29 / 54
3章
7話
しおりを挟む
新潟に入ったところで高弥は新幹線を降りた。そこで2両編成の小さな私鉄に乗り換える。乗客もまばらな電車はますます此処が遠く離れたところだと高弥に実感させた。
長閑な風景の中、ゆっくりと電車は進んで行く。開けた窓から入ってくる空気は綺麗に澄んでいて、東京の濁った空気とは明らかに異なる。
そして、山の中を走って行く電車がとうとう目指していた駅の名前をアナウンスした。
「うわぁ小さい駅だ」
プラットホームの片面だけが線路に接している単式ホームに降りるのは、高弥は初めてだった。
小さな駅の改札を抜けると、タクシーの一台も止まっておらず2、3台の迎えの車が停まっているだけの寂れた駅の前。山間のこの地域は東京よりも気温は大分低く、思わず自分の身を守るように、自身の腕を躯にぎゅっと回した。
馴染みのない景色は、住み慣れた都会とは随分と違った。静まり返った駅前と幾つかの建物の向こうに聳える山々に、旅行もしたことのない高弥は、本当に随分と遠くまで来てしまったような気持ちにさせられた。
高弥がそう思ったそのときだった。
駅前に一台の黒いワンボックスカーが、周囲の静寂を切り裂く勢いで滑り込んできた。駅のロータリーのカーブを曲がるとき、タイヤが軋んで、コンクリートと擦れる高音が響くほどの勢い。
車が乱暴に停められたかと思うと、中から一人の男が降りてきた。一瞬のことなのに、スローモーションのようにも見えて、高弥は降りてきた男に視線を奪われ、その場で動けなくなった。
「高弥……っ」
男が高弥の耳の奥に苦しいほど染み込んでいる声で名を呼んだ。
まさか。
そんなはずはない。
近所のコンビニに行くのでさえも面倒なあの男が、こんな遠いところにまで来るはずがない。
恋しさが見せた幻に違いない。幻覚だったり、幻聴だったりしたら、今度こそ自分は壊れてしまうかもしれないと思い、高弥思わずきつく瞳を閉じ、ぎゅっと手を握りしめて俯いた。
「高弥っ」
もう一度聴こえた。少し声が近づいた。でもやはり顔は上げられない。躯が震える。
「行くな……っ」
三度聴こえた声はもうすぐそこに近づいていて。
恐る恐る視線を上げると見たことのないほど焦った顔で此方に向かって駆けてくる沢村がいた。
「な……んで……沢村先生がここに……」
あまりに恋い焦がれて夢でも見ているのだろうか。
この寂れた田舎の駅とは不釣り合いな男の姿を呆然と眺める。
病院からそのまま来たのだろう。 白衣のままでIDカードまで首に掛けている。
どんなにギリギリの状態のオペでも絶対に焦ったりしない男がこんなに焦っているのを今まで見たことがあっただろうか。
「お前が遠くの病院行くっつーから慌てて追ってきたんだろうがっ」
高弥の目の前まで走り寄ってきた沢村が必死の形相で言う。
去るもの追わず、がモットーだったんじゃないの?といつもなら出てきそうな軽口も叩けない。白衣のままですよ?なんて突っ込みもできない。
「なんで………なんで……」
高弥は混乱してしまう。期待を持たせるようなことはしないで欲しい。辛いだけだ。そう思うのに、あの面倒くさがりの男がこんなに遠くにまで来ている理由なんて一つしか思い浮かばなくて、心の中がかきまぜられる。
瞳に涙を浮かべてなんで、と繰り返す高弥に。
「そんなの、お前のことが好きだからに決まってんだろうが……っ好きで好きで好きでたまんねぇよっ……高弥のことがめちゃくちゃ好きだっ……お前じゃなきゃ駄目なんだ。ずっと言葉にしなくて悪かった。謝るから、どこにも行くな。行かないでくれ。お願いだから、今度は死ぬほど大切にするから……っ戻ってきてくれ」
慟哭するような沢村の言葉は山間の駅前に狂おしく響いた。高弥は目の前で起こってることが信じられず目を大きく開いた。 あの男が自分に好きだというなんて。戻って欲しいと乞い願うなんて。瞳に浮かんだ涙が零れそうだったけれど。でも……でも……
「いっ……一緒に帰ることは、出来ません……」
高弥はどうしても言わなくてはならない言葉を何とか絞り出した。
「散々好き勝手してきた俺のことなんて、好きじゃないからか……?」
いつも自信満々の男の傷付いたような顔に、高弥の胸の奥がきゅっとなった。
「ち……違います……っ俺も、沢村先生は酷いクズ男だと思うけれど、俺……おれ……沢村先生のこと……」
ずっと隠していた想いは中々素直に言葉にならなくて。
「好きか?」
沢村に問われてこくり、と頷くと、 小さな風が高弥の回りで起こってあっという間に腕の中に抱き締められた。
「言ってくれよ、お前の声で。聞きたい。お願いだから……」
絞り出すような声。いつだって高弥のことをからかってばかりのくせにそんな声で言われたら断れるわけ、ない……
「……沢村先生が、好きです……」
高弥が声に出して想いを告げると、沢村は息をのんだ。抱き締められた胸から沢村の破裂しそうなほどに高鳴る鼓動が聞こえて男の本気が高弥に伝わってきた。
「じゃあ、いいだろ?一緒に帰るぞ」
腕の中に抱かれてくらくら目眩がする。
ここのところ、悪阻で色んな匂いがだめだったのに、この匂いはこんなにも恋しくてたまらなくてずっと包まれていたい……離れたくない。
でも、でも、でも。
「でも……だめです……」
「何でだよっ……」
高弥が答えると、高弥の両腕をぐっと掴んで必死な様子で沢村は問う。
「だって、俺……妊娠しちゃったんですよ……」
喉がひくっとみっともなく鳴ってしまった。
「未熟だと言われていた子宮が何度も発情期繰り返すうちにちゃんと妊娠できる状態にまでなったみたいで。先生には悪いけど俺、産みますから。でも沢村先生に迷惑は…っうわ」
言った途端更にぎゅっときつく抱き締められた。
「知ってる」
「え?」
「妊娠してんの知ってて迎えに来てる。お前も腹ん中の子も二人とも連れて帰るに決まってんだろうが」
「えっと……どういうこと?」
高弥は思わずぱちぱちと瞬きをして沢村の顔を覗きこんだ。
「だからっお前が妊娠したの、すげぇ嬉しいっつてんの」
高弥のおでこを沢村がぱちりと弾いた。
「痛っ……いつもその……避妊しなくても子供出来ないから、都合がいいって言ってたじゃないですか。だからてっきり子供はいらないんだと……」
高弥が告げると、沢村はあー、と言って自身の頭を掻き毟った。
「意地悪な言い方して悪かったよ………お前は避妊しなくても妊娠しねぇと思ってたけど、俺は発情期は来てるっつーことはホルモンは出てるし、未熟だけど子宮はあるっつーから、ナマでやってればそのうち妊娠すんじゃねぇかって思ってた」
「え?」
沢村の発言に高弥は目を丸くする。
「だから……ずっと子供できればいいと思って最初からナマでやってたっつーこと。だから子供ができたら嬉しいに決まってんだろうが。それに俺とお前の子だぞ?そんくらい分かれよ」
のどかな田舎の駅前で何て内容の言い争いをしているのかと思ったが、嬉しさと安堵で沢村の腕の中でかくり、と膝から力が抜けた高弥だった。だがもちろん地面に崩れ落ちることはなく、しっかりと抱き止められた。
「わかりませんよ……言ってくんなきゃわかんないからこんなに拗れて、俺こんなとこにまで来ちゃったんでしょうが。それに沢村先生、アルファの女の人と結婚してマンション買ったって噂も聞いたし」
「んだよ、怖ぇな。一体何時誰が何処で見てんだよ……」
そう言った男のまずいことを知られたといったような顔を見てしまい、高弥が思わず眉をへにょんと下げると
「違う、違う。んな顔すんなよ。アルファの女と結婚なんてしねぇし……お前がたっっくさん誤解してんのはよーくわかった。全部きっちり話すから、ここ寒ぃし、車乗るぞ」
相変わらず偉そうな口振りは健在の男に手を引かれて、高弥は初めて見る沢村の車に乗り込んだ。
長閑な風景の中、ゆっくりと電車は進んで行く。開けた窓から入ってくる空気は綺麗に澄んでいて、東京の濁った空気とは明らかに異なる。
そして、山の中を走って行く電車がとうとう目指していた駅の名前をアナウンスした。
「うわぁ小さい駅だ」
プラットホームの片面だけが線路に接している単式ホームに降りるのは、高弥は初めてだった。
小さな駅の改札を抜けると、タクシーの一台も止まっておらず2、3台の迎えの車が停まっているだけの寂れた駅の前。山間のこの地域は東京よりも気温は大分低く、思わず自分の身を守るように、自身の腕を躯にぎゅっと回した。
馴染みのない景色は、住み慣れた都会とは随分と違った。静まり返った駅前と幾つかの建物の向こうに聳える山々に、旅行もしたことのない高弥は、本当に随分と遠くまで来てしまったような気持ちにさせられた。
高弥がそう思ったそのときだった。
駅前に一台の黒いワンボックスカーが、周囲の静寂を切り裂く勢いで滑り込んできた。駅のロータリーのカーブを曲がるとき、タイヤが軋んで、コンクリートと擦れる高音が響くほどの勢い。
車が乱暴に停められたかと思うと、中から一人の男が降りてきた。一瞬のことなのに、スローモーションのようにも見えて、高弥は降りてきた男に視線を奪われ、その場で動けなくなった。
「高弥……っ」
男が高弥の耳の奥に苦しいほど染み込んでいる声で名を呼んだ。
まさか。
そんなはずはない。
近所のコンビニに行くのでさえも面倒なあの男が、こんな遠いところにまで来るはずがない。
恋しさが見せた幻に違いない。幻覚だったり、幻聴だったりしたら、今度こそ自分は壊れてしまうかもしれないと思い、高弥思わずきつく瞳を閉じ、ぎゅっと手を握りしめて俯いた。
「高弥っ」
もう一度聴こえた。少し声が近づいた。でもやはり顔は上げられない。躯が震える。
「行くな……っ」
三度聴こえた声はもうすぐそこに近づいていて。
恐る恐る視線を上げると見たことのないほど焦った顔で此方に向かって駆けてくる沢村がいた。
「な……んで……沢村先生がここに……」
あまりに恋い焦がれて夢でも見ているのだろうか。
この寂れた田舎の駅とは不釣り合いな男の姿を呆然と眺める。
病院からそのまま来たのだろう。 白衣のままでIDカードまで首に掛けている。
どんなにギリギリの状態のオペでも絶対に焦ったりしない男がこんなに焦っているのを今まで見たことがあっただろうか。
「お前が遠くの病院行くっつーから慌てて追ってきたんだろうがっ」
高弥の目の前まで走り寄ってきた沢村が必死の形相で言う。
去るもの追わず、がモットーだったんじゃないの?といつもなら出てきそうな軽口も叩けない。白衣のままですよ?なんて突っ込みもできない。
「なんで………なんで……」
高弥は混乱してしまう。期待を持たせるようなことはしないで欲しい。辛いだけだ。そう思うのに、あの面倒くさがりの男がこんなに遠くにまで来ている理由なんて一つしか思い浮かばなくて、心の中がかきまぜられる。
瞳に涙を浮かべてなんで、と繰り返す高弥に。
「そんなの、お前のことが好きだからに決まってんだろうが……っ好きで好きで好きでたまんねぇよっ……高弥のことがめちゃくちゃ好きだっ……お前じゃなきゃ駄目なんだ。ずっと言葉にしなくて悪かった。謝るから、どこにも行くな。行かないでくれ。お願いだから、今度は死ぬほど大切にするから……っ戻ってきてくれ」
慟哭するような沢村の言葉は山間の駅前に狂おしく響いた。高弥は目の前で起こってることが信じられず目を大きく開いた。 あの男が自分に好きだというなんて。戻って欲しいと乞い願うなんて。瞳に浮かんだ涙が零れそうだったけれど。でも……でも……
「いっ……一緒に帰ることは、出来ません……」
高弥はどうしても言わなくてはならない言葉を何とか絞り出した。
「散々好き勝手してきた俺のことなんて、好きじゃないからか……?」
いつも自信満々の男の傷付いたような顔に、高弥の胸の奥がきゅっとなった。
「ち……違います……っ俺も、沢村先生は酷いクズ男だと思うけれど、俺……おれ……沢村先生のこと……」
