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第六章 ~続・この世はすべて因果応報で成り立っている~
道場訓 五十二 勇者の誤った行動 ⑰
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「お前、いい加減にしろよ。様子を見た上で作戦を立てろだぁ?」
俺はこめかみに青筋を浮かばせながら、カガミに勢いよく歩み寄った。
そしてカガミの襟元を勢いよく右手で掴む。
「お前の目は節穴か? 標的はアホみたいに爆睡中なんだぜ。だったら作戦もクソもねえだろうが。ここは気づかれないうちに取り囲んでぶっ倒すんだよ」
そう言うと俺は、襟元を掴んでいる右手に力を込めた。
カガミは驚いた顔をしたが、すぐに俺の目を正面から見つめ返してくる。
「確かに他の魔物だったらそれでもよかったかもしれないッスが、相手は森の狂賢と呼ばれるほどの狡賢さに長けた魔物ッスよ。ここは慎重に慎重を重ねた上でこちらに被害が出ないように、そして他の仲間を呼ばれないような作戦を立てたほうがいいと思うッス」
こいつ、言わせておけば勝手なことをゴチャゴチャと言いやがって。
「じゃあ、お前だったらどんな作戦を立てるんだよ? 言えるなら言ってみろ」
「そ、それは……ぜ、全員で考えるべきだと思うッス。あくまでもアタシは皆さんのサポーターに過ぎないんッスから」
ふん、ようやく本性を表しやがったな。
「さっきは俺たちに上から目線で説教を垂れていたくせに、自分も分からない都合の悪い状況になったらサポーターだから知りません……ってか? 随分と虫のいい話だな。ええ、おい?」
「違うッス。アタシはそんなつもりで言ったわけではないッスよ。こういう自分たちに有利な状況のときほど油断はしないほうがいいと思っただけッス。ちなみにこれもケンシンさんの教えッス」
それに、とカガミは言葉を続けた。
「ジャイアント・エイプは縄張り――獲物の狩場を荒らされることを何よりも嫌うッス。そしてジャイアント・エイプもゴブリンたちと同じく群れで行動するはずッスが、あそこには寝ているジャイアント・エイプ以外のジャイアント・エイプの姿が見えないッス」
「はあ? それが何だって言うんだよ? 他の仲間がいないんなら、それこそ好都合じゃねえか」
俺が怒気を込めた声で問うと、カガミは「もしかすると、あいつは〝はぐれ〟かもしれないッス」と答える。
「はぐれ?」
俺たちは3人同時に声を上げた。
こくりとカガミは頷く。
「ジャイアント・エイプは見た目から想像できるように、動物の猿とよく似た習性を持っている魔物ッス。そして動物の猿は言わずもがな群れ社会であり、その猿たちにはそれぞれの役目を担う立場の猿が存在するッス」
たとえばボス猿ッスね、とカガミは言う。
「これは説明しなくても分かると思うッスが、群れの中で頂点に君臨している猿ッス。当然ながら群れで狩った獲物を最優先で食べられる権力と力を持った猿ッス」
ですが、とカガミは俺たちを見回しながら二の句を紡ぐ。
「動物の猿の社会には、群れから離れて1匹で行動している〝はぐれ〟の猿がたまにいるんッス。どういう理由で群れから離れて行動しているか分からないッスが、この〝はぐれ〟の猿が群れに戻ろうとするとボス猿に再び追放されてしまうらしいんッス」
「それは弱いからではないのか? 群れの中で役立たずと判断されて追放された猿が、再び群れに戻りたいと思ってもボス猿からしてみれば他の猿の目もあって了承などできまい。要するに〝はぐれ〟の猿というのは群れから追い出された弱者……即ち、カガミはあそこに1体で寝ているジャイアント・エイプは動物の猿でいうところの〝はぐれ〟だと言いたいんだな?」
