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14:もふもふ!もふもふ!!
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「もふもふ! ふわふわ! 気持ち良いぃぃ!! 一度でいいから思う存分狐を抱きしめてみたいって思ってたの! 夢が叶ったぁぁ!」
「いやあの止め」
「ああああこれは理性が蕩ける! 蕩けます! 幸せ! ひゃあああ朝陽くんふわふわ! もこもこ! ふわふわあああ」
背中に顔を埋めて頬ずりしていると、何の前触れもなく上がった白い煙が頬を撫で、抱きしめていた感触が変わった。
気づけば人型の朝陽の胸に頬を埋めていた。
身体は完全に密着し、まるで恋人に熱い抱擁をしているような状態。
「…………っ!!?」
現状把握するなり、吹き飛んでいた理性が一瞬で戻った。
熱湯に触れたかのように手を引っ込め、手で床を掻いて大きく後退する。
いま何をしていたのかを自覚し、心臓は跳ね回り、頬の温度は急上昇。
「……あのな。だから。おれもな。照れるから。止めてください」
「すみませんでした……」
俯きがちに、憮然とした表情で言う朝陽の頬が赤いことに気づいて、美緒は小さくなった。
数秒、なんともいえない沈黙が流れる。
「……ええと」
仕切り直すように、朝陽が咳払いした。
「撫で回されるのは勘弁してほしいけど。他にできることから恩を返すよ。これからは家事の一切をおれが引き受ける」
「えっ」
美緒の戸惑う理由を勘違いしたらしく、朝陽は頷いてみせた。
「心配しなくても大丈夫だ。この一年、おれは人としての修行を積んできた。洗濯機だって回せるし、電球の変え方も覚えたぞ。家計簿の付け方も学んだんだ。任せてくれ。ああ、もちろん、料理も作れる。長年銀太のために腕を磨いてきたからな。味は保証する」
「ううん、そういうことじゃなくて。わたしは別に、そんなつもりで朝陽くんを家に招いたわけじゃ」
「いや」
朝陽は頭を振った。
「これだけのことをしてもらったんだから、おれが働くのは当然の義務だ。無能な居候でいるのは嫌なんだ。どうか遠慮なく家主として、おれを馬車馬のようにこき使ってほしい」
「ば、馬車馬扱いはできないけど……」
朝陽はじっと美緒を見つめている。
力強いその視線に根負けし、美緒はためらいがちに言った。
「……そこまで言うならお願いしよう、かな?」
「ああ」
たちまち、朝陽が破願する。
「嫌いな食べ物はあるか?」
無防備な笑顔を見て、美緒は理解した。
(……そっか。わたしも朝陽くんと同じ立場だったら、気にするもんね。一方的な施しを受けるのが申し訳なくて、きっとできる限りのことをする)
ここで遠慮してしまったら、朝陽のプライドが傷つくことになる。
美緒は腹をくくった。
「いやあの止め」
「ああああこれは理性が蕩ける! 蕩けます! 幸せ! ひゃあああ朝陽くんふわふわ! もこもこ! ふわふわあああ」
背中に顔を埋めて頬ずりしていると、何の前触れもなく上がった白い煙が頬を撫で、抱きしめていた感触が変わった。
気づけば人型の朝陽の胸に頬を埋めていた。
身体は完全に密着し、まるで恋人に熱い抱擁をしているような状態。
「…………っ!!?」
現状把握するなり、吹き飛んでいた理性が一瞬で戻った。
熱湯に触れたかのように手を引っ込め、手で床を掻いて大きく後退する。
いま何をしていたのかを自覚し、心臓は跳ね回り、頬の温度は急上昇。
「……あのな。だから。おれもな。照れるから。止めてください」
「すみませんでした……」
俯きがちに、憮然とした表情で言う朝陽の頬が赤いことに気づいて、美緒は小さくなった。
数秒、なんともいえない沈黙が流れる。
「……ええと」
仕切り直すように、朝陽が咳払いした。
「撫で回されるのは勘弁してほしいけど。他にできることから恩を返すよ。これからは家事の一切をおれが引き受ける」
「えっ」
美緒の戸惑う理由を勘違いしたらしく、朝陽は頷いてみせた。
「心配しなくても大丈夫だ。この一年、おれは人としての修行を積んできた。洗濯機だって回せるし、電球の変え方も覚えたぞ。家計簿の付け方も学んだんだ。任せてくれ。ああ、もちろん、料理も作れる。長年銀太のために腕を磨いてきたからな。味は保証する」
「ううん、そういうことじゃなくて。わたしは別に、そんなつもりで朝陽くんを家に招いたわけじゃ」
「いや」
朝陽は頭を振った。
「これだけのことをしてもらったんだから、おれが働くのは当然の義務だ。無能な居候でいるのは嫌なんだ。どうか遠慮なく家主として、おれを馬車馬のようにこき使ってほしい」
「ば、馬車馬扱いはできないけど……」
朝陽はじっと美緒を見つめている。
力強いその視線に根負けし、美緒はためらいがちに言った。
「……そこまで言うならお願いしよう、かな?」
「ああ」
たちまち、朝陽が破願する。
「嫌いな食べ物はあるか?」
無防備な笑顔を見て、美緒は理解した。
(……そっか。わたしも朝陽くんと同じ立場だったら、気にするもんね。一方的な施しを受けるのが申し訳なくて、きっとできる限りのことをする)
ここで遠慮してしまったら、朝陽のプライドが傷つくことになる。
美緒は腹をくくった。
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