421 / 430
第14章 Sin fin
第420話 家族旅行2
しおりを挟む
同時刻だが、遠すぎるのでイスラでは昼頃だ。
立ち入り禁止のフロルの部屋の鍵を開けて出てきたのは、初代女王と、魔剣王と、”大魔法使い”と三人の料理人だった。
二人は時間短縮の為、そのまま国王や重臣が待機しているであろう会議室に向かうが、エルヴィーノは部外者を理由に街に散策に出ると言い出した。
「何を言い出すんだ親父殿」
「そうよ、お姉さま方が来るのは貴方のせいよ」
「ええっ俺が悪いのかよ」
「当り前じゃない」
「まぁ、母上の考えは解らんが俺としても居てもらわないと困る」
「「「・・・」」」
料理人たちは無言だった。
会議室に入ると総出で迎え入れられる。
「「「初代様!!」」」
「「「魔剣王様!!」」」
「我が主様」
取り囲まれたがボノスが仕切ってくれた。
「わずかな期間だったが皆も元気そうで何よりだ。早速だがお前たちに提案したい議題が二つあるからさっそく始めようか」
まずはフロルの問題からだ。
大魔法使いの妻たちが順番に自国を訪れて観光しに来る件だ。
聞いていた家臣全員が、それのどこに問題が有るのか分からなかった。
フロルとボノスが思い出す限り丁寧に、順序だてて、国、文化、街、料理を説明した。
しかも家臣の予定していた数倍の時間を要してだ。
だが、二人の熱弁が伝わったようだが、料理に関しては無駄だった。
料理だけは言葉では無く、五感で体験しないと理解できないとエルヴィーノから聞かされていた通りだった。
そこで、急遽王宮で出す祝宴料理を作らせることにしたのだ。
ゲレミオの料理人にも理解してもらうには見て食べる事が一番だと判断したフロルだ。
料理が出来るまでは、食事以外の街中の整備の検討を優先させた。
地図を広げ具体的に指示を出すフロルとボノス。
重要なのは清潔で綺麗な街並みだ。
与えられた期間は10日間だが、とても10日では終わりそうも無いような内容だった。
勿論、想定外を予想しての急がせるための10日だ。
また観光する場所は街の外で海辺の海岸くらいしか無いので頭を捻らせる。
「美観と工事は直ぐに取り掛かって頂戴」
「はっ!!」
胸の不安を解消する言葉を一気に吐き出してホッとするフロル。
次はボノスの番だ。
「では皆の者、特にガルダよ、これから話す事を良く聞いてくれ」
ほぼ全員がゴクリと息を呑んだ。
「我が国にいずれ龍騎士を配置する事を、我が偉大なる黒龍王から許しを得た」
「「「おおおおっ!!」」」
「「「ええええっ!!」」」
驚き方は違えども、どちらも歓喜している様だった。
「本当ですか我が主よ」
「まずは試験的にだがな」
「本当におっちゃん、あっ、黒龍王様・・・」
「ふっ、おっちゃんで良いぞガルダ」
「申し訳ありません、良く言い聞かせたのですが・・・」
「良い、今後ガルダが俺の事をおっちゃんと言う事を許す」
「ありがとう、おっちゃん」
ボノスはバリアンテで見聞きした龍の飼育内容を説明し、自国で必要な設備を建築する場所を選んでいた所に、料理が出来たとの知らせがあった。
ゲレミオの料理人たちは、初めて食べる異国の料理に意見を交わしながら食べている。
「ねえ、あなたはこの料理どう思う?」
「美味しいよ」
「本当にぃ!?」
「ああ、お腹すいてるし」
「そんなの、何食べたっておいしいわよ!!」
どうやら余計な事を言ってフロルを怒らせたらしい。
「皆さん、どうでしょうか我が国の料理は?」
「そんなに悲観する事は無いと思いますよ」
「そうですかぁ? 他の国と比べると豪華さが無いと言うか、どれも同じ味というか・・・」
「解りました。フロル様のご要望に沿う料理を現地の食材を使って我々が料理しましょう」
「ありがとうございます。出来れば評判の良い料理を王宮の料理人に教えて欲しいのですが・・・」
「解りました。ただし、フロル様から宮廷料理人に命令が必要ですよ。私たちから学び盗めと」
「解りました、そのように伝えます」
(料理人の自尊心ね。そんなモノより私の見栄に決まってるでしょ!!)
