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うしろ
うしろ
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後ろに誰かが立っている。
そんな気がする。
男は常々そう思っていた。
後ろで足音がして、男の真後ろで止まる。
背後で何か気配のようなものを感じる。
誰かが動いたような物音がすぐ後ろから聞こえて来る。
そんな感じだ。
大概の場合、なにも、そして、誰もいない。
男も色々試したのだ。
鏡の前にしばらく立ってみる。
スマホで背後の動画を撮りながら過ごしてみる。
そんなこともしてみたが、やはり背後には何もいない。
稀に本当に人がいることはあるが、偶然いただけの人で、毎回同じ人だとか、そういったこともない。
男が家で一人、夕ご飯を作るために台所に立っていた時だ。
ギィッと床が軋む音がする。
男が背後に意識を向けると、誰かいるような気配が、それも息遣いまで聞こえて来る、そんな気がしてくる。
今にも生暖かい吐息が首筋に吹きかけられるような、そんな気配がするのだ。
実際、男にそんな息遣いが聞こえていたのか、それは分からない。
ただ少なくとも、男にはそう感じられていたのだ。
慌てて振り返るが、やはりそこには誰もいない。
背後にいた気配ももうない。
気にしすぎだと、男もそう考える。
そして、再び、料理を再開しようとして、驚く。
料理中だったため包丁を持っていたのだが、慌てて振り返ったため、手に包丁を持ったまま振り返っていたのだ。
その包丁にべっとりと赤い血がついていたのだ。
男は短い悲鳴をあげ、包丁を流しに投げ捨て、自分の体を確かめる。
どこもケガしていないし、男から血が出ているわけでもない。
それでも、包丁にはべっとりと赤い鮮血がついていた。
なぜか、それからは男が背後に何かを感じることはなくなった。
関係あるかないかわからないが、会社の同僚の一人、男とそれほど関係があるわけでもない女性が一人、通り魔に包丁で刺されて亡くなったらしい。
そんな噂を男が聞いたくらいだ。
そんな気がする。
男は常々そう思っていた。
後ろで足音がして、男の真後ろで止まる。
背後で何か気配のようなものを感じる。
誰かが動いたような物音がすぐ後ろから聞こえて来る。
そんな感じだ。
大概の場合、なにも、そして、誰もいない。
男も色々試したのだ。
鏡の前にしばらく立ってみる。
スマホで背後の動画を撮りながら過ごしてみる。
そんなこともしてみたが、やはり背後には何もいない。
稀に本当に人がいることはあるが、偶然いただけの人で、毎回同じ人だとか、そういったこともない。
男が家で一人、夕ご飯を作るために台所に立っていた時だ。
ギィッと床が軋む音がする。
男が背後に意識を向けると、誰かいるような気配が、それも息遣いまで聞こえて来る、そんな気がしてくる。
今にも生暖かい吐息が首筋に吹きかけられるような、そんな気配がするのだ。
実際、男にそんな息遣いが聞こえていたのか、それは分からない。
ただ少なくとも、男にはそう感じられていたのだ。
慌てて振り返るが、やはりそこには誰もいない。
背後にいた気配ももうない。
気にしすぎだと、男もそう考える。
そして、再び、料理を再開しようとして、驚く。
料理中だったため包丁を持っていたのだが、慌てて振り返ったため、手に包丁を持ったまま振り返っていたのだ。
その包丁にべっとりと赤い血がついていたのだ。
男は短い悲鳴をあげ、包丁を流しに投げ捨て、自分の体を確かめる。
どこもケガしていないし、男から血が出ているわけでもない。
それでも、包丁にはべっとりと赤い鮮血がついていた。
なぜか、それからは男が背後に何かを感じることはなくなった。
関係あるかないかわからないが、会社の同僚の一人、男とそれほど関係があるわけでもない女性が一人、通り魔に包丁で刺されて亡くなったらしい。
そんな噂を男が聞いたくらいだ。
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