S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず

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1章

絶体絶命

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(スキルが……使えない!!)

儀式に必要なレムルテ草の採取を目標に洞窟の最深部にやってきたアレスとスフィア。
そこにはラージャの里を襲った魔動兵器とそれらに指示を出す男が居たのだが、敵を目の前にした2人はなんとスキルが使えないという緊急事態に直面していたのだ。

「あはははははは!!そうだ!!その顔だ!!スキル頼りの奴らがスキルを封じられた時にその顔は何度見ても最高だあ!!」
「これはちょっと、いやかなりマズいわね」

アレスとスフィアのスキルを封じた男は2人が戸惑うさまを見て腹を抱えて笑い出した。
あまりの事態の悪さにさすがのスフィアも焦りを隠し切れなかった。

「アレス君!いったん逃げるわよ!」
「おっと!もちろん逃がすわけがないだろう?」
「ターゲット2名 包囲完了」
「っ!挟まれた!」

こちらはスキルを使用できないが、相手はスキルなど関係がない魔動兵器が多数。
あまりの状況の悪さに撤退を選択したスフィアだったのだがそれを読み切っていた敵は潜ませていた魔動兵器を呼び寄せアレスたちの退路を塞いだのだ。
完全に包囲され逃げ場を失ったアレスたち。
そんな2人に敵の男は笑いをこらえきれないといった顔で話しかけてきた。

「どうした?さっきはあんなに自信満々だったのにスキルがないだけでこのざまか?」
「……」
「くっくっくっ!どうする?無様に命乞いでもしてみるか?もしかしたら助かるかもしれないぜ?」
「はっ!残念だったな。スキルを封じればどんな相手にも勝てると思ってるようだが、俺にその手は通用しないぜ」
「なんだと?」
「なんたって俺はもともとスキルがないんだからな」

魔動兵器に囲まれ冷や汗を流すスフィア。
しかしそんな状況でアレスは右手に剣を握った状態でゆっくりと男に向かって歩き始めたのだ。

「馬鹿め!そんなはったりが通用するか!やれ!そいつを排除しろ!」
「承知シマシタ 対象ヲ排除シマス」

抵抗する意思をみせるアレスに男は魔動兵器にアレスの排除を指示する。
アレスに1番近い場所に居た魔動兵器がその指示を聞き巨大な刀を振り上げた。

(まさかまたスキルを使えない状況になるなんてな。嘘が現実になるってやつかな……)

魔動兵器の攻撃が目前に迫るなか、アレスは回避をする様子も見せずに物思いにふけっていた。
アレスが考えていたのは自身がついた嘘に関すること。
スキルを持っていないと偽っていた自分が本当にスキルが使えない状態に追い込まれる。

(それなら責任をもって戦うしかないよなぁ!!)
「故障甚大 命令ヲ遂行デキマセン」
「なにっ!?」

自分の都合で嘘をついたのだ。
それならせめてその嘘に責任を持つことが出来なければ自分は救いようのない屑に落ちるだけだと、アレスはこの状況でも戦い抜くことを決意したのだ。
迫りくる刃にアレスは最小限の動きでそれを躱すと魔動兵器の関節の隙間に剣を捻じ込み活動を完全に停止させる。

「くそっ!だが貴様は戦えてもあの女はどうかな!?お前らあいつをやっちまえ!」
「承知シマシタ」
「……な大地を流れる天よりの雫よ。わが手の導きに従い悪しき敵を打ち滅ぼしたまえ!ペネトレイン!!」
「っ!?」

スキルがなければ戦えないと高をくくっていた男はアレスが魔動兵器を鎮めたことに焦りの表情を見せすぐさまスフィアを始末するように命令を下す。
しかしアレスが戦い始めてからスフィアも黙ってそれを見ていた訳ではない。
アレスが注意を引いている隙に魔法の詠唱を済ませると、男の命令を受け迫ってきた3体の魔動兵器を鋭い水の弾丸をばらまき穴だらけにしてしまったのだ。

「スキルが使えないだけでやられてたらミルエスタ騎士団団長の名が泣くわ」
「とは言ったものの、流石にスキルがないと上位魔法は使えないし隙だらけになっちゃうわ」コソコソ……
「わかりました。俺がその隙をカバーしますのでスフィア様は援護をお願いします」コソコソ……
(こいつら数は確かに多いが全部が戦闘用の機体ってわけじゃなさそうだ。半分は昨日戦ったのと同じ……これならなんとかなるか?)

