私のお猫さま 25歳を迎えて猫又さまになりました

月見こだま

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第一部

15:猫又さま、小休止

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 神崎先生と神谷さんに聞きたいことは沢山あったのだけど。

『夕方から私の担当している子が来院しますので、詳しいことはまた』

 そう言われてしまうと引き留めることも出来ず、神谷さんも。

『今日はクロも疲れていますので』

 ――と、二人共引き上げてしまった。
 そして残されたのは。

「改めてよろしくお願いいたします」

 小さな白いルナちゃん。
 もこもこと真ん丸で、雪玉みたい。
 それに大きな青い瞳。
 妖精と言われても信じてしまいそうなほどキラキラの粒が舞っているように見える。

(わたしのてのひらぐらい……うわああああああ……)

「かっ、かわいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」

 思わず口から飛び出た。
 ミケの耳が、それに反応してぴくりと動く。

「にゃ!? 桜ちゃん浮気にゃ!?」
「あ、ごめんミケ!!」

 ミケは疲れてぐったりしてたのに、ダメな飼主でごめんね。

「ふふ、恐縮です」
「ふわああああ! なんてしっかりした子……!!」
「桜ちゃん!!」

 小さいのに、ミケよりもずっと小さいのに……! 生まれたての子猫のような姿で『恐縮です』なんて言ってコロコロ笑ってる。
 わたしの反応に、たまらなくなったミケが膝の上から飛び上がる。

「あいた!」

 爪が太ももに食い込んだけど、それはそれでいつも通り。

(んふふ、ヤキモチ焼いてるミケも可愛い……!)

 ルナちゃん相手にうなるミケに愛しい気持ちしか湧き上がらない。さっきまで吐きそうなぐらい胸がバクバクしてたのに。

「ミケ、ルナちゃんはミケの先生になるんだから、いじめちゃダメだよ」
「うにゃ……」
「うんうん。ちゃんと聞いてたんだね。えらいよ、ミケ」
「にゃう……」

 ミケの首元で揺れる布が、今の状況がいいものでないことを思い出させてくれる。
 いくら目の前のもふもふたちが可愛くても。

 可愛すぎても!!

「ご安心ください。ルナは四十年ほどクロさまの元で眷属を務めさせていただいております。ミケさまの教育もしっかり務めさせていただきますね」




「――へ?」



 ルナちゃんの言葉に、わたしとミケの時が止まる。

 よ、よんじゅうねん!!!!????

「お、お前わたしより年上だったにゃ!?」
「うそでしょ!?」
「ふふふふ!」




 近所迷惑なぐらいの大きな声がでた。



 これからの日常はより一層騒がしくなりそうだ。


 
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