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ドイツ第三帝国 マジノ線遠方観察2
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心地よい風が吹き抜ける中、3人は独仏国境を一望できる高台にいた。
「数年前から爆発音や不信振動が時折発生していたようですね。政府からの質問書に対する返答は“鉱山の爆破採掘”ということになっています」
「航空偵察機の映像はあるか?」
「2年前のものでよければこちらに」
フェーラに手渡された資料に目を通して、決して見やすいとは言えない荒い航空写像を見る。この写像の中央の判断は“要塞線の構築”であった。
「国境をカバーしきる要塞線の建設か…。仮にここを正面突破するには火力が必要だな」
「コンクリート製のトーチカ程度でしたらII号戦車でも十分に無力化できるでしょう」
「コンクリートの厚みが数十センチならばな。一旦軍舎へ戻る」
軍舎に着き、ペーターは部下の1人に命令を言渡す。内容はエルザス・ロートリンゲンの航空偵察の依頼であった。直ぐに実施されることはないと思うが、言うだけならばタダである。
独仏国境を大きく描いた地図を壁に張りつけその前にフェーラ、ヘルマンは席に着き、地図の横にペーターは立った。
「フランスは先の大戦で味わった地獄のような塹壕戦を避ける為に、おそらく要塞線を築いている。ここからフランスの戦争論理を考えていきたい」
「戦争論理…ですか?」
首を傾げるフェーラに変わり、ヘルマンが答える。
「どう言った想定で戦争の用意をしているかって訳だ。個人的には防衛重視だと思うな。消耗抑制とでも言うのかね。如何に相手を消耗させ、如何にこちらは消耗を抑えるか…これを達成するための要塞線だろうよ」
なるほど、と小さく言ってから、フェーラは自分の意見を付け加える。
「ヘルマンの意見に同意します。トーチカだけではなく、対戦後期に導入の始まった戦車に対抗する兵器も用意があると考えます」
「ふむ…ならこの国境を突破するのは容易ではないという結論になるな」
「ではフランスを攻めるとすればどこから攻めるか?ヘルマン」
急に話が転換し話を振られるヘルマン。少し戸惑いながらも考えを述べる。
「正面突破しかないでしょう。そこに要塞があるならば破壊すれば済む話だ。大きな砲を数叩き込めばどんな要塞でも崩せるだろ」
「それもそうだな…。フェーラはどう考える」
「私なら南でしょうか…」
「南と言うと、仏伊国境という事か?」
「ええ、その通りです。消耗させようとする敵とまともにやり合うのは無駄だと考えます。それに加えてイタリアと共にフランスに立ち向かうと言うのは、可能性のある話だと考えます」
「なるほど、敵がわざわざ待ち構えている場所に突っ込む必要は無い、という事だな」
地図を見比べながらペーターは悩む。ヘルマンは椅子に座り直し、ペーターに問うた。
「お前ならどこから攻めるのか」
「私はシュリーフェン・プランを用いるべきだと考えている」
ペーターの回答は意外性に富んだものだった。1度失敗している作戦であるが故にここにいる人間は考えていなかった。
「30年以上前の作戦だぞ?それに先の大戦では大して役に立たなかったのは常識だぞ」
「だからこそ使えるかもしれない、だろ。理由としては幾つかある。フランス南部のイタリアから侵攻するのはアルプス山脈が天然の要塞とかしていて航空機、戦車の運用が難しい。すると歩兵での押し合いになれば、結局先の大戦と変わらない。そして正面のエルザス・ロートリンゲンが高度に要塞化されていれば突破は容易じゃないだろう。すると北になる。しかし北にも問題がある」
背より高い位置にあったフランス北部を地図を動かすことで低い位置に変える。
「1つは北側はオランダ、ベルギー、ルクセンブルクの三国に何らかの処置が必要になってくること、2つ目はアルデンヌの森だ」
「原案のシュリーフェン・プランのままでいくとすると、ベネルクス三国全てに宣戦布告ですよね?それともペーター大佐はモルトケ修正を受けたシュリーフェン・プランを考えておられるのですか?」
「そこまでは考えていなかったな…各自今言った自分の意見を纏めて1週間後に再度集合。データや資料を集めて来るように。では1度ここで解散とする」
「数年前から爆発音や不信振動が時折発生していたようですね。政府からの質問書に対する返答は“鉱山の爆破採掘”ということになっています」
「航空偵察機の映像はあるか?」
「2年前のものでよければこちらに」
フェーラに手渡された資料に目を通して、決して見やすいとは言えない荒い航空写像を見る。この写像の中央の判断は“要塞線の構築”であった。
「国境をカバーしきる要塞線の建設か…。仮にここを正面突破するには火力が必要だな」
「コンクリート製のトーチカ程度でしたらII号戦車でも十分に無力化できるでしょう」
「コンクリートの厚みが数十センチならばな。一旦軍舎へ戻る」
軍舎に着き、ペーターは部下の1人に命令を言渡す。内容はエルザス・ロートリンゲンの航空偵察の依頼であった。直ぐに実施されることはないと思うが、言うだけならばタダである。
独仏国境を大きく描いた地図を壁に張りつけその前にフェーラ、ヘルマンは席に着き、地図の横にペーターは立った。
「フランスは先の大戦で味わった地獄のような塹壕戦を避ける為に、おそらく要塞線を築いている。ここからフランスの戦争論理を考えていきたい」
「戦争論理…ですか?」
首を傾げるフェーラに変わり、ヘルマンが答える。
「どう言った想定で戦争の用意をしているかって訳だ。個人的には防衛重視だと思うな。消耗抑制とでも言うのかね。如何に相手を消耗させ、如何にこちらは消耗を抑えるか…これを達成するための要塞線だろうよ」
なるほど、と小さく言ってから、フェーラは自分の意見を付け加える。
「ヘルマンの意見に同意します。トーチカだけではなく、対戦後期に導入の始まった戦車に対抗する兵器も用意があると考えます」
「ふむ…ならこの国境を突破するのは容易ではないという結論になるな」
「ではフランスを攻めるとすればどこから攻めるか?ヘルマン」
急に話が転換し話を振られるヘルマン。少し戸惑いながらも考えを述べる。
「正面突破しかないでしょう。そこに要塞があるならば破壊すれば済む話だ。大きな砲を数叩き込めばどんな要塞でも崩せるだろ」
「それもそうだな…。フェーラはどう考える」
「私なら南でしょうか…」
「南と言うと、仏伊国境という事か?」
「ええ、その通りです。消耗させようとする敵とまともにやり合うのは無駄だと考えます。それに加えてイタリアと共にフランスに立ち向かうと言うのは、可能性のある話だと考えます」
「なるほど、敵がわざわざ待ち構えている場所に突っ込む必要は無い、という事だな」
地図を見比べながらペーターは悩む。ヘルマンは椅子に座り直し、ペーターに問うた。
「お前ならどこから攻めるのか」
「私はシュリーフェン・プランを用いるべきだと考えている」
ペーターの回答は意外性に富んだものだった。1度失敗している作戦であるが故にここにいる人間は考えていなかった。
「30年以上前の作戦だぞ?それに先の大戦では大して役に立たなかったのは常識だぞ」
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