世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃

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1ボルドー市街 2大きなる拡大

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  ペーター部隊はボルドー市街に進入し、非常に冷たく迎え入れられた。
「市民と隊員の接触を極力減らすこと」

  ただそれだけの命令に従い、座礁した戦艦内部にペーターを含む多くの人員が収容され、元の船員たちはボルドー市街へ連行された。

ボルドー陥落から数日が経過し、本国から占領部隊が続々と到着し始める。その光景を戦艦の甲板から見下ろす。清々しい気持ちではなく、不安感が拭えない。

  本来であればビスマルクと共に北上していたはずなのだ。にもかかわらず、今は完全に足踏み状態に陥っている。ロンメル将軍はビスマルクの状態(主に路線)に配慮し、作戦継続を停止してくださっているが、それが頭を離れない。

世界に認知されたということは、敵は対策を考えてくる。当たり前のことだ。我々だって未知の兵器、作戦が行われたのであればそれに対処するべきと行動する。

つまり、未知は鮮度が命なのだ。そして今私はその鮮度を無駄にしてしまっている。焦るといい結果にはならない。ただ鮮度が落ちた未知はいい結果を残しにくいことは明白だ。このアンバランスさが非常に心地よくない。

大きくため息を着く。浮かない気分。適当に割り振られた艦長室にペーターは思い足取りで戻った。

その日の夜。フランス国境を越境したスペイン軍とボルドー駐留中のドイツ軍が合流し、スペイン軍を指揮するアントニオと艦長室で酒瓶を開けて座っていた。

「ええ、あの時は死んだと思いましたね。裁判を経ず、その場で処刑されるところでした」

「その友人は?」

「運悪くジブラルタル攻略に従軍中です。死んでいるのか、生きているのかすら分かりません」

「そうですか…。そう……申し訳ない」

「何も謝ることではありません。死んでもそこはスペインです。むしろ私は自分自身の方が心配です。何せここはまだスペインじゃない」

「そうですね。はは」

和やかに時間が過ぎ、日をまたぐ前に両将軍の交流は終わった。




翌朝ペーターは部下の扉を叩く音で目を覚ました。緩い頭痛と重い瞼を自身の意思で何とかする。日は十分に高かったが、また寝ていたい気分だ。

特に司令部から通達された内容はなかったはずだ。もし忘れていても、昨日のうちに何かしらのリマインドがあったはず。

回らない頭を動かしながら準備を進め、目を覚まして30分程で身支度を終え、操舵室に向かう。

部屋に入ると、部下のひとりが一枚の紙切れを渡してくる。このような状態で文字を追うのは辞めたいが、息を吸って少し目を覚ます。

なんでよりによって手書きなんだ。

「ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ドイツ、イタリア、ハンガリー、ルーマニア、トルコを含む欧州中央同盟の発足。これに伴い同盟各国は我々の同胞として戦争に参加する」

なんともまぁ……。中央政府はどんな手品を使ったのかと言いたくなる。少なくとも仕事はできるらしい。

この結果が果たして世界のためになるのか。そんなことは分からないが、少なくとも我々にとってはいいことであることは間違いない。



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