世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃

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Ich konzipiere, ich plane, ich führe aus, ich bewerte.

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ボルドーを占領部隊に任せ、ペーターは次の戦線に向かうものと思っていたが、届いた命令書に書かれた内容はベルリンへの帰還であった。

戦線から離れたフランス内陸部定時運行を停止した列車を待つ。自分以外には誰もいない駅。周囲を見れば、戦時に急増された雰囲気を醸し出す場所がいくつも見受けられる。極めて短いホームからは、そこから物資を投げるかのように手渡された風景を容易に想像出来る。

既にボロボロな掘っ建て小屋が近くにある。おそらく集積させたり、分配させたりといった業務をになっていたことだろう。

足元を見れば、その腕前もない兵士が打ったと思われるコンクリートは至る所がひび割れ、欠けて中が見えてしまっている。

鉄筋すらなく、丁寧な処理をしていない為に基部はジャンカまみれだ。表面はポツポツと穴が開き、ブリージング水の影響をもろに受けている。

「戦争とは実に無益だ」

コンクリートを指でなぞる。少しコンクリートに爪がひかかり、粉末になる。

「ただその闘争には価値があるのだよ」

「人は資源だ。限りある資源だ。ただその資源が無限の資源を生み出し続けるのだ。それは闘争から始まり、思想に変わり、伝統に変わり、意思に変わり、最後に無意識になる」

「有限が持つ無限ですか?そんなのもはありはしないでしょう。有限は有限。無限は無限です」

「なに、味方の問題にすぎません。私も貴方も寿命がある。ただヒトに有限はないでしょう?私や貴方が死んだところで、無数のヒトはいる。ただそれは代わりという訳では無い。だからこそ、少しでも代わりとなるようなヒト、思いを継ぐようなヒトを増やすためには、闘争が必要なのです。命を燃やすようなね。…………比喩ではなくね」

相手の顔を見ずペーターは地面を弄っていると少し大きめなコンクリート片が剥がれる。それを持ち、投げる。
コンクリート片は狙いたがわず、離れた位置にあるホームに当たる。

「これは中々の吉兆ですな」
笑い声が後ろから聞こえる。


列車が到着する。中から現れる士官に命令書を手渡すと、中に案内される。もっと不便な列車を想像していたが、随分と快適だった。十分な綿の入った座席は寛ぐには勿体ないほどだ。

発車し、少し大きく揺れる列車と十分な座席。まどろみ、寝付くには十分な要素は揃っていた。

自然と目が覚めた時には、外の風景が多少なり変化していた。風景と言うよりも、色であるが。

近くの座席には紙袋がひとつ置かれてある。口はピンでで留められ、「よろしければ」とメモも一緒にある。

硬いパンと、喉を潤す普通の水。流れる景色を見ながら食べていると思えば、心底贅沢だった。

日もくれ時間の経った深夜。別に懐かしくもない祖国の中心部にペーターはいた。
そこから数日、白黒い日々を過ごした後、正装に腕を通し、迎えに来た車に乗りこみ参謀本部へと向かった。

降りて、建物を目にいれる。確かしそこには整然とした、殺伐があった。

「少し話しながら行こうか」
「私でよければ、喜んで」

門で待ち構えていたのは、最早師であるロンメルだった。

「将軍は今日の要件を知っているのですか?」
「ああ、少なくとも君よりはな」

ペーターは思わず口を押えた。

それから2人は会話といえば会話なのかもしれない短いキャッチボールを繰り返しながら、気付けば立て札も、名前もない部屋にたどり着く。ロンメルがノックすると中から、入室を許可する声が帰ってくる。

ペーターはロンメルの後に続いて、入室した。

何の変哲もない執務室。部屋の中心には来客と話をするために使うソファーと机。それを挟んで、自分たちの向かいには部屋の主が仕事をする為の机と椅子。今はその主はさらに奥の窓から外を見ており、空席となっている。

「ロンメルとペーターだな?」
「はい、閣下」

「ふむ……特にお前たちと話すことは無いな。そこにある封筒を持っていけ」
「わかりました。ところで閣下。この頃の憂いはやはり、フランスでしょうか?」

「そうだな……。私の憂いはハンガリーと言ったところか」
「そうですか。良く注意ください」
「お前もな。ロンメル」
「それでは失礼します」

ペーターは何も言わず、ロンメルの後を追い部屋を後にした。






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