カチョウがそう言うとカガミは「そうッス」と答えた。
「ただし、ジャイアント・エイプの場合は少し事情が異なるッス。これもケンシンさんから聞いたことなんッスが、ジャイアント・エイプの〝はぐれ〟の場合は群れから出ても生きていけるほどの強者という場合があるッス」
このとき、俺の目眉がピクリと動いた。
俺の前でこれ以上、ケンシンのクソ野郎の名前を出すんじゃねえ。
「いくら標的が1体で無防備に寝ているとはいえ、ここは慎重に動いたほうが絶対にいいッス。それにもしかすると、あいつは〝はぐれ〟じゃなくて〝見張り〟かもしれないッス」
……おい、黙れ。
「これはそのままの意味で群れの見張り役ッスね。となると、ここはジャイアント・エイプの狩場になっているかもしれないッス。それだったらこの採掘場が微妙に手つかずなのも納得がいくッス。ジャイアント・エイプの狩場になったことで、この採掘場は一時的に放棄された可能性もあるッス。どちらにせよ、もう少し様子を見ながら作戦を立てましょう。もしもここにケンシンさんがいたら、絶対にそう提案したと思うッスよ」
……黙れよ。
「悪いことは言わないッス。キースさん、ここはアタシの言葉をケンシンさんの言葉だと思って聞いて欲しいッス。その作戦にアタシのスキルの力が必要ならいくらだって……」
使って欲しいッス、とカガミが言い終わろうとする前のことだった。
――ブチッ。
俺は自分の頭の中で何かが切れる音が聞こえた。
同時に俺はカガミの顔面に左拳を走らせる。
利き腕ではないため上手く体重が乗らなかったが、それでも襟元を掴んで身体を固定していたのでカガミは避けることもできなかった。
ガチュッ!
という歪な音が俺の耳朶を打つ。
続いて聞こえてきたのは、カガミのくぐもった小さな悲鳴だ。
それでも俺は止めなかった。
2発、3発とカガミの顔面を殴りつける。
そして4発目の拳をカガミの顔面に叩き込もうとしたときだ。
――ビキッ!
「ぐあッ!」
俺の右手首に強烈な痛みが走った。
俺はこめかみに青筋を浮かばせながら、カガミに勢いよく歩み寄った。
そしてカガミの襟元を勢いよく右手で掴む。
「お前の目は節穴か? 標的はアホみたいに爆睡中なんだぜ。だったら作戦もクソもねえだろうが。ここは気づかれないうちに取り囲んでぶっ倒すんだよ」
そう言うと俺は、襟元を掴んでいる右手に力を込めた。
カガミは驚いた顔をしたが、すぐに俺の目を正面から見つめ返してくる。
「確かに他の魔物だったらそれでもよかったかもしれないッスが、相手は森の狂賢と呼ばれるほどの狡賢さに長けた魔物ッスよ。ここは慎重に慎重を重ねた上でこちらに被害が出ないように、そして他の仲間を呼ばれないような作戦を立てたほうがいいと思うッス」
こいつ、言わせておけば勝手なことをゴチャゴチャと言いやがって。
「じゃあ、お前だったらどんな作戦を立てるんだよ? 言えるなら言ってみろ」
「そ、それは……ぜ、全員で考えるべきだと思うッス。あくまでもアタシは皆さんのサポーターに過ぎないんッスから」
ふん、ようやく本性を表しやがったな。
「さっきは俺たちに上から目線で説教を垂れていたくせに、自分も分からない都合の悪い状況になったらサポーターだから知りません……ってか? 随分と虫のいい話だな。ええ、おい?」
「違うッス。アタシはそんなつもりで言ったわけではないッスよ。こういう自分たちに有利な状況のときほど油断はしないほうがいいと思っただけッス。ちなみにこれもケンシンさんの教えッス」
それに、とカガミは言葉を続けた。
「ジャイアント・エイプは縄張り――獲物の狩場を荒らされることを何よりも嫌うッス。そしてジャイアント・エイプもゴブリンたちと同じく群れで行動するはずッスが、あそこには寝ているジャイアント・エイプ以外のジャイアント・エイプの姿が見えないッス」
「はあ? それが何だって言うんだよ? 他の仲間がいないんなら、それこそ好都合じゃねえか」
俺が怒気を込めた声で問うと、カガミは「もしかすると、あいつは〝はぐれ〟かもしれないッス」と答える。
「はぐれ?」
俺たちは3人同時に声を上げた。
こくりとカガミは頷く。
「ジャイアント・エイプは見た目から想像できるように、動物の猿とよく似た習性を持っている魔物ッス。そして動物の猿は言わずもがな群れ社会であり、その猿たちにはそれぞれの役目を担う立場の猿が存在するッス」
たとえばボス猿ッスね、とカガミは言う。
「これは説明しなくても分かると思うッスが、群れの中で頂点に君臨している猿ッス。当然ながら群れで狩った獲物を最優先で食べられる権力と力を持った猿ッス」
ですが、とカガミは俺たちを見回しながら二の句を紡ぐ。
「動物の猿の社会には、群れから離れて1匹で行動している〝はぐれ〟の猿がたまにいるんッス。どういう理由で群れから離れて行動しているか分からないッスが、この〝はぐれ〟の猿が群れに戻ろうとするとボス猿に再び追放されてしまうらしいんッス」
「それは弱いからではないのか? 群れの中で役立たずと判断されて追放された猿が、再び群れに戻りたいと思ってもボス猿からしてみれば他の猿の目もあって了承などできまい。要するに〝はぐれ〟の猿というのは群れから追い出された弱者……即ち、カガミはあそこに1体で寝ているジャイアント・エイプは動物の猿でいうところの〝はぐれ〟だと言いたいんだな?」
カチョウがそう言うとカガミは「そうッス」と答えた。
「ただし、ジャイアント・エイプの場合は少し事情が異なるッス。これもケンシンさんから聞いたことなんッスが、ジャイアント・エイプの〝はぐれ〟の場合は群れから出ても生きていけるほどの強者という場合があるッス」
このとき、俺の目眉がピクリと動いた。
俺の前でこれ以上、ケンシンのクソ野郎の名前を出すんじゃねえ。
「いくら標的が1体で無防備に寝ているとはいえ、ここは慎重に動いたほうが絶対にいいッス。それにもしかすると、あいつは〝はぐれ〟じゃなくて〝見張り〟かもしれないッス」
……おい、黙れ。
「これはそのままの意味で群れの見張り役ッスね。となると、ここはジャイアント・エイプの狩場になっているかもしれないッス。それだったらこの採掘場が微妙に手つかずなのも納得がいくッス。ジャイアント・エイプの狩場になったことで、この採掘場は一時的に放棄された可能性もあるッス。どちらにせよ、もう少し様子を見ながら作戦を立てましょう。もしもここにケンシンさんがいたら、絶対にそう提案したと思うッスよ」
……黙れよ。
「悪いことは言わないッス。キースさん、ここはアタシの言葉をケンシンさんの言葉だと思って聞いて欲しいッス。その作戦にアタシのスキルの力が必要ならいくらだって……」
使って欲しいッス、とカガミが言い終わろうとする前のことだった。
――ブチッ。
俺は自分の頭の中で何かが切れる音が聞こえた。
同時に俺はカガミの顔面に左拳を走らせる。
利き腕ではないため上手く体重が乗らなかったが、それでも襟元を掴んで身体を固定していたのでカガミは避けることもできなかった。
ガチュッ!
という歪な音が俺の耳朶を打つ。
続いて聞こえてきたのは、カガミのくぐもった小さな悲鳴だ。
それでも俺は止めなかった。
2発、3発とカガミの顔面を殴りつける。
そして4発目の拳をカガミの顔面に叩き込もうとしたときだ。
――ビキッ!
「ぐあッ!」
俺の右手首に強烈な痛みが走った。
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