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ほうもんしゃ
ほうもんしゃ
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一人暮らしの女の元へ、深夜に訪問者があった。
何度も何度も定期的に玄関のチャイムを鳴らされている。
寝ていたところを起こされ、女は不機嫌になりながらも、玄関まで行きドアスコープを覗く。
そこに居たものを見て、女はゾクッとする。
アパートの共有通路の電灯に照らされて、案山子が立っていたのだ。
悪戯にしたら質が悪い。
ドアスコープから見えるのは案山子だけだが、今も玄関のチャイムが一定間隔でピンポーン、ピンポーンと鳴っている。
もし悪戯であれば、その正体を知ることはできただろうが、それでも女の一人暮らしだ。
こんな深夜にドアを開けるのはあまりにも危険すぎる。
もう一度ドアスコープを覗くと、やはり案山子が立っている。
しかも、ちゃんと藁で作られた昔ながらの案山子だ。
問題があるとすれば、この辺りは普通の町で畑などないことだ。
誰かが遠くから運んで来たのか、なんにせよ悪戯にしたら手が込みすぎている。
女が無視してこのままベッドに戻ろう、そう考えた時だ。
玄関のドアノブがガチャガチャガチャと鳴り始める。
女は恐怖に駆り立てられながらも、もう一度ドアスコープを覗く。
やはり案山子しか見えない。
誰かが隠れていて、ドアノブを鳴らしているんだと女は思う。
ドアにしっかりと鍵とチェーンが掛かっていることを確認し、警察に電話しようと女はスマホを取りに行く。
すると、女の背後でガチャンと音がする。
聞き覚えのある音で、鍵をかけたり、開けたりする時の音だ。
女は慌てて振り返ると、玄関のドアが開いている。
そして、空いた隙間から、竹竿の先に軍手が付いた手が入り込んでチェーンを外そうとしていた。
女は玄関まで戻りドアを閉めようか、それともこの部屋から逃げ出そうそうか、考えているうちに、ドアのチェーンが今にも外されようとしていた。
即座に女は目の前にあったトイレのドアを開けそこに閉じこもり鍵をかけて、念のためにドアノブをしっかりと抑える。
しばらくするとキシッ、キシッと音を立てて廊下を歩く音が聞こえて来る。
その足音はトイレの前を一旦通り、部屋のほうまで行く。
しばらくして、また廊下を歩く音が聞こえる。
この際、相手が泥棒だったら何でも持って行っていいから、早く出て行ってくれと、女はトイレの中でそう願っていた。
パチン、と音がして、トイレの照明が消える。
ヒッ、と女が声を上げてしまう。
すると、鍵のかかっているトイレのドアをガチャガチャと、開けようとする。
女は必死にトイレのドアノブを抑え、そして力の限り悲鳴を上げた。
しばらくしたのち、外側からドアノブを回そうとする力が消え、辺りがシンッと静まり返る。
やっと諦めてくれたのか、女がそう思った時、頭上から何かが落ちてくる。
暗がりの中それを触ってすぐにそれが何かわかった。
トイレの換気口の蓋だ。
なんで、と思う前に女はトイレから転げ落ちるように逃げ出す。
すると、換気口から竹竿が、いや、案山子が落ちて来てトイレに突き刺さる。
女ははだしのまま、開けっ放しのドアから外へ出て、そのまま近所にある交番に駆けこんでいった。
その後、警官と共に部屋に戻ってくるが、案山子などはいなかった。
ただトイレの換気口は壊された跡があった。
それだけだ。
さすがに警官も案山子に襲われたなどという話は信じてくれなかった。
家賃はかなり高くなってしまったが、女は安全なところへとすぐに引っ越していった。
なぜ急に案山子が訪ねて来て襲われたのか、一切分からないままだ。
何度も何度も定期的に玄関のチャイムを鳴らされている。
寝ていたところを起こされ、女は不機嫌になりながらも、玄関まで行きドアスコープを覗く。
そこに居たものを見て、女はゾクッとする。
アパートの共有通路の電灯に照らされて、案山子が立っていたのだ。
悪戯にしたら質が悪い。
ドアスコープから見えるのは案山子だけだが、今も玄関のチャイムが一定間隔でピンポーン、ピンポーンと鳴っている。
もし悪戯であれば、その正体を知ることはできただろうが、それでも女の一人暮らしだ。
こんな深夜にドアを開けるのはあまりにも危険すぎる。
もう一度ドアスコープを覗くと、やはり案山子が立っている。
しかも、ちゃんと藁で作られた昔ながらの案山子だ。
問題があるとすれば、この辺りは普通の町で畑などないことだ。
誰かが遠くから運んで来たのか、なんにせよ悪戯にしたら手が込みすぎている。
女が無視してこのままベッドに戻ろう、そう考えた時だ。
玄関のドアノブがガチャガチャガチャと鳴り始める。
女は恐怖に駆り立てられながらも、もう一度ドアスコープを覗く。
やはり案山子しか見えない。
誰かが隠れていて、ドアノブを鳴らしているんだと女は思う。
ドアにしっかりと鍵とチェーンが掛かっていることを確認し、警察に電話しようと女はスマホを取りに行く。
すると、女の背後でガチャンと音がする。
聞き覚えのある音で、鍵をかけたり、開けたりする時の音だ。
女は慌てて振り返ると、玄関のドアが開いている。
そして、空いた隙間から、竹竿の先に軍手が付いた手が入り込んでチェーンを外そうとしていた。
女は玄関まで戻りドアを閉めようか、それともこの部屋から逃げ出そうそうか、考えているうちに、ドアのチェーンが今にも外されようとしていた。
即座に女は目の前にあったトイレのドアを開けそこに閉じこもり鍵をかけて、念のためにドアノブをしっかりと抑える。
しばらくするとキシッ、キシッと音を立てて廊下を歩く音が聞こえて来る。
その足音はトイレの前を一旦通り、部屋のほうまで行く。
しばらくして、また廊下を歩く音が聞こえる。
この際、相手が泥棒だったら何でも持って行っていいから、早く出て行ってくれと、女はトイレの中でそう願っていた。
パチン、と音がして、トイレの照明が消える。
ヒッ、と女が声を上げてしまう。
すると、鍵のかかっているトイレのドアをガチャガチャと、開けようとする。
女は必死にトイレのドアノブを抑え、そして力の限り悲鳴を上げた。
しばらくしたのち、外側からドアノブを回そうとする力が消え、辺りがシンッと静まり返る。
やっと諦めてくれたのか、女がそう思った時、頭上から何かが落ちてくる。
暗がりの中それを触ってすぐにそれが何かわかった。
トイレの換気口の蓋だ。
なんで、と思う前に女はトイレから転げ落ちるように逃げ出す。
すると、換気口から竹竿が、いや、案山子が落ちて来てトイレに突き刺さる。
女ははだしのまま、開けっ放しのドアから外へ出て、そのまま近所にある交番に駆けこんでいった。
その後、警官と共に部屋に戻ってくるが、案山子などはいなかった。
ただトイレの換気口は壊された跡があった。
それだけだ。
さすがに警官も案山子に襲われたなどという話は信じてくれなかった。
家賃はかなり高くなってしまったが、女は安全なところへとすぐに引っ越していった。
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