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第八十五話 夢の外へ
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やがて、朝日の光ともに止まっていた時間が王都に流れ出した。
夢の国アトスではなく。アトランタ王国、王都アトスとして、だ。
目を覚ました人々もそれは同じだった。
まるで皆長い夢から覚めたように、欠伸をしながら人々は目を覚ました。
しかし、誰もが混乱をするわけでもなく辺りを見回してこう呟く。
いい夢を見ていた気がする、でもどういう夢だったか忘れてしまったな、と。
そうして各々の人々はなぜか自分が路上で目を覚ましたことに若干の疑問を抱きつつも、次第にその異常を忘れ日常へと戻って行った。
王都アトスを元の姿に戻すために、未来へと歩き出すために。
それは俺たちも同じだった、夢から覚めたのならばすることは一つだ。
今日を生きる、その準備を始めるのだ。
─────────────
「さて、これからどうするか……」
俺は一人でにそう呟く、スカーレットの夢が覚め、目覚めた俺たちはそれぞれ街の現状と装備を取りに手分けをすることにした。
アールさん、スカーレット、リーンは街に負傷者がいないかどうかを。
ミラナは馬車を確認しに行った。ついでにカミネも「暇だから行く」とミラナについて行った。
残ったのは、俺とそして……。
「カミネの父さんはまず探すとして……で、ラクレさん達はどうするんだ? もし良ければ、お礼もかねてなんか手伝えることでも……」
廃墟に塗れた大通り、その民家の壁にもたれながら、欠伸をしている、どうやら息子達の関係者であるらしいラクレラロ……えっと、とにかくラクレさんに俺は聞いた。
思えば、この人にはなぜか随分と世話になった本来俺たちがするべき、カミネの保護もこの人やってもらったし、ほぼこの人のおかげで夢は壊せたと言っても過言ではない。
夢を拒絶する力を常に夢の世界で何十年も張っていたのだから。
だからこそ何気に一番の疲労が溜まっているであろうラクレさんとついでに神獣の血の使いすぎで疲れている俺はこうしてここで休憩しているわけだ。
「エルマー殿、お気遣いなく。吾輩はやるべきことをやった迄である。王として民を導く規範としてするべきことをな」
「へぇ……王?」
ラクレさんが何を言っているかわからない。だがとりあえず場の雰囲気に合わせるように頷くき俺が納得しているとラクレさんは思い出しかのように呟く。
「それにまだやることがあるのでな」
「やるべきこと? 良かったら手伝おうか?」
「いや、それには及ばないのである!」
ラクレさんは笑って、そしておもむろに肌に直接触れているマントの内側をゴソゴソと探り一枚のカードを取り出す。
長方形のそれはどうやら、名刺のようでこう書かれている。
『秘密結社、黒い羊。災害地域復興担当、ラクレラロ・ラッタ・ラチェラノラータ』
「ひ、秘密結社ぁ?」
なんだこの胡乱な名刺はたじろぐ俺にラクレさんは微笑む。
「まあ、ウチの組織のボスの自虐的なジョークである。まあ、とにかく吾輩達は慈善事業をやっていてな、この王都にもそれの一環で来たのである」
なるほど段々話が読めてきた。
「それで王都アトスに復興支援しにきたらスカーレットに夢に連れ込まれたって感じか?」
ラクレさんは頷いた。
「すまない、親である俺が至らないばかりに……」
俺は思わず頭を下げる。
するとまたラクレさんは笑った。
「いいのである! 話を聞く限り別にエルマー殿も悪いわけではないのであろう?」
「疑わないのか?」
「何をであるか?」
「その、俺が悪い奴だったらさ……」
「……ことの発端の事件はスカーレット達からも聞いた……スカーレット達にも罪が無いとは言わないのであるがあれは王都アトス側の過失でもあると思うのである」
ラクレさんは静かに呟く。
「どのみち意思疎通の取れる知能のある神獣達を無理やり屈服させようとした時点で国際法には抵触しているわけであるし、まあどっちもどっちである!!」
それに、とラクレさんはつぶやいた。
「夢は覚めた、過ぎ去った夢を覚えていられるほど吾輩の前頭葉は賢く無いのである!!」
ガハハ、と笑い声が響く。
その言葉に俺もつられて微笑んだ。
─────────────
ラクレさんと俺が談笑していると馬車を取りに行ったミラナとカミネが戻り、そして次に被害状況を調べに行っていた、アールとスカーレット、そしてリーンが帰ってきた。
「車は問題ないみたい、2日ぐらいしか立ってないし、奇跡的に物も盗られてない」
ミラナのその言葉に、俺は思わずため息をついた。
良かった、旅はすぐに再開できそうだ。
「で、アールさんはどうだ? 負傷者は?」
アールさんは俺の問いかけに頷く。
「大丈夫だ。それと、見つけたよ。リーンのおかげですぐに見つけられた。地図に印をつけておいたから見てくれここに目的の人物はいる」
俺は地図を受け取る。どうやら今いる地区の東に彼はいるらしい。
「ありがとうな、アールさんも色々と大変な目にあわせちまった」
「よせ……」
そういうとアールさんは目を伏せた。
「私たちも、王都アトスもこれから生まれ変わるのだ、どうせなら夢で見たよりも立派なものにな」
だから、とアールさんは俺に向かって言う。
「君も、君がやるべきことをするといい、もう私は止めない。止める資格はない」
ポンと俺はアールさんに背中を叩かれる。
「ではな、ここでお別れだ。エルマー」
アールさんの一言に押されて俺はミラナの馬車は乗り込む。
「アールさんありがとう!」
カミネも同様にそう言って、馬車に乗り込んだ。
「リーン、スカーレット、じゃあ後でね」
「ああ、父さんと母さんも気をつけて」
ミラナの言葉にリーンはそう返す。
準備は整った会いにいく時がついにきたのだ。
「カミネ準備はいいか?」
「……うん」
カミネは笑う。それが何よりの覚悟の証拠だと受け取り、俺は前方を向いた。
「ミラナ、頼む。行こう」
「……わかった」
そうして俺たちは走り出した。
目指すのはカミネの父、彼の屋敷だ。
夢の国アトスではなく。アトランタ王国、王都アトスとして、だ。
目を覚ました人々もそれは同じだった。
まるで皆長い夢から覚めたように、欠伸をしながら人々は目を覚ました。
しかし、誰もが混乱をするわけでもなく辺りを見回してこう呟く。
いい夢を見ていた気がする、でもどういう夢だったか忘れてしまったな、と。
そうして各々の人々はなぜか自分が路上で目を覚ましたことに若干の疑問を抱きつつも、次第にその異常を忘れ日常へと戻って行った。
王都アトスを元の姿に戻すために、未来へと歩き出すために。
それは俺たちも同じだった、夢から覚めたのならばすることは一つだ。
今日を生きる、その準備を始めるのだ。
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「さて、これからどうするか……」
俺は一人でにそう呟く、スカーレットの夢が覚め、目覚めた俺たちはそれぞれ街の現状と装備を取りに手分けをすることにした。
アールさん、スカーレット、リーンは街に負傷者がいないかどうかを。
ミラナは馬車を確認しに行った。ついでにカミネも「暇だから行く」とミラナについて行った。
残ったのは、俺とそして……。
「カミネの父さんはまず探すとして……で、ラクレさん達はどうするんだ? もし良ければ、お礼もかねてなんか手伝えることでも……」
廃墟に塗れた大通り、その民家の壁にもたれながら、欠伸をしている、どうやら息子達の関係者であるらしいラクレラロ……えっと、とにかくラクレさんに俺は聞いた。
思えば、この人にはなぜか随分と世話になった本来俺たちがするべき、カミネの保護もこの人やってもらったし、ほぼこの人のおかげで夢は壊せたと言っても過言ではない。
夢を拒絶する力を常に夢の世界で何十年も張っていたのだから。
だからこそ何気に一番の疲労が溜まっているであろうラクレさんとついでに神獣の血の使いすぎで疲れている俺はこうしてここで休憩しているわけだ。
「エルマー殿、お気遣いなく。吾輩はやるべきことをやった迄である。王として民を導く規範としてするべきことをな」
「へぇ……王?」
ラクレさんが何を言っているかわからない。だがとりあえず場の雰囲気に合わせるように頷くき俺が納得しているとラクレさんは思い出しかのように呟く。
「それにまだやることがあるのでな」
「やるべきこと? 良かったら手伝おうか?」
「いや、それには及ばないのである!」
ラクレさんは笑って、そしておもむろに肌に直接触れているマントの内側をゴソゴソと探り一枚のカードを取り出す。
長方形のそれはどうやら、名刺のようでこう書かれている。
『秘密結社、黒い羊。災害地域復興担当、ラクレラロ・ラッタ・ラチェラノラータ』
「ひ、秘密結社ぁ?」
なんだこの胡乱な名刺はたじろぐ俺にラクレさんは微笑む。
「まあ、ウチの組織のボスの自虐的なジョークである。まあ、とにかく吾輩達は慈善事業をやっていてな、この王都にもそれの一環で来たのである」
なるほど段々話が読めてきた。
「それで王都アトスに復興支援しにきたらスカーレットに夢に連れ込まれたって感じか?」
ラクレさんは頷いた。
「すまない、親である俺が至らないばかりに……」
俺は思わず頭を下げる。
するとまたラクレさんは笑った。
「いいのである! 話を聞く限り別にエルマー殿も悪いわけではないのであろう?」
「疑わないのか?」
「何をであるか?」
「その、俺が悪い奴だったらさ……」
「……ことの発端の事件はスカーレット達からも聞いた……スカーレット達にも罪が無いとは言わないのであるがあれは王都アトス側の過失でもあると思うのである」
ラクレさんは静かに呟く。
「どのみち意思疎通の取れる知能のある神獣達を無理やり屈服させようとした時点で国際法には抵触しているわけであるし、まあどっちもどっちである!!」
それに、とラクレさんはつぶやいた。
「夢は覚めた、過ぎ去った夢を覚えていられるほど吾輩の前頭葉は賢く無いのである!!」
ガハハ、と笑い声が響く。
その言葉に俺もつられて微笑んだ。
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ラクレさんと俺が談笑していると馬車を取りに行ったミラナとカミネが戻り、そして次に被害状況を調べに行っていた、アールとスカーレット、そしてリーンが帰ってきた。
「車は問題ないみたい、2日ぐらいしか立ってないし、奇跡的に物も盗られてない」
ミラナのその言葉に、俺は思わずため息をついた。
良かった、旅はすぐに再開できそうだ。
「で、アールさんはどうだ? 負傷者は?」
アールさんは俺の問いかけに頷く。
「大丈夫だ。それと、見つけたよ。リーンのおかげですぐに見つけられた。地図に印をつけておいたから見てくれここに目的の人物はいる」
俺は地図を受け取る。どうやら今いる地区の東に彼はいるらしい。
「ありがとうな、アールさんも色々と大変な目にあわせちまった」
「よせ……」
そういうとアールさんは目を伏せた。
「私たちも、王都アトスもこれから生まれ変わるのだ、どうせなら夢で見たよりも立派なものにな」
だから、とアールさんは俺に向かって言う。
「君も、君がやるべきことをするといい、もう私は止めない。止める資格はない」
ポンと俺はアールさんに背中を叩かれる。
「ではな、ここでお別れだ。エルマー」
アールさんの一言に押されて俺はミラナの馬車は乗り込む。
「アールさんありがとう!」
カミネも同様にそう言って、馬車に乗り込んだ。
「リーン、スカーレット、じゃあ後でね」
「ああ、父さんと母さんも気をつけて」
ミラナの言葉にリーンはそう返す。
準備は整った会いにいく時がついにきたのだ。
「カミネ準備はいいか?」
「……うん」
カミネは笑う。それが何よりの覚悟の証拠だと受け取り、俺は前方を向いた。
「ミラナ、頼む。行こう」
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