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教育完了
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そして時は流れ1ヶ月後。
「すべての課題滞りなく完了いたしました」
見違えるように変化したレイモンドが提出した課題は完璧であった。
この1ヶ月の間に与えた数々の課題をクリアした彼の姿にはかつての愚か者の姿はない。
だが、シンシアの表情は厳しい。
「よくできました…と言いたいところですが、本来1ヶ月前には今の状態でなければいけませんでした」
「はい」
「今回は運が良かっただけで一歩間違えれば絶対に許されない事態になっていました」
「はい」
「今回は再教育できたとして猶予は与えます。1年後に再テストにて次期侯爵にふさわしいかどうか判断します」
「わかりました」
シンシアの言葉に静かに答えるレイモンド。
しかし、一度道を踏み外しかけた事実がある以上シンシアは彼に対してこれから先ずっと厳しい目を向けなければならない。
反省しやり直すことはできてもやってしまった事実は無かったことにはできないからだ。
「…レンシア嬢からあなた宛ての手紙よ。本当はもっと早く来ていたのだけど来たときはまだ教育が足りないと思ったから」
レイモンドはかつて愛することはないと言おうとした少女の手紙を受け取った。
中身には美しい字でこう書かれていた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ごきげんようレイモンド・ヴィオーラ様。
突然の婚約解消にとても驚かれたかと思います。
元々お顔すら合わせられなかったのでご縁が無かったのかもしれません。
ですが、ヴィオーラ侯爵家と我がサンフラワー伯爵家は祖父の代よりつながりがあると言います。
婚約者としてはご縁が無くても良き隣人、友人としてサンフラワー家と仲良くしていただければとうれしいです。
最近は復興も進んだので、良ければ一度遊びに来てください。
レンシア・サンフラワー
ーーーーーーーーーーーーーーー
それは優しい親しみのある手紙だった。
レンシアは次期侯爵として常に気を使わなくてはならないレイモンドのために手紙だけでも気が抜けるようにとあえて気安い書き方をしていた。
会えないなりの気づかいであったのだが、彼女を勘違いで嫌っていた彼は今はじめて手紙を読むことでそのことを知った。
従者に代筆をさせて当たり障りない内容の物を毎回送っていたからだ。
だが、それもこの手紙が最後だろう。
婚約解消の手続きが完全に完了するまでには時間がかかる。
彼女が手紙を出した時にはまだ婚約者であったが、問題が無ければもう解消されているだろう。
今はもう赤の他人のレイモンドにこのような気やすい手紙を贈ることはできない。
これは別れの手紙。
短い分に込められた優しい別離。
勘違いで勝手に嫌っていたレイモンドとはことなり彼女は知らない相手を一方的に嫌うような真似はしなかった。
「逃した魚はとてつもなく大きかったわよ?」
「…はい」
シンシアのどの教育よりもレイモンドは辛さを感じた。
「すべての課題滞りなく完了いたしました」
見違えるように変化したレイモンドが提出した課題は完璧であった。
この1ヶ月の間に与えた数々の課題をクリアした彼の姿にはかつての愚か者の姿はない。
だが、シンシアの表情は厳しい。
「よくできました…と言いたいところですが、本来1ヶ月前には今の状態でなければいけませんでした」
「はい」
「今回は運が良かっただけで一歩間違えれば絶対に許されない事態になっていました」
「はい」
「今回は再教育できたとして猶予は与えます。1年後に再テストにて次期侯爵にふさわしいかどうか判断します」
「わかりました」
シンシアの言葉に静かに答えるレイモンド。
しかし、一度道を踏み外しかけた事実がある以上シンシアは彼に対してこれから先ずっと厳しい目を向けなければならない。
反省しやり直すことはできてもやってしまった事実は無かったことにはできないからだ。
「…レンシア嬢からあなた宛ての手紙よ。本当はもっと早く来ていたのだけど来たときはまだ教育が足りないと思ったから」
レイモンドはかつて愛することはないと言おうとした少女の手紙を受け取った。
中身には美しい字でこう書かれていた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ごきげんようレイモンド・ヴィオーラ様。
突然の婚約解消にとても驚かれたかと思います。
元々お顔すら合わせられなかったのでご縁が無かったのかもしれません。
ですが、ヴィオーラ侯爵家と我がサンフラワー伯爵家は祖父の代よりつながりがあると言います。
婚約者としてはご縁が無くても良き隣人、友人としてサンフラワー家と仲良くしていただければとうれしいです。
最近は復興も進んだので、良ければ一度遊びに来てください。
レンシア・サンフラワー
ーーーーーーーーーーーーーーー
それは優しい親しみのある手紙だった。
レンシアは次期侯爵として常に気を使わなくてはならないレイモンドのために手紙だけでも気が抜けるようにとあえて気安い書き方をしていた。
会えないなりの気づかいであったのだが、彼女を勘違いで嫌っていた彼は今はじめて手紙を読むことでそのことを知った。
従者に代筆をさせて当たり障りない内容の物を毎回送っていたからだ。
だが、それもこの手紙が最後だろう。
婚約解消の手続きが完全に完了するまでには時間がかかる。
彼女が手紙を出した時にはまだ婚約者であったが、問題が無ければもう解消されているだろう。
今はもう赤の他人のレイモンドにこのような気やすい手紙を贈ることはできない。
これは別れの手紙。
短い分に込められた優しい別離。
勘違いで勝手に嫌っていたレイモンドとはことなり彼女は知らない相手を一方的に嫌うような真似はしなかった。
「逃した魚はとてつもなく大きかったわよ?」
「…はい」
シンシアのどの教育よりもレイモンドは辛さを感じた。
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