35 / 69
ドイツ第三帝国 凱旋
しおりを挟む
「我らの栄光ありし国防軍は一月と経たずにハンガリー国軍を粉砕せしめた。我らの屈強な兵士達の活躍は、先の大戦の呪縛から解放された偉大さが宿っている!!」
外から聞こえる国威の形成・発揚を促すプロパガンダをぼんやりと聞きながら、待合室に通されたペーターは時間を潰していた。
共有される問題の解決に連帯を持ってあたっている感覚。この感覚は実に悪魔的な拘束具としての役割を発揮する。1度嵌められてしまえば何かを失うまで逃れることは出来ない。それが腕の一本程度で済めばいいが。
斜めに構えたペーターの心には国民が熱狂する演説も、理想も、連帯感すらもマイナスにしか捉えられなかった。
「ペーター・ワーグナー第1機甲師団長で間違いございませんか?」
開きっぱなしになっていた扉の前に敬礼とともに立つ武官が一人居た。椅子から立ち、敬礼で答える。
「間違いない。私はペーター・ワーグナーだ。」
「第3元帥室にお向かい頂きたいです」
「了解した」
そうして武官は部屋を出ていった。足音が聞こえなくなってから、ペーターは部屋を出て、第3元帥室に向かった。
数分とかからずに扉の前に経つ。4回のノックをし役職と名前を告げる。すると、幾度か聞いたことのある声が返ってきた。
部屋に入り、敬礼とともに再度名前と用向きを告げる。厳かな机が一台あり、その前には一脚の椅子が置かれてあった。
「座りたまえ」
ペーターは勧められるままに、着席した。
「元帥になられたのですね。ロンメルsy…元帥」
控えめとはとても言えないバッチが胸元で煌めいているロンメルを見ながらペーターはそう言った。
「数時間前にヒトラー総統から頂いたのだ。まぁ私を元帥にさせる為に渡されたのかもしれないがな…」
1度そこで話を区切り、話を改める。
「お前を呼んだのは今後の展望のためだ。我々の戦いは今回を皮切りに留まることを知らずに拡大していくことだろう。我らには敵国が多過ぎる…」
「英仏に加えて米ソ…。かろうじでイタリアとは手を組めるかどうかと言ったところ、ですね…」
「何が起こるのか分からない以上、可能な限り最前を尽くす必要がある。使える人間を遊ばせておくことは出来ない。よって命令を言い渡す」
起立からの敬礼。
「フランス国境に向かい攻勢計画を立案せよ。一案で満足せずに複数の案を立案するのだ。それらを随時私の所へと持って来い」
「承知しました」
「人員は、今回の戦争で与えた兵士をそのまま、第3R混成師団に改名し、ペーター少佐を現時点を持ってペーター大佐に任命する。今後の活躍に期待する」
「拝命致します。ではこれで失礼します」
ペーターが退室すると、士官のひとりが待機していた。促されるままに車に乗り、鉄道に乗り、気がつけばフランス国境に到着していた。
そしてそこには見知った顔二人が並んでいた。副官のヘルマン、整備士のフェーラであった。
「いやー、まさか大佐になるまで昇進なさるとは。驚きだ」
「ペーター大佐、車が用意できています」
「フェーラ少佐感謝する。車の中でゆっくりと話を聞かせてもらいたい」
「ええ、最初からそのつもりです」
ニコッと笑うフェーラに続き車を目指す。ヘルマンは少し落ち込んだ風を見せながら、後に続いた。
外から聞こえる国威の形成・発揚を促すプロパガンダをぼんやりと聞きながら、待合室に通されたペーターは時間を潰していた。
共有される問題の解決に連帯を持ってあたっている感覚。この感覚は実に悪魔的な拘束具としての役割を発揮する。1度嵌められてしまえば何かを失うまで逃れることは出来ない。それが腕の一本程度で済めばいいが。
斜めに構えたペーターの心には国民が熱狂する演説も、理想も、連帯感すらもマイナスにしか捉えられなかった。
「ペーター・ワーグナー第1機甲師団長で間違いございませんか?」
開きっぱなしになっていた扉の前に敬礼とともに立つ武官が一人居た。椅子から立ち、敬礼で答える。
「間違いない。私はペーター・ワーグナーだ。」
「第3元帥室にお向かい頂きたいです」
「了解した」
そうして武官は部屋を出ていった。足音が聞こえなくなってから、ペーターは部屋を出て、第3元帥室に向かった。
数分とかからずに扉の前に経つ。4回のノックをし役職と名前を告げる。すると、幾度か聞いたことのある声が返ってきた。
部屋に入り、敬礼とともに再度名前と用向きを告げる。厳かな机が一台あり、その前には一脚の椅子が置かれてあった。
「座りたまえ」
ペーターは勧められるままに、着席した。
「元帥になられたのですね。ロンメルsy…元帥」
控えめとはとても言えないバッチが胸元で煌めいているロンメルを見ながらペーターはそう言った。
「数時間前にヒトラー総統から頂いたのだ。まぁ私を元帥にさせる為に渡されたのかもしれないがな…」
1度そこで話を区切り、話を改める。
「お前を呼んだのは今後の展望のためだ。我々の戦いは今回を皮切りに留まることを知らずに拡大していくことだろう。我らには敵国が多過ぎる…」
「英仏に加えて米ソ…。かろうじでイタリアとは手を組めるかどうかと言ったところ、ですね…」
「何が起こるのか分からない以上、可能な限り最前を尽くす必要がある。使える人間を遊ばせておくことは出来ない。よって命令を言い渡す」
起立からの敬礼。
「フランス国境に向かい攻勢計画を立案せよ。一案で満足せずに複数の案を立案するのだ。それらを随時私の所へと持って来い」
「承知しました」
「人員は、今回の戦争で与えた兵士をそのまま、第3R混成師団に改名し、ペーター少佐を現時点を持ってペーター大佐に任命する。今後の活躍に期待する」
「拝命致します。ではこれで失礼します」
ペーターが退室すると、士官のひとりが待機していた。促されるままに車に乗り、鉄道に乗り、気がつけばフランス国境に到着していた。
そしてそこには見知った顔二人が並んでいた。副官のヘルマン、整備士のフェーラであった。
「いやー、まさか大佐になるまで昇進なさるとは。驚きだ」
「ペーター大佐、車が用意できています」
「フェーラ少佐感謝する。車の中でゆっくりと話を聞かせてもらいたい」
「ええ、最初からそのつもりです」
ニコッと笑うフェーラに続き車を目指す。ヘルマンは少し落ち込んだ風を見せながら、後に続いた。
0
あなたにおすすめの小説
土方歳三ら、西南戦争に参戦す
山家
歴史・時代
榎本艦隊北上せず。
それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。
生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。
また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。
そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。
土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。
そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。
(「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です)
幻の十一代将軍・徳川家基、死せず。長谷川平蔵、田沼意知、蝦夷へ往く。
克全
歴史・時代
西欧列強に不平等条約を強要され、内乱を誘発させられ、多くの富を収奪されたのが悔しい。
幕末の仮想戦記も考えましたが、徳川家基が健在で、田沼親子が権力を維持していれば、もっと余裕を持って、開国準備ができたと思う。
北海道・樺太・千島も日本の領地のままだっただろうし、多くの金銀が国外に流出することもなかったと思う。
清国と手を組むことも出来たかもしれないし、清国がロシアに強奪された、シベリアと沿海州を日本が手に入れる事が出来たかもしれない。
色々真剣に検討して、仮想の日本史を書いてみたい。
一橋治済の陰謀で毒を盛られた徳川家基であったが、奇跡的に一命をとりとめた。だが家基も父親の十代将軍:徳川家治も誰が毒を盛ったのかは分からなかった。家基は田沼意次を疑い、家治は疑心暗鬼に陥り田沼意次以外の家臣が信じられなくなった。そして歴史は大きく動くことになる。
印旛沼開拓は成功するのか?
蝦夷開拓は成功するのか?
オロシャとは戦争になるのか?
蝦夷・千島・樺太の領有は徳川家になるのか?
それともオロシャになるのか?
西洋帆船は導入されるのか?
幕府は開国に踏み切れるのか?
アイヌとの関係はどうなるのか?
幕府を裏切り異国と手を結ぶ藩は現れるのか?
対ソ戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
1940年、遂に欧州で第二次世界大戦がはじまります。
前作『対米戦、準備せよ!』で、中国での戦いを避けることができ、米国とも良好な経済関係を築くことに成功した日本にもやがて暗い影が押し寄せてきます。
未来の日本から来たという柳生、結城の2人によって1944年のサイパン戦後から1934年の日本に戻った大本営の特例を受けた柏原少佐は再びこの日本の危機を回避させることができるのでしょうか!?
小説家になろうでは、前作『対米戦、準備せよ!』のタイトルのまま先行配信中です!
対米戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。
そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。
3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。
小説家になろうで、先行配信中!
山本五十六の逆襲
ypaaaaaaa
歴史・時代
ミッドウェー海戦において飛龍を除く3隻の空母を一挙に失った日本海軍であったが、当の連合艦隊司令長官である山本五十六の闘志は消えることは無かった。山本は新たに、連合艦隊の参謀長に大西瀧次郎、そして第一航空艦隊司令長官に山口多聞を任命しアメリカ軍に対して”逆襲”を実行していく…
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
征空決戦艦隊 ~多載空母打撃群 出撃!~
蒼 飛雲
歴史・時代
ワシントン軍縮条約、さらにそれに続くロンドン軍縮条約によって帝国海軍は米英に対して砲戦力ならびに水雷戦力において、決定的とも言える劣勢に立たされてしまう。
その差を補うため、帝国海軍は航空戦力にその活路を見出す。
そして、昭和一六年一二月八日。
日本は米英蘭に対して宣戦を布告。
未曾有の国難を救うべく、帝国海軍の艨艟たちは抜錨。
多数の艦上機を搭載した新鋭空母群もまた、強大な敵に立ち向かっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる