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2章
混戦へ
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マンティゴアの群れがゲビアの拠点を襲撃するほんの十数秒前のこと。
アレスを吹き飛ばした男の元に、突如として通信用魔石の信号が入った。
『ベルジューク様!!緊急事態です!!』
「どうした急に?」
『現在ゲビア本部にマンティゴアの群れが急接近中です!!』
それは男の部下からの緊急信号。
ボスであるベルジュークとは別の場所に居たその部下は、直前ではあったもののマンティゴアの群れの接近を報告していたのだ。
「この地響きがそうか……ならばその位置はまずいだろう。すぐに上昇しろ」
『ですが。これ以上上昇するとルネイラ様のスキル範囲から出てしまいますが……』
「二度同じこと言わすんじゃねえ。マンティゴアの群れが襲ってくるなら上を気にしてる余裕なんてないだろ。いち早く安全を確保しろ」
『は、はい!!』
ベルジュークはマンティゴアの群れの接近の報せを聞いて、部下にリスクを避けるべく上昇の指示を出す。
ベルジュークの圧に怯えながら部下は通信を切り、彼の指示に従おうとする。
「な、なんだこの地響きは!?」
そしてそれと時を同じくして、アレスたちに遅れてゲビアの拠点までやってきたティナとジョージが接近するマンティゴアの群れの存在に気が付く。
崖に迫る群れがあげる土埃に2人はゲビアの拠点全体が望める地点で一度足を止めたのだ。
「あれはまさかマンティゴアの群れか!?アレスの印はあの基地を指しているんだぞ!?」
「はい。アレスさんもソシアさんも十中八九あそこにいるでしょう。つまりこのままでは……」
「はやく2人を助けに行かなければ!!」
「ッ!!待ってくださいティナさん!!」
「なんだこんな時に……ッ!?」
先行していたアレスはティナたちがここまで辿り着けるように剣で通った道にしるしを残しており、それが示す先にはマンティゴアの群れに襲われそうになっているゲビアの拠点がある。
アレスたちがいるであろうあの建物にマンティゴアの群れが突っ込めば2人が危険だとティナは即座にゲビアの拠点に援護に向かおうとする。
しかしその時ティナとジョージはその基地の上空に信じられないものを目撃したのだ。
ブゥゥウウウウウウン……
「な、なんだ……あれは……」
それは何もないはずの空間から突如姿を現した巨大な空飛ぶ船。
無数のプロペラと魔力を勢いよく放出し推進力を得るための噴射口が取り付けられたそれは、まるで海面から浮上したように何もない地点から徐々にその姿をあらわしたのだ。
「空飛ぶ……船?あんな大きなものが宙に浮かぶなんて……」
「それに今あの船!何もないところから出てこなかったか!?」
(わからないことだらけだ……あの船はなんなのか。なんでマンティゴアの群れが迫ってきているのか。アレスさんたちがどこにいるのか……)
「っ!!マンティゴアが来るぞ!!」
「ゴォォオオオ!!」
「ガオォオオオ!!」
2人が訳の分からない状況に戸惑っている間にマンティゴアの群れはその姿を現し、勢いよく崖を下りゲビアの拠点を襲撃したのだ。
一瞬にして阿鼻叫喚の地獄絵図と化すゲビア本部。
それを見たティナは考察を切りやめ自身もあの現場に突入することを決意する。
「ええい!ここで考えていても何もできない!私はアレスたちを助けに行く!ジョージは危険だからここで待機していてくれ!」
「っ!!ティナさん!」
「はぁ!!」
ティナは氷で崖に道を作り出すと、その上をアイススケートのような挙動で移動し素早くゲビア本部に向かって行ってしまったのだ。
そんなティナの後ろ姿を眺めながら、ジョージは必死に思考を巡らせる。
(僕も追いかけるか!?いや、盾も持たない自分が言っても足手まといになるだけだ!かといってこの場でじっとしているなんてそんな事できるわけがない!考えろ、考えろ、考えろ!!)
「……マンティゴアの群れが襲ってくるなんて何かおかしいんじゃないか?」
この状況で自分にできることは知識を生かして少しでもアレスたちの役に足すことしかない。
そう考えたジョージは必死に思考を巡らせる。
そして1つのある仮設に思い至ったのだ。
(マンティゴアは基本群れで狩りをしない。群れで戦闘するときは他の群れと縄張り争いをするとき……でもマンティゴアの縄張りを脅かす場所に基地なんて作るわけがない)
「っ!!それにあのマンティゴアの群れ……メスしかいないんじゃないか!?」
遠方からマンティゴアの群れを観察していたジョージはその群れの中にオスのマンティゴアが居ないことに気が付く。
マンティゴアのオスは基本率先して先頭に立って戦うもので、メスだけで戦闘を行うことはほとんでない。
「縄張り争い以外でマンティゴアが群れで戦闘を行う理由は子供しかない。子供を攫われたか狙われたか……もしくはあの基地を潰すために何者かに……ッ!!」
「うっふふふふ。あなた達はこのマンティゴアに守られてこの地でせこせこと成長してきたんでしょうが……残念だけどそのマンティゴアを使ってあなた達を滅ぼさせてもらうわね」
(あんなところに人……?)
突然のマンティゴアの襲来に違和感を覚えたジョージがさらに注意深く周囲をみわたすと、先程マンティゴアの群れが現れた崖上に1人の人影があったのだ。
それはステラを狙うハルカデアのボスユースオーナ。
距離がありその表情や仕草を見ることができないジョージからでもこのマンティゴアの群れに襲われるゲビアの拠点を見下ろす彼女の姿は明らかに異様な物に映った。
(あの人物がマンティゴアを送り込んであそこを攻めさせている?しかもその様子を確認しているのは単なる好奇心や嗜虐心などではなく……)
「魔物操作、のスキルを持っているからだとしたら」
ジョージはマンティゴアの習性から何者かがマンティゴアを送り込んだ可能性に辿り着き、それが魔物操作のスキルによるものではないかと考えたのだ。
(ここでじっとしているだけじゃだめだ。この仮説が間違っていたとしてももしもの時のために僕があの人がなぜあそこの居るのかを確かめなければ……)
そう考えたジョージは崖上でマンティゴアを操るユースオーナのもとに行こうと、息をひそめて静かに移動を開始したのだ。
「なんじゃあの船はぁ!?」
ゲビア本部に辿り着き行動を開始したティナとジョージであったが、一方そのころゲビア本部1段目に落とされていたアレスは頭上に突如現れた巨大船に度肝を抜かれていた。
「飛んでるのか!?それにどこから現れたんだ……」
(いや、待てよ?さっきソシアが透明になれる女に襲われたって言ってたな。その女のスキルだとしたら……)
「ッ!!じゃあそいつ、今地上に居るのか!!」
何もないところから現れた巨大船に、アレスは先程ソシアから聞かされていた透明になることができる女の存在を思い出す。
さらにあの船が上の方から姿を現したという点から、透明化のスキルを持つ女が地上に居る可能性が高いということに気が付いた。
(気を付けなきゃいけねえな。とにかくまずはソシアと合流を……)
「ゴォォオオオン!!」
「ガォォオオオ!!」
「ちぃ!!邪魔だてめえら!!」
状況が混沌化しつつある中アレスはソシアとの合流を優先しゲビア本部2段目に向かおうとしたのだが、そこに見張り塔のあった3段目を破壊しつくしたマンティゴアが更なる破壊を求めてアレスの前に現れる。
「ガォオオオ!!!」
「うおッ!?」
ドガァアアアアン!!
「ッ!!」
(この調子じゃ地面が持たねえぞ!!)
「暴れ過ぎだお前!恨みはねえが一旦寝とけ!!」
「グォオ!?」
マンティゴアの右前足を高く振り上げ撃ち落とした一撃で地面が大きくひび割れ、ゲビア本部がある大地そのものの崩壊が頭を過る。
足場が崩れるのはまずいとアレスはその一撃をジャンプして躱しながら空中で強烈な斬撃を放った。
ドシィィイン!!
「ガゴォオオオ!」
「てめえもだよ!相手が悪かったと思って諦め……」
「楼天流……嶽裂斬!!」
「ッ!?」
ザンッ!!
アレスが放った斬撃により鮮血をまき散らしながら倒れるマンティゴア。
さらにもう1体のマンティゴアも仕留めようと着地したアレスはそのまま深くしゃがみ込み追撃の体勢を取る。
しかしアレスが攻撃を放つ直前、何者かが真横からアレスに向け攻撃を仕掛けてきたのだ。
攻撃の気配を寸前で感知したアレスは即座に飛びあがり、その体を前方にしなやかに回転させたのち完璧な着地を決めてみせた。
「なんだてめぇ……邪魔するんじゃねえよ」
「それはすまなかったな。だが貴様を斬ることが俺の仕事なんでねぇ」
アレスの前に姿を現したのはハルカデアの剣士ビット。
2mを超える長剣を肩に担ぎ、余裕の表情でアレスを見下ろす。
そんなビットの背後には明らかに彼の味方をするような形でマンティゴアが構えた。
「ふっ、いいぜ。邪魔をするなら相手が誰であれ斬るだけだ」
数的不利に陥りながらもアレスの口角はにやりと上がる。
その他の場でも暴れるマンティゴアの叫び声や地響きなどが響く中、アレスとビットは間合いを測るように静かに睨み合っていた。
「なんだ……なんだこれはぁあああああ!!!」
一方そのころ崖の上では、アレスたちに後を付けられないよう少々遠回りをして基地に戻ってきたダミアンがマンティゴアが暴れ回る基地の様子を見て憤怒の叫び声をあげていた。
「な、なんでマンティゴアが!」
「これじゃ基地はもうダメだ……ダミアン様、これからどうしましょうか……」
「決まってんだろ……」
「俺たちの基地を荒らした馬鹿共を1人残らず血祭りにあげるんだよぉ!!!」
怒りを爆発させたダミアンは勢いよく駆け出し、すでに半壊状態の基地へと向かったのだった。
アレスを吹き飛ばした男の元に、突如として通信用魔石の信号が入った。
『ベルジューク様!!緊急事態です!!』
「どうした急に?」
『現在ゲビア本部にマンティゴアの群れが急接近中です!!』
それは男の部下からの緊急信号。
ボスであるベルジュークとは別の場所に居たその部下は、直前ではあったもののマンティゴアの群れの接近を報告していたのだ。
「この地響きがそうか……ならばその位置はまずいだろう。すぐに上昇しろ」
『ですが。これ以上上昇するとルネイラ様のスキル範囲から出てしまいますが……』
「二度同じこと言わすんじゃねえ。マンティゴアの群れが襲ってくるなら上を気にしてる余裕なんてないだろ。いち早く安全を確保しろ」
『は、はい!!』
ベルジュークはマンティゴアの群れの接近の報せを聞いて、部下にリスクを避けるべく上昇の指示を出す。
ベルジュークの圧に怯えながら部下は通信を切り、彼の指示に従おうとする。
「な、なんだこの地響きは!?」
そしてそれと時を同じくして、アレスたちに遅れてゲビアの拠点までやってきたティナとジョージが接近するマンティゴアの群れの存在に気が付く。
崖に迫る群れがあげる土埃に2人はゲビアの拠点全体が望める地点で一度足を止めたのだ。
「あれはまさかマンティゴアの群れか!?アレスの印はあの基地を指しているんだぞ!?」
「はい。アレスさんもソシアさんも十中八九あそこにいるでしょう。つまりこのままでは……」
「はやく2人を助けに行かなければ!!」
「ッ!!待ってくださいティナさん!!」
「なんだこんな時に……ッ!?」
先行していたアレスはティナたちがここまで辿り着けるように剣で通った道にしるしを残しており、それが示す先にはマンティゴアの群れに襲われそうになっているゲビアの拠点がある。
アレスたちがいるであろうあの建物にマンティゴアの群れが突っ込めば2人が危険だとティナは即座にゲビアの拠点に援護に向かおうとする。
しかしその時ティナとジョージはその基地の上空に信じられないものを目撃したのだ。
ブゥゥウウウウウウン……
「な、なんだ……あれは……」
それは何もないはずの空間から突如姿を現した巨大な空飛ぶ船。
無数のプロペラと魔力を勢いよく放出し推進力を得るための噴射口が取り付けられたそれは、まるで海面から浮上したように何もない地点から徐々にその姿をあらわしたのだ。
「空飛ぶ……船?あんな大きなものが宙に浮かぶなんて……」
「それに今あの船!何もないところから出てこなかったか!?」
(わからないことだらけだ……あの船はなんなのか。なんでマンティゴアの群れが迫ってきているのか。アレスさんたちがどこにいるのか……)
「っ!!マンティゴアが来るぞ!!」
「ゴォォオオオ!!」
「ガオォオオオ!!」
2人が訳の分からない状況に戸惑っている間にマンティゴアの群れはその姿を現し、勢いよく崖を下りゲビアの拠点を襲撃したのだ。
一瞬にして阿鼻叫喚の地獄絵図と化すゲビア本部。
それを見たティナは考察を切りやめ自身もあの現場に突入することを決意する。
「ええい!ここで考えていても何もできない!私はアレスたちを助けに行く!ジョージは危険だからここで待機していてくれ!」
「っ!!ティナさん!」
「はぁ!!」
ティナは氷で崖に道を作り出すと、その上をアイススケートのような挙動で移動し素早くゲビア本部に向かって行ってしまったのだ。
そんなティナの後ろ姿を眺めながら、ジョージは必死に思考を巡らせる。
(僕も追いかけるか!?いや、盾も持たない自分が言っても足手まといになるだけだ!かといってこの場でじっとしているなんてそんな事できるわけがない!考えろ、考えろ、考えろ!!)
「……マンティゴアの群れが襲ってくるなんて何かおかしいんじゃないか?」
この状況で自分にできることは知識を生かして少しでもアレスたちの役に足すことしかない。
そう考えたジョージは必死に思考を巡らせる。
そして1つのある仮設に思い至ったのだ。
(マンティゴアは基本群れで狩りをしない。群れで戦闘するときは他の群れと縄張り争いをするとき……でもマンティゴアの縄張りを脅かす場所に基地なんて作るわけがない)
「っ!!それにあのマンティゴアの群れ……メスしかいないんじゃないか!?」
遠方からマンティゴアの群れを観察していたジョージはその群れの中にオスのマンティゴアが居ないことに気が付く。
マンティゴアのオスは基本率先して先頭に立って戦うもので、メスだけで戦闘を行うことはほとんでない。
「縄張り争い以外でマンティゴアが群れで戦闘を行う理由は子供しかない。子供を攫われたか狙われたか……もしくはあの基地を潰すために何者かに……ッ!!」
「うっふふふふ。あなた達はこのマンティゴアに守られてこの地でせこせこと成長してきたんでしょうが……残念だけどそのマンティゴアを使ってあなた達を滅ぼさせてもらうわね」
(あんなところに人……?)
突然のマンティゴアの襲来に違和感を覚えたジョージがさらに注意深く周囲をみわたすと、先程マンティゴアの群れが現れた崖上に1人の人影があったのだ。
それはステラを狙うハルカデアのボスユースオーナ。
距離がありその表情や仕草を見ることができないジョージからでもこのマンティゴアの群れに襲われるゲビアの拠点を見下ろす彼女の姿は明らかに異様な物に映った。
(あの人物がマンティゴアを送り込んであそこを攻めさせている?しかもその様子を確認しているのは単なる好奇心や嗜虐心などではなく……)
「魔物操作、のスキルを持っているからだとしたら」
ジョージはマンティゴアの習性から何者かがマンティゴアを送り込んだ可能性に辿り着き、それが魔物操作のスキルによるものではないかと考えたのだ。
(ここでじっとしているだけじゃだめだ。この仮説が間違っていたとしてももしもの時のために僕があの人がなぜあそこの居るのかを確かめなければ……)
そう考えたジョージは崖上でマンティゴアを操るユースオーナのもとに行こうと、息をひそめて静かに移動を開始したのだ。
「なんじゃあの船はぁ!?」
ゲビア本部に辿り着き行動を開始したティナとジョージであったが、一方そのころゲビア本部1段目に落とされていたアレスは頭上に突如現れた巨大船に度肝を抜かれていた。
「飛んでるのか!?それにどこから現れたんだ……」
(いや、待てよ?さっきソシアが透明になれる女に襲われたって言ってたな。その女のスキルだとしたら……)
「ッ!!じゃあそいつ、今地上に居るのか!!」
何もないところから現れた巨大船に、アレスは先程ソシアから聞かされていた透明になることができる女の存在を思い出す。
さらにあの船が上の方から姿を現したという点から、透明化のスキルを持つ女が地上に居る可能性が高いということに気が付いた。
(気を付けなきゃいけねえな。とにかくまずはソシアと合流を……)
「ゴォォオオオン!!」
「ガォォオオオ!!」
「ちぃ!!邪魔だてめえら!!」
状況が混沌化しつつある中アレスはソシアとの合流を優先しゲビア本部2段目に向かおうとしたのだが、そこに見張り塔のあった3段目を破壊しつくしたマンティゴアが更なる破壊を求めてアレスの前に現れる。
「ガォオオオ!!!」
「うおッ!?」
ドガァアアアアン!!
「ッ!!」
(この調子じゃ地面が持たねえぞ!!)
「暴れ過ぎだお前!恨みはねえが一旦寝とけ!!」
「グォオ!?」
マンティゴアの右前足を高く振り上げ撃ち落とした一撃で地面が大きくひび割れ、ゲビア本部がある大地そのものの崩壊が頭を過る。
足場が崩れるのはまずいとアレスはその一撃をジャンプして躱しながら空中で強烈な斬撃を放った。
ドシィィイン!!
「ガゴォオオオ!」
「てめえもだよ!相手が悪かったと思って諦め……」
「楼天流……嶽裂斬!!」
「ッ!?」
ザンッ!!
アレスが放った斬撃により鮮血をまき散らしながら倒れるマンティゴア。
さらにもう1体のマンティゴアも仕留めようと着地したアレスはそのまま深くしゃがみ込み追撃の体勢を取る。
しかしアレスが攻撃を放つ直前、何者かが真横からアレスに向け攻撃を仕掛けてきたのだ。
攻撃の気配を寸前で感知したアレスは即座に飛びあがり、その体を前方にしなやかに回転させたのち完璧な着地を決めてみせた。
「なんだてめぇ……邪魔するんじゃねえよ」
「それはすまなかったな。だが貴様を斬ることが俺の仕事なんでねぇ」
アレスの前に姿を現したのはハルカデアの剣士ビット。
2mを超える長剣を肩に担ぎ、余裕の表情でアレスを見下ろす。
そんなビットの背後には明らかに彼の味方をするような形でマンティゴアが構えた。
「ふっ、いいぜ。邪魔をするなら相手が誰であれ斬るだけだ」
数的不利に陥りながらもアレスの口角はにやりと上がる。
その他の場でも暴れるマンティゴアの叫び声や地響きなどが響く中、アレスとビットは間合いを測るように静かに睨み合っていた。
「なんだ……なんだこれはぁあああああ!!!」
一方そのころ崖の上では、アレスたちに後を付けられないよう少々遠回りをして基地に戻ってきたダミアンがマンティゴアが暴れ回る基地の様子を見て憤怒の叫び声をあげていた。
「な、なんでマンティゴアが!」
「これじゃ基地はもうダメだ……ダミアン様、これからどうしましょうか……」
「決まってんだろ……」
「俺たちの基地を荒らした馬鹿共を1人残らず血祭りにあげるんだよぉ!!!」
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