向かってきた3体の魔動兵器を魔法で何とか返り討ちにしたスフィア。
敵に弱みを見せないようスキルがなくても平気だと啖呵を切ってみせたが、アレスの傍によるとスキルが使えない現状では満足に戦えないことを小声で明かしたのだ。
それを聞いたアレスがその隙をカバーするとスフィアに返す。
確かに魔動兵器の数は50を超えており一見無謀だったのだが、レムルテ草の回収を行っていた機体は戦闘用ではなくそのことを見抜いていたアレスは何とかこの戦いに希望を見いだしていた。

「もういい!!それなら圧倒的な物量差で押しつぶすまでだ!全員この2人を始末しろ!」
「承知シマシタ」

戦意を失わない人を見た男が待機していた全ての魔動兵器にアレスたちを始末するよう指示を与える。
それを聞いた途端アレスたちを取り囲んでいた魔動兵器たちが2人を始末すべく動き始めたのだった。



「馬鹿な……奴らはスキルが使えないんだぞ!?」
「はぁ……はぁ……」

スキルが使えないという逆境の中、それでもアレスとスフィアは魔動兵器たちに立ち向かい続けた。
過去に本当にスキルを失い生身で剣を振るった経験のあるアレスはこの状況でも敵に後れを取ることなくその数を着実に減らし、残る魔動兵器が4体になるまで敵を追い詰めたのだ。
しかしスキルが使えないというハンデはあまりにも大きかった。

(まずい、もうすぐ魔力が尽きる……彼ももう限界が近そうだし、このままじゃ……)
「対象ノ魔力量低下 攻撃二移リマス」
「っ!しまっ……」
「スフィア様!!」

ダメージが蓄積しアレスはだんだんと敵の注意を引くことが出来なくなっていたのだ。
スフィアの魔力量が底をつきかけていたことを見抜いた魔動兵器はアレスを無視しスフィアに攻撃を仕掛ける。
スキルが使えないせいで魔法の発動には詠唱を必要としていたスフィアはすぐさまその攻撃に対応できず魔動兵器の刃圏に捉えられてしまったのだ。
そんなスフィアに魔動兵器の凶刃が襲い掛かる。

「あぁああああ!!」
「アレス君っ!!」
「排除」
「ぐぁあああああ!!」

スフィアを助けようとしたアレスだったのだが、反応が遅れたため魔動兵器の攻撃を止めることが出来なかった。
それでもアレスは必死にスフィアに向かって手を伸ばす。
そうしてギリギリのところでスフィアの体を押し魔動兵器の攻撃からスフィアを逃すことができたのだが、その凶刃はスフィアのかわりに助けに入ったアレスの胸を深々と抉ってしまったのだ。

「アレス君!!」
「かっ……はっ……」

寸でのところで体をひねったアレスだが、右肩から左脇腹のあたりにかけて深い傷を負ってしまったのだ。
その一撃はあまりにも重く、魔動兵器に斬られたアレスの体は意図が切れたように後方へと倒れていったのだ。
全身の力が抜けていく感覚を感じながら、アレスはその視界に自身を斬りつけた魔動兵器を捉えていた。

(ああ……剣聖のスキルが使えればこんな奴らに負けることなんてありえなかったよな……)

その時アレスの脳裏によぎったのはスキルが使える状態ならこんな相手には後れを取らなかったであろうという考え。

「アレス君!!!」
「よし!ようやく1人くたばったか!」
「がぁあああああ!!」
「なにっ!?」
「は、ははっ……ごふっ。じゃあ絶対に負けるわけにはいかねぇじゃねえか!」

だが後方に倒れそうになったアレスだが、なんとその直前で血を吐きながらも自らの脚で踏みとどまったのだ。
アレスの体を支えたのはただの意地だった。
スキルがあれば勝てたなどということが頭を過ってしまった以上、このまま負ければ自分はスキル頼りの人間だったということが証明されてしまう。
それは自分が2番目に嫌いな人間と同類になるということ。

「スキルがあるとか無いとか関係ないね!俺がお前らごときに負けるかぁあ!!」
「なぜだ!なぜあの傷であんなに動ける!?お前ら!早くあいつにとどめを……」
「おせぇえええ!!」

踏みとどまったアレスは血を吐きながら反撃を繰り出し魔動兵器を切り裂いたのだ。
鬼気迫るアレスの形相に怯んだ男がアレスを止める様に残りの魔動兵器に指示を出す。
しかしそれよりも早くアレスは関節に刀を捻じ込む形で残りの魔動兵器も行動不能に陥らせたのだ。

「はぁ……はぁ……ごふっ、あとは……てめえだけだな」
「馬鹿な……馬鹿な馬鹿な馬鹿な!!こんなことが……こんなことがあっていいはずがないだろう!!」
「アレス君もう動いちゃダメよ!」

魔動兵器を片付けたアレスは現実を受け入れられない様子の男に歩み寄ると刀を向けた。
男はアレスに立ち向かうでもなくただ悔しそうに拳をわなわなと震わせていた。

「見ての通りあなたの負けよ。さあ、私たちのスキルが使えないのはあなたのスキルの影響でしょう?大人しく私たちのスキルを元に戻しなさい」
「は……あははは!!俺の負けだと!?ふざけるなよ!そんなこと認められるわけないだろう!」
「認められなくても事実は変わらないわ」
「いいや、俺は負けない。あくまで引き分けになっただけだ」
「引き分け?一体何を言って……」
「スフィアさ……がふっ!!こいつら自爆します!!」
「なんですって!?」
「もう手遅れだ!!やれ貴様らぁ!!」
「承知シマシタ」
「っ!!」

戦う力のない男にスフィアは大人しく降伏を進める。
だがその時男は狂ったように笑い出したのだ。
そんな男の言葉にアレスはメーヴァレア遺跡で大爆発を起こしたあの魔動兵器のことを思い出す。
血を吐きながらもスフィアにこの魔動兵器に自爆機能があることを伝える。
しかしそれも一歩遅く、男は倒れていた魔動兵器に自爆の指示を与えたのだ。
直後、膨大な魔力の高まりとともにまばゆい光を放つ魔動兵器たち。

(くっ!仕方がないわね!!)
「あんたが選んだ道よ!後悔しないでね!」
「かはっ……」

それを見たスフィアは一瞬で決断をした。
服の中に仕込んでいた短刀を抜いたスフィアは躊躇いなくその短刀で男の命脈を断つ。
急所を貫かれた男は一瞬で絶命。
その直後スフィアは振り返ると、眩い光につtマれた洞窟内に大量の水魔法を放ったのだ。

「……っ!……ん、あれ?一体どうなったんだ……?」
「はぁ……はぁ……何とか間に合ったわね」

基本的にスキルは持ち主が死ねばその影響は消えてしまう。
男の命を奪い自身のスキルを使用できる状態にしたスフィアは自爆寸前の魔動兵器すべてを水魔法で包み爆発から自身とアレスを守ったのだ。

「ありがとうございます。助かりまし……ごほごほっ」
「喋っちゃダメでしょう!?今回復するから待ちなさい!」
「え……スフィア様、昨日回復は出来ないって……」
「こっちにもいろいろと事情があるのよ。傷が治るまで黙ってなさい」

ギリギリながらもすべての敵を退けたアレスたち。
先程受けた傷でとうに限界を迎えていたアレスは爆発から助かった安堵感で全身の力が抜け膝から地面に崩れ落ちてしまった。
そんなアレスにスフィアは急いで回復魔法を施し命を繋ぐ。

「ふぅ……終わったわ。これでもう大丈夫」
「ありがとうございます……ってスフィア様!」
「私ももう限界!魔力がもうほとんど残ってないわ。帰るのはしばらく待ってからにして」
「わ、わかりました。それじゃあ俺はその間にレムルテ草を回収しておきますね」
「元気ねアレス君。あの傷を治した直後で体力大丈夫なの?」
「まあこのくらいなら平気です。スフィア様はここで休んでいてください。命を救ってもらった分テキパキ働きますから」
「……命を助けてもらったのはこっちもなんだけどね」

スフィアに傷を治してもらったアレスは回復直後の疲労など感じさせないような軽やかな動きで当初の目的であるレムルテ草の回収を積極的に行っていったのだ。
魔力を使い果たし疲労で動けないスフィアはそんなアレスの様子をボーっと眺めていた。
……先程の戦いで感じたアレスの不可解な点について思考しながら。
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