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はいしんのがめん
はいしんのがめん
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女はパソコンで生配信を見ていた。
まだ暑い時期でもあり、そのせいか心霊スポットに行ってみた、なんて内容の配信だった。
女は怖いけど、自室に居ながらそういった雰囲気を味わえるのなら、と、軽い気持ちで配信を楽しんでいた。
ただ配信の内容は特に何も起こる訳もなく、暗い場所を配信者が怖がりながら歩くだけの配信となっていた。
女も、まあ、こんなもんよね、と、そう思いながら、必要以上にビクビクしている配信者の様子を楽しんでいた。
ある程度時間が経ってから女は気づく。
配信画面の暗い部分にうっすらと白い人影が映り込んでいることに。
女は、それを見つけたとき、おおっ、と思う。
その時は、怖さより驚きの方が大きかった。
これは凄い騒ぎになるぞ、と、女も一人盛り上がるのだが、そのことを指摘するコメントが一つもない。
他の人は気づいてないのかと、女が配信者の後ろの暗い部分に白い人影が見えますよね? と、コメントする。
そうすると、見えない、そんなものはいない、いねーよ、などのコメントが返ってくる。
コメントに気づいた配信者も暗闇の方を見て怖がっているが、いないという結論に落ち着く。
ただ怖くなってきたので今日はこれくらいで引き上げる、と配信者は言って配信を切ってしまう。
配信が終わり、画面が明るくなるとやはり白い人影も消える。
女は私のせいで配信が終わっちゃったのかな、とそう責任を感じつつ、もう遅い時間となっていたため、パソコンの電源を落とす。
そうすると映っているのだ。
白い人影が。
同じ場所に。
女は一瞬理解できなかったが、すぐに理解できた。
白い人影が映り込んでいたのは自分のパソコンのモニターだったのだと。
女は息を整えてからゆっくりと、パソコンのモニターに映り込んでいる方、自分の後ろを振り返る。
そこには何もいない。
女は安堵のため息を吐き出して、もう一度電源を落としたパソコンのモニターを見る。
そこには白い人影が映り込んでいる。
だが、よくよく見れば、人型ではあるが、人と断言できるものはない。
何かが映り込んでそう見えているだけだ。そう思って振り返り白いものを探す。
白く映り込んでいるのだから、白いものだろうと。
その瞬間、妙に湿った、濡れたように湿っている白い布が女の顔にあたる。
その布を押しのけて、顔を上げると、そこには死装束を着た白い人が立っていた。
髪が長かったから、恐らくは女性だったのかもしれない。
だが、それ以上のことを確認する前に女は意識を失った。
翌朝に女が起きると、自室のパソコンの前の椅子に座ったままだった。
昨日、何かを見て気絶したのだと思い出す。
それと同時に、自分が妙に濡れていることに気づく。
しかも物凄く生臭い水だった。
その水は床を伝い、風呂場まで通じていた。
女が脱衣所の前、鏡の前に立つと今度ははっきりと見えた。
死装束の女が、女の真後ろに立っているのが。
慌てて後を振り返るが誰もいない。
だが、鏡の中には確かに、死装束の女がすぐ後ろにいるのだ。
女はパニックを起こしながらも、今度は意識を失わずに、自分の部屋から逃げ出し、部屋着のまま実家まで逃げ帰った。
実家では鏡にも女の背後に何か映ることもなかったので、そのまま親まかせにしてその部屋を引っ越したそうだ。
引っ越し先でもたまに部屋が水浸しになるほど濡れていたり、ふとした時に妙な生臭さを感じるようになったそうだ。
ただ、鏡を見ても女の後ろには、もう誰もいない。
まだ暑い時期でもあり、そのせいか心霊スポットに行ってみた、なんて内容の配信だった。
女は怖いけど、自室に居ながらそういった雰囲気を味わえるのなら、と、軽い気持ちで配信を楽しんでいた。
ただ配信の内容は特に何も起こる訳もなく、暗い場所を配信者が怖がりながら歩くだけの配信となっていた。
女も、まあ、こんなもんよね、と、そう思いながら、必要以上にビクビクしている配信者の様子を楽しんでいた。
ある程度時間が経ってから女は気づく。
配信画面の暗い部分にうっすらと白い人影が映り込んでいることに。
女は、それを見つけたとき、おおっ、と思う。
その時は、怖さより驚きの方が大きかった。
これは凄い騒ぎになるぞ、と、女も一人盛り上がるのだが、そのことを指摘するコメントが一つもない。
他の人は気づいてないのかと、女が配信者の後ろの暗い部分に白い人影が見えますよね? と、コメントする。
そうすると、見えない、そんなものはいない、いねーよ、などのコメントが返ってくる。
コメントに気づいた配信者も暗闇の方を見て怖がっているが、いないという結論に落ち着く。
ただ怖くなってきたので今日はこれくらいで引き上げる、と配信者は言って配信を切ってしまう。
配信が終わり、画面が明るくなるとやはり白い人影も消える。
女は私のせいで配信が終わっちゃったのかな、とそう責任を感じつつ、もう遅い時間となっていたため、パソコンの電源を落とす。
そうすると映っているのだ。
白い人影が。
同じ場所に。
女は一瞬理解できなかったが、すぐに理解できた。
白い人影が映り込んでいたのは自分のパソコンのモニターだったのだと。
女は息を整えてからゆっくりと、パソコンのモニターに映り込んでいる方、自分の後ろを振り返る。
そこには何もいない。
女は安堵のため息を吐き出して、もう一度電源を落としたパソコンのモニターを見る。
そこには白い人影が映り込んでいる。
だが、よくよく見れば、人型ではあるが、人と断言できるものはない。
何かが映り込んでそう見えているだけだ。そう思って振り返り白いものを探す。
白く映り込んでいるのだから、白いものだろうと。
その瞬間、妙に湿った、濡れたように湿っている白い布が女の顔にあたる。
その布を押しのけて、顔を上げると、そこには死装束を着た白い人が立っていた。
髪が長かったから、恐らくは女性だったのかもしれない。
だが、それ以上のことを確認する前に女は意識を失った。
翌朝に女が起きると、自室のパソコンの前の椅子に座ったままだった。
昨日、何かを見て気絶したのだと思い出す。
それと同時に、自分が妙に濡れていることに気づく。
しかも物凄く生臭い水だった。
その水は床を伝い、風呂場まで通じていた。
女が脱衣所の前、鏡の前に立つと今度ははっきりと見えた。
死装束の女が、女の真後ろに立っているのが。
慌てて後を振り返るが誰もいない。
だが、鏡の中には確かに、死装束の女がすぐ後ろにいるのだ。
女はパニックを起こしながらも、今度は意識を失わずに、自分の部屋から逃げ出し、部屋着のまま実家まで逃げ帰った。
実家では鏡にも女の背後に何か映ることもなかったので、そのまま親まかせにしてその部屋を引っ越したそうだ。
引っ越し先でもたまに部屋が水浸しになるほど濡れていたり、ふとした時に妙な生臭さを感じるようになったそうだ。
ただ、鏡を見ても女の後ろには、もう誰もいない。
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