20 / 26
3巡目 ゆかり→かいり 「黒い瓶」
しおりを挟む
ゆかり:
あの、これ・・・
*:
ゆかりが手にしていたのは、黒い色のせいで中身の見えない、小さな瓶だった。
それを目にしたとたん、かいりは野獣のようにとびかかると、瓶をひったくり両手で包み隠した。
それまで飄々としていたかいりの姿からは考えられない、機敏な動きと、額に浮かぶ油のような汗。
だからこそ、その瓶が彼女にとって知られたくなかったものなのだと、その場の全員が感じ取るのは容易だった。
かいり:
これは・・・その・・・ど、毒薬だ
無味無臭の・・・匂いを嗅いでも危険なレベルの強力なやつだ!
だから、蓋を開けるなんてこと、しない方が身のためだぜ?
ゆかり:
毒薬・・・?
ひかり:
何でそんなものを持ってきたの?
いやこう聞こうか、誰に使う予定だったの?
かいり:
コレは・・・断じて、ぽかりに使おうなんて思ってない!
ほとり:
でも彼女の保険金目当てに殺害するという、動機はありますよね?
かいり:
い、いや、そうなの・・・か?
そ、そうかも!実は自分が
ひかり:
ほとり、それだとおかしいんだよ
死因は絞殺、つまり毒薬の出る幕なんてない
儀式に使うにも、毒を使って生き血を流すなんてそうそうできない
仮に凶器と動機が揃っても、それが死因や状況と矛盾するなら、やっぱりかいりは犯人じゃないと思う
あかり:
にしちゃあ、ずいぶんな焦りようだけどな
怒らないから言ってみろよ
それ、誰に飲ませる予定だったんだ?
かいり:
じ、自分で飲むため・・・です・・・
ほとり:
お姉様!?
どうして・・・自殺しようとしたんですか!?
かいり:
そうです、借金が嫌になって・・・
ゆかり:
ほとり、従妹から見た明戸院家っていうのは、彫像の男性器を壊しただけで娘を死に追い込むような家なのか?
ほとり:
それが、そんなことないと思うんス
泣いて謝れば許してくれると思いますし、借金も一時的に罰として課しているだけで本気で取り立てしに来るかと言えばそんなことないッスね、多分
かいり:
よそはよそ、うちはうちだったってだけですよ
従妹に見せているのは菩薩の顔で、自分に見せてるのは閻魔の顔なんです
ゆかり:
じゃあ、やっぱりぽかりの保険金目当てだったか
かいり:
そ、そういうことになりますね
ひかり:
いや、なんかおかしいな
だとしたらなんで自分の別荘で殺そうとしたんだろう
私たちが揃っている、つまり容疑者候補がほかにもいる環境がベターとしてもだよ?
自分の実家が持ってる別荘を現場に選べば、絶対疑われやすくなるじゃん
まだ適当なホテルや旅館で殺す方がマシだと思うんだけど
かいり:
えぇ・・・?そ、そう・・・?
あかり:
それを言い出したら、別荘に来ている以上最初からほとりとかいりは容疑者から外すべきだったってことになるよな?
でもふたを開けてみたらほとりの馬鹿は祠を壊してたわけで
かいりが何もしていない理由にはならないだろ
ゆかり:
じゃあこういうのはどう?
かいりは僕のことが好きで、ぽかりが邪魔だった
ほとり:
あんたはそれしか言えないんですか?
ゆかり:
・・・ガーンだな
かいり:
いや、実はそうなんです
ゆかり:
本人はこう言ってるけど?
ひかり:
・・・こうは考えられないか?
やっぱりその毒を飲む予定だったのはかいり自身だったんだ
目的は、借金を連帯保証人であるぽかりへと移すことだった
あるいは、自分を殺した罪も誰かにかぶせるつもりだったのかもしれない
とにかく、「自分の別荘で自分が死ぬ」と言うシチュエーションは、それに適していた
あかり:
自分は死ぬが、ぽかりは多額の借金を抱えることになる
それこそがゆかりを奪ったぽかりへの嫉妬ゆえの犯行・・・ってこと!?
かいり:
多分そうです
ほとり::
多分違いますよこれ
ほんとは毒薬じゃないんじゃないスか?
ゆかり:
誰かの汗とか?
ひかり:
まあ、考えてもどうしようもないよ
少なくともかいりの持っている毒だけじゃ、ぽかりの殺害は不可能だ
まずは犯人を探そうじゃないか
それが「かるみあ様」なのか「愚行法師」なのかは、この際どうでもいい
かいり:
そ、そうですよね
じゃあ、自分が失礼して・・・
あの、これ・・・
*:
ゆかりが手にしていたのは、黒い色のせいで中身の見えない、小さな瓶だった。
それを目にしたとたん、かいりは野獣のようにとびかかると、瓶をひったくり両手で包み隠した。
それまで飄々としていたかいりの姿からは考えられない、機敏な動きと、額に浮かぶ油のような汗。
だからこそ、その瓶が彼女にとって知られたくなかったものなのだと、その場の全員が感じ取るのは容易だった。
かいり:
これは・・・その・・・ど、毒薬だ
無味無臭の・・・匂いを嗅いでも危険なレベルの強力なやつだ!
だから、蓋を開けるなんてこと、しない方が身のためだぜ?
ゆかり:
毒薬・・・?
ひかり:
何でそんなものを持ってきたの?
いやこう聞こうか、誰に使う予定だったの?
かいり:
コレは・・・断じて、ぽかりに使おうなんて思ってない!
ほとり:
でも彼女の保険金目当てに殺害するという、動機はありますよね?
かいり:
い、いや、そうなの・・・か?
そ、そうかも!実は自分が
ひかり:
ほとり、それだとおかしいんだよ
死因は絞殺、つまり毒薬の出る幕なんてない
儀式に使うにも、毒を使って生き血を流すなんてそうそうできない
仮に凶器と動機が揃っても、それが死因や状況と矛盾するなら、やっぱりかいりは犯人じゃないと思う
あかり:
にしちゃあ、ずいぶんな焦りようだけどな
怒らないから言ってみろよ
それ、誰に飲ませる予定だったんだ?
かいり:
じ、自分で飲むため・・・です・・・
ほとり:
お姉様!?
どうして・・・自殺しようとしたんですか!?
かいり:
そうです、借金が嫌になって・・・
ゆかり:
ほとり、従妹から見た明戸院家っていうのは、彫像の男性器を壊しただけで娘を死に追い込むような家なのか?
ほとり:
それが、そんなことないと思うんス
泣いて謝れば許してくれると思いますし、借金も一時的に罰として課しているだけで本気で取り立てしに来るかと言えばそんなことないッスね、多分
かいり:
よそはよそ、うちはうちだったってだけですよ
従妹に見せているのは菩薩の顔で、自分に見せてるのは閻魔の顔なんです
ゆかり:
じゃあ、やっぱりぽかりの保険金目当てだったか
かいり:
そ、そういうことになりますね
ひかり:
いや、なんかおかしいな
だとしたらなんで自分の別荘で殺そうとしたんだろう
私たちが揃っている、つまり容疑者候補がほかにもいる環境がベターとしてもだよ?
自分の実家が持ってる別荘を現場に選べば、絶対疑われやすくなるじゃん
まだ適当なホテルや旅館で殺す方がマシだと思うんだけど
かいり:
えぇ・・・?そ、そう・・・?
あかり:
それを言い出したら、別荘に来ている以上最初からほとりとかいりは容疑者から外すべきだったってことになるよな?
でもふたを開けてみたらほとりの馬鹿は祠を壊してたわけで
かいりが何もしていない理由にはならないだろ
ゆかり:
じゃあこういうのはどう?
かいりは僕のことが好きで、ぽかりが邪魔だった
ほとり:
あんたはそれしか言えないんですか?
ゆかり:
・・・ガーンだな
かいり:
いや、実はそうなんです
ゆかり:
本人はこう言ってるけど?
ひかり:
・・・こうは考えられないか?
やっぱりその毒を飲む予定だったのはかいり自身だったんだ
目的は、借金を連帯保証人であるぽかりへと移すことだった
あるいは、自分を殺した罪も誰かにかぶせるつもりだったのかもしれない
とにかく、「自分の別荘で自分が死ぬ」と言うシチュエーションは、それに適していた
あかり:
自分は死ぬが、ぽかりは多額の借金を抱えることになる
それこそがゆかりを奪ったぽかりへの嫉妬ゆえの犯行・・・ってこと!?
かいり:
多分そうです
ほとり::
多分違いますよこれ
ほんとは毒薬じゃないんじゃないスか?
ゆかり:
誰かの汗とか?
ひかり:
まあ、考えてもどうしようもないよ
少なくともかいりの持っている毒だけじゃ、ぽかりの殺害は不可能だ
まずは犯人を探そうじゃないか
それが「かるみあ様」なのか「愚行法師」なのかは、この際どうでもいい
かいり:
そ、そうですよね
じゃあ、自分が失礼して・・・
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる