究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

盛平

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フロンの町2

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 スープとパンの夕食を終えた後、エラルドは店主に質問した。

「店主、フロンの町は栄えていると聞いたが、だいぶうわさと違うな」
「それはもう五年も昔の事だ」

 エラルドの質問に、店主は吐き捨てるように答えた。

「以前のフロンは、東の町では大きくて繁盛していた。だが、奴らが住み着いてからは、」

 そこで店主は口をつぐんだ。エラルドが先を続ける。

「ザイラム盗賊団、がフロンの町の近くに住み着いたんだな」
「!。おい、あんた」
「俺たちは冒険者だ。ザイラム盗賊団を捕縛するためにやってきた」

 店主はエラルドを見てから、パティとロレーナを見た。

「人数は?あんたの他に何人いる?まさか子供たちは連れていかないだろうな?」
「人数は俺たち三人だ。パティは俺より半年早く冒険者になった。俺は冒険者になったばかり。妹は歳が足らないので冒険者見習いだ」

 店主は深いため息をついて言った。

「なぁ、あんた。早く名をあげたくて焦るのはわかる。こんなメンバーでザイラム盗賊団とやりあおうなんてどうかしてる。明日帰りな」

 どうやら店主はエラルドの話しを本気ととらえていないようだった。パティたちは上の部屋で休む事にした。

 翌日パティとマックスたちが身支度をして部屋から出ると、エラルドとロレーナの部屋は静かだった。

 パティがドアをノックするが返事はない。もう下の食堂に降りてしまったのかと思ったが、念のためドアを開けると、ロレーナがベッドでスヤスヤ寝ていた。

 ロレーナのとなりのベッドを見ると、エラルドはいなかった。ベッドは使用した様子がなく綺麗に整っている。エラルドは昨夜どこかに行って帰って来ていないのだ。

「ロレーナ、ロレーナ起きて?エラルドはどこに行ったの?」
「ううん。むにゃむにゃもう食べられない」

 パティはロレーナをゆりおこすが、彼女はまだ夢の中のようだ。こんなにぐっすり眠っていて起こすのはかわいそうだが、ずっとこうしているわけにもいかない。

 パティはロレーナを抱き起こすと、プラチナブロンドの美しい髪をくしですきはじめた。今日はポニーテールにしてみよう。パティはロレーナの髪をすいて髪型を自由に変えるのがひそかな楽しみだった。

 まるで可愛いお人形遊びをしているような気分になる。形よくポニーテールにして、顔を洗いにいかせると、ロレーナはようやく目を覚ました。

「お兄ちゃん?夜はいたよ。早く歯をみがきなさいとか、お風呂に入りなさいもかうるさかったよ。私がベッドに入った後は知らない」

 パティは仕方なくマックスたちとロレーナを連れて宿の一階にある食堂に向かった。
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