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ゆき
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男の住んでいる地域では珍しく雪が降った。
最初こそ粉雪だったが時間が経つにつれて本格的な雪が降るようになっていた。
男が出かける前は、本当に粉雪が散っているような感じだったので自転車に乗って出かけていた。
だが、用事を終え、いざ帰ろうというときは、本格的な大粒の雪が降ってきていた。
来るときは服に当たってもすぐに消えていた粉雪が、服に当たるとそのまま雪として残るような大きさの雪だ。
自転車で来てしまっていたので、男はその雪の中、家に帰るために自転車を漕ぎ始めた。
男の吐き出す息で眼鏡が曇り、さらに外から当たる雪で視界が悪くなる。
なんとか見えないこともないが、非常に見通しが悪い状態で男は自転車を運転していた。
だが、やはりというべきか、男は何かにぶつかってしまう。
直前まで何もないと思っていたのだが、白く曇った眼鏡のせいで、白い物体に気づけなかったのだ。
男は人かと思い、すみません、大丈夫ですか? と、声をかける。
だが、それは人ではなかった。
人のような形はしていたが、それは白い、雪のように白く冷たい木だった。
男はぶつかったものが、人ではなかったことに安心し、息を吐き出す。
だが、おかしいことに気づく。
自転車で走っていた場所は舗装された道なのだ。
しかも、道の真ん中を走っていたのだ。
そんな場所に木などあるわけがない。
なぜこんな場所に木が、と男が思うが、どう見てもぶつかった物は木だ。
若干ではあるが人の形をしているようにも思えるが、木は木だ。
それに間違いはない。
男がその木を触って確かめる。
異様に、まるで氷のように冷たいが、確かに木の手触りではある。
白樺のような、白い樹皮をしている。
その木が少し不気味に思えたのは、その木が人型をしていることぐらいだ。
男は首を捻り、その木を避けて、再び自転車のサドルにまたがった。
しばらく走り、気になったので後ろを振り返った。
すると、その木は移動していた。
まるで去った男を追うかのように、男を追うように場所を移動してきていたのだ。
間違いなく最初にぶつかった場所より、男が進んだ方へと木も移動してきていたのだ。
眼鏡が曇り視界が悪かったがそのことは間違いない。
男は飛び上がるように驚いて、全速力で自転車を漕ぎ自宅へと逃げ帰った。
家に入るとき、何度も後ろを振り返り確かめたが、その時はもう木が追ってきている様子はなかった。
その後、何事もない、そう思えた。
だが、男はすぐには気づかなかったが、家の庭に知らぬ間に白樺のような木が増えていたそうだ。
最初こそ粉雪だったが時間が経つにつれて本格的な雪が降るようになっていた。
男が出かける前は、本当に粉雪が散っているような感じだったので自転車に乗って出かけていた。
だが、用事を終え、いざ帰ろうというときは、本格的な大粒の雪が降ってきていた。
来るときは服に当たってもすぐに消えていた粉雪が、服に当たるとそのまま雪として残るような大きさの雪だ。
自転車で来てしまっていたので、男はその雪の中、家に帰るために自転車を漕ぎ始めた。
男の吐き出す息で眼鏡が曇り、さらに外から当たる雪で視界が悪くなる。
なんとか見えないこともないが、非常に見通しが悪い状態で男は自転車を運転していた。
だが、やはりというべきか、男は何かにぶつかってしまう。
直前まで何もないと思っていたのだが、白く曇った眼鏡のせいで、白い物体に気づけなかったのだ。
男は人かと思い、すみません、大丈夫ですか? と、声をかける。
だが、それは人ではなかった。
人のような形はしていたが、それは白い、雪のように白く冷たい木だった。
男はぶつかったものが、人ではなかったことに安心し、息を吐き出す。
だが、おかしいことに気づく。
自転車で走っていた場所は舗装された道なのだ。
しかも、道の真ん中を走っていたのだ。
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それに間違いはない。
男がその木を触って確かめる。
異様に、まるで氷のように冷たいが、確かに木の手触りではある。
白樺のような、白い樹皮をしている。
その木が少し不気味に思えたのは、その木が人型をしていることぐらいだ。
男は首を捻り、その木を避けて、再び自転車のサドルにまたがった。
しばらく走り、気になったので後ろを振り返った。
すると、その木は移動していた。
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間違いなく最初にぶつかった場所より、男が進んだ方へと木も移動してきていたのだ。
眼鏡が曇り視界が悪かったがそのことは間違いない。
男は飛び上がるように驚いて、全速力で自転車を漕ぎ自宅へと逃げ帰った。
家に入るとき、何度も後ろを振り返り確かめたが、その時はもう木が追ってきている様子はなかった。
その後、何事もない、そう思えた。
だが、男はすぐには気づかなかったが、家の庭に知らぬ間に白樺のような木が増えていたそうだ。
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