ずっと隠していた想いは中々素直に言葉にならなくて。
「好きか?」
沢村に問われてこくり、と頷くと、 小さな風が高弥の回りで起こってあっという間に腕の中に抱き締められた。
「言ってくれよ、お前の声で。聞きたい。お願いだから……」
絞り出すような声。いつだって高弥のことをからかってばかりのくせにそんな声で言われたら断れるわけ、ない……
「……沢村先生が、好きです……」
高弥が声に出して想いを告げると、沢村は息をのんだ。抱き締められた胸から沢村の破裂しそうなほどに高鳴る鼓動が聞こえて男の本気が高弥に伝わってきた。
「じゃあ、いいだろ?一緒に帰るぞ」
腕の中に抱かれてくらくら目眩がする。
ここのところ、悪阻で色んな匂いがだめだったのに、この匂いはこんなにも恋しくてたまらなくてずっと包まれていたい……離れたくない。
でも、でも、でも。
「でも……だめです……」
「何でだよっ……」
高弥が答えると、高弥の両腕をぐっと掴んで必死な様子で沢村は問う。
「だって、俺……妊娠しちゃったんですよ……」
喉がひくっとみっともなく鳴ってしまった。
「未熟だと言われていた子宮が何度も発情期繰り返すうちにちゃんと妊娠できる状態にまでなったみたいで。先生には悪いけど俺、産みますから。でも沢村先生に迷惑は…っうわ」
言った途端更にぎゅっときつく抱き締められた。
「知ってる」
「え?」
「妊娠してんの知ってて迎えに来てる。お前も腹ん中の子も二人とも連れて帰るに決まってんだろうが」
「えっと……どういうこと?」
高弥は思わずぱちぱちと瞬きをして沢村の顔を覗きこんだ。
「だからっお前が妊娠したの、すげぇ嬉しいっつてんの」
高弥のおでこを沢村がぱちりと弾いた。
「痛っ……いつもその……避妊しなくても子供出来ないから、都合がいいって言ってたじゃないですか。だからてっきり子供はいらないんだと……」
高弥が告げると、沢村はあー、と言って自身の頭を掻き毟った。
「意地悪な言い方して悪かったよ………お前は避妊しなくても妊娠しねぇと思ってたけど、俺は発情期は来てるっつーことはホルモンは出てるし、未熟だけど子宮はあるっつーから、ナマでやってればそのうち妊娠すんじゃねぇかって思ってた」
「え?」
沢村の発言に高弥は目を丸くする。
「だから……ずっと子供できればいいと思って最初からナマでやってたっつーこと。だから子供ができたら嬉しいに決まってんだろうが。それに俺とお前の子だぞ?そんくらい分かれよ」
のどかな田舎の駅前で何て内容の言い争いをしているのかと思ったが、嬉しさと安堵で沢村の腕の中でかくり、と膝から力が抜けた高弥だった。だがもちろん地面に崩れ落ちることはなく、しっかりと抱き止められた。
「わかりませんよ……言ってくんなきゃわかんないからこんなに拗れて、俺こんなとこにまで来ちゃったんでしょうが。それに沢村先生、アルファの女の人と結婚してマンション買ったって噂も聞いたし」
「んだよ、怖ぇな。一体何時誰が何処で見てんだよ……」
そう言った男のまずいことを知られたといったような顔を見てしまい、高弥が思わず眉をへにょんと下げると
「違う、違う。んな顔すんなよ。アルファの女と結婚なんてしねぇし……お前がたっっくさん誤解してんのはよーくわかった。全部きっちり話すから、ここ寒ぃし、車乗るぞ」
相変わらず偉そうな口振りは健在の男に手を引かれて、高弥は初めて見る沢村の車に乗り込んだ。
204
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
クローゼットは宝箱
織緒こん
BL
てんつぶさん主催、オメガの巣作りアンソロジー参加作品です。
初めてのオメガバースです。
前後編8000文字強のSS。
◇ ◇ ◇
