【完結】勇者PTから追放された空手家の俺、可愛い弟子たちと空手無双する。俺が抜けたあとの勇者たちが暴走? じゃあ、最後に俺が息の根をとめる

ともボン

文字の大きさ
46 / 104
第六章 ~続・この世はすべて因果応報で成り立っている~

道場訓 四十六   勇者の誤った行動 ⑪

しおりを挟む
 冒険者ギルドの入り口で幸運こううんなことにカガミと出会ったあと、俺たちは冒険者ギルドからかなり離れた飲食店へと足早あしばやに向かった。

 店内に冒険者がいないことを確認して奥の席へと座る。

 カガミからは「どうして冒険者ギルドで話さないんッスか?」と聞かれたが、俺は適当に「お前にあんなところの飯より、もっとうまい飯を食わせたくてな」と嘘をついてやり過した。

 やっぱり冒険者ギルドから立ち去ったのは正解だったな。

 カガミが言うように本当は冒険者ギルドで話したかったが、俺たちの悪評あくひょう充満じゅうまんしている冒険者ギルドでカガミと仕事の話をするわけにはいかない。

 なぜなら、悪評あくひょうのせいでカガミに仕事を断られたらマジで困るからだ。

 しかし、幸いなことにカガミは俺たちの悪評あくひょうを知らなかった。

 これは店に来るまでの道中どうちゅうに聞いたのだが、どうやらカガミは今までとある冒険者パーティーとの仕事でこの国を離れていたらしい。

「本当にお久しぶりッスね。あれから3か月くらいッスか? 皆さん、元気にしてましたか?」

「ああ……何とかな」と俺。

「ま、まあね……元気よ元気。当たり前でしょう」とアリーゼ。

「うむ、あまりにも元気すぎて困るくらいだ」とカチョウ。

 そんな俺たちの返事を聞いて、カガミは小首をかしげる。

「本当にそうッスか? カチョウさんとアリーゼさんもそうですが、キースさんも見たところそんなに元気そうには見えないッスが……」

 俺は心中で「うるせえよ」と悪態あくたいをついた。

 だが、そんなことを口に出すわけにはいかない。

 こいつの機嫌をそこねて逃げられたら大いに困る……少なくとも今はな。

「まあ、もる話は飯を食いながらにしようぜ。俺たちはもう食ったから、お前だけでもいいから好きなモンを頼んで食えよ。俺たちからのおごりだ」

「マジッスか? そんな悪いッすよ」

「気にすんな。さあ、どんどん頼め」

 俺は精一杯の笑顔をカガミに向けた。

 するとカガミは「ゴチになるッス」と上機嫌じょうきげんになってメニューを選び始める。

 その姿を見て俺は内心ほくそんだ。

 まだ幸運の女神は俺を見捨てていないようだぜ。

 まさか、今の俺たちに最適なサポーターがこうして都合よく目の前に現れたんだからよ。

 俺たちの目の前で飯を選んでいる女の名前はカガミ・ミヤモト。

 3か月くらい前、俺たちはとある冒険者パーティーたちと協力してBランクの緊急任務ミッションけ負った。

 森の中のゴブリンの集落から誘拐ゆうかいされた少女たちを助けるという依頼いらいであり、そのときに協力した相手側のパーティーにいたのがカガミだ。

 そしてカガミはケンシンと同じくサポーターであり、小柄こがらな体格ながら〈怪力かいりき〉というスキルを持っていた。

 見た目からは想像もできないが、その〈怪力かいりき〉のスキルをかしたカガミは通常のサポーターが持てる荷物の数倍の荷物を持ち運ぶことができる。

 冒険者ギルドの入り口で俺と出会ったときもそうだった。

 自分が日頃から使う生活用品だったのだろう。

 後ろから見れば自身の身体が隠れてしまうほどの荷物をかつぎながらも、カガミは何食わぬ顔で平然へいぜんとしていたのだ。

 しかも話を聞けば、今は誰にも雇われていないフリーの立場だという。

 さっきは仕事を見つけるため、冒険者ギルドに入る途中だったらしい。

 まさに千載一遇せんざいいちぐう好機チャンスとはこのことだ。

 やがてカガミは頼んだ飯を食べて満面の笑みを浮かべた。

 すかさずそこで俺はカガミに話を切り出す。

「カガミ、いきなりなんだが俺たちのサポーターとして働かないか? 実は俺たちはこれからある依頼任務クエストをするんだが、その仕事のサポーターを探しているんだ」

 もちろん、カガミからの返事は分かっている。

 ちょうど仕事を探そうと思っていたからOKッスよ、と言うに違いない。

 すると――。

「ちょうど仕事を探そうと思っていたからOKッスよ」

 まさにドンピシャな答えが返ってきた。

 よしよし、まずは都合の良いサポーターをゲットできたぜ。

 俺がにやりと笑うと、カチョウとアリーゼも同様の笑みを浮かべた。

 どうやら他の2人も考えていることは俺と同じらしい。

「……あれ? でもアタシがサポーターとしてパーティーに入ったらケンシンさんはどうするんッスか? というか、そのケンシンさんの姿がどこにも見当たらないんッスけど」

 そう言えばこいつは前の緊急任務ミッションのとき、同じヤマト人のサポーターだからという理由でケンシンと仲良くしていたっけ。

 だとすると、ケンシンをクビにして追放したことを正直に言うのはマズいかもしれねえな。

 なぜなら、このカガミはぞくにいう〈わたどり〉のサポーターだ。

