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98:対抗手段を手に入れました(3)
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「しかし、もしあなたがわたしに協力してくださるならわたしが烏丸様を止めます。たとえ烏丸様が激高しようと、お父様の命だけは保証してみせます。いかがでしょうか」
判決を待っていると、百地はしばしの無言の後、吐息した。
「……何故それを私に話すのですか? 私が一声かければ、いますぐ使用人たちがあなたを拘束するでしょう。当然、父の耳にも入る。あなたが何を企んでいようと、全ては水泡へ帰します」
「簡単ですよ。あなたはわたしを気遣ってくださった。信用できる、優しい鬼だと思ったからです」
微笑むと、百地は呻いた。
「……そんなことで……」
「敵陣にあって優しくされることが、どんなに嬉しく、ありがたいことか。百地さんはお父様の振る舞いに心を痛めているのではありませんか。このままではいけないと思っているのではありませんか。わたしは黒田さんが幽閉で済んだのはあなたが必死で諫めたおかげではないかと推測しています。失礼ながらお父様には自分本位で他人を尊ぶ心が全くない。一羽の烏天狗の生死など気にしないでしょう」
「……ええ。全くその通りです。父は愚かなんですよ。自分こそが世界の支配者だと信じて疑わない。全ての物事が自分の思い通りに行くと思っている。そうでなければ怒り狂い、暴れ回るんです。その暴れ振りを見たら誰も逆ろうなどと思えない。本気で怒った父は手がつけられないんです」
百地は右手で頭を押さえ、かぶりを振った。
「それでは駄目だ、思いやりの心を持てと、何度口で言っても聞かないからあなたのおばあ様が正義の鉄槌を下したというのに、逆恨みして、無関係な孫のあなたを恨みの捌け口にし、また愚かな行為を繰り返している……全く馬鹿な父親です。それでもね、あんな馬鹿親父でも、たった一人の父なんですよ」
手を離し、百地は頷いた。
「わかりました。あなたに協力します」
「ありがとうございます!」
美緒は歓喜し、腹の前で両手を絡めた。
「いえ。その代わり、烏丸様から父を守ってくださいね……というか、あなたは一体何をしようとしているんですか?」
首を傾げた百地に、美緒は作戦を打ち明けた。
すると、百地は顎に手をやり、
「……なるほど。それは面白い手です。うまくいけば完全に父は無力化されますね。その状態で暴れ回っても被害はたかが知れている……いや、よく思いつきました」
感心したように言いながら、百地は左手の袖を引いた。
彼の左手首には紫色の組み紐が結んであった。
朝陽の組み紐と同じだ。違うのは色だけ。
判決を待っていると、百地はしばしの無言の後、吐息した。
「……何故それを私に話すのですか? 私が一声かければ、いますぐ使用人たちがあなたを拘束するでしょう。当然、父の耳にも入る。あなたが何を企んでいようと、全ては水泡へ帰します」
「簡単ですよ。あなたはわたしを気遣ってくださった。信用できる、優しい鬼だと思ったからです」
微笑むと、百地は呻いた。
「……そんなことで……」
「敵陣にあって優しくされることが、どんなに嬉しく、ありがたいことか。百地さんはお父様の振る舞いに心を痛めているのではありませんか。このままではいけないと思っているのではありませんか。わたしは黒田さんが幽閉で済んだのはあなたが必死で諫めたおかげではないかと推測しています。失礼ながらお父様には自分本位で他人を尊ぶ心が全くない。一羽の烏天狗の生死など気にしないでしょう」
「……ええ。全くその通りです。父は愚かなんですよ。自分こそが世界の支配者だと信じて疑わない。全ての物事が自分の思い通りに行くと思っている。そうでなければ怒り狂い、暴れ回るんです。その暴れ振りを見たら誰も逆ろうなどと思えない。本気で怒った父は手がつけられないんです」
百地は右手で頭を押さえ、かぶりを振った。
「それでは駄目だ、思いやりの心を持てと、何度口で言っても聞かないからあなたのおばあ様が正義の鉄槌を下したというのに、逆恨みして、無関係な孫のあなたを恨みの捌け口にし、また愚かな行為を繰り返している……全く馬鹿な父親です。それでもね、あんな馬鹿親父でも、たった一人の父なんですよ」
手を離し、百地は頷いた。
「わかりました。あなたに協力します」
「ありがとうございます!」
美緒は歓喜し、腹の前で両手を絡めた。
「いえ。その代わり、烏丸様から父を守ってくださいね……というか、あなたは一体何をしようとしているんですか?」
首を傾げた百地に、美緒は作戦を打ち明けた。
すると、百地は顎に手をやり、
「……なるほど。それは面白い手です。うまくいけば完全に父は無力化されますね。その状態で暴れ回っても被害はたかが知れている……いや、よく思いつきました」
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朝陽の組み紐と同じだ。違うのは色だけ。
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