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1938年夏ドイツ第三帝国 ルーマニア運命の日
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大ハンガリー王国からルーマニアに対してのトランシルヴァニア地域の割譲要求にルーマニアの政権を握る王党派は回答を先延ばしにし続けていた。この姿勢に大ハンガリー王国は業を煮やし、また明確に拒絶しない政府の姿勢に国民は不満を溜め込んでいた。
そんな中、急速に国民の指示を集めて言ったのは、大ハンガリーに対して強硬な姿勢を貫くことを是とする鉄衛団であった。
そして涼やかな夏空の下、鉄衛団は軍事クーデターを引き起こし、政権の奪取を図った。既存の軍隊の半数を味方につけるだけでなく、政党支持者による民兵を大規模に動員したクーデターは王党派の抵抗を許すことなく速やかに行われた。
ルーマニア鉄衛団は国境への軍の再配置を行うと同時に、国営放送でトランシルヴァニアの割譲を拒否する旨を通達。即日外国的手段、正式に拒絶を示した。
それから少し経つと大ハンガリーからは最後通牒が届けられた。速やかなトランシルヴァニアの割譲が行われない場合、戦線を布告するとする外交書が届けられた。
その回答日、国会の音声が国営チャンネルで伝えられた。多くの国がこの情勢に注目していた。他国から見ると、自国の欲望を隠さない大ハンガリー王国とその対象とされるルーマニアである。そこに他国の入り込む余地はないように思われていたのだ。国の非常時に強硬派政党が台頭するのは何ら不思議な点はなく、むしろ当然であった。
大国はこのルーマニア鉄衛団の反応に中止していた。この混乱に乗じてルーマニアから更なる領土を狙う者や、戦争が起きないかと危惧する者、何とかして利益を上げられないかと考える者…意図はなんであれ、この日は他国にとって重要な日となることは確かだった。
ラジオの冒頭。ルーマニア鉄衛団の党首を務めるコドレアヌの挨拶から始まった。そして、一言目。
「我々が我らが領土であるトランシルヴァニアを他国に引き渡すことなど断じてない。」
そう言いきったのである。
「我々は今窮地に立たされている。トランシルヴァニアを明け渡せばしばらくの安寧を手に入れることは容易であろう。しかし、我が国は簡単に領土を明け渡す腰抜けであると世界に知らしめてしまうことになる。これは祖先が守り抜いた尊厳を踏みにじり、我らが子孫は永久に後ろ指を指されることになるだろう。そんな事態になってはならない。銃を手にとり戦う時である!!」
国会議事堂が歓声に包まれる。その光景を少し見渡してから、コドレアヌは再び口を開いた。
「この国の為、我らは命を掛けて、文字通りの命を掛けて戦うだろう。しかし我らだけではこの戦いを生き残ることは難しい。」
ハンガリー王国であった時はトリアノン条約に苦しめられていたこともあり、国力・軍事力の双方に置いてルーマニアは優位にたっていた。
しかし、チェコスロヴァキアを併合した大ハンガリーでは良くて拮抗、下手をすれば劣勢に立たされていることは確実であった。その事を隠すことなく伝えるコドレアヌ。あれ程までに盛り上がっていた国会議事堂は静寂に包まれていた。
「如何なる困難があろうとも立ち止まることが出来ない。しかし、我らを支持する国家は確かに存在したのである!!」
そう、高らかに言い放ったコドレアヌ。と同時に、彼の背後にある扉が勢いよく開かれた。そこにはヒトラーの姿とそしてもう一人、ムッソリーニの姿があった。
「我らルーマニア鉄衛団はイタリアとドイツ第三帝国と共に大ハンガリー王国に対抗していくのだ!!」
「おおぉぉおおお!!」
先程までの静寂が嘘かのような盛り上がりを見せる国会議事堂。その盛り上がりはラジオの電波に乗せて世界中に拡がった。
ドイツ第三帝国には思惑があった。
そしてイタリアにも思惑があった。
見事なまでの利害の一致によってルーマニア鉄衛団、ドイツ第三帝国、そしてイタリアの対洪同盟が組まれたのである。
この時代、ルーマニアの国民からヒトラーとムッソリーニが英雄視されたのは仕方の無いことであった。
そして、最後通牒を既に送り付け今更引き返せなくなった大ハンガリー王国は国民を納得させるためにももう突き進む他なかった……。
そんな中、急速に国民の指示を集めて言ったのは、大ハンガリーに対して強硬な姿勢を貫くことを是とする鉄衛団であった。
そして涼やかな夏空の下、鉄衛団は軍事クーデターを引き起こし、政権の奪取を図った。既存の軍隊の半数を味方につけるだけでなく、政党支持者による民兵を大規模に動員したクーデターは王党派の抵抗を許すことなく速やかに行われた。
ルーマニア鉄衛団は国境への軍の再配置を行うと同時に、国営放送でトランシルヴァニアの割譲を拒否する旨を通達。即日外国的手段、正式に拒絶を示した。
それから少し経つと大ハンガリーからは最後通牒が届けられた。速やかなトランシルヴァニアの割譲が行われない場合、戦線を布告するとする外交書が届けられた。
その回答日、国会の音声が国営チャンネルで伝えられた。多くの国がこの情勢に注目していた。他国から見ると、自国の欲望を隠さない大ハンガリー王国とその対象とされるルーマニアである。そこに他国の入り込む余地はないように思われていたのだ。国の非常時に強硬派政党が台頭するのは何ら不思議な点はなく、むしろ当然であった。
大国はこのルーマニア鉄衛団の反応に中止していた。この混乱に乗じてルーマニアから更なる領土を狙う者や、戦争が起きないかと危惧する者、何とかして利益を上げられないかと考える者…意図はなんであれ、この日は他国にとって重要な日となることは確かだった。
ラジオの冒頭。ルーマニア鉄衛団の党首を務めるコドレアヌの挨拶から始まった。そして、一言目。
「我々が我らが領土であるトランシルヴァニアを他国に引き渡すことなど断じてない。」
そう言いきったのである。
「我々は今窮地に立たされている。トランシルヴァニアを明け渡せばしばらくの安寧を手に入れることは容易であろう。しかし、我が国は簡単に領土を明け渡す腰抜けであると世界に知らしめてしまうことになる。これは祖先が守り抜いた尊厳を踏みにじり、我らが子孫は永久に後ろ指を指されることになるだろう。そんな事態になってはならない。銃を手にとり戦う時である!!」
国会議事堂が歓声に包まれる。その光景を少し見渡してから、コドレアヌは再び口を開いた。
「この国の為、我らは命を掛けて、文字通りの命を掛けて戦うだろう。しかし我らだけではこの戦いを生き残ることは難しい。」
ハンガリー王国であった時はトリアノン条約に苦しめられていたこともあり、国力・軍事力の双方に置いてルーマニアは優位にたっていた。
しかし、チェコスロヴァキアを併合した大ハンガリーでは良くて拮抗、下手をすれば劣勢に立たされていることは確実であった。その事を隠すことなく伝えるコドレアヌ。あれ程までに盛り上がっていた国会議事堂は静寂に包まれていた。
「如何なる困難があろうとも立ち止まることが出来ない。しかし、我らを支持する国家は確かに存在したのである!!」
そう、高らかに言い放ったコドレアヌ。と同時に、彼の背後にある扉が勢いよく開かれた。そこにはヒトラーの姿とそしてもう一人、ムッソリーニの姿があった。
「我らルーマニア鉄衛団はイタリアとドイツ第三帝国と共に大ハンガリー王国に対抗していくのだ!!」
「おおぉぉおおお!!」
先程までの静寂が嘘かのような盛り上がりを見せる国会議事堂。その盛り上がりはラジオの電波に乗せて世界中に拡がった。
ドイツ第三帝国には思惑があった。
そしてイタリアにも思惑があった。
見事なまでの利害の一致によってルーマニア鉄衛団、ドイツ第三帝国、そしてイタリアの対洪同盟が組まれたのである。
この時代、ルーマニアの国民からヒトラーとムッソリーニが英雄視されたのは仕方の無いことであった。
そして、最後通牒を既に送り付け今更引き返せなくなった大ハンガリー王国は国民を納得させるためにももう突き進む他なかった……。
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