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婚約編
謁見の日にちが決まったようです
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家に帰り、ドレスを脱ぐ手伝いをしてくれているアイニさんや他の侍女にお礼を言った時のお城の女官さんたちの様子を話すと、「お嬢様が特別なのです」と言われた。他の貴族女性はそれを当たり前のこととして認識しており、お礼を言わない人が多いのだという。もちろんお礼をいう女性もいるけれど、それは少数なのだと教えてくれた。
礼儀作法がしっかりとできているそのほとんどは高位貴族のお嬢様だそうで、王の信頼が篤い家や古くからある家系の方ばかりなのだそうだ。中には下位貴族の方もいるそうだけれど、それは本家筋が公爵家や侯爵家で、しつけが行き届いている家系だけらしい。
貴族もいろいろいるのだなあと思った瞬間で、面倒だと思う反面、後学のために貴族のお家に関しては父や兄に聞こうと思った。
「酷い方ですと、ドレスのお色が気に入らないからと怒鳴りつけたり、些細なことで侍女を辞めさせる方もいらっしゃるそうですわ」
「その点、うちのお嬢様はそのようなことはなさらないし、お手製のお菓子をくださったりしますから、わたくしどもも一生懸命お仕えしたいと思いますもの」
「……」
「まあ、お嬢様が照れていらっしゃるわ!」
『可愛いですわ!』
そんなことを言われたら照れてしまう。私の中ではしてもらうことに感謝するのは当たり前だし、お菓子もいつもドレスを選んでくれたりするお礼として渡したに過ぎない。それに可愛いと言われる歳ではないのだけれど、侍女たちからすれば私はどんなふうに見えているのか気になるところではあるが、さすがに聞く勇気はなかった。
「まだまだこの世界の常識に疎い私ですけれど、わからないことがあったらまた教えてくださいますか?」
『もちろんです!』
満面の笑みで頷いてくれたアイニさんたちにお礼を言う。そのころには普段着に近いドレスを着せてくれていたしそろそろ食事の時間だというので、食堂へと向かった。
食堂に着くとすでに父と兄がいた。遅れたことを詫びると今来たばかりだというので安堵する。
「実花、陛下との謁見だが、先ほど陛下から手紙が届いてね。三日後になった」
「ずいぶんと急なお話なのですね」
「そうでもないらしい。もともとその日は謁見がある日だから、そこに入れてくださったようだ。ただ、時間が朝一になってしまうんだが……構わないか?」
「何時なのでしょうか」
「八時だ。会社でいう始業時間前になるから、謁見が終わったらまた執務を手伝ってくれると助かる」
「わかりました」
父が告げた時間に頷くと、父も頷いていた。お城での始業時間は九時からで、終わりは夕方の六時。休憩時間が長いことを除けば日本にいたころとあまり変わらない。午前と午後にも休憩があることを考えると、とても効率がいいのだろう。月末月初は忙しくて残業のようなものもあるけれど、基本的な時間は変わらないそうだ。
そして明日は商人が来て残りのドレスの一部を持って来るそうなので、そのぶんと今あるものから謁見用のドレスを選ぶそうだ。
「そうだ、お父様。近いうちにまた商会に連れて行ってほしいのです」
「何を買うんだい?」
「主に布地と糸です。できればシルク……絹か木綿がほしいのです」
「何を作るの?」
「お父様とお兄様の服です。タグだけでは不安なので、服でも同じものを作りたいと思っていて……」
本当は地球産の布地を使ってもいいと思っているけれど同じ織り方かどうかわからないし、我が家の中ならともかく外での着用となるとこの世界のものの方がいいと考えたのだ。それに、向こうの布地は別のものを縫いたいと思っているし、父や兄に内緒で作って驚かせたいという思いもあった。
「ああ、先日採寸していたのはそのためだったのか。木綿も絹もあるが、服を作るなら絹がいいだろう。スパイダーシルクという、戦闘に適した糸と布地があるんだ」
「スパイダーシルク……蜘蛛の糸ですか?」
「ああ」
私の質問に頷いてくれる父に驚く。ファンタジーの定番ともいえる糸が本当にあると思っていなかったのだ。そしてそれにアレイさんとシェーデルさんが反応した。
《ふむ……草蜘蛛の糸じゃな?》
「さすがはリュイ殿ですな。その通りです」
『草蜘蛛の糸は防御に優れてるし魔法との相性もいいのよね。この騎士服も執事服も草蜘蛛の糸を使っているわ。そうよね、アイゼン殿』
「仰る通りです、ルージュ殿」
二人の言葉に頷いている。アレイさんとシェーデルさんは魔物姿だ。そして父が二人の仮の名前を呼んでいるのはお互いに呼ぶときに不便だから。この取り決めは、仮の名前をつけた時に決めたものだった。
まあ、本名? は相変わらず私しか呼べないみたいだけれど。
「では、そのスパイダーシルクを買いたいです。でも、高いのでしたら木綿でも構いませんよ?」
「確かに庶民からすれば高い糸と布地だが、モーントシュタイン家からすればどうということはない値段だから大丈夫だよ、実花」
「ああ。それに高いと言っても最高級のものが高いのであって値段もいろいろあるし、庶民でも買えるものもあるからそれほど高いわけではないんだ」
父と兄がある程度の値段を教えてくれた。庶民が買えるものは一メメトルで銅貨五枚――日本で言えば五百円くらいなのだという。そういう意味では、シルクとしては安い。最高級品だと、金貨三枚から五枚――だいたい三万円から五万円くらいだそうだ。……そ、それは日本よりも高いかも知れない。
「そうなのですか……。ではお父様、その……私の我儘になってしまうのですが最高級ではなくてもいいので、スパイダーシルクを買ってもいいでしょうか」
「最高級のものを買おう。ルージュ殿やリュイ殿の服も最高級のものを買っているから問題はない」
そんな父の言葉に驚く。まさか二人の布地がシルクで最高級品だとは思ってもみなかったのだ。それをいとも簡単にポンッって買う父って……。
「それに実花のは実用品を作るわけだから我儘じゃないよね。他家ではいつ使うかわからないのに宝石がほしいだのドレスがほしいだのというお嬢様のほうが多いんだよ」
「そうだな。そのせいで傾いた家も没落した家もあるくらいだ。実花はそういったことを言わないから、私としては寂しいが……」
「そうは仰られましても、私はそういった社交の場は苦手ですし、宝石も十分ありますし……。ドレスや装飾品など、先日結構な量を買いましたよね? 足りないようならまた買えばいいと思っていますし、殿下からドレスを贈られることも結構気にしているのです」
父や兄曰く婚約者にドレスを贈るのは当たり前だというけれど、それでも気が引けてしまう。それは私の性格と父や兄、父方の異性を除いて今まで異性からそういったプレゼントをされたことがないせいかも知れなかった。
「グラナートの前ではそんなこと言うなよ? 実花。気にするから。それに、あんなに楽しそうにしているグラナートを見るのも初めてなんだ。男の甲斐性だと思ってくれればいいし、拒否することは相手にも失礼だろう? そこは向こうと変わらない」
「……そう、ですよね。申し訳ありません、そこまで至らなくて」
「叱っているわけじゃないし、これから覚えていけばいい」
「はい」
兄の言葉に父も頷いている。どんなに些細なことでも諭すように教えてくれる兄に頭が上がらないし、とても頼もしく思う。それは父にも言えることなのだけれど。
商会は謁見の翌日に行くことが決まり、服のデザインはシェーデルさんにも見せた本を参考にしてもらおうと、明日時間を作って選んでもらうことにした。そして食事も終わり、しばらく雑談すると部屋に戻る。
「またクッションを作らなくちゃ。あとナミルさんにも何か作ってあげないと」
<ボクの? なら、首に巻くリボンがほしい!>
「あら。服ではなくリボンでいいのですか?」
<服は窮屈だからあまり好きじゃなしー>
「私が着ていたようなワンピースも嫌ですか?」
<ワンピース? ってやつよりもシェーデルみたいな格好がいいなー。動きやすそうだもん>
仔虎姿で尻尾を揺らしながら、そんなことを話してくれるナミルさん。ヒト型でいるよりも魔物姿でいるほうが楽だと言っていたから、納得のいく答えでもあった。
「では、明日は向こうの部屋でこの部屋に持って来れないものを幾つか縫ったりこちらに持って来たいものもあるので、その時に採寸しましょうか。その時にヒト型になっていただけますか?」
<いいよー>
「ありがとうございます」
ソファーに座っていたら私の膝に乗って来たので、その頭と背中を撫でると喉を鳴らしながらOKを出してくれた。どんな服にしようかと考えていたら、お風呂の用意ができたからとアイニさんが呼びに来たので、彼女のあとをついていく。といっても隣にあるのでそれほど遠くない。
父の方針で私たちの部屋や客室など、各部屋には浴室がある。使用人たちの部屋にもあるというのだから高待遇の職場とも言えるかも知れない。だからこそ、父を見る使用人の目は尊敬と忠誠が見てとれる。まあ、中にはそうではない人もいるけれど、そういった人は不思議と要職についていないし、すぐに辞めていくと兄が言っていた。
お風呂に入り、この世界の本を読む。まだまだ文字の勉強中だから、絵本や児童書の類だ。
そういえば、草蜘蛛のことと明日の予定を父に聞くのを忘れたけれど、時間も遅いから朝食の時に聞こうと決め、布団に潜りこんで眠りについた。
礼儀作法がしっかりとできているそのほとんどは高位貴族のお嬢様だそうで、王の信頼が篤い家や古くからある家系の方ばかりなのだそうだ。中には下位貴族の方もいるそうだけれど、それは本家筋が公爵家や侯爵家で、しつけが行き届いている家系だけらしい。
貴族もいろいろいるのだなあと思った瞬間で、面倒だと思う反面、後学のために貴族のお家に関しては父や兄に聞こうと思った。
「酷い方ですと、ドレスのお色が気に入らないからと怒鳴りつけたり、些細なことで侍女を辞めさせる方もいらっしゃるそうですわ」
「その点、うちのお嬢様はそのようなことはなさらないし、お手製のお菓子をくださったりしますから、わたくしどもも一生懸命お仕えしたいと思いますもの」
「……」
「まあ、お嬢様が照れていらっしゃるわ!」
『可愛いですわ!』
そんなことを言われたら照れてしまう。私の中ではしてもらうことに感謝するのは当たり前だし、お菓子もいつもドレスを選んでくれたりするお礼として渡したに過ぎない。それに可愛いと言われる歳ではないのだけれど、侍女たちからすれば私はどんなふうに見えているのか気になるところではあるが、さすがに聞く勇気はなかった。
「まだまだこの世界の常識に疎い私ですけれど、わからないことがあったらまた教えてくださいますか?」
『もちろんです!』
満面の笑みで頷いてくれたアイニさんたちにお礼を言う。そのころには普段着に近いドレスを着せてくれていたしそろそろ食事の時間だというので、食堂へと向かった。
食堂に着くとすでに父と兄がいた。遅れたことを詫びると今来たばかりだというので安堵する。
「実花、陛下との謁見だが、先ほど陛下から手紙が届いてね。三日後になった」
「ずいぶんと急なお話なのですね」
「そうでもないらしい。もともとその日は謁見がある日だから、そこに入れてくださったようだ。ただ、時間が朝一になってしまうんだが……構わないか?」
「何時なのでしょうか」
「八時だ。会社でいう始業時間前になるから、謁見が終わったらまた執務を手伝ってくれると助かる」
「わかりました」
父が告げた時間に頷くと、父も頷いていた。お城での始業時間は九時からで、終わりは夕方の六時。休憩時間が長いことを除けば日本にいたころとあまり変わらない。午前と午後にも休憩があることを考えると、とても効率がいいのだろう。月末月初は忙しくて残業のようなものもあるけれど、基本的な時間は変わらないそうだ。
そして明日は商人が来て残りのドレスの一部を持って来るそうなので、そのぶんと今あるものから謁見用のドレスを選ぶそうだ。
「そうだ、お父様。近いうちにまた商会に連れて行ってほしいのです」
「何を買うんだい?」
「主に布地と糸です。できればシルク……絹か木綿がほしいのです」
「何を作るの?」
「お父様とお兄様の服です。タグだけでは不安なので、服でも同じものを作りたいと思っていて……」
本当は地球産の布地を使ってもいいと思っているけれど同じ織り方かどうかわからないし、我が家の中ならともかく外での着用となるとこの世界のものの方がいいと考えたのだ。それに、向こうの布地は別のものを縫いたいと思っているし、父や兄に内緒で作って驚かせたいという思いもあった。
「ああ、先日採寸していたのはそのためだったのか。木綿も絹もあるが、服を作るなら絹がいいだろう。スパイダーシルクという、戦闘に適した糸と布地があるんだ」
「スパイダーシルク……蜘蛛の糸ですか?」
「ああ」
私の質問に頷いてくれる父に驚く。ファンタジーの定番ともいえる糸が本当にあると思っていなかったのだ。そしてそれにアレイさんとシェーデルさんが反応した。
《ふむ……草蜘蛛の糸じゃな?》
「さすがはリュイ殿ですな。その通りです」
『草蜘蛛の糸は防御に優れてるし魔法との相性もいいのよね。この騎士服も執事服も草蜘蛛の糸を使っているわ。そうよね、アイゼン殿』
「仰る通りです、ルージュ殿」
二人の言葉に頷いている。アレイさんとシェーデルさんは魔物姿だ。そして父が二人の仮の名前を呼んでいるのはお互いに呼ぶときに不便だから。この取り決めは、仮の名前をつけた時に決めたものだった。
まあ、本名? は相変わらず私しか呼べないみたいだけれど。
「では、そのスパイダーシルクを買いたいです。でも、高いのでしたら木綿でも構いませんよ?」
「確かに庶民からすれば高い糸と布地だが、モーントシュタイン家からすればどうということはない値段だから大丈夫だよ、実花」
「ああ。それに高いと言っても最高級のものが高いのであって値段もいろいろあるし、庶民でも買えるものもあるからそれほど高いわけではないんだ」
父と兄がある程度の値段を教えてくれた。庶民が買えるものは一メメトルで銅貨五枚――日本で言えば五百円くらいなのだという。そういう意味では、シルクとしては安い。最高級品だと、金貨三枚から五枚――だいたい三万円から五万円くらいだそうだ。……そ、それは日本よりも高いかも知れない。
「そうなのですか……。ではお父様、その……私の我儘になってしまうのですが最高級ではなくてもいいので、スパイダーシルクを買ってもいいでしょうか」
「最高級のものを買おう。ルージュ殿やリュイ殿の服も最高級のものを買っているから問題はない」
そんな父の言葉に驚く。まさか二人の布地がシルクで最高級品だとは思ってもみなかったのだ。それをいとも簡単にポンッって買う父って……。
「それに実花のは実用品を作るわけだから我儘じゃないよね。他家ではいつ使うかわからないのに宝石がほしいだのドレスがほしいだのというお嬢様のほうが多いんだよ」
「そうだな。そのせいで傾いた家も没落した家もあるくらいだ。実花はそういったことを言わないから、私としては寂しいが……」
「そうは仰られましても、私はそういった社交の場は苦手ですし、宝石も十分ありますし……。ドレスや装飾品など、先日結構な量を買いましたよね? 足りないようならまた買えばいいと思っていますし、殿下からドレスを贈られることも結構気にしているのです」
父や兄曰く婚約者にドレスを贈るのは当たり前だというけれど、それでも気が引けてしまう。それは私の性格と父や兄、父方の異性を除いて今まで異性からそういったプレゼントをされたことがないせいかも知れなかった。
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「はい」
兄の言葉に父も頷いている。どんなに些細なことでも諭すように教えてくれる兄に頭が上がらないし、とても頼もしく思う。それは父にも言えることなのだけれど。
商会は謁見の翌日に行くことが決まり、服のデザインはシェーデルさんにも見せた本を参考にしてもらおうと、明日時間を作って選んでもらうことにした。そして食事も終わり、しばらく雑談すると部屋に戻る。
「またクッションを作らなくちゃ。あとナミルさんにも何か作ってあげないと」
<ボクの? なら、首に巻くリボンがほしい!>
「あら。服ではなくリボンでいいのですか?」
<服は窮屈だからあまり好きじゃなしー>
「私が着ていたようなワンピースも嫌ですか?」
<ワンピース? ってやつよりもシェーデルみたいな格好がいいなー。動きやすそうだもん>
仔虎姿で尻尾を揺らしながら、そんなことを話してくれるナミルさん。ヒト型でいるよりも魔物姿でいるほうが楽だと言っていたから、納得のいく答えでもあった。
「では、明日は向こうの部屋でこの部屋に持って来れないものを幾つか縫ったりこちらに持って来たいものもあるので、その時に採寸しましょうか。その時にヒト型になっていただけますか?」
<いいよー>
「ありがとうございます」
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父の方針で私たちの部屋や客室など、各部屋には浴室がある。使用人たちの部屋にもあるというのだから高待遇の職場とも言えるかも知れない。だからこそ、父を見る使用人の目は尊敬と忠誠が見てとれる。まあ、中にはそうではない人もいるけれど、そういった人は不思議と要職についていないし、すぐに辞めていくと兄が言っていた。
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