S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず

文字の大きさ
56 / 132
1章

混浴

しおりを挟む
少しときは遡り、ソシアとスフィアが露天風呂に向かっていったすぐ後のこと。

「お待たせしましたオルティナ様。それで話って何ですか?」

血まみれになった服を着替えて家の外に出てきたアレスは、魔動兵器が破壊した壁の大穴の前に座っていたオルティナのもとにやってきたのだ。

「うむ!今日お互いに何が起きたのかを共有しておきたいと思ってな!」
「なるほど。それは必要ですね」
「そっちは聞くまでもないかもしれないが敵に襲われたのだろう?」
「はい。ラージャの里とこの家を襲ったカラクリ人形が洞窟に大量に待ち構えていたんです」

オルティナの話というのは今日起きた出来事をお互いに話情報を整理しようというもの。
それを聞いたアレスは先に自身とスフィアの身に起きたことを事細かにオルティナに伝えたのだった。

「そうか!そっちも魔動兵器に指示を出していた人物を生け捕りにはできなかった訳か!」
「スフィアさんが一瞬であの判断を下してくれていなかったら俺たち2人とも死んでいましたからね。オルティナ様の方も捕えられなかったんですね?」
「ああ!まさか敵にそこまでの覚悟があるとは思わず油断してしまっていた」

スフィアは魔動兵器の自爆を阻止するためにやむなく男の息の根を止めてしまい男を捕虜にすることが出来なかったのだが、オルティナも同様に魔動兵器に指示を出していた男を生け捕りにすることが出来ていなかったのだ。
オルティナに魔法を打ち返され敗北を悟った男は、情報を抜き出されることを恐れ自死を選択していた。
回復魔法を使えないオルティナはソシアを家の中に残してきた時点で男の命を繋ぐ手段がなかった。
そうして異なる場所で敵の襲撃を受けたアレスたちだったが、敵側の人間を捕らえることが出来なかったのだ。

「奴らは十中八九タムザリア王国の人間だろう。だが確証がなかったため捕虜にして情報を引き出したかったのだが……」
「ん?あの魔動兵器ってやつはタムザリア王国との戦争で敵が使って来てるんじゃないんですか?」
「いや。俺も直接戦場に出ている訳じゃないから詳しいことは知らないんだが、あんな兵器を敵が使ってきているという情報は一切ない。最新鋭の兵器と言っていたから恐らく今回が初の実戦投入なんじゃないか?」
「そうですか……」
「それともう1つ聞きたいことがあるんだが、ドズカベル山脈に来ていた敵はそんなに手強かったのか?君は相当な深手を負ったようだし、スフィアも随分疲れた様子だった」
「ああ、それはですね。魔動兵器に指示を出していた男が多分スキルを封じるスキルを持っていたんです」
「なにっ!?」

タムザリア王国の侵略行為の証拠を押さえられなかったことを残念がるオルティナ。
だがオルティナは次にアレスに質問した問いに帰ってきたスキルを封じるスキルという答えにとても驚いた反応をしたのだ。

「なるほど!それは厄介だな。だからスフィアが苦戦したわけだ」
「そういえば俺スフィアさんのスキルが何か聞いてないんですけど、一体どんなスキルなんですか?」
「おや、てっきり聞いていたものだと思ったが。まあ君になら話しても構わないだろう。スフィアが持っているスキルは【魔力消費極小化】だ!」
「魔力消費極小化?」
「ああ。魔法を使用する際に消費する魔力をほぼ0に抑えるA級スキルだ」

オルティナが明かしたスフィアのスキル、それは魔法使いなら誰もが羨むようなとんでもないスキルだった。
魔法を使う者にとって永遠に付き纏う魔力量問題。
スフィアのスキルはそんな魔法使いが一生抱えていくような難題から解放される最強クラスのスキルなのだ。

「なんですかそれ滅茶苦茶強いじゃないですか。あっ、そうか!スフィア様が魔法の詠唱を行わないのは……」
「そうだ!魔法の詠唱をしなければ魔力消費量はとんでもない量になる。だがそれもスフィアのスキルがあれば関係のない話!魔法の発動難易度は上がるが詠唱がない分魔法の速射が可能で魔力消費もほぼ0、それがスフィアがエメルキア王国で最強の魔法使いと言われる所以だ!」
「そうだったんですね。それが急にスキルが使えなくなれば普段と感じが違いすぎて大変でしょうね」
「確かにそうかもしれないな。だがスフィアにとってはそれ以上に深刻な問題なんだ」
「それは一体どういう意味なんですか?」
「スフィアは今でこそスキルのおかげで魔力切れの心配とは無縁になったが、小さい頃はあまりに低すぎる魔力量でいろいろと苦労していたからな」
「っ!」

それまでスフィアの強さを誇らしげに語っていたオルティナだったが、スフィアの過去のことを話し始めると少し落ち着いたような口調へと変わったのだ。

「スフィアの家であるラスケラ家は代々優秀な魔法使いを輩出していた名家だったんだが、スフィアはラスケラ家どころか同年代の子供と比べても圧倒的に魔力量が少なかったんだ。さっきも言った通り魔法使いにとって魔力が少ないことは死活問題。優秀な兄弟たちと比べられ、両親からも全く期待されず辛い幼少期を過ごした。普通は5歳ほどで行えるスキルの鑑定も魔力量が少ないせいかスフィアは9歳になるまでできなかったんだ」

現在でもスキルと魔力の詳しい関係は解明されていない。
だがスキルの発現に魔力量が関係していることは明らかであり、魔力が多いものは5歳よりも前にスキルの鑑定を行えるケースがあり、逆に魔力が少ないものはスキルの発現が遅れると言われている。
一昔前までは子供が強いスキルを授かれるかどうかは親が強いスキルを持っているかどうかのみに左右されると考えられてきたが、今では魔力量も重要な判断材料となっていた。

「だからあいつは人一倍苦労したんだ。魔力量が増やせると言われたことは何でも試したし、魔力量の少なさを補うために技術を磨いたりもした。まあそのおかげで無詠唱で魔法をスムーズに使えるという今のあいつの器用さが培われたわけだが」
「そうだったんですか」
「ああ。今でも実力が重要視されるミルエスタ魔法騎士団の団長という立場につけたものの、魔法使いは魔力量が1番重要という考えが根強く残るせいでスフィアは魔法使いの間ではあまり良く思われていないらしいんだ」
「……」
「だがあいつは大丈夫だ!俺はあいつが小さい頃から誰にも見られないところで涙を流しながら諦めずに努力してきたことを知っている!だからスフィアはどんな偏見にも負けずに立派にミルエスタ騎士団の団長の役目を果たすだろう!」
「……オルティナ様」
「ん?なんだ!?」
「オルティナ様って、実はスフィア様のことが好きなんじゃないですか?」
「……むむっ!!??」

スフィアの大変だった幼い頃の話に自分のことのように落ち込み、それでもスフィアのことを信じていると嬉しそうに語るオルティナ。
そんなオルティナの様子を見てアレスはオルティナがスフィアに好意を寄せているんじゃないかと問いかけたのだ。

「なっ、何を言うんだアレス君!!なぜそんなことを思うんだ!?」
「いや、その反応がもう図星でしょう?」
「それは……」
「そうじゃなくても今のオルティナ様がスフィア様の話を射ていた時の表情で分かりますし、そもそもスフィア様と話すときのオルティナ様が若干嬉しそうなのも俺は見抜いてますよ?」
「ぬぅ……うう……」
「そ、そうだ……潔く認めよう。俺は君のいう通りスフィアに気がある……」

アレスにそう詰め寄られ言葉を詰まらせるオルティナ。
だが言い逃れ出来ないと悟ったオルティナは恥ずかしい気持ちを押し殺すように自身のスフィアに対する気持ちを明かしたのだった。

「俺はスフィアとは幼いころからの知り合いだったからな……ラスケラ家から爪弾きにされてよく1人で遊んでいたスフィアと一緒にいるうちにあいつに惹かれるようになっていったんだ……」
「いいじゃないですか。オルティナ様ならもっと直接アピールしに行くタイプだと思ってましたけど告白とかはしないんですか?」
「あいつのラスケラ家と俺のディラン家はそれぞれ懇意にしてもらっている貴族家が対立してしまっているからな。それに騎士団に所属してからは2つの騎士団の仲が悪いせいで個人で好き嫌い言える関係はなくなってしまったからな」
「なんだかオルティナ様らしくないですね。本当は家同士の関係を言い訳にしてるんじゃないですか?」
「……ふっ、厳しいことを言うな君は。だが俺の考えを正確に見透かされているようだ」
「当然ですよ。俺は観察眼には自信があるんです。言動からその人が何を考えてるかなんてすぐわか……あだっ!?いきなり何するんですかっ!?」
「いや、ボケているのならツッコミをするのが礼儀だと思ってな」