会議の後、アポストルに諭されるガルダが居た。
「国王様は何故黒龍王様がおっちゃんと呼ぶ事を許されたか分かりますか?」
首を横に振るガルダ。
「それは貴方様が子供だからです」
「ええっでも俺国王だし・・・」
「ですが子供だと思われています。だから許されたのですよ。貴方様が国王として自覚が有れば、ご先祖様の事を黒龍王様とお呼びするのが国王としての接し方です」
「自覚・・・」
「貴方様は早くその考えをお持ちになった方が良いです。そうでないと成人する前にワシらが今以上の何倍も厳しい躾けをしますので、ご容赦ください」
「・・・解ったよ」
ガルダが少しずつ国王への階段を登っていた。
☆
異国料理と融合か
立ち入り禁止のフロルの部屋の鍵を開けて出てきたのは、初代女王と、魔剣王と、”大魔法使い”と三人の料理人だった。
二人は時間短縮の為、そのまま国王や重臣が待機しているであろう会議室に向かうが、エルヴィーノは部外者を理由に街に散策に出ると言い出した。
「何を言い出すんだ親父殿」
「そうよ、お姉さま方が来るのは貴方のせいよ」
「ええっ俺が悪いのかよ」
「当り前じゃない」
「まぁ、母上の考えは解らんが俺としても居てもらわないと困る」
「「「・・・」」」
料理人たちは無言だった。
会議室に入ると総出で迎え入れられる。
「「「初代様!!」」」
「「「魔剣王様!!」」」
「我が主様」
取り囲まれたがボノスが仕切ってくれた。
「わずかな期間だったが皆も元気そうで何よりだ。早速だがお前たちに提案したい議題が二つあるからさっそく始めようか」
まずはフロルの問題からだ。
大魔法使いの妻たちが順番に自国を訪れて観光しに来る件だ。
聞いていた家臣全員が、それのどこに問題が有るのか分からなかった。
フロルとボノスが思い出す限り丁寧に、順序だてて、国、文化、街、料理を説明した。
しかも家臣の予定していた数倍の時間を要してだ。
だが、二人の熱弁が伝わったようだが、料理に関しては無駄だった。
料理だけは言葉では無く、五感で体験しないと理解できないとエルヴィーノから聞かされていた通りだった。
そこで、急遽王宮で出す祝宴料理を作らせることにしたのだ。
ゲレミオの料理人にも理解してもらうには見て食べる事が一番だと判断したフロルだ。
料理が出来るまでは、食事以外の街中の整備の検討を優先させた。
地図を広げ具体的に指示を出すフロルとボノス。
重要なのは清潔で綺麗な街並みだ。
与えられた期間は10日間だが、とても10日では終わりそうも無いような内容だった。
勿論、想定外を予想しての急がせるための10日だ。
また観光する場所は街の外で海辺の海岸くらいしか無いので頭を捻らせる。
「美観と工事は直ぐに取り掛かって頂戴」
「はっ!!」
胸の不安を解消する言葉を一気に吐き出してホッとするフロル。
次はボノスの番だ。
「では皆の者、特にガルダよ、これから話す事を良く聞いてくれ」
ほぼ全員がゴクリと息を呑んだ。
「我が国にいずれ龍騎士を配置する事を、我が偉大なる黒龍王から許しを得た」
「「「おおおおっ!!」」」
「「「ええええっ!!」」」
驚き方は違えども、どちらも歓喜している様だった。
「本当ですか我が主よ」
「まずは試験的にだがな」
「本当におっちゃん、あっ、黒龍王様・・・」
「ふっ、おっちゃんで良いぞガルダ」
「申し訳ありません、良く言い聞かせたのですが・・・」
「良い、今後ガルダが俺の事をおっちゃんと言う事を許す」
「ありがとう、おっちゃん」
ボノスはバリアンテで見聞きした龍の飼育内容を説明し、自国で必要な設備を建築する場所を選んでいた所に、料理が出来たとの知らせがあった。
ゲレミオの料理人たちは、初めて食べる異国の料理に意見を交わしながら食べている。
「ねえ、あなたはこの料理どう思う?」
「美味しいよ」
「本当にぃ!?」
「ああ、お腹すいてるし」
「そんなの、何食べたっておいしいわよ!!」
どうやら余計な事を言ってフロルを怒らせたらしい。
「皆さん、どうでしょうか我が国の料理は?」
「そんなに悲観する事は無いと思いますよ」
「そうですかぁ? 他の国と比べると豪華さが無いと言うか、どれも同じ味というか・・・」
「解りました。フロル様のご要望に沿う料理を現地の食材を使って我々が料理しましょう」
「ありがとうございます。出来れば評判の良い料理を王宮の料理人に教えて欲しいのですが・・・」
「解りました。ただし、フロル様から宮廷料理人に命令が必要ですよ。私たちから学び盗めと」
「解りました、そのように伝えます」
(料理人の自尊心ね。そんなモノより私の見栄に決まってるでしょ!!)
会議の後、アポストルに諭されるガルダが居た。
「国王様は何故黒龍王様がおっちゃんと呼ぶ事を許されたか分かりますか?」
首を横に振るガルダ。
「それは貴方様が子供だからです」
「ええっでも俺国王だし・・・」
「ですが子供だと思われています。だから許されたのですよ。貴方様が国王として自覚が有れば、ご先祖様の事を黒龍王様とお呼びするのが国王としての接し方です」
「自覚・・・」
「貴方様は早くその考えをお持ちになった方が良いです。そうでないと成人する前にワシらが今以上の何倍も厳しい躾けをしますので、ご容赦ください」
「・・・解ったよ」
ガルダが少しずつ国王への階段を登っていた。
☆
異国料理と融合か
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
記録少女狂想曲
食べられたウニの怨念(ウニおん)
ファンタジー
時は2026年。
人類は『魔人』と呼ばれる「新たな人類」によって滅亡の未来を強いられていた。
異形、機械、様々な形の新たな人類「魔人」
そしてその魔人を生み出す紛い物の神「偽神」。
人類は衰退し滅亡すると考えられていた…
しかし、世界には希望が存在した。
世界の全てを記録した概念[全記録]。
偽神を産むものであり、人類を記録するもの。
そしてその[全記録]から能力を引き出し、人に与えることのできる謎多き装置[A.I.S]。
希望とは、[全記録]から力を得し少年少女達。
少女達はイザード財閥の支援の下で、魔人達との戦いに身を投じるのであった…。
そしてこれは、そんな世界に生まれた、
とある少女のお話。
記憶を失い、自身の名前すらも分からない少女と、魔法少女・魔法戦士達が出会い、別れ、戦う物語。
少女の正体は何者なのか、[全記録]とはなんなのか。
これは 人類の存亡をかけた 謎多き戦いの物語。
『世界の真実に君たちが辿り着くのが先か、魔人たちによって滅ぶのが先か。僕にとってはとても興味深い話だよ。』
________________________________________
※こちらはTwitterで行なっている参加型創作を、
参加者様とキャラや展開について話し合って進めている小説となっています。
もし興味がある場合はTwitterのメインアカウント(@theUni_1024 )のDMにて相談・世界観についての質問などを受け付けています。
________________________________________
初心者投稿故に誤字脱字などが多くある可能性があるため、コメントなどで報告してくださるとありがたいです。
また、執筆状況が停滞したり自身の体調に問題がない限りは2週間に一話ずつ更新する予定です。気長にお待ちくださると幸いです。
五七五七七で綴るRPG風物語
音無威人
ファンタジー
五七五七七の短歌でRPG世界のリアルな物語を紡ぐ。RPGのあるあるやツッコミどころ、システムや設定の独自解釈など、数文字の物語をご覧あれ。
完結しました。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる