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たこあげ
たこあげ
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男は息子と一緒に広い川辺の広場へと来ていた。
凧揚げをするためだ。
風も強く凧揚げをするには良い日だ。
男と息子の他にも、凧揚げをしに来ている者が広場に数人ほどいる。
男は息子に凧糸を巻いた糸巻きを持たせ、自分は凧を持って離れていく。
風に向かい走り、風に乗るように凧を放ると凧はあっという間に上空へと昇っていく。
男は息子のところに駆け寄り、後ろに回り息子を見守る。
凧は風を受けグングンと昇っていく。
息子は糸巻きを持つので精一杯だ。
男がそれを支えてやる。
三角で眼のような模様が付いた凧だったがもうかなり上空まで上がってしまい、それもよく見えないほどだ。
糸ももう伸び切ってしまい、息子はそれを握るのに必死で上がった凧を見る余裕もない。
男は糸巻きを右手でしっかりと掴み、左手で息子が上空の凧を見るように指さしてやる。
まだ幼い息子は手の誘導で上空を見る。
そこにはとても高く上がった凧が見えた。
それを見た息子も顔をほころばさせる。
だが、それも長く続かない。
恐らく別の人が上げている凧が、黒く大きな凧が、息子が揚げている凧に近寄ってきて、ぶつかってきたのだ。
バランスを崩した凧はものすごい勢いで落下していく。
そして、凧は冷たい川へと墜落していく。
男は周りを見渡す。
誰がやったのかと、その犯人を見つけるためにだが、それらしき人はいない。
何とか糸を巻いて凧を回収するが、凧は落下の衝撃で完全に壊れていた。
ただ凧の帆には、何かで切り裂いたような跡が残されていた。
あまりにも鋭利な跡だったので、凧に刃物でもついているんじゃないのか、と、改めて周りを見渡す。
するとどうも様子が変だ。
付近で凧揚げをしている人たちが何か騒いでいたり、泣いていたりしている。
男もそれで気づく、他の人たちもあの黒く大きな凧に同じようにやられたのだと。
凧を壊された人達がどんどん広場から去っていく。
気が付くと、凧揚げをしている人はもういない。
だが、上空には大きな黒い凧が今も揚がっている。
凧が壊され息子が泣き出したので、男もその川辺の広場を後にする。
男が出ていく頃には、その広場はもう無人だった。
それでも一つの大きく黒い凧が我が物顔で上空にいる。
少なくとも、広場には凧揚げをしている人はもういない。
男と息子も帰宅することにして、車で帰っていたのだが、その車の後部座席で息子が言うのだ。
あの凧がついてきていると。
何度か車を止めてまで、男も上空を確認したが、そんな凧はどこにもいない。
だが、息子は凧にみられていると、ずっと言い続けていた。
凧揚げをするためだ。
風も強く凧揚げをするには良い日だ。
男と息子の他にも、凧揚げをしに来ている者が広場に数人ほどいる。
男は息子に凧糸を巻いた糸巻きを持たせ、自分は凧を持って離れていく。
風に向かい走り、風に乗るように凧を放ると凧はあっという間に上空へと昇っていく。
男は息子のところに駆け寄り、後ろに回り息子を見守る。
凧は風を受けグングンと昇っていく。
息子は糸巻きを持つので精一杯だ。
男がそれを支えてやる。
三角で眼のような模様が付いた凧だったがもうかなり上空まで上がってしまい、それもよく見えないほどだ。
糸ももう伸び切ってしまい、息子はそれを握るのに必死で上がった凧を見る余裕もない。
男は糸巻きを右手でしっかりと掴み、左手で息子が上空の凧を見るように指さしてやる。
まだ幼い息子は手の誘導で上空を見る。
そこにはとても高く上がった凧が見えた。
それを見た息子も顔をほころばさせる。
だが、それも長く続かない。
恐らく別の人が上げている凧が、黒く大きな凧が、息子が揚げている凧に近寄ってきて、ぶつかってきたのだ。
バランスを崩した凧はものすごい勢いで落下していく。
そして、凧は冷たい川へと墜落していく。
男は周りを見渡す。
誰がやったのかと、その犯人を見つけるためにだが、それらしき人はいない。
何とか糸を巻いて凧を回収するが、凧は落下の衝撃で完全に壊れていた。
ただ凧の帆には、何かで切り裂いたような跡が残されていた。
あまりにも鋭利な跡だったので、凧に刃物でもついているんじゃないのか、と、改めて周りを見渡す。
するとどうも様子が変だ。
付近で凧揚げをしている人たちが何か騒いでいたり、泣いていたりしている。
男もそれで気づく、他の人たちもあの黒く大きな凧に同じようにやられたのだと。
凧を壊された人達がどんどん広場から去っていく。
気が付くと、凧揚げをしている人はもういない。
だが、上空には大きな黒い凧が今も揚がっている。
凧が壊され息子が泣き出したので、男もその川辺の広場を後にする。
男が出ていく頃には、その広場はもう無人だった。
それでも一つの大きく黒い凧が我が物顔で上空にいる。
少なくとも、広場には凧揚げをしている人はもういない。
男と息子も帰宅することにして、車で帰っていたのだが、その車の後部座席で息子が言うのだ。
あの凧がついてきていると。
何度か車を止めてまで、男も上空を確認したが、そんな凧はどこにもいない。
だが、息子は凧にみられていると、ずっと言い続けていた。
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