観察眼には自信があると堂々と宣言するアレス。
だがソシアの件を知っているオルティナはアレスのその発言がギャグにしか思えずアレスの頭を豪快に叩いたのだった。

「ボケてなんてないですよ……」
「まあそんな事より、確かに自分でも逃げてしまっているという自覚は正直ある。自分立場を言い訳に自分の気持ちを伝えるのは不可能だと」
「そもそも騎士団が対立してのも国民からすれば迷惑な話ですよ」
「それは本当に申し訳ないと思っている。だがそれは俺たちでもどうすることもできない問題なんだ」
「それならオルティナ様とスフィア様が結婚することで2つの騎士団の懸け橋になればいいじゃないですか?」
「なっ!?何を冗談言うんだ!?」
「冗談じゃないですよ。2つの騎士団が手を取り合って国を守ってくれる方が国民にとってもいいに決まってますし、それが出来るのはむしろオルティナ様とスフィア様しかいないと俺は思いますよ」
「しかし……」
「大丈夫ですよ!オルティナ様とスフィア様は今でもいい関係に見えますよ。きっとスフィア様もオルティナ様のことは特別な存在だと思ってるはず。観察眼に自信がある俺が言うんですから間違いないです!」
「一気に信憑性が下がったが……だが、ありがとうアレス君。少し勇気が貰えた気がするよ」
「いえ、頑張ってくださいよ」
「さて、話はこれくらいにしようか。先ほど言った通り先に俺が少し休ませてもらう。仮眠を終えたら見張りを交代するからそれからしっかり休んでくれ。君も今日は疲れただろう?」
「はい。ありがとうございます」

スフィアへの気持ちと自身の立場で悩むオルティナだったが、アレスからの励ましを受け少し前向きになることができたのだった。
話を終えたオルティナはスッと立ち上がり仮眠をとるため家の中に戻ろうとする。
そんなオルティナをアレスは見送り見張りに集中しようとしたのだが……

「うっ!?」
「!?どうしたアレス君!!」

アレスは突如発生した謎の頭痛に頭を抱えたのだ。

「大丈夫かアレス君!」
「……来てる」
「来てる?一体何が……まさか!?」
「はい。これは王都で城壁が破られる前に感じたのと同じ……ヴァルツェロイナ様の気配だ」

アレスが感じとったのはなんとヴァルツェロイナの気配。
それを聞いたオルティナの表情が緊張の色に染まる。

「すぐ来るのか!?」
「いえ、まだ気配はずいぶん遠いところに感じます。すぐには来ない……と思います」
「そうか。しかしなぜ君はヴァルツェロイナ様の接近を察知することができるのだ?」
「それは……」
「まあいい。戦いの時は確実に迫ってきているということか。アレス君、それについて1つ相談があるのだが」

ヴァルツェロイナの気配を感じ取ったアレスだが、その気配はまだ小さくとても遠くから感じるものだったのだ。
確実に近づいてきてはいるもののまだここに到達するまでは相当時間が残されている。
しかしヴァルツェロイナとの接触が間近に迫っていることを知ったオルティナはある提案をアレスにしたのだ。

「あの兄妹が言っていた儀式というのは本来ヴァルツェロイナ様が眠るとされているカンサーチャの樹の前で披露するだけのもの。本当にヴァルツェロイナ様を前に踊ったことはないはずだ」
「た、確かにそうですね……」
「彼らを疑う訳じゃないが本当にヴァルツェロイナ様を鎮められる保証はない。そうなったらヴァルツェロイナ様と本格的に戦闘して力尽くで鎮めるしかないと思うのだが、そうなったときにヴァルツェロイナ様とメインで戦う役目を君に任せたいんだ」
「っ!?」

オルティナの提案というのはヴァルツェロイナと正面から戦う役をアレスに任せたいというもの。
騎士団団長からそんな役目を任されたことにアレスは驚いた表情をしたのだった。

「どういう訳か俺とスフィアの攻撃はヴァルツェロイナ様には通用しなかった。だが君は違った。だから俺たちは援護にまわるほうがよいと思ったんだ。もちろんこれが危険な役目だということは重々承知している。もしも自信がなければこの大役を引き受けてもらわなくても構わないが……」
「何言ってるんですかオルティナ様!ここに来た時点でもうそんな覚悟はとっくにできてますよ!」
「そうか……ありがとう。だがまずは彼らの儀式を信じてみようと思う。ヴァルツェロイナ様がここに来るのはいつか予想はつくか?」
「うーん……正確なことは全然わかりませんがスピードも速くないので明日の朝までには絶対に来ないと思います」
「わかった。では計画は当初の通り、明日にヴァルツェロイナ様を迎え撃とう。それじゃあよろしく頼んだぞ」
「はい!」

