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くびつりばやし
くびつりばやし
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首吊り林。子供達の間でそう呼ばれる小さな竹林が通学路にある。
竹に囲まれた林で中央に小さな社のようなものが置いてる。
本当か嘘か、その真相はわからないがここで首を吊った人間がいたとのことだ。
元々は社があった場所に大きな木があって、その木で首を吊ったのだとか。
その木を使って社が建てられたとか、そんな噂がある。
ただ真相は不明だ。
本当に首吊りなんかがあったのか、それも不明だ。
そんな場所がある。
部活で夜遅くなった少女が自転車でその前をよく通る。
噂の真相はともかくとても不気味な場所なことだけはたしかだ。
そのあたりだけはなぜか街灯もなく背の高い竹が生い茂っているせいか昼夜問わず薄暗い。
日が落ちた後だと、真っ暗で本当に何も見えないほどだ。
陽が落ちてから見えるのは見る林の始まりと終わりの入口と出口、それと竹が生えてない社の辺り、その三カ所くらいだ。
その場所だけ、月明かりで少し明るく見えている。
それが余計に不気味なのだ。
気にしたくなくとも、社が目についてしまうからだ。
今日もそうだ。
不気味な社に目が行ってしまう。
そうして少女が社に目を奪われていると、前方から明かりが見える。
少女が確認すると、大きなトラックが迫って来ていた。
それほど車道の幅がある道路でもない。
少女は仕方なく社のある場所へと、トラックを避けるために一時的に非難する。
ちょっとしてから地面を揺らすようにトラックが通り過ぎていく。
だが、トラックが通り過ぎた後も、少女は地面が揺れている感覚に襲われる。
地震、とも少女は思うがそう言った感じではない。
地面が定期的に同じ間隔で左右に揺れている、そんな変な感覚なのだ。
少女はとりあえずこの場を離れよう、そう考える。
だが、その時、ふと社の方を見てしまう。
そこで少女は見てしまう。
空中からぶら下がる黒い人影を。
その人影は風もないのに風に吹かれたように左右に揺れている。
なぜか地面もそれに合わせて揺れているのだ。
少女は叫びたくなるのを必死で我慢して、もつれそうになる脚で必死に自転車に乗り、漕ぎだした。
何とか街灯のある場所まで行ってから、少女は林の方を振り返る。
何もない闇だけが口を開けたように見える。
少女が社会人になり住んでいた家から出て、数年が経ち実家に戻って来た時のことだ。
その竹林自体がきれいさっぱり消えていた。
新しくできたスーパーの駐車場になっていた。
元少女はそれとなく親にあの社のことを聞いてみた。
そうすると親は不思議な表情をするばかりだ。
元少女がしつこく聞くと、父親が何か思いだしたように言った。
「もしかして百葉箱のことか?」
と。
元々、あの場所は大きな学校の一部だったらしく百葉箱が設置されていたという話だ。
元少女が社と思っていたものはただの百葉箱だったのだ。
もちろんそこで首を吊った人間など聞いたことがない、と言う話だ。
では、元少女が見た人影はなんだったのだろうか。
それは何もかもわからずじまいだ。
やはり真相は不明だ。
竹に囲まれた林で中央に小さな社のようなものが置いてる。
本当か嘘か、その真相はわからないがここで首を吊った人間がいたとのことだ。
元々は社があった場所に大きな木があって、その木で首を吊ったのだとか。
その木を使って社が建てられたとか、そんな噂がある。
ただ真相は不明だ。
本当に首吊りなんかがあったのか、それも不明だ。
そんな場所がある。
部活で夜遅くなった少女が自転車でその前をよく通る。
噂の真相はともかくとても不気味な場所なことだけはたしかだ。
そのあたりだけはなぜか街灯もなく背の高い竹が生い茂っているせいか昼夜問わず薄暗い。
日が落ちた後だと、真っ暗で本当に何も見えないほどだ。
陽が落ちてから見えるのは見る林の始まりと終わりの入口と出口、それと竹が生えてない社の辺り、その三カ所くらいだ。
その場所だけ、月明かりで少し明るく見えている。
それが余計に不気味なのだ。
気にしたくなくとも、社が目についてしまうからだ。
今日もそうだ。
不気味な社に目が行ってしまう。
そうして少女が社に目を奪われていると、前方から明かりが見える。
少女が確認すると、大きなトラックが迫って来ていた。
それほど車道の幅がある道路でもない。
少女は仕方なく社のある場所へと、トラックを避けるために一時的に非難する。
ちょっとしてから地面を揺らすようにトラックが通り過ぎていく。
だが、トラックが通り過ぎた後も、少女は地面が揺れている感覚に襲われる。
地震、とも少女は思うがそう言った感じではない。
地面が定期的に同じ間隔で左右に揺れている、そんな変な感覚なのだ。
少女はとりあえずこの場を離れよう、そう考える。
だが、その時、ふと社の方を見てしまう。
そこで少女は見てしまう。
空中からぶら下がる黒い人影を。
その人影は風もないのに風に吹かれたように左右に揺れている。
なぜか地面もそれに合わせて揺れているのだ。
少女は叫びたくなるのを必死で我慢して、もつれそうになる脚で必死に自転車に乗り、漕ぎだした。
何とか街灯のある場所まで行ってから、少女は林の方を振り返る。
何もない闇だけが口を開けたように見える。
少女が社会人になり住んでいた家から出て、数年が経ち実家に戻って来た時のことだ。
その竹林自体がきれいさっぱり消えていた。
新しくできたスーパーの駐車場になっていた。
元少女はそれとなく親にあの社のことを聞いてみた。
そうすると親は不思議な表情をするばかりだ。
元少女がしつこく聞くと、父親が何か思いだしたように言った。
「もしかして百葉箱のことか?」
と。
元々、あの場所は大きな学校の一部だったらしく百葉箱が設置されていたという話だ。
元少女が社と思っていたものはただの百葉箱だったのだ。
もちろんそこで首を吊った人間など聞いたことがない、と言う話だ。
では、元少女が見た人影はなんだったのだろうか。
それは何もかもわからずじまいだ。
やはり真相は不明だ。
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