 大半のサポーターは1つの街にとどまり、その街を中心に活動することがほとんどなのだが、サポーターの中には1つの街にとどまらず各地を転々とする奴がいる。

 それが〈わたどり〉と呼ばれる奴らだ。

 そしてこの〈わたどり〉と呼ばれる連中の特徴として、妙に感情的で親しくなった人間に対して異常なほど義理堅ぎりがたいという一面があった。

 もちろん、〈わたどり〉と呼ばれる連中の全員がそうであるかは分からない。

 しかし、他の連中に聞く限りでは圧倒的に義理堅ぎりがたい奴らが多いという。

 俺は腹が満たされて笑みを浮かべているカガミをじっと見る。

 目の前にいるカガミは間違いなく典型的な〈わたどり〉だった。

 ならばケンシンをクビにしたことを知ってサポーターを断る可能性だってあるかもしれない。

 それほど二人の仲は良かった記憶している。

 仮にカガミがケンシンに関する本当の事情を知ったあと、俺たちを軽蔑けいべつしてパーティーから離れるとなっても一向に構わない。

 だが、せめて今回の《神剣・デュランダル》を取り戻す依頼任務クエストを無事に達成するまではサポーターをしてくれないと困る。

 今からカガミ以外の俺たちの悪評あくひょうを知らないサポーターを探すなど面倒臭めんどうくさくてかなわないからだ。

 それにカガミの〈怪力かいりき〉のスキルは、荷物を運ぶよりも大事なことに使える。

 なので俺はカガミにケンシンのことを聞かれたとき、「あいつは別件で怪我をしてな。今は療養りょうよう中なんだ」と先ほどと同じく嘘をついてやり過ごした。

「だが、どうしても今しないといけない依頼任務クエストでな。そこで今だけ臨時りんじのサポーターを探していたんだよ」

「そうだったんッスか……事情は分かりました。どれだけ皆さんのお役に立てるか分からないッスが、精一杯がんばるのでよろしくお願いしますッス」

「おう、頼もしい限りだ。期待しているぜ、カガミ」

 そうして俺たちは装備を整えるため買い出しに出掛けたのだが、このときの俺はまったく知るよしもなかった。

 まさか神剣を取り戻すための依頼任務クエストが、俺たちの運命を大きく左右するような悲劇のキッカケになることを――。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。  帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。  しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。  自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。   ※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。 ※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。 〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜 ・クリス(男・エルフ・570歳)   チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが…… ・アキラ(男・人間・29歳)  杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が…… ・ジャック(男・人間・34歳)  怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが…… ・ランラン(女・人間・25歳)  優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は…… ・シエナ(女・人間・28歳)  絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

コストカットだ!と追放された王宮道化師は、無数のスキルで冒険者として成り上がる。

あけちともあき
ファンタジー
「宮廷道化師オーギュスト、お前はクビだ」  長い間、マールイ王国に仕え、平和を維持するために尽力してきた道化師オーギュスト。  だが、彼はその活躍を妬んだ大臣ガルフスの陰謀によって職を解かれ、追放されてしまう。  困ったオーギュストは、手っ取り早く金を手に入れて生活を安定させるべく、冒険者になろうとする。  長い道化師生活で身につけた、数々の技術系スキル、知識系スキル、そしてコネクション。  それはどんな難関も突破し、どんな謎も明らかにする。  その活躍は、まさに万能!  死神と呼ばれた凄腕の女戦士を相棒に、オーギュストはあっという間に、冒険者たちの中から頭角を現し、成り上がっていく。  一方、国の要であったオーギュストを失ったマールイ王国。  大臣一派は次々と問題を起こし、あるいは起こる事態に対応ができない。  その方法も、人脈も、全てオーギュストが担当していたのだ。  かくしてマールイ王国は傾き、転げ落ちていく。 目次 連載中 全21話 2021年2月17日 23:39 更新

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

処理中です...