ヴァルツェロイナが接近してくる気配から、アレスは決戦の時が刻一刻と迫ってきていることをひしひしと感じ取っていた。
ヴァルツェロイナの襲来は予定通り。
アレスは明日の儀式に向けて決意を新たのしたのだった。



「アレス君!見張りありがとう!あとは俺に任せてくれていいぞ!」

オルティナが仮眠のために家の中に戻って数時間後。
すっかり辺りは暗くなったころにオルティナは仮眠を終えてアレスの元に戻ってきたのだ。
スフィアとソシアもアレスが見張りをしている最中に露天風呂から戻って来て家の中に入っていた。

「思ったよりも早かったですね。これなら普通に休めそうだ」
「ああ!今からなら温泉に行ってくるのも悪くないだろう!君なら夜道も危険じゃないだろうからな」
「ありがとうございます。行けたら行きますね」

アレスはそう言って見張りをオルティナに交代してもらい家の中に入っていった。
すでに兄妹も儀式の準備をすべて終えて明日に向けてぐっすり眠ってしまっている。
そんな静まり返った家の中でアレスは軽く食事を済ませると、その後剣の手入れも終わらせてしまったのだ。

(この剣ももうボロボロだな。また学園で新しい剣を貰わないと……本当はお店でいい剣を買えればいいけどお金がないしな。そんな事よりも思ったより早く終わっちゃったな。まだ寝る気分じゃないし……)

ヴァルツェロイナの接近を感じ取っていたアレスは落ち着くことが出来ずなかなか眠る気分になれなかった。

(オルティナ様が言った通り露天風呂でも行くかな)

このまま何もせず家の中に居るのも退屈だと、アレスはオルティナに勧められたとおりに露天風呂に行くことにしたのだ。
眠っているソシアたちを起こさないようにアレスは気配を完全に殺し玄関から家を出る。
そして月明かりの淡い光の下兄妹が言っていた温泉に向かったのだ。


「おお!これは凄い!思ったよりちゃんとした露天風呂じゃん!」

10分ほど歩き、アレスは見晴らしのいい露天風呂へとたどり着いた。
そこはソシアたちが入っていた夕暮れの時間とは違い星空が美しい幻想的な景色が広がっていた。
露天風呂の景色に感動したアレスは早速温泉を堪能することにした。
服を脱ぎ、濡れないように少し離れたところに小さく畳んで湯船に向かう。

「あちっ。でもこのくらいのほうが良いかも……ああ~。極楽だぁ~」

こうして少し熱めの湯船に肩まで使ったアレスはあまりの極楽具合に心も体も蕩けそうになってしまったのだ。
露天風呂に入ったアレスは景色も堪能するために崖側に移動し湯船の中央にぽつんと置かれていた岩に背中を預ける。

(まだちょっと頭の中がわざわざして落ち着かないけど、だいぶ楽になった気がするなぁ……)

ヴァルツェロイナの気配を感じてしまいなかなか落ち着くことが出来なかったアレス。
そんなアレスだったが露天風呂の心地よさにそんな落ち着かなさから解放されリラックスることが出来たのだ。
体の疲れがお湯にしみ出していくようで何も考えられなくなっていくアレス。
しかしそれが大きなトラブルを招いてしまう原因となってしまったのだ。

ちゃぷん……
(っ!?誰かが露天風呂に入ってきた?リラックスしすぎてたせいで気配を感じ取るのが遅れた……)

アレスが温泉に浸かりリラックスしていたその時、アレスから見えない背後のほうから露天風呂に誰かが入ってきた音が聞こえてきたのだ。
あまりに油断しすぎていたことを反省したアレスだが、わざわざお風呂に入ってきたということは敵や魔物であるということはないと思い至る。
そのためじゃぶじゃぶと近づいてきた何者かにアレスは特に何か行動を起こすということはしなかったのだが……

「はっ!?ソシア!?」
「っ!!??」

その露天風呂に入ってきた何者かはアレスと同様に景色を堪能するため岩の崖側の方へやってきた。
しかし岩陰から姿を現したその人物の姿にアレスは驚きを隠せなかった。
露天風呂にやってきたその人物とは、なんとあの家で寝ていたはずのソシアだったのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。 死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった! 呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。 「もう手遅れだ」 これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る

がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。 その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。 爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。 爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。 『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』 人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。 『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』 諸事情により不定期更新になります。 完結まで頑張る!

処理中です...