それなりに怖い話。

只野誠

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れいぞうこ

れいぞうこ

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 女は深夜の台所に飲み物を取りに行ったとき、冷蔵庫がガタガタと揺れているのを目にした。
 最初こそ、地震か、と思っていたが、冷蔵庫以外は揺れていない。
 なので、冷蔵庫が揺れているとすぐに気づいた。

 冷蔵庫の故障か、と思ってしばらく離れて観察する。
 ただ、揺れはしているものの、機械的な一定の間隔での揺れではない。

 しいて言うならば、冷蔵庫の中に誰かがいて、その誰かが冷蔵庫の中で暴れているような、そんな揺れ方なのだ。

 誰かが、もしくは何かが、冷蔵庫の中にいる。
 そう思えたのも当たり前のことだ。

 女は一人暮らしだったが、近所の子供が勝手に家に入り込んで、冷蔵庫の中に隠れているのかも、とそんなことを考える。
 が、今は深夜だ。
 その可能性は限りなく低い。
 一番可能性がありそうなのは、冷蔵庫を閉め忘れていて、その中にネズミでも入り込んで中で暴れている、ということだ。

 それを思いついてしまったら、女も揺れる冷蔵庫をそのままにはできない。

 恐る恐る女は冷蔵庫に近寄り、冷蔵庫の戸を開ける。
 ネズミが飛び出してくるかも、とそう考えていたが、何も飛び出してこない。
 女は冷蔵庫を覗き込むが、特に変わったものは入ってないし、冷蔵庫をガタガタと動かすようなものは存在していない。

 じっくりと冷蔵庫の中を確認する。
 だが、何も変わったものはない。
 それに冷蔵庫の戸を開けてから揺れも止まっている。

 では何で揺れていたんだろう、と、女が冷蔵庫の戸を閉めた時だ。
 閉めようとしたその手を何かにつかまれる。

 それは手だった。
 青白い手。
 冷たい氷のような手。
 手だけであり、手首より先は見えなかった。

 それを確認した瞬間、女は文字通りに飛び上がる。
 大きな悲鳴をあげて冷蔵庫から飛び退く。

 すると、閉まりかけの冷蔵庫の戸が一度大きく開き、そして、ゆっくりと閉じた。

 だが、それだけだ。
 その時は、それ以上、何も起きなかった。

 そう、その時は。

 女は気づいていないが、その時に何か厄介なものを招き入れてしまったのだ。





 
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