このような大勢で? 誰か説明してください」
「司祭か? 俺達は町長の依頼で来た冒険者だ」
「ハイ。それで?」
「あぁ。ここクラベルの近くで大量のオークを見たと情報が入ってな、警備と討伐の依頼が入った訳さ」
「何でだって! それは一大事です」
事の次第を理解したリカルドは、大切な方に迷惑が掛らぬように冒険者たちを誘導した。
「宿は満室のようですから、教会の方で泊まりませんか? その代りベッドなどは有りませんが、タダで構いませんよ」
「本当か?」
「えぇ」
「皆いいか?」
「おぉタダなら良いぜ」
「ではこちらへ」
宿屋にいた全ての冒険家や得体の知れない者を引き連れて教会へ向かうリカルド。
宿を出る時、ミゲルに宿を閉めとけと助言した。
ゆっくりと起きてきたエルヴィーノとロリは宿の入口が閉まっている事に気づくとミゲルに聞いた。
「どうしたのですか?」
「私も詳しくは知らないがオークの大群が近くに居るらしくて、町長がギルドに依頼したらしいです。それで冒険者が沢山押し寄せてきてさ、リカルドが皆連れて教会に泊まるように連れて行ったのさ」
「そうか、リカルドには苦労かけるなぁ・・・」
「それでオークの話は本当なの?」
「さっき聞いたばかりだからな・・・よし、私が町長に聞いてくる」
そう言ってミゲルが裏口から出て行った。
町長の所には町の責任者全員が集まっていた。
「いったいどうなっているんだ?」
怒り立つ町の者からの声に町長が答える。
「さっき偵察の者が戻ってきた。オークの群れがこの町に迫っている」
「何だってっ!」
皆一様に驚いた。
「それで何匹ほどですか?」
「偵察に行った奴によれば100匹以上いるそうだ」
「なっ、100匹以上だなんて・・・」
「終わりだ・・・この町は何もかも無くなる」
誰かがそう思った。
確かにオークの群れが通った後は何も残らないと言われている。
「王都から兵士を呼びましょう。今ならまだ間に合います」
様々な意見が飛び交う中、ミゲルは宿に戻った。
リカルドも戻っており、全員で打ち合わせをする。
「オーク達は港町ゴルフィーニョの方向からこの町に向かっているそうです。冒険者など派遣された者が暫く耐え凌いでくれるでしょう。その間に聖女様とモンドリアン様はお逃げください」
そんな事を言うリカルドにエルヴィーノが問うた。
「ちょっと待って。聖女ってさ、こんな時こそ力を見せつけるべきじゃ無いのかな?」
「えぇ? 私そんな力は有りませんけど・・・」
「そうです。聖女様は戦う力は有りません」
そんな事をサラリと言い切るリカルドをエルヴィーノはジッと見つめた。
その2人を不安そうに見つめるロリだった。
「まぁいい。俺に考えがある。現状のオークの場所とおおよその数と、進行方向、別種族が居るのかどうか。あと、理由なんて解らないよな・・・冒険者の配置、戦闘はいつ行う予定か? これらを調べて欲しい」
「承知しました。モンドリアン様」
「じゃ俺達は準備しよう」
「準備ですか?」
「あぁそうだ。2階へ上がり用意が出来たらそっちに行くからな」
「ハイ」
エルヴィーノはフード付コートを被りロリの部屋に行った。
コンコンッ
「俺だけど・・・」
「ハイ。どうぞ」
部屋に入りロリと内合わせする。
「ロリはどんな攻撃魔法が使えるの?」
「私は・・・あの時の・・・」
「あぁミスクラル・マヒアだね」
「ハイ」
「他は?」
「まだ、練習中なのであれだけです」
「解ったよ」
エルヴィーノは考えた。
冒険者数人がオーク数匹よりも多ければ冒険者が勝つだろう。
「しかしオークが100匹以上か・・・」
(あっ、そう言えはあの時見たな・・・あいつ等か。しかし、なぜ今頃襲って来るのか? まぁいい。とにかく今はどうやって聖女の功績にするかだ)
これはリカルドがぼやいていたセリフだ。
聖女に成り立てのロリには実績が無いと。
(自分が始末するのは簡単だが、やったのが俺と解れば後が面倒くさい。だから聖女様が処理した事にする。魔法はアレを広域に使う。あとはそうだなぁ・・・)
「聖女がやった・・・そうだ! ポーズを作ろう」
ロリに説明しポーズを考える。
なんとかリカルドが戻る前に完成した俺達のポーズ。と言えるのか?
聖女は両手を空へ広げ、エルヴィーノはその横で膝まずく。
そして、ロリがサガラド・エスクードを唱え頭上に顕現させる。
観衆には目に見える演出が必要だと説明した。
エルヴィーノは膝まずいたまま魔法を発動させる。
ロリが心配になり聞いて来た。
「本当に大丈夫ですか?」
「あぁ俺に任せとけ」
「聖女様、モンドリアン様、現状が分かりました」
リカルドが現状報告しに戻って来た。
「オークが3種類ほどいます。ほとんどが普通のオークです。ですが10匹ほど毛色の違うオークが居て指揮を執っているようです。全体で約150匹ほどらしいです」
「150匹!」驚くロリ。
「それで冒険者たちは?」
「ハイ、数班に分かれて応戦している状態ですが・・・」
「リカルド」
「ハイ」
「中央協会に連絡して至急、兵の派遣を依頼してください」
「ハッ。畏まりました」
「あっリカルド」
「はい。俺達も今から2人で参戦するからな! じゃ行こうか」
「ハイ。えっ、ちょっ、ちょっと待ってください。危険です。兵が来てからでないと」
「リカルド頼みましたよ。私達の活躍が見たいなら早く連絡してね」
リカルドは大急ぎで教会に戻り中央協会に連絡した。
オークが150匹いて、聖女様が参戦されるので大至急応援の兵を送って欲しいと。
エルヴィーノ達は村の入り口に来た。
入口には既にバリケードがあった。
「これ、どかすの面倒だな・・・ロリ、ちょっと俺、様子を見てくるからね。ここに居るように」
「えっどうやって?」
「れたのかい? チョツト上に行って・・・」
「ハイ。分かりました」
エルヴィーノはエスパシオ・モダンザで上空200mへ行き、グラビダッドで空中を漂い辺りを見渡した。
「おー、やってるやってる。あぁーあ。こりゃ冒険者全滅だな。おぉ、なるほどあいつ等か指揮しているのは・・・おっ全滅した。ハハハハハハハハハッ弱いなぁ冒険者って。街に近づいて来ているなぁ、全部入口の外に集まっているぞ、好都合だ。さてと、集まった所で行こうかな」
エルヴィーノはロリの側に戻る。
「あっエルヴィーノさん! 大変ですオークの群れが村の入口の前に集まっているようです」
「あぁ知っているよ。じゃさっき練習したように俺達の頭上に、サガラド・エスクードを出してくれ。大丈夫か?」
「えぇそれより本当に大丈夫なのですか?」
「あぁ占いと同じ様に俺を信じろ」
「ハイ」
この場所からでも毛色の違うオークが正面にやってきたのが解る。
エルヴィーノはもう一度、一瞬だけ上空に行ってオークが隠れていないか確かめた。
案の定、群れとは違う場所。
更に後方に5匹違う毛色を発見した。
そして戻る。
バリケードの内側には自営団や町の人が戦う準備をしている。
リカルドも間に合ったようだ。
エルヴィーノは大声で叫んだ。
「みんな聞いてください。冒険者達は全滅しました」
「なんだってぇー俺達はどうすれば・・・」
「静かに! 安心してください。今ここに王都イグレシアから聖女様がおいでになっておられます。これから聖女様がオーク達を殲滅しに行かれるそうです」
「おぉ聖女様だ。あれは聖女様の衣装だ」
ザワザワ・・・
「では行きますか。リカルドは俺と同じ仕草をしてください」
「解りました」
エルヴィーノは2人を連れてエスパシオ・モダンザを唱えバリケードの向こう側、オークの前に転移した。
ロリが真ん中でエルヴィーノがロリの左。
リカルドは右だ。
ロリがエルヴィーノの顔を見て頷く。
片膝をついて頭を下げるとリカルドも同じく真似をした。
ロリは両手を上げサガラド・エスクードを唱え3人の周りに回る盾を顕現させた。
そしてもう一度唱え頭上に顕現させる。
その時エルヴィーノは、広域仕様でバシーオを唱えた。
バタバタと倒れていくオーク達。
その光景をロリ、リカルド、街の人たちが見ていた。
頭上に光り輝くサガラド・エスクードは全ての町民からも見えるだろう。
「凄い・・・」
「いったいどうやって・・・」
ロリとリカルドが呟く。
そして、数十秒後。
目の前に居た全てのオークは倒れ死に絶えた。
エルヴィーノは立って二人に告げた。
「少し離れた所に数匹いるから始末して来る」と。
そして、エスパシオ・モダンザで5匹居た場所に転移すると騒ぎ出すオークたち。
「お前たちは楽な死に方はさせん」
オスクロ・リァーマを放った。
それは小さな黒い炎だった。
オークは馬鹿にしたようにオノを振って消し去ろうとした。
黒い炎はフワフワとオノを避けオークの胸に着火した。
すると一瞬でそのオークと後ろに居た残りのオークを巻き込み黒い炎に包まれた。
聞こえるのはオークの叫び声。
オーク程度なら骨まで焼き尽くすだろうが、エルヴィーノにソレを見る趣味は無い。
エスパシオ・モダンザで元居た場所に戻る。
この間1分。
「あっ、どうでしたか?」
「あぁ終わったよ」
まだバリケードはそのままだ。
結構頑丈に作ったみたいだ。
エルヴィーノは2人に説明した。
これはロリがやった事にしようと提案した。
「何故ですか? これはモンドリアン様の魔法ではありませんか?!」
「まぁそうだけど、聖女様が奇跡の力を使った事にしよう・・・って無理か?」
リカルドが意を汲んで答える。
「解りました。町にはそのように伝えますが、教会本部には本当の事を連絡しますが宜しいですか?」
「あぁ俺がそうしろと言った事も伝えて欲しい」
「一応理由を伺っても宜しいでしょうか?」
「それは・・・俺目立つの嫌いだし、聖女様は教会の象徴的な立場だろ? お互いの為さ」
「・・・解りました」とリカルドは答えた。
「ですが、あれはいったいどのような魔法なのですか?」
ロリが聞いて来るとリカルドも同様に聞いて来た。
「私にもさっぱり解りません。未知の魔法を使われたのでしょう」
「それは秘密だよ。知りたいなら聖女さまが身も心も俺に差し出したら教えても良いよ」
(この人、お母様と同じ事を言うなんて・・・)
エルヴィーノはどうせ出来っこないだろと、高を括っていた。
安易に余計な事を言うものでは無いと、後で後悔する事になる。
あとがき
そろそろ行動開始ですか? 聖女様!
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