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さむいごご
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男が目を覚ますと、時計の針は昼の十二時を既に回っていた。
少し寝すぎたか、と男は思いつつも、布団の外はもう昼だというのに凍えるように寒い。
その日は日曜ということもあり、どうしても布団の中で縮こまってしまう。
それにしても寒い。
いくら何でも寒すぎる。
部屋の中だというのに、吐く息が白くなりそうなほど寒い。
男も、徐々に頭が目覚めてきて、その異様な寒さに驚きだす。
布団の中から部屋の様子を伺う。
窓が開いているわけでもない。
雨戸はまだ閉まってはいるが、雨戸の隙間から日が差し込んできている程度だ。
布団の中から手を伸ばし、エアコンのリモコンを取り、暖房をつける。
そのわずかな間、布団の外に手を飛ばしただけなのに、手が一気にかじかむほど部屋の中が寒い。
外よりも余程寒いのではないか、そう思えるほどだ。
既に寒いというよりも冷たい、というレベルだ。
男は改めて、布団から顔だけ出し、部屋の様子を伺う。
薄暗くはあるが普通の自室だ。異様なほど寒くはあるが。
エアコンが音を立てて温風を吐き出し始めているが、それでも一向に暖かくならない。
エアコンから吐き出される風自体は暖かいにもかかわらずだ。
男は布団の中にもぐりこんだ後、やはりどこかおかしい、と本格的に感じる。
すると、エアコンをつけたせいで急な温度差ができたのか、ピシッピシッと木が軋むような音が聞こえてくる。
屋鳴りなのだろうが、床から聞こえてくるし、タイミング的に足音のようにも聞こえる。
男がなんだろう、と思い布団から顔を出して、そして、目を開いてそれを見てしまう。
それは人型をしていたが明らかに人ではない。
激しく動いていたので詳細はわからない。
髪の毛は長かった。
長い髪の毛を激しく振り乱していた。
目は暗くなっていてあるのかないのかもわからない。
開いた口も真っ黒でよく見えない。
また全身も全体的に黒く、そして若干土色がかっていた。
そんな人型のそれが、ゲームでバグったキャラのようにガクガクガクと高速で動いていたのだ。
男はそれを見た瞬間、体が凍えたように動かなくなる。
指一本どころか瞼さえ閉じられなくなる。
ガクガクと動くそれは、アッアッアッアッアッアッアッアッアッァッァッァッァッァッ、と声をあげだした。
人の声というよりは、機械が発するようなアラーム音に近い、そんな声をあげだしたのだ。
男は悲鳴をあげたかったが、声も出ない状況で、体も一切動かず、瞬きすらできずに、ただただその異様な存在を見続けるしかなかった。
しばらくすると、それはピタリと動きを止める。
そして、ベッドの下に潜り込むように、男の視界から沈んでいくようにゆっくりと消えていった。
そうすると、またピシッピシッと木が軋むような音が聞こえ始め、その音はどんどんと遠ざかっていった。
その音が完全に聞こえなくなったところで、男の体が動くようになる。
男はすぐに部屋の電気をつけ、雨戸を開け、外の光を取り入れる。
そのあとで部屋を隅々まで見て回るが、あの人型の何かを見つけることはできなかったし、いつの間にか異様な寒さも消えていた。
あれが何であったのか、男はわからないままだが、とりあえずそれ以降、しばらくの間、男は電気と暖房をつけたまま寝るようになった。
少し寝すぎたか、と男は思いつつも、布団の外はもう昼だというのに凍えるように寒い。
その日は日曜ということもあり、どうしても布団の中で縮こまってしまう。
それにしても寒い。
いくら何でも寒すぎる。
部屋の中だというのに、吐く息が白くなりそうなほど寒い。
男も、徐々に頭が目覚めてきて、その異様な寒さに驚きだす。
布団の中から部屋の様子を伺う。
窓が開いているわけでもない。
雨戸はまだ閉まってはいるが、雨戸の隙間から日が差し込んできている程度だ。
布団の中から手を伸ばし、エアコンのリモコンを取り、暖房をつける。
そのわずかな間、布団の外に手を飛ばしただけなのに、手が一気にかじかむほど部屋の中が寒い。
外よりも余程寒いのではないか、そう思えるほどだ。
既に寒いというよりも冷たい、というレベルだ。
男は改めて、布団から顔だけ出し、部屋の様子を伺う。
薄暗くはあるが普通の自室だ。異様なほど寒くはあるが。
エアコンが音を立てて温風を吐き出し始めているが、それでも一向に暖かくならない。
エアコンから吐き出される風自体は暖かいにもかかわらずだ。
男は布団の中にもぐりこんだ後、やはりどこかおかしい、と本格的に感じる。
すると、エアコンをつけたせいで急な温度差ができたのか、ピシッピシッと木が軋むような音が聞こえてくる。
屋鳴りなのだろうが、床から聞こえてくるし、タイミング的に足音のようにも聞こえる。
男がなんだろう、と思い布団から顔を出して、そして、目を開いてそれを見てしまう。
それは人型をしていたが明らかに人ではない。
激しく動いていたので詳細はわからない。
髪の毛は長かった。
長い髪の毛を激しく振り乱していた。
目は暗くなっていてあるのかないのかもわからない。
開いた口も真っ黒でよく見えない。
また全身も全体的に黒く、そして若干土色がかっていた。
そんな人型のそれが、ゲームでバグったキャラのようにガクガクガクと高速で動いていたのだ。
男はそれを見た瞬間、体が凍えたように動かなくなる。
指一本どころか瞼さえ閉じられなくなる。
ガクガクと動くそれは、アッアッアッアッアッアッアッアッアッァッァッァッァッァッ、と声をあげだした。
人の声というよりは、機械が発するようなアラーム音に近い、そんな声をあげだしたのだ。
男は悲鳴をあげたかったが、声も出ない状況で、体も一切動かず、瞬きすらできずに、ただただその異様な存在を見続けるしかなかった。
しばらくすると、それはピタリと動きを止める。
そして、ベッドの下に潜り込むように、男の視界から沈んでいくようにゆっくりと消えていった。
そうすると、またピシッピシッと木が軋むような音が聞こえ始め、その音はどんどんと遠ざかっていった。
その音が完全に聞こえなくなったところで、男の体が動くようになる。
男はすぐに部屋の電気をつけ、雨戸を開け、外の光を取り入れる。
そのあとで部屋を隅々まで見て回るが、あの人型の何かを見つけることはできなかったし、いつの間にか異様な寒さも消えていた。
あれが何であったのか、男はわからないままだが、とりあえずそれ以降、しばらくの間、男は電気と暖房をつけたまま寝るようになった。
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