番であるオメガの穣太郎のヒートに合わせて休暇をもぎ取ったアルファの将臣。ほんの少し帰宅が遅れた彼を出迎えたのは、溢れかえるフェロモンの香気とクローゼットに籠城する番だった。狭いクローゼットに隠れるように巣作りする穣太郎を見つけて、出会ってから想いを通じ合わせるまでの数年間を思い出す。
美しく有能で、努力によってアルファと同等の能力を得た穣太郎。正気のときは決して甘えない彼が、ヒート期間中は将臣だけにぐずぐずに溺れる……。
年下わんこアルファ×年上美人オメガ。
巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】
晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。
発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。
そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。
第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。
巣作りΩと優しいα
伊達きよ
BL
αとΩの結婚が国によって推奨されている時代。Ωの進は自分の夢を叶えるために、流行りの「愛なしお見合い結婚」をする事にした。相手は、穏やかで優しい杵崎というαの男。好きになるつもりなんてなかったのに、気が付けば杵崎に惹かれていた進。しかし「愛なし結婚」ゆえにその気持ちを伝えられない。
そんなある日、Ωの本能行為である「巣作り」を杵崎に見られてしまい……
回帰したシリルの見る夢は
riiko
BL
公爵令息シリルは幼い頃より王太子の婚約者として、彼と番になる未来を夢見てきた。
しかし王太子は婚約者の自分には冷たい。どうやら彼には恋人がいるのだと知った日、物語は動き出した。
嫉妬に狂い断罪されたシリルは、何故だかきっかけの日に回帰した。そして回帰前には見えなかったことが少しずつ見えてきて、本当に望む夢が何かを徐々に思い出す。
執着をやめた途端、執着される側になったオメガが、次こそ間違えないようにと、可愛くも真面目に奮闘する物語!
執着アルファ×回帰オメガ
本編では明かされなかった、回帰前の出来事は外伝に掲載しております。
性描写が入るシーンは
※マークをタイトルにつけます。
物語お楽しみいただけたら幸いです。
***
2022.12.26「第10回BL小説大賞」で奨励賞をいただきました!
応援してくれた皆様のお陰です。
ご投票いただけた方、お読みくださった方、本当にありがとうございました!!
☆☆☆
2024.3.13 書籍発売&レンタル開始いたしました!!!!
応援してくださった読者さまのお陰でございます。本当にありがとうございます。書籍化にあたり連載時よりも読みやすく書き直しました。お楽しみいただけたら幸いです。
待っててくれと言われて10年待った恋人に嫁と子供がいた話
ナナメ
BL
アルファ、ベータ、オメガ、という第2性が出現してから数百年。
かつては虐げられてきたオメガも抑制剤のおかげで社会進出が当たり前になってきた。
高校3年だったオメガである瓜生郁(うりゅう いく)は、幼馴染みで恋人でもあるアルファの平井裕也(ひらい ゆうや)と婚約していた。両家共にアルファ家系の中の唯一のオメガである郁と裕也の婚約は互いに会社を経営している両家にとって新たな事業の為に歓迎されるものだった。
郁にとって例え政略的な面があってもそれは幸せな物で、別の会社で修行を積んで戻った裕也との明るい未来を思い描いていた。
それから10年。約束は守られず、裕也はオメガである別の相手と生まれたばかりの子供と共に郁の前に現れた。
信じていた。裏切られた。嫉妬。悲しさ。ぐちゃぐちゃな感情のまま郁は川の真ん中に立ち尽くすーー。
※表紙はAIです
※遅筆です
孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる