16 / 21
16
しおりを挟むその日リサは体調不良で学院を休んでいた。お妃教育の一環の、予知能力を高めるという訓練をし始めてからとみに調子が悪い。
熱があるというより、疲れが溜まって怠い、といった感覚だったが寝ても治らない。というか眠れない。
仕方がなく部屋でおとなしくしていたら、窓にコツンと何かが当たる音がした。
レフィが来る時はいつもヨンゴからアナウンスがあるはずなのに、と思いながらも、そっと窓を開くと
やはりレフィがそこにいた。
「やぁ、マイプティ」
こちらが返事をする間も無くレフィは部屋に入ってきて、リサは違和感を覚えた。今まで許可を得る前に入ってくることなんて無かったし、部屋に来る時は最低限パーソナルスペースに入っては来なかった。あと一歩で触れてしまうくらいの距離で見たレフィには何らかの緊張感が見て取れる。
「レフィ?」
「ごめんね。今日は少し急ぎなんだ」
「急ぎって……え?」
どこから出したから分からない帯のようなものでリサはぐるぐる巻きにされて、あっという間にベッドに繋がれてしまった。
「なに?どういう事?」
「大丈夫。君は守るよ。絶対だ」
レフィはそう言いながら、勝手にドレスルームに入った。と思ったら、そこから何と『私』が出てきた。
「え?レフィ?」
「そう。うん。声帯もかなり上手くいってるかな?それじゃあ、迎えに来るまでそこにいて」
「何しに行くの?!」
「ネズミ退治」
軽やかにウインクして、『私』は出て行った。
ネズミ?嫌な予感しかしない。帯から脱出を試みながら、ヨンゴを呼んだけれど返事は無かった。
「くっ」
痛くはないけれど、伸縮性のある素材はぴったりとリサの体に張り付くようになり動きが止められる。後ろにある結び目は目視できないから、魔法で燃やしたり……はやめておいた方が良さそうだ。少しの隙間が出来れば緩むかもしれない、と次は容貌変化を試してみる。カサブランカは腰辺りは楽になるが胸周りがキツくてダメ。掃除婦の少女は細身だけれど、身長が伸びてしまってダメだった。リサの魔力での容貌変化では体積は変えられない。ダメ元で掃除婦のおばちゃんバージョンを試すと胴体は吐きそうになるほどに締まったが、身長が縮んだお陰で足の先の方が解けた。バタバタ足を動かせて、掃除婦少女に変えて、とやっているとようやく全体が緩んでくる。魔力の消費を抑えるためにリサに戻り、芋虫のようにくねらせているとベッドから落ちた。
ぶちん。
ベッドと繋がれた部分は意外と簡単に切れてしまい、リサは簀巻きから脱出し切った。
長時間拘束するつもりは無かった?それとも、ベッドから落ちて吊られてしまわないように?
自分が時々周りが見えなくなるとブロからも指摘されているので、水を一杯飲んでとりあえず頭を冷やす。
レフィはネズミ退治と言っていた。自分は今体調が悪い。飛び出して行くのは下策。
未完成の予知能力を発動させて見てこの先を占った。行くのも悪い。行かないのも悪い。だけど、行かない方がより悪い。
リサは慎重に廊下に出ることにした。
中から音がしない事を確認して、隣のカルスの部屋にそっと入る。本棚の裏から秘密の部屋――モニタールームに入った。もちろん、カルスの部屋やモニタールームへの扉も元どおりに戻す事も忘れずに。
「でっかいネズミね」
ドール達は縛られて、一部屋に。裏方メンバーもそれぞれに縛られて各部屋に囚われていた。そして、その中のリーダーのような男に『私』が捕らわれている。カルスは医者にいっているし、モニターを見る限り本日出勤しているハウスのメンバー全員は確認できた。
リーダーは大きな鷲鼻に垂れた目、口元が隠されてはいるが特徴は顕著だ。賊は全部で十人ほどはいる。
『カサブランカはどこだ?!』
『舞の出稽古に出ております』
『そうか、では来るまでお前に相手してもらおうか?』
『貴方みたいな人と二人きりなんて嫌よ』
『じゃあ、皆の前で可愛がってやる!』
おいおいおいおい、何するの?
拾える音声とモニターの映像は全てでは無いが、画面の中のリサは上手く人質を一箇所にさせ、見張りのほぼ全てを自分達のいる部屋に集めていた。人質の見張りは一人きりだ。「自分も参加してぇなぁ」とぼやいている。
カッと光がレフィのいる部屋で観測されて、撮影装置は壊れた。集めた賊にレフィが何かした?
一方で人質部屋の見張りは何も気がついてない?リサは、カサブランカになり人質部屋に向かった。
――――――――――――――――――――――――――
『クリス個人の恨みを晴らす作戦』に本当にちゃんと効果はあるのだろうか?疑問に思ったが、現在クリスに楯突ける者はいない。仕方なく参加させられたが、ターゲットは不在だわ、とりあえずのカルスの娘とのお遊びにも参加から外されるわで、見張り役の男は心底面白く無かった。
「失礼いたします」
そこにカサブランカが現れた。一瞬だけ驚いた顔をしたが、「今日はこういう趣向なのですね」とだけ言うと、にこやかに自分の側まで来た。どうやら、もてなし中と解釈したらしい。少々頭は軽いらしい。
自分が人生に稼いだ全ての金をつぎ込んでも、カサブランカと一時遊ぶことすら出来ない。そんなバカなと思っていたが、これは確かに、得難い。
「一曲いかがですか?」
「いや、お、おどれねぇし」
「大丈夫よ」
いたずらっぽく手を引かれて、体を密着させられる。「右、後ろ……そう」と鈴がなるような声に導かれて足を動かすと、嬉しそうに見つめられて……この男は落ちた。
この目はダメだ。父性をきゅっと刺激されるような愛しさが溢れる。
ガチャっと扉が開く音がして、男は今の現状を思い出した。そして、無意識にカサブランカを背中に隠す。扉から現れたのは、お楽しみタイムだったはずのこのハウスの娘だった。しかし、驚くという感情が動く前に彼は意識を失った。
「流石だね」
「護身術はそれなりに、ね」
懐剣に魔力に電気を溜めて、首筋に柄を当てて放電する。比較的メジャーな反撃法だが、普通は警戒されて成功率は高くない。レフィは男を拘束し、リサは皆を解放する。
「それより、このネズミさん達の残りは?」
「縛り上げたよ」
「あの、お嬢様はどちらですか?」
「カサブランカのほうですね。本物のリサお嬢様とこちらのお嬢様はちょっと違います」
カサブランカとリサが同一人物である事をハウスの皆は知っていた。だが、料理長には偽者と本物に違いは分からなかったが、ドール達には分かった。身のこなしは限りなく似せていても、所作の美しさはやはりリサには敵わない。ドール達は舞や所作を習得するために動きの観察力の精度がかなり高かった。当てられては仕方なく、『私』は一度外に出て、すぐにレフィの姿で戻ってくる。
「皆さん、ご内密に」
レフィはそう言って舌を出しながら、ふざけたようにお願いした。カルスのハウスは初めから秘密を抱えているし、皆も口外する事はない。顔なじみのレフィがリサと同等の容貌変化が使えた事に多少の驚きを覚えた程度だった。
「憲兵を呼べば良いのかしら。それとも、騒がない方がいい?」
助けに来てくれたレフィには事情がありそうだったので、リサは主犯のいる部屋に移動中に確認しておいた。
「一応、引き渡す前に確認したい事があるんだよね。それすんでからでいいかい?」
「分かったわ。任せる」
主犯、鷲鼻の男を前にレフィは気絶した見張りの男を転がして問うた。
「クリス・ブラッケ。君が今回こんな事をした罪に自覚はあるかな?」
「レフィ?どういう事?この人、すごく似せてるけどクリスじゃ無いわ」
「クリスじゃ無い?」
クリスに変装した男はニヤリと笑って二人を睨みつけていた。
――同日同時刻――
王都のあちこちから火の手が上がった。
数日前から油が買い占められていて、値が上がりつつあると人々が噂し始めていた直後の事だ。その油によって出来上がった火の壁は、民の避難を遅らせ、人々は地に伏した。兵士達も駆り出されて街の外に誘導したが、中心部から逃げ遅れた者達は学院や王宮の中へ匿う。その広い敷地と燃えない素材の塀のお陰で、蒸し風呂になる程では無い。
この国は長らく平和であったし、兵士の数も多くはない。そして、攻められるという経験も無ければ、予想もしていなかった。
王宮のバルコニーから指揮を執る王に向かって矢が飛ぶとは誰も考えてはいなかった。
とすっ。と軽い音がして、矢は王を貫いた。続けて数本が降る。最後の一本は鋭く、王の首は弧を描いて飛んだ。
「陛下!」
常に傍にいた王妃が絶叫して、王を助けようとしたが、それをフォンスは引き剥がして屋内へ避難させた。父親を助けるより、特別な能力を持つ母親と、血統を守るべきと彼の血の契約が判断したからだ。
血飛沫が上がるバルコニーを乗り越えて、賊は――クリス・ブラッケは二人を追った。
王と王妃、カレル、フォンスの四名を一度に相手するには流石に魔力的に難しいため、分散させて打つ予定だった。カレルが学院側で指揮をとっている事を確認し、不意打ちで王、王妃、それから一対一でフォンス、それから駆けつけたカレルを打つ。兵はほとんど出払い、いても実戦経験に乏しく訓練し続けた自分にとっては数にも入らない。唯一気がかりだったのは強い魔力を持つという噂のカレルだったが、防御と回復が得意な相手なのでやられる事は無い。王弟たちも仲間が同時に襲撃しているはずだ。
王族が滅び、街が焼ければ民は商人にすがるしかない。事実として罪人であっても裁く者がいなければ、強者が勝つのだ。
バルコニーから王宮内に飛び込み、二人を追う。錯乱する王妃を連れた坊ちゃんの足は速くないだろう。高揚する彼は突然身体の自由を失った事に一瞬気がつかなかった。
クリスには誤算があった。彼が学院を追い出された後、リサの助言で学院内の生徒は防災時の知識を学んでいた。
学院側の混乱はすぐに収束し、怪しい者が王宮側にいるとヨンゴの知らせを受けたカレルはすでに王宮内に戻っていた。目の前で父親が殺されたが、彼は血の契約のため冷静だ。王族を殺るために民を危機に晒す者を野放しにはできない。回復系と防御系を持つ者にも特殊スキルはあった。それを使ってカレルはクリスを捕縛した。
同時にヒューホ達もまた、クリスの仲間達を捕縛していた。
クリスは王弟からの援護さえ止められれば良いと考えていたため、それをヒューホやレフィの餌にしていた。その狙いは成功したが、結果として誰も勝利しなかった。
革命は失敗に終わった。
街は荒れ、死者を多数出し、そして王は亡くなった。首謀者クリス・ブラッケは裁かれ死刑となり、その仲間達にも重い刑が科せられた。
ヒューホ達、それに組みしなかった商人にさえ革命の傾向を知っていた事を申告しなかった罪が問われた。それらは事件の重大さから、速やかに公の場所で裁かれた。
知らせはリサがネズミ達に荒らされた部屋を掃除している時に、いち早くヨンゴより知らされた。
王宮の庭や学院は国民に解放されて避難所となっていたので、リサはカルスと相談してハウスも使ってもらうよう町の長に持ちかけていた。町全体使って貰えば、後々を考えても悪くないとカルスと長を口説きに行っている最中だった。
「何を言っているのか分からないわ」
「分からなくても最終決定だって」
信じて貰えないだろうと、公示の紙を一枚失敬してリサに突きつけながらヨンゴは復唱する。
『レフィ・フランセンを革命教唆及び幇助の罪で死刑に処する』
公印に間違いは無く、リサは持っていた箒